なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「よく頑張った!ライネスは下がってて!」
「もう、もうこんな無茶はしないからな私は!!!」
長い時間稼ぎの結果、ようやく『
……とはいえこれもあまり長引かせると適応されかねないため、ここからは時間との勝負となるだろう。
ゆえにスカジに合図を送り、領域の押し合いから純粋なバフへと効果の変更を打診。
こちら側のステータスの向上を図り、そのままオルトとの混戦へと移行していく。
「まぁ、ここまで来ても私がすることは補助だけどね!くらえピンポイントイデオンパンチ!!」*2
「なにその意味不明な技!?」
イデオンソードを伸ばさず手に集中させて殴るだけの技ですが?『
いや、結局あんまり直接触れたくない、ってのは変わってないんだよね。
イデが向こうに含まれてる、ってのは変化してないわけだし。
無論、仮に触れたとしても早々に負けるつもりはないけど……仮に負けたら元々中に入ってるもの、という性質からイデはするっとイデオンに戻るだろうし、その流れに乗ってオルトもイデオンに侵入するだろう。
そうなったらいつぞやかの懸念──オルト・イデオンの完成である。……悲惨どころの話ではないので避けるのが当然、というか。
「いやまぁ、そもそもの話オルトの中にイデがある、って現状がアレと言われたらそうなんだけどね!?」
『確かに。ハロウィンでなければ既にゲームオーバー、と言ったところですねぇ』
うん、ハロウィンゲージ内にイデがいた、ってこと自体が既にダメと言われりゃそりゃそうだ、としか言えないんだけどね!
そのせいで私が無理して前に出なきゃいけなくなったわけだし!
……逆に言うと、ハロウィンにしか使えないものに含まれていたからこそ、(比較的)大事にならずに済んでいるわけでもあるのだけど。
それと同時、イデがイデオンに戻るというのは『ハロウィンから抜ける』ということになり、ついでにオルトの方もハロウィンから抜けることになるのでダメ、という話に繋がるわけなのだが。
ともかく、メイン戦力はシンユニロボに任せ、私は補助に集中。
遠く離れた位置からでは行えなかったパリィを率先して行っていく形になる。……え?なんでそんなことする必要があるのかって?
「可能な限り教導してみましたが……付け焼き刃程度、と言われれば言い訳はしません」
「仕方がない!下手なこというと暴走してた可能性もあるんだから、それがなくなっただけでも十分十分!」
そう、シンユニロボ側が若干ぎこちない動きだから、というところが大きい。
彼らの調整はキリアちゃんに任せていたわけだが、それが最後まで進まなかったというわけだ。
……とはいえそれも仕方のない話。
彼らは『シン・ユニバースロボ』としての自覚すら薄い状態だったのが、そこから合体してキリアちゃんの指示を聞くところまで進歩しているのだから、むしろ成長速度的には結構なものなのだ。
単純に時間が足りなかった、というだけの話でしかないし、それでも最終的な状況の再現・ないしその空気には問題ない、と判断したからこそ実践投入したわけなのだし……みたいな感じというか。
まぁ、まともな戦力が彼らと言うだけで、それを補助する面々は寧ろ豪華にも程がある感じなんだけど。
ともあれ、その辺りの戦力使用の割り振りは調理長である小松君の領分、ということになる。
オルトの最終的な無力化にはこれが必要、という部分があるので疎かにするわけにはいくまい。
「そういうわけで悪いんだけど、鉄火場任す感じになってごめんね!一応涅槃寂静の視点をそっちにも共有しておくから、それで大筋は確認してね!」
「は、はい!わかりました!…………どうやってこのモニターに共有してるんだろうこれ……?」
そんなわけで、当初の予定とは違い前線に出てくる羽目になったため、自動的に小松君も鉄火場入りである。
なお現在の彼の居場所はCメカのコクピット。
……Bメカが空いてるのはそこが大分不吉だからであり、それ以上の意味はない。
いや、作中のBメカ搭乗者みんな死傷してるからそりゃ避けるでしょ、というか。*4
