なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「オルトの調理、ねぇ。アイツの生態を知ってる身からすると、まさに『なに言ってるんだこいつ』って感じなんだけど……」
「トリコ世界なら探せばいそう、という辺りが恐ろしいですね……」*1
「その辺はインフレ世界怖い、みたいなもんと言うか……」
一番強い存在がいつまでも一番強い、なんてことは少年漫画においては許されないというか。
現実でも一強すぎると興醒め、とか言われたりするんだから仕方ないね!*2
……ってなわけで、そのうちオルトないしその近似種をリンゴをもぐかのようにムシャムシャする奴らが現れてもおかしくない、というトンでも論法で肯定していく次第である。
そもそもオルトって『オールトの雲』出身であることがほぼ確定的だし、そう考えると同じような個体が無数にいてもおかしくないからね!きのこそういうの好きそうな気がするし!*3
……とまぁ、ある程度のキチゲ*4を発散しつつ冷静に冷静にビークールビークール。
キルフィッシュ・アーティレイヤーよKOOLになれ。……ウッディ!!*5
「とてもではないが冷静ではない、という情報を積み重ね続けるのは止めたまえよ……」
「これが冷静でいられるか!言い出したのは確かに私だけど、それが許される世界だなんて認めたくないんだよ!!」
呆れたような声を掛けてくるライネスに、私はくわっと顔を強ばらせながら反論する。
……うん、今ももぞもぞしているだろうハロウィン・オルトは、確かに原種や亜種と比べると遥かに弱いのだろう。
だがしかし、そこは腐ってもオルト。
水晶渓谷ならぬ祭事渓谷となったそれは、周囲にハロウィンを撒き散らしながら広がっていく。
その性質こそ穏当であれ、それが世界規模のモノであることは疑いようがあるまい。
そう、腐っても世界規模なのだ、あのオルトは。
それゆえに、それに対抗できるものは限られてくる。
作中で『星を破壊できるものは存在としての位階が一つ違う』みたいな話があったと思うが、その例でいうと揃えられた四つの存在は過剰な戦力にも思える。*6
シン・ユニバースの面々はウルトラマンがわりと大概だし、それに準拠するように他の面々も大概。*7
イデオンは言わずもがな、ネオ・グランゾンは映像を素直に受けとれば宇宙級の火力持ち。
そういう意味では、トリコ君達は少し戦力として下がってしまうが……小松君の方が対象であったことで、特殊戦力的な意味で寧ろ重要度が上がったまである。
……ともかく、これだけ揃えればオルトも倒せるのでは?……と思うような面々であることは間違いない。
但し、彼らが原作準拠の能力ならの話だが。
「機動兵器類が混じってるからなんとも言えないけど……それでもシン・ユニバース組は何気に全部
「実際にはそんなことはできませんがね。少なくとも、私単独であれをどうにかしようとした場合、別空間への転送の時点で面倒なことになりそうです」
「あー、浸食固有結界……」
恐らく大半が【顕象】なのだろうが、だからこそ出力には上限が設けられてしまっている。
これが【鏡像】なら本家並みのスペックも出せたのだろうが……その場合は確実にこっちに敵対してくるため、結果として敵が増えるだけになるのが問題というか。
まぁ、『逆憑依』状態よりは遥かに強いのも確かなので、その点はまだマシとも言えるけど……だからどうした、と言われればそれまでの話でもある。
それはそれとして、先の四つの内オルトを安定して倒せそうなのはネオ・グランゾン一騎のみということになるが、同時にそれは彼が全力を出せる状況を整えられてこそ、という問題がある。
ブラックホールクラスターでは火力が足りない、となれば必要なのは縮退砲。
だがしかし、ゲームでの描写その通りの火力が出るのであれば、まず別位相への敵対者の転移を伴う必要性がある。
そこで問題となるのが、オルトがデフォルトで持つ能力──浸食固有結界。
周囲を自身にとって有利となる環境に作り替えていくその能力は、空間系の能力にとって恐ろしいまでの毒となる。
それは位相転移の場合でも変わらず、ゆえにネオ・グランゾンは実質的に位相転移を封じられている、と言い換えてもいい。
……正確には、オルトを対象としての位相転移が行えない、という形だが……どちらにせよ、オルトに対して攻撃するのに必要なフィールドを展開できない、という意味では結果的にオルトへの攻撃を封じられたのと同一だといえるだろう。
「もっとも、その辺りはあの無限力の使者に関しても同じことでしょうが。地上で振るうには射程無限、などというものは無用の産物どころか邪魔以外の何物でもないですからね」*8
「いやまぁ、それに関しては向こうが出力を絞るとかしてくれればなんとかるから……」
「絞ると思いますか?彼らが」
「……無理かな!」
……うん、争いを煽りながらそれでも融和せよ、みたいなこと言い出すのがイデである。
となれば、やる気の出ない時はともかくやる気満々の時に出力を絞る、なんて真似はしてくれそうもない。
なんなら無駄な長射程に巻き込まれる人を敢えて見逃している、くらいは言い出しそうだ。
そこら辺を踏まえても、イデオンを主戦力に据えるのは無謀の極みだろう。
となれば、ある程度手加減もできそうなシン・ユニバース組がメイン戦力としてはもっとも相応しい、ということになるのだが……あれはあれで四つにわかれていることが不安を加速させる。
特にシン・ゴジラ。……本来の方向性としてはオルトと同じ『人類の脅威』であることは間違いなく、育て方をミスると普通に敵対してきそうで怖いというか。
その辺りは、キリアちゃんがうまいこと誘導してくれてればいいのだけれど……今のところなんの報告もないからなぁ……。
「便りがないのは良い便り、ってことだと思っておくとして……とりあえず、今からするべきことはもう一回イデオンのところに行くこと、かな」
「おや、それは何故?」
「結局起動してないからだよ、アイツ。……【星の欠片】とは相性が悪いから拗ねて寝てるだけ、だったらいいんだけど」
はぁ、と小さくため息を吐く私。
……今現在育成中のシン・ユニバース組はともかく、まともに起動していなかったイデオンに関してはどうにかしてそのエンジンに火を入れる必要性がある。
その結果イデが普通に発現するのなら問題だし、しないのならしないで問題というか。
……一応、私がイデの代わりをしてエネルギー源になる、みたいなこともできなくはないが、手段としては本当に最終手段というか。
何度も言うがイデと【星の欠片】は相性が悪いため、下手にイデオンを私が動かすとイデがキレて殴り込んで来かねないのだ。
……まぁ、曲がりなりにも無限概念である双方がその程度の小競り合いで済む、というのはまだマシな方だとも思うのだが。
そんなことをぼやきながら、一先ずみんなで熔地庵へ移動したのだけれど……。
「……どうしてこうなった!?」
そこでこちらを待ち構えていたのは、溶岩を纏って襲い来るイデオン……という、色んな意味で意味不明な光景なのだった。
いや、マジでなにがどうなってこうなった!?