なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~   作:アークフィア

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戦え!シンユニロボ~侵略異星生命体、襲来~

 さてはて、勇者王扱いされないのなら戦隊ロボ扱いされ、オルト相手だとそっちの方が都合がいい……みたいな話をしたわけだが。

 とはいえ、それだけで倒せるかと言われればちょっと微妙、となるのも確かだったりする。

 

 

「あーうん、抵抗は絶対されるし()()()()()()それを期待されてもいるだろうからねぇ」

「プロレス……っていうとあれだけど、一進一退のハラハラ感は応援する意味って点では凄く重要だからね」

 

 

 ()()()()()()()()()()()()、そこまでに苦戦をすることを求められることもある。

 

 一応、判定としてはリベンジマッチになるはずだから、再び敗北寸前……みたいなところまで追い込まれることはないと思うけど。

 逆に言うと、相手側の格を下げないためにある程度いい勝負をすることを()()()()可能性はとても高い。

 特に今回の場合、確かにシンユニロボ側の補正も強いが、オルトに掛かる『型月最強の生物』という期待もまた強いのだ。

 

 

「なるほど……場の空気を利用する以上、観客達の内心と言うものは少なからず場を左右する、ということですか」

「まぁうん、言ってしまえば()()()()()みたいなもんだからねぇ、これって」

 

 

 ご都合と言い張るには不都合なことが多すぎるけども。

 ……ともかく、周囲の無意識を利用しているものである以上、都合のよい部分だけ利用する……みたいな使い方がある意味難しいのは当たり前。

 ゆえに、それを前提に置いた対応を求められるというわけである。

 

 今回の場合だと、幾ら戦隊ものの文脈を借り受けられるとしても楽勝にはならないだろう、みたいな感じか。

 相手が並大抵の怪獣ならそのまま押しきれたのだろうが、オルトは長い間設定だけで『型月最強』の称号を賜り、実際に登場したことでその名を確固たる地位にしたもの。

 ……その性質が無意識に『簡単には負けないだろう』という空気感を生み、結果として五分五分の勝負になる可能性がある……と。

 

 まぁ、そうなる理由の幾つかに、シンユニロボ自体がわりと歴史が浅い、って部分も含まれるのだろうが。

 

 

「シンエヴァを基準にするならそれなりになるんだけどね。*1でもあの四体が合体したのはつい最近だから、『シンユニロボ』自体の積み重ねが足りてない感じはあるよね」

「……神秘の積み重ね、とは少し違いますが……同じ事を思う人間がどれほどいるのか、という違いを場の空気を左右するものと考えると、確かにシン・ユニバースロボ側のイメージ面が足りないような気はしてきますね……」

 

 

 設定面だけなら多分十分なんだけどね。

 ……ともかく、色んな情報を考慮すると圧倒、とは行かずわりといい勝負するんじゃないかなー、というのが今の予想。

 それだと(長引くだけ不利なので)こっちの方が不味いんじゃないかと思われそうだが、その実その状況に持ち込むとオルト側もあくまで強力な生命体、程度にまで存在の幅を制限されるので()()()()()()()()()()()()を選択肢に入れられる分楽だったりするのだった。

 

 

「他のメンバー、ですか?」

「本来ならオルト相手に数を頼もう*2と意味はないけど、第一段階を抜けたあとなら恐らく問題はないのよ。その時点でオルトの絶望的な部分は抜けたあとだから」

 

 

 そう、一段階目の役割が『オルトの心臓を抜く』に相当する以上、必然的にそれを終えたあとのオルトというのは(言い方はあれだが)倒せるオルト、ということになる。

 圧倒的であることは変わらないが、辛うじて手が届く高さにはなった、というか。

 

 そしてそれは本来の──原作におけるオルトについての話であり、その減衰率をここのオルトにそのまま当てはめると中々爽快なことになる、というわけだ。

 

 

「なるほど、言い方を変えればシン・ユニバースロボと互角かそれより幾つか上、程度にまで下がっている以上数で押せばなんとかなると?」

「まぁ、他にこっちが見落としてることがなければ、だけどね。とにかく、第二段階ではとにかくシンユニロボを起点にみんなで殴り掛かるのが最善ってわけ」

「ふむ、では第三段階では?」

「それはね──」

 

 

 

 

 

 

(なーんてことを話してたんだっけか)

 

 

 はてさて、時間は進んで作戦開始後。

 第一段階の成就のためマシュがライネスを抱え、オルトの周りを走り回って宝具の準備をし始めてしばらく。

 

 こちらとしては危ない時に手を出す、くらいのちょっかいしか掛けられないのだが……。

 

 

「……んん?」

 

 

 オルトの攻撃を遠方から弾いた際、なにか嫌な感触がしたことをきっかけとして、注意深くオルトを確認した私。

 その時点では、相も変わらずハロウィンを撒き散らす姿しか見えなかったのだけれど……。

 

