なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「ん、私達を探してるって聞いた。だから自己紹介」
「あ、これはご丁寧に……」
そんなわけで一人目、ついに現れたブルアカからの刺客・砂狼シロコである。*1
……なんかどうも、純粋な本人と言うよりはネットミームに染まった結果としての彼女っぽいけど。
「……どうしてそう思ったの?」
「いやこう、なんか肉食系の空気感が……」
「ん、正解。仕方ないから銀行を襲う」*2
「仕方ないから!?」
あーうん、これは本人かは微妙ですわ(真顔)
……先生役がいないから先生
逆に言うと先生に相当する相手がいたら襲いかねない(性的に)ってわけなのだが。……どうしてこんなキャラになってるんだこの人……。*3
「ん。他のキャラは知らないけど私は知ってる、って人は多い。あと真似しやすい」
「あー……実態はともかく、無口系のキャラっぽいもんね……」
ギャグ汚染を払拭するのは難しい、みたいな話だろうか?
……ともかく、そんなシロコさんは私たちに一言挨拶すると、パオちゃんやハクさんの方へと歩いていったのだった。
で、そうこうしてるうちに次の人が早速近付いてきたのだけど……。
「私が挨拶に来たじゃない。盛大に歓迎するじゃない」
「うわ、さっきよりもミーム汚染が酷い」
「……仕方ないじゃない。本当はそんなに『じゃないじゃない』言うキャラじゃないけれど、そこを抜かすとそもそもポッと出キャラに近いからキャラ付けが薄いじゃない」
「自分で言うんだそれ……」
そう、この喋り方からわかるように(?)、次に私たちに近付いてきたのは七崩賢・断頭台のアウラ。*4
こちらも同じように、ネットミームの影響が大な状態での顕現である。……いやなんで?
いやまぁ確かに、彼女の言うことも一理ある。
彼女の出番は短く、アニメにおいては三話ほど、それもしっかり登場している部分に限ればさらに少なくなる、という始末。
一応、『葬送のフリーレン』は過去の回想も多い作品であり、そのうち再登場する可能性はなくもないが……少なくとも、グッズ化においてあんなに推されるようなキャラとは言い辛いのである。*5
であるならば、何故彼女がここまで有名なのかという点だが……それこそミーム化による恩恵、と見た方がわかりやすい。
彼女のやられ方があまりに特徴的であったため、そこから見出だされる属性が誇張されやすい土壌が整っていた、というべきか。
「だから、逆に
「その姿に纏めきれない、みたいなやつだよね。……【顕象】だからこその悩み、みたいな?」
「まぁ、そんな感じじゃない。個人的にはどうにかしたいから、これから頑張っていくじゃない」
「それはなんというか……頑張って?」
「なに他人事みたいな顔してるじゃない。アンタもそのうち巻き込まれるじゃない」
「はい?」
「私の種族。忘れたとは言わせないじゃない」
「……あー、なるほど。今はこんな感じだけど、本来放っておいていいタイプのキャラじゃないと……」
「そうじゃない。今はミーム分が勝ってるからいいけど、そうじゃなかったら即殺処分が妥当じゃない」
「さっきから言ってるけどもう一度言うよ、それ自分で言うの!?」
「そこら辺はミーム様々じゃない」
いや、胸を張るようなことかなぁそれ。
……『葬送のフリーレン』における魔族というのは、原則わかりあうことのできない存在だとして定義されている。
生存のために必要なのかは定かではないが、人を騙し殺し食らう生態を持つ、として原則敵対者以外の何物でもない扱いを受けているというか。
一説によれば、魔族達には罪悪感がなく、そこから発生する忌避感もない。
忌避感そのものは存在するが、あくまでも自身の生存に影響をもたらすものに対しての忌避感であり、人における道徳観のようなものは発生し得ない……と。
動物みたいなもの、というよりは昆虫的な思考、というべきか。
いや、虫も時折愛に近いものを抱いているとされる時があるし、そういったものとは無縁であるとされる魔族達はもっと意味のわからないものというか?
