なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~   作:アークフィア

979 / 1297
相方役を任せていいかい?いいともー(古い)

 さて、私が向こうとのタイミング調整のため、連絡役に掛かりきりになると決まったせいで、その他のほとんどのことをやる羽目になった束さん。

 それによる負担増とそれに伴う心労の増加を前に、彼女は胃を押さえていたのであった。

 

 

「他人事みたいに言ってんじゃないよぉ!!」

「いや実際他人事だし。正確には他人事になっちゃったし」

「うがああああああ!!!」

 

 

 あらやだ淑女らしからぬ叫び声。

 

 ……とはいえ、今回に関してはどうしようもない。

 先ほどこの世界と外の世界を繋いで連絡するには【虚無】が必要、みたいなことを述べたが。

 これは比喩でもなんでもなく、現状【虚無】以外の連絡手段はなにもないに等しいのである。

 

 

どういうことだよぉ……

「さっきも少し触れたけど、今回の一件で問題になってるのは『連絡の際に時間の同期が起きてしまう』って部分。それも普通なら正確な時間に同期するように動くのが普通なのに、こっち側の優先度が高いせいで向こうがこっちに合わせてしまう……っていう結構深刻なやつだね」

 

 

 一応、【星の欠片】の原理的にはこっちの優先度が高いと言うより、こっちが一種の穴のようになっていて周囲が落ちてきてしまう……みたいな感じの方が近いのだが。

 

 ともあれ、同期が発生するような行為をすると強制的に落とされる……というこの状況はあまりいい状態とは言えまい。

 特に、なんの対処もせずに何度も各世界間を行ったり来たりした日には、それこそ世界が歪むレベルの問題が発生してもおかしくないだろう。

 

 

「……そのレベルなんだ?」

「実際の部分では違うとはいえ、外の世界だけを基準に見ると()()()()()()()()()()()()()()()()()ようなもんだからねぇ」

 

 

 まぁ一応、理由は明白なんだけどね?

 でもこれを世界単位で見ると原理不明、みたいなことになってしまうわけで。

 そこら辺は【星の欠片】案件特有の理不尽判定、みたいなものになるわけだが……問題はここから。

 

 この同期による時間の揺り戻し。

 これは、【星の欠片】以外のあらゆる手段による連絡全てで起こりうるのである。

 

 

「……はい?」

「正確には、【星の欠片】ほど小さくないと問題をすり抜けられない……みたいな感じかな。まぁ、そもそも同期による揺り戻し自体が【星の欠片】によって引き起こされている以上、それを回避できるのもそれより小さいものしかないのは当たり前なんだけども」

 

 

 とはいえ、それ以外の手段も行けるのとそれしか手段がないのは明らかに別、というのはわかるだろう。

 ゆえに、結果として【虚無】以外での連絡手段を現状用意できない、という話になってしまうわけだが。

 ここで別の問題の種となってくるのが、【星の欠片】を連絡手段として用いる際の制約部分。

 

 

「【星の欠片】を使っての連絡ってのは、わかりやすい例で言うと量子もつれ……量子的な繋がりを持った粒子はどれほど遠方であれ瞬時に情報を伝える、ってそれに近いんだけど。それゆえに問題点も近いんだよね」*1

「……予め繋がりを作っておく必要がある?」

「そういうこと。私とキリアは元々繋がりがあるからその辺はクリアできるけどね」

 

 

 裏を返せば、例えこの世界より小さい【星の欠片】でも、いきなり外に連絡ができるわけではないということになるわけだが。

 繋がりを作るというのは、ある意味で外と内とを繋いでいるに等しいわけだし。

 

 

「確認が取れないほど小さいけど、そのタイミングで繋がったという事実は確認されてしまうから同期が起きるわけだね。だから、今から新しく外に繋がりを作ろうとするのは非推奨ってことになる」

 

 

 まぁ、実は【虚無】だとその辺りもなんとかなるのだが。

 ……()()()()()()()()()()のだが。

 

 

「……なんで不穏な言い直し方したのさ?別になんとかなるならそれでいいよねぇ!?」

「ふふふーなんとかなるんだよーなんとかできちゃうんだよぉー」

「うわー!!やめろー!!いやな予感しかしなーい!!!」

(仲いいわねこの二人……)

 

 

 なんだかしのちゃんから生暖かい視線が飛んできてる気がするけどとりあえずスルーするとして。

 

 そう、今しがた触れた通り、先ほどまでに触れた問題点というのは、原則【虚無】ならばほぼ無視することのできる問題でしかない。

 同期の誘発は、その下から数えられるレベルの小ささにより余裕で回避可能。

 外との繋がりが必要という点に関しては、私とキリアなら既に繋いでいるので問題ない。

 また、今現在よりも多めな繋がりがいるというのなら、増やすことだって可能だしそっちもさっきの制限には引っ掛からない。

 