 

「んんんん……???」

 

 

 再度、マシュからトリコにライネスが手渡される際に遠くから邪魔した時、一瞬の触れあい……もとい衝突のタイミングでとても嫌な感触がしたことを確認し、思わずなんで?と首を傾げた私。

 

 

「どうされましたか、キーア」

「おおっと、えーと……」

「メカエリで構いません。ここにパイロットはいませんが、貴方は十分に信頼に足る存在だと認識していますので」

「あ、はいんじゃメカエリちゃん」

 

 

 そんな私を目敏く発見して声を掛けてきたのが、こちらの補助にとやって来た八人のエリちゃんズの内の一人、メカエリちゃん(一号機)。

 才気溢れる淑女としての面を強調した、とも言える領主らしさに満ちたエリザベート……みたいな感じの彼女は、見た目のトンチキさに反してなんというか、話しているとちょっと気後れするタイプの人物である。

 

 そんな彼女がこちらを気にしている、という辺り意外と気に入られているようで、なんでそんなことに?……みたいな気持ちもなくはなかったが。

 よく考えたらこのメカエリちゃんって、こっちのエリちゃんが原作の属性に合わせて分裂した……みたいな感じの存在だから普通に彼女の延長線上なんだなと納得したのだった。

 

 ……相変わらず言いたいことがわかり辛い?

 んじゃまぁ単純に言い換えると、こっちのエリちゃんの分身に近いから基本の記憶もこっちのエリちゃんだってこと。

 こっちのエリちゃんが私と仲が良いのだから、そこから分裂した扱いの彼女達も仲が良くて当たり前、というわけだ。

 

 その辺りはともかくとして、彼女は私が首を捻っているのを目敏く発見したようで、この状況でなにを気にしているのかを確認しに来たのだろう。

 

 なので、私はさっきの接触の際に感じたことを彼女に話すことに。

 

 

「……ふむ、拒絶、ないしは激昂ですか」

「まぁうん、あえて言語化するのならだけどね?」

 

 

 そう、私がオルトの攻撃を弾いた際に感じたのは、そんな感じの強い感情。

 まるで私自体に対して()()()()()()()()()()()()()()かのようなその感情の発露に、思わず困惑すると共になにか見落としがあるのでは?……と嫌な予感が浮上したわけなのである。

 

 そんな私の言葉を聞いて、ふむと思考の海に沈むメカエリちゃん。

 

 

「……キーアを厭う……?仮にあのオルトに原作での記憶があるのなら、より強い感情を抱くのは恐らくあちらの合体ロボのはずなのでは?……いえ、これも人民達の勝手な思い込み、あの勇者王(カマソッソ)あちらの勇者王(獅子王 凱)と同じ姿となったとは言い辛い……」

「ああうん、ネタで言ってたのが本当だった、って感じだけど見た目まで類似するかは別の話だからね」

 

 

 確かに、オルトが嫌がりそうな相手、というのを予想するとカマソッソになるのはわからないでもない。

 自身の心臓をぶち抜いた相手を嫌がる、というのは生き物として自然なのだから。

 

 ……ただ、幾らカマソッソが『獅子王 凱オルタ』と呼ばれていようが、それはあくまでもファン達の勝手な呼び方、非公式なもの。

 ゆえに、最終的なカマソッソの姿がガオガイガーに近いものになった、なんてことはありえないしそれをオルトが嫌うかもわかるまい。

 いやまぁ、場の空気的にはそんな感じなんだろう、って感じで周囲の思考の動きを誘導しているわけだけど。

 

 ……ただ、そんな話よりももっと重要なことがある。

 

 

「……そもそもの話、オルトって誰かを憎んだり恨んだりするの?」

「…………シバルバー、足掻きに足掻いたあの姿まで行けば、もしかしたらパイロット(主人公)に対してなにかを思う、ということもあるかも知れません。ですが確かに、あの姿のオルトにそのようなことを思う余分があるか、と問われると疑問が……あ゛」

「あ?」

 

 

 なんか今、メカエリちゃんらしからぬ声が聞こえたような?

 そんなことを私が思う前で、メカエリちゃんは冷や汗をだらだらと流している。

 

 ……それ、なにが流れてるんです?

 なんてツッコミを私がする前に、彼女は恐る恐るといった様子で声を発したのだった。

 

 

「……もしかすると、ハロウィンゲージのせいかも知れません」

「……はい?」*3

 

 

*1
最初の『序』から『シン』が完結するまで、大体14年ほど経過している。子供が生まれてから中学卒業するくらいの経過日数

*2
『数を頼む』とは人数の多さを頼りにして事を優位に進めようとすること。『レスレリアーナのアトリエ』の主人公(レスナ)が唐突にこの言葉を使い、武士みたいな言葉遣いだと話題になった(邪知に長けている、とか)

*3
※枠外解説はされていましたが作中人物は内容物に気が付いていません

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