ともかく、本来の魔族が人類にとっての明確な敵対者である以上、こうして現れたアウラも向こうの価値観に沿うのであればさっさと倒してしまうべき、というのはわからないでもない。
その辺りを躊躇わせる、ないし止めさせる理由と言うのが、今ここにいるアウラがミームに汚染されきった姿だ、という部分。
本来持ち得ない倫理や愛について、なんとなくでも理解できるようになっているため、その違いによって彼女は【鏡像】ではなく【顕象】に分類されているわけだ。
無論、彼女がこれから自身の変革を望む場合、その先に
そしてその道に進んでしまった際に、彼女が【鏡像】として再認定されてしまう可能性もまた、しっかりと用意されていることは疑うまでもない。
それを避けようと思うのであれば、彼女との交流は必然避けるべきではない、ということになり……。
「……私が言うのもなんだけど、貴方って生きてるだけで問題を引き寄せる体質なのね」
「事実だとしても明確に言葉にされると辛いなぁ……」
「まぁ、精々頑張るじゃない」
あれだ、これこの人も居候に加えた方がいいな?
……と、遅蒔きながらに気付いたのだった。ええい、肩ポンするんじゃないスカジ!
まぁ、連れていくにしてもこの挨拶周りが終わってから、ということで一先ず離れていくアウラを見送り、次の面会者に顔を合わせる……前に、飛び込んできたトラブルに対処する羽目になる私である。
「助けてほしいんだが???」
「素敵だね」
「恐れていたことが現実に!?」
それは、オグリとルドルフの邂逅。
……オグリの方はともかくとして、ルドルフはたぬき成分の強い個体。
つまり、計画段階の謎PV──スケートするオグリとルドルフ、という意☆味☆不☆明のノリを思いっきり引き継いでいるわけで。
結果、気持ちの悪い状態でオグリに付き纏うルドルフ、というある種の地獄絵図が展開されていたのだった。
これにはタマモも思わず唖然……とはなってないようで。
「よー考えてみ?うちのオグリってどういうキャラや?」
「どういうキャラ、とは?」
「持っとるスキルをよー思い出してみぃ、ってことや」
「持ってるスキル……『
「そういうことや。……そもそもそこらの女子みんなメロメロにしとるような奴が、今さらカイチョーさん引いたかて言うほど問題になってへんやろ、というか」
「あー……」
その理由と言うのが、オグリの持つスキル。
私が知るのは
このスキル、発動中はナチュラルにフランス騎士っぽい動きになるのである。
言うなれば
これのなにが問題かと言うと、本気で走ると基本的に『王の友』がアクティブになる、という点。
必然的に、誰かが屋上から落ちそうになっているのを助けたりすれば、颯爽と駆け付ける形になるし。
全力で運動した際は、汗がきらきら輝くような姿を周囲に見せ付ける形になる。
……女子校の王子様状態を容易に発生させると言えば、その問題点も見えてくるだろうか?
結果、今のオグリは女性ファンが滅茶苦茶多いのだ。
そのため、今さらルドルフがちょっかいを掛けてきたところで問題なんてあるはずがない、というか。
じゃあなんで助けてくれ、なんて言ってきたのだろう?
「そんなものは決まっている。私は誰かのものになる気はないからな。結果、こうしてルドルフが近付いてしまうと、他のお嬢様方に嫉妬されてしまうだろう?」<キラッ
「えっ……」<トゥンク
「今ときめく要素あったかな?」<ヒソヒソ
「恋は盲目言うからなー。なにやってもときめくようなお年頃なんやろ」
(´´^`)「止めるし……私が惚れっぽいみたいなことを言うのは止めるし……」
……返ってきた答えはこれである。そのうち刺されるんじゃねーかなこの人(真顔)
いや、困ってるのは困ってるんだろうけど、
これ、真面目に取り合う必要ないんじゃないかなー。
そんな感じで白けてしまった私が、一先ず彼女を放置して挨拶に戻ったのはある意味仕方のないことだと思う。
勝手にやってろ、ぺっ。……みたいな?