なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「……っていうか、そもそも本来の条件である【俯視】の話も終わってないんだけど?」
「そういえばそっちも『神断流』と同じ、とお主言っておったのぅ!!わしそっちも覚えたいのぅのぅ!!」
「うっわ(ドン引き)」
うーんこのスキルマニア(通算二度目のツッコミ)。
……まぁ確かに、『神断流』を例え話に挙げた以上、突然話題に上がった【俯視】も同じように普通の人に覚えられるモノである、という予測は間違いではない。
とはいえ、個人的にはこれを覚えさせてもいいものか?……みたいな戸惑いもあったりする私なのであった。
「えっと、どういうこと?」
「チャンネル云々の話は知ってる?空の境界で出たやつ」
「ええっと確か……人の常識のことだっけ?」*1
首を傾げるゆかりんに対し、例に挙げるのはチャンネルの話。
とは言っても放送局の話ではない……とも言いきれないのだが。実際元ネタの作中ではそれを例えに使った形だし。
人が見ている世界を一つの番組──放送局として捉え、超能力を持つものは他の人と見ている
そしてこれは、基本的に一人の人間に付き一つのチャンネルしか見れないモノでもある、と。*2
まぁ、ここでいう
「人間としては必要のない機能……というのが他の
「……いやちょっと待った、ここでそんな話をするってことは……」
「そ。件の【俯視】──『
「うわぁ」
で、ここまで語った上で【
この【星の欠片】は『神断流』と同じく、普通の人にも特に悪い影響を与えずに使わせることのできるモノの一つだと言える。
……言えるのだが、同時に能力そのものでなく
それが何故かといえば、
「見え方を増やす?」
「共感覚って知ってる?音が見えたり感触を味わったりするってやつ。あれに近い感じで、視界に情報を付け加えるタイプのやつになるんだよね」
妖精眼*3のように嘘が見えたりする、みたいな感じか。
それらと違うのは、この技能が与えるのは正確には見え方ではなく干渉方法である、ということ。
分かりやすくいうと、本来触れられないモノに触れられるようにする技能でもある、ということになる。
「……???」
「わかりやすいのはアクションゲームとかによくある『手に入れるとフィールドに変化が現れるアイテム』の類いかな。見えるようになったこととそれを活用できるようになったこと、それらは一セットではあるでしょ?」
「あー……マリオのスイッチとか?」*4
「まぁ、間違ってはないかな?」
視界そのものに特殊な効果を与えるもの、とも言えるだろうか?
そういう意味では一種の魔眼とも呼べなくもないわけだが……つまりそれは【俯視】が一種の超能力──
「あー……それでさっきの話に繋がるってわけね。二つ以上の
「まぁ、これも【星の欠片】である上に後付けのものだから、本来の超能力とかと比べると遥かにその辺りの危険性は低いんだけどね?」
原則的に他のものに負ける……言い換えると優先度が低いとも言えるのが【星の欠片】である。
そのため、その一つでもある【俯視】による常識というのも、その人が本来持ち合わせる常識と比べれば強度が低く、人格を汚染するまでの悪影響を及ぼす可能性はそう高くない。
なのに何故、私がこれを教えることを渋っているのかというと……。
「『逆憑依』って、チャンネル云々の話で見ると思いっきりチャンネルを増やしてる側なんだよね……」
「あっ」
そう、先ほども言った通り、基本的に人が持っていていいチャンネルというのは二つまで。
それ以上はなにがしかの異常を本人に来す可能性がとても高く、それゆえその愚を侵すことは承服しがたいのである。
それを踏まえた上で、私達『逆憑依』という存在を見ていくと。
……うん、初期段階で外見と内面、二つのチャンネルを持っていると認識できてしまうよね……。
なんなら相手が超能力者である場合、それが異界常識によるモノであるのならば別のチャンネルをさらに持ち合わせている、ということになってしまうわけで。
そんな相手達に【俯視】を教えるというのは、ある意味人為的かつ後天的にチャンネルを増やそうとしている、と見られてもおかしくないのだ。
まぁ一応?『逆憑依』における内面というチャンネルはそれ単体で一つ分と判定されるほど自我を出しているとは言えず、また【俯視】側も一つ分とはカウントし辛いので合わせて一つ──すなわち外見との合計でも二つになるだけ、みたいな解釈も取れなくはないけども。
その甘い見立てで飛び降りさせるのははたしてありなのか?……みたいな疑問は拭いきれないわけである。
いやまぁ、既に散々崖から突き落としてるだろ、と言われたら私は否定の言葉を持たないわけだけどね?
とはいえ、ゆかりんの『境界を操る程度の能力』とかはほぼほぼ別のチャンネルを増やしている側だし、ここら辺に【俯視】を教えるのは躊躇われることも間違いではない。
……ないんだけど、さっきのメモ的にゆかりんだけ例外、ともし辛いんだよなぁ。
っていうか、『呪術師』も特殊な素養を必要とする能力者として見るのなら五条さんだってそうだし、アクアやオルタは端から論外。
ミラちゃんなんかもろに魔眼持ってるからアウトだろうし、メロオロンさんは普通に
……となると、一般世紀末住人(?)なサウザーさんとかきらりんとかくらいしか安心できる人はいない、ってことになってしまうわけで。
うん、なんというかもう気にするだけ無駄かも、って色々投げたくなるのも無理もないみたいな?
「というわけで、とりあえず比較的安全そうな二人に試しに【俯視】を使って貰って、大丈夫そうなら他の人にも試してみる……ってことでいいかな?」
「……まぁ、それが安牌というやつだろうな。あいわかった、この帝王サウザーが先陣を切ってやるとしようではないか!」
「サウザーちゃんだけには任せておけないから、きらりも頑張るにぃ☆」
そうしてあれこれ説明したのち、とりあえずお試しで安全そうな二人に確認して貰い、特に悪影響が感知されなければ順番に安全そうな面々から試していく……という方向性で話は纏まったのだった。
なお、早々に試したくてうずうずしているミラちゃんはというと、危険性は一番くらいに高い(魔眼+仙人+転生or憑依?……と、チャンネルに該当しそうなものが多すぎる)ため一番最後である。
「何故じゃあ!?殺生過ぎるぞそれは!?」
「代わりにキリアから『神断流』の手解きを受けられると言ったら?」
「わしはいい子じゃからな。安全が確認できるまでは大人しくしておるよ」
(変わり身早っ)
それを告げた直後のミラちゃんは、それはそれは荒れていたが……別のエサをちらつかせたら即大人しくなった。
……いや、それでいいのか軍勢のダンブルフ……。*5