なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~   作:アークフィア

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それではそろそろお暇させて……え、ダメ?

「だー!!負けた!」

「これで今の勝敗は……どうなっているんだ?」

──皆さん大体二勝ずつしている感じ、ですね──

 

 

 はてさて、意外と白熱しているウノ対決は、いつのまにやら本題そっちのけでどこまでも加速していき──。

 結果、優勝商品まで出るレベルの大大会(だいたいかい)と化していたのだった。

 ……まぁ、商品と言ってもちょっと高級めなお茶菓子が出てくるー、くらいのものなわけだが。

 

 

「場所が場所だから、もっと良いものが出てくるんじゃないかと思ったそこの貴方、それをやると遊びで済まなくなる可能性大なので、これくらいのものでいいんですよ」

「誰に向かって説明しておるんじゃお主?」

 

 

 なお、すぐ近くに『星女神』様がいるんだから、もっと良いものを優勝商品に提供して貰うとかできるんじゃ?……とか思っている人がいるかもしれないので補足しておくと。

 

 その場合、今みたいなお遊びの大会ではなく、下手すると命のやり取りにまで発展する、ガチの試練と化す可能性が高いのでこれでいい……という話になるのだ。

 今私たちの近くに居るのは『私』の方の『星女神』様だけど、だからといって『公』の方の『星女神』様の影響が一切ない……ってわけじゃないからね、仕方ないね。

 

 ……まぁそんなわけで、色んなことそっちのけでウノ大会は白熱を極めていたわけなんだけども。

 

 

「ただいまー。まったくもう……って、なにやってるの貴方達?」

「……あ」

 

 

 そこに折よく(悪く?)戻ってきたキリアによって、色んな理由から若干暴走していた私たちは、強制的にストップさせられることになったのでしたとさ。

 

 

 

 

 

 

「……そもそもの話、これ五条君の事情云々の時点で大分本題から脱線してたんじゃないの?」

「いやそこはほら、ここから戻ったらその辺確認してる暇とか無さそうだから、今ここで語るしかなかったというか……」

「外に出たら早期解決を目指すから、って?……それでも、本格的に語りたいのならゆかりちゃんも混ぜてあげなさいよ、この件に関しては彼女も無関係じゃないんだし。自分のことなんだから知りたいに決まってる……ってのは、貴方にもわかる話のはずだけど?」

「アッハイ」

 

 

 いやはや、母は強しというやつだろうか。……え、これに関しては関係ない?

 まぁともかく、戻ってきたキリアによって半ば迷走していた私たちは本題へと立ち戻ることになったのだが……その前に十分反省していることを示すかの如く、みんなで正座を披露していたのであった。

 勿論(?)『星女神』様も含めたみんなで、である。

 

 

「……いや、貴方までなにをやってるのよ」

──いえ、こうして誰かに怒られるのは新鮮だな、と──

「貴方まで子供ポジションに行かれちゃうと、私が困るのだけど?!」

 

 

 まぁご覧の通り、『星女神』様に関しては悪ノリの産物のようなものだったみたいだが……ともあれ、今までの流れを断ち切るには丁度よいきっかけとなったことは間違いあるまい。

 

 そんなわけで、気を取り直した私たちは本題へと回帰することになったのだけれど……。

 

 

「一応聞いておくんだけど、キリアってば今までなにしてたの?私たちのお願いを聞いて先にここに来てるはずだったのになんでか居ないし、どころか寧ろこっちに余計な問題投げ付けるみたいな形になってたし」

「え?……あ、あー。ええとその、別に貴方達のことを蔑ろにしたわけではなくてね……?」

 

 

 その前に、偉そうにこっちに説教をしてきた彼女自身、こちらから怒られる理由があることを忘れているようだったので、そこを問い質すことに。

 彼女は最初「なんのこと?」みたいな顔をしていたが……それも一瞬。

 そもそも自分が何故ここに来たのか?……という元々の理由を思い出した様子で、ほんのり青褪めながらあれこれと弁明し始めたのだった。

 

 それによれば、当初はしっかり私たちのお願いを果たそうとしていたらしいのだが……。

 

 

「まーうん、貴方達にどうしても()()()()()()()()()()()()()って彼女から聞いたら、流石に反対するわけにもいかないでしょ?」

…………(눈_눈)(無言のジト目)」

──理由はまだ言えませんが、試練以外に貴方達がここに来る必要性があったことは確かですよ?──

「それはもしかして……」

「俺達も、ということか?」

──貴方達である必然性はありませんでしたが……【星の欠片】以外の誰かの同行が必要だった、ということは確かです──

 

 

 どうにも、『星女神』様に説得されて諦めた、ということになるらしい。

 ……まぁ確かに、彼女が『必要』と言うのなら逆らう方がおかしい、というのはわからないでもない。

 