ともあれ、Cメカのモニターに涅槃寂静による俯瞰視点を共有し、少しでも彼の全体把握の助けになるようにしておく。
そうした配慮を方々に投げつけながら、私はオルトの攻撃をパンチで捌き続けるのだった……。
「くらえエクスカリバー!これもある種の逸話特攻じゃい!」
「詭弁にも程がありますが……実際よく効いていますね」
右手を手刀の形にし、エネルギーを纏わせ短めのイデオンソード扱いにする……。*5
まさしく小手先の技、という感じだがこの形式がそもそも聖剣のそれを思わせるため、案外オルトによく効くというか。*6
……本来外敵特攻なんぞ発生するわけもないのだが、これもある種の名前繋がりというわけか。
そんなやり取りを行いながら戦闘を始めて早数十秒、戦局としてはなんとも言い辛い感じになっていた。
私やグランゾンの攻撃は決定打にはなりきらないため、シンユニロボによる必殺技を叩き込む必要があるのだが……先ほどから何度も避けられている始末。
これは、キリアちゃんの指示を受けてからシンユニロボが動く、というラグがあるからこその問題……とでも言うべきもの。
わかりやすく言うと、彼女の指示をオルトが耳聡く聞き付けて回避してるのである。……口頭による指示の思わぬデメリット、というか。
そのため、現状与えられているダメージは私やグランゾンによる(比較的)ちまちまとしたもの。
オルトを打倒するには全く足りておらず、そうこうしているうちにスカジのフィールド効果が発動限界を迎える懸念がなされており、中々厳しい状況である。
「この話の面倒臭いところは、スカジのフィールドだからこそここまで耐えてる、って部分だよね」
「と、言いますと?」
「
オルトのフィールドにはなるべく触れたくない、何故なら適応が進むから……みたいな話があったような気がするが、実はこれに関しても先の『混元一陣』によって弱体化させられている。
それは純粋な侵食力の面でもそうなのだが、それ以上に同時に対処できるものの数が下がっている、という点が一番低下している・劣化させられている部分になるのだ。
言うなれば、さっきまでは問答無用でなにもかも触れたら消していたが、対象が無数で無量であれば寧ろ押される形になった……みたいなものというか。
いやまぁ、どっちにしろ対応力の化け物であることは変わらないのだけど、処理落ちを狙える分今の方が楽なのは確かなわけで……。
ともかく、今のオルトは原作における分析・対応力もガクッと下がっており、その部分を突くのにスカジのフィールド・もとい宝具はかなり有効になっているのだ。
その一番の理由は、彼女の分類。
現状の彼女はアークナイツのキャラともFGOのキャラとも言い辛いものとなっており、結果として適応・対処のために検索するべき情報が膨大なものになってしまっているのだ。
本来ならばそんなことでオルトが処理不良を起こすことはないのだが、現状のこいつはその辺りの演算力ごと低下している状態。
結果、取捨選択するべき情報を全て確認してしまうようになっており、結果としてスカジという存在そのものが認識し辛くなっている……と。
無論、彼女だけがそうであるというわけでもない。
イデオンを使う私も、四つの作品が混じっているシンユニロボも、中身の邪神が実は何処産のものなのかわからなくなっているグランゾンも、全てオルトにとっては演算しにくい存在。
ゆえに誰が相対しても、今のオルトにとっては面倒臭いものなのだが……とはいえ相対し続けていれぱそのうち解析されるだろう、というのも間違いではない。
腐ってもオルトということか、現状のこいつは自身の弱体化原因である『混元一陣』に狙いを絞っている。
そのため、その弱体化が解けた途端に牙を剥いてくることは確定だろう。
……まぁ、単に『混元一陣』を解いただけだとハロウィン属性に関しては外れないため、単に最初の状態に戻るだけではあるのだが。
なので、どうにか効果時間の間にオルトを沈黙状態にまで押し込んでおきたいのだけれど……。
「こんだけ攻撃して元気となると、シンユニロボの攻撃以外で致命傷を与えるのは不可能に近いのかもねぇ……」
「もしくは、なにかしらのギミックがあるか、ですね」
相も変わらずピンピンしているオルトの姿に、私は思わず苦い顔をしていたのだった。