 ……そう、()()()()()()()()()()()()()()()()

 この言葉を聞いておかしいと思わないだろうか?既に繋がりがあるのに増やすとは?……みたいな感じで。

 

 

「ま、まさか……!」

「そのまさか!例えで量子もつれを持ち出したのは完全にフラグ!そう、私とキリアの繋がりというのは、そもそも()()()()()()ということを自覚させる程度のもの!言い換えるとこれ使って連絡とか無理じゃボケ、程度の最低限のものしかないんだよ──!!」

「ぎゃー!!?」

 

 

 そう、確かに問題はない。

 ……ないが、それはこのまま進めても問題ない、というのとは別問題なのである。

 具体的には、現在私が向こうに渡せる情報というのは、点灯(はい)消灯(いいえ)の二種類。

 無論向こうから得られる情報もこの二種類だけ、一応モールス信号などを併用すればもう少し情報を投げることもできるだろうけど……。

 

 

「生憎向こうはどうか知らないけど、少なくとも私の側がモールス信号未履修なんだなぁこれが!!」

「ホゲァー!!?」

(偉そうに言うことなのかしらそれって……)

 

 

 キリアはできてもおかしくなさそうだが、反対に私の側にそんな学がない!!

 ……というか、そもそもそんなもん使わずとも繋がりを増やして渡せる情報を増やした方が速いのだ。

 

 なにせ【星の欠片】は無限によってあらゆる難題を踏破する存在。

 ゆえに単調なオンオフの信号も、束ね連ねてコンピューターの真似事にしてしまえばいいのだから。

 

 

「まぁその場合、十分な情報のやり取りのために繋ぐ必要のある【虚無】の数的に、私は他の部分で役立たずになるってわけだがなぁ!!」

「ぐあああああああ!!!」

 

 

 で、前もって述べた通り、それを十全にやり遂げようとすると他の手伝いまるっきりできなくなるわけだが。

 ……いや、一応多少ならできなくもないんだけど、本当に多少──精々子供一人分の労力しか確保できないため、ほぼ役立たずとしか言い様がない状態になってしまうわけで。

 

 

それでいいからおいといて

「お、おぅ」

 

 

 そんなことを伝えたところ、それでもという彼女の切実な訴えを聞くことになり、私は若干引きつつもそれに答えることにしたのであった。

 

 

 

 

 

「……元々背丈的に子供みたいなもんじゃん、って思ってたんだけど」

「……なんですかたばねさま。なにかごふまんでも?」

「……もはや幼女じゃん!!くーちゃん枠かなって思ってた私のわくわくは!?溜飲を下げる機会は!?」*2

「ふじゅんなことをおもっていたたばねさまのミスだとおもいます」

「ぬあああああああ!!」

 

 

 なにをおっしゃってるんでしょうねこのダメおんなは(ため息)

 ……おっと、じこしょうかいがおくれました、わたしはキーアののうのいちぶをしようしげんかいしているぎじじんかく?てきなものです。

 とくによびなとかはないのでてきとうにぷちきーあ、とでもおよびください。

 

 

「ううう……なんか本人より遥かに愛想が悪いし……」

「まえもっておつたえしたとおり、きほんてきにぎりぎりつかえるようりょうからひねりだしたものですので。かんたんなうけこたえいじょうをもとめるほうがばかなのではないかと」

「うわー!!なにこの毒舌幼女ー!!」

 

 

 ……さっきからたばねさまがおっしゃってることからわかるように、いまのわたしはキーアほんにんのななわり?くらいのさいずかんです。

 ようじょあつかいもむべなるかな、というやつですね。ことばつかいもしたたらずですし。

 

 なお、たばねさまのあつかいがざつなのは、なんとなくそっちのほうがよろこびそうだとおもったからだったりします。

 

 

「…………」

「……黙ったってことは、この子の言ってること本当なの?」

そ、そそ、そんなことはないですよ……?

「そうだって白状してるようなものじゃない……」

 

 

 まぁ、どくしゃのかたがたはおわかりかとおもいますが、きそじんかくこうちくのさいせいじょのキリアをベースにしているから『こんとん・ぜん』なたばねさまとはあいしょうがわるい、みたいなところもあるとおもいますが。

 

 ……なんだかじすうかせぎとかでおこられそうなので、じかいからはじのぶんだけはかんじありにしときますね、はい。

 

 

*1
量子に起きる特徴的な現象の一つ。これが発生している状態の量子は、例え銀河の果てから果てほどに離れていても自身の状態の変化に伴う影響を相手の量子に瞬時に与えることができるのだとか

*2
『IS〈インフィニット・ストラトス〉』に登場する束の側近である少女、『クロエ・クロニクル』のこと。作中人物の一人ラウラ・ボーデヴィッヒの姉に当たるとされるが詳細は不明

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。