 基本的に彼女の視座は私たちとは別軸であり、ゆえにこそ『必要』などという強い表現を使うことはほとんどない。

 彼女に取ってはあらゆる全てはただ流れるものであり、それに一々干渉すること自体が無粋・ないし不必要な干渉。

 相手から求められれば応じることもあるだろうが、彼女から自発的に動くということは──その影響範囲を鑑みてもほぼあり得ないことになるのだ。

 

 そんな彼女が、わざわざ『必要』と言いおいた以上、それはもはや必然のようなもの。

 ……いや、正確には満たさないとヤバい必須フラグみたいなものだろうが、どっちにせよ結果は同じ。

 ゆえに、キリアが当初の目的を諦めたというその流れそのものには、特に疑問を挟む必要性はなかったのだが……その内容の方が、微妙に疑問点の多い話になっていたのだった。

 

 そう、内容そのものは【星の欠片】以外の同行者が必要……という、そこまで複雑でも難しいモノでもないわけだが。

 そこに付随する条件──同行者の選定についての部分が不可解であった。

 彼女の言いぶりだと、どうにも今ここにいる面々である必要性はない、ということになるわけだが。

 では逆に、()()()()()()()()()()()()()()()()()……という条件にも読み取れることについての否定がない、というようなパターンとはなんなのか?……という、疑問が湧いてくるというか。

 

 単純に読み取るのであれば、【星の欠片】以外の存在がこの地に足を踏み入れることに意味がある、ということになるが……。

 

 

「そこに一体なんの意味があるのか、ってことでしょ?……まぁ今回の話には関係ないことだから、今は気にせず置いておきなさいな」

「うーん、地雷でも仕掛けられているかのような、そこはかとない不安感……」

「爆発するまで対処不可、というやつじゃのぅ」

「うーん予め対処しておきたい……」

 

 

 釈然としない様子の私に、キリアが気にするなと声を掛けてくるが……うーん、喉に魚の骨が引っ掛かったような違和感というか、はたまたなにか起こるのが目に見えているのに対策を練ることを禁止されているもどかしさというか……。

 ともかく、このもやもやは暫く解消される見込みは無さそうだ。

 

 仕方ないので彼女たちの言う通り、胸のうちにしまいこんで話を戻す。

 

 

「で?『星女神』様の説得に応じたことはわかったけど、そのあとなにしてたのよ?」

「……えーと、黙秘権は……」<チラッ

──別に隠すことでもありませんし、喋って頂いても構いませんよ──

「……あー、そういえばちょびっと話題に出したこともあったから、今さら必死に隠す必要もないのね……彼女からの許可も出たから言うけど、私は『月の君』様に会いに行ってたのよ」

「……あれ?『月の君』様って行方不明になってたんだよね?……見付かったの?」

「あーうん、見付かったというか、()()()()()()()というか……」

「……??」

 

 

 で、再び話を戻して、キリアがなにをしていたのかを聞き直したのだけど。

 どうやら、以前話題に出したこともある『星女神』様の対・『月の君』様関連の用事に駆り出されていた……ということになるようだった。

 

 確か、その話題が出た時は『月の君』様が行方不明になっていて、かつ『星女神』様でも見付けられない状態になっている……みたいな話だったか。

 まぁ、その辺りは私が心配しても仕方がないということで、当時は流していたのだけれど……ふむ、今の言い方的にはこっちが見付けたというより、『月の君』様側がなにかしらの手段で自分の位置を知らせて来た……みたいなことになるのだろうか?

 

 

「まぁそんな感じ。それと付け加えて置くけど、この話は貴方にも関係あるわよ」

「へ?なんで私にも?私が必要になるパターンが見えないんだけど……」

「『なるほど、私の居ない間にそんな面白……大変なことになっていたとは。……じゃあ、私の迎えには彼女を指定することにしようかな。そっちの準備ができたら合図をしてね、ここに来るための条件とか送るから』」

…………わぁ

「泣いちゃった」

 

 

 ……わぁ、なんか知らん内に、いきなり次のトラブルが予約されたんだけど?

 泣いていいかな、泣いていいよねこれは?

 

 思わず周囲に視線を向ければ、【星の欠片】ではない面々はよく分からないという顔をしながらも、なにか面倒なことに巻き込まれたのだろうなと察した顔をしつつ……。

 

 

「「敢えて言おう、ザマァwwww」」

「ぬぐぐぐ……」

(仲が良いのですね)

 

 

 巻き込まれた被害者としての面も強い彼らは、苦笑いをしているきらりんを除いて皆、同じような煽りをこちらに投げ付けてくるのだった。

 ……ぐうの音もでねぇ。

 

 

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