なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「ねぇ、行かなきゃダメ?」
「ダメに決まってるでしょう、下手するとこっち来ますよ
「いくらなんでもアクティブ過ぎないかなぁ!?」
唐突な『星女神』様来訪からはや数分。
当初いつまでも戻ってこない私に憤慨していらっしゃる様子だった束さんですが、こちらの憔悴した姿を確認したことでなにがあったのかを確認することを優先。
……結果、何故か現れた『星女神』様の報に、「なんで?!」と叫び声をあげることとなったのでした。
まぁ、なんでと言いつつ答えはすぐに理解できたわけなのですが。
「……この旗、『月の君』が刺したとかなんとか言ってたねぇ……」
「それを知った『星女神』様が顔を出すのはある意味必然、ですねぇ……」
その理由と言うのが、そこらに刺されたのぼり──『キーア様ご一行大歓迎』の旗と、それを設置した人物。
……はい、ささらさんがそれについて言及していらっしゃいましたね、『月の君』様が設置して行った、と。
いつぞやか
……ですが、何故かこの世界では『月の君』様の方が彼女から逃げるように隠れている、という始末。
ゆえに、『星女神』様の方は(最優先ではないものの)『月の君』様を探し続けていらっしゃる様子。
先ほど少し触れたように、余計な問題にならないよう
ですがそれは彼女が意識して行っていたことではなく、【星の欠片】の代替わりにおいて余計なことが起こらないように、という親切──言い換えると
……察するに、
結果、自動的な自分の側面に任せられるような話ではない……と判断し、現場に顔を出す気になったと。
まぁ、それ自体は構わないというか、寧ろ彼女のバックアップを期待できる分ありがたくすらあるのです。
仮に
問題があるとすれば、彼女と関わるのが今回初めての人々のパフォーマンスに与える影響……ということになるでしょう。
扱いとしては【星の欠片】でもなんでもなく、この件については特に気負う必要のない束さんでさえどことなくそわそわと落ち着かないのです。
況んや、【星の欠片】そのものである他の面々においてをや……というか。
「あーうん、わかりやすく言うと現場に社長がやってきた、みたいなもんだもんねこの状況。一体なにを言われるやらと戦々恐々するのが当たり前、みたいな」
「それでも現場に詳しくない社長なら、なにか言っていても『現場を知らない奴が戯れ言を』みたいな感じに逃げられるんですけどね。……『星女神』様はその例で行くと叩き上げで社長になったタイプなので……」
「適当なことは言わず、適切な指摘が飛んでくる……他人事なのに震えてきたんだけど束さん」
はぁ、とため息を吐きながら溢す束さんに、然りと頷く私。
……質の悪いことに、本来はそこで済むはずが『星女神』様相手だとそこで済まない可能性があるので、結局のところ束さんも巻き込まれてしまうわけなのですが。
「【偽界包括】だっけ?あらゆる世界のコピーを体内に持つ……んだとか?」
「ある程度の規模を持つ【星の欠片】ならば、誰しもが持つものなんですけどね。『星女神』様はその規模が広すぎるんです」
「……誰でも持ってる、ってのは初耳なんだけど?」
「あれ、
少なくとも束さんは聞いた覚えがないなぁ、と苦笑する束さんに、ふむと顎に手を置く私。
……【偽界包括】は世界のコピーを
私たち【星の欠片】が持つ性質の一つであり、それもまた歴とした【星の欠片】の一つでもある……という存在。
正しく表記するとこうなるわけで、少々……大分?わかりにくくなるのですが、この辺りは全て一言で片付けることもできます。
「具体的には?」
「私たちは
「あー……ニンテンドーDSでゲームボーイ系のゲームが全部?使えた、みたいな話?」*1
「近いと言えば近いですね」
私たち【星の欠片】はその性質上プログラムに近しく、またその上での共通項として『より下位の存在は、上位となるものを無理矢理に再現できる』というものがあります。
いわゆる互換性に当たるものですが、それによって再現されるのが【偽界包括】というわけです。
これは他のもの──具体的には【
何故かといえば、それが便利だから。
無限の数でなにごとも無理矢理達成するのが【星の欠片】ですが、なにも考えずにそれを行うと相手となる概念・人・物などを用意に破損させかねない。
そもそも世の中に存在するモノのほとんどが『無限』を計算に使うことを想定していないのだから、当たり前といえば当たり前なのですが……。
ともかく、相手を慮ると無茶をするべきではない、となるのは当たり前の話。
結果、
まぁわかりにくいので、ショートカットキー*2として他の【星の欠片】が登録されている……くらいに思っておくといいと思います。
「なるほど。で、【偽界包括】?はどういう風に便利なの?」
「改変前世界のバックアップなどに便利ですね」
「思いの外ガチめのやつ来ちゃった!?」
で、話を【偽界包括】に戻しますと。
これは特定の世界を自分の中に
それゆえ、変化してしまった世界と元の世界との差異を探る際に有効であるほか、いわゆるアンドゥ──
「そう聞くと便利というか、必須技能のような気がしてくるでしょう?私たち【星の欠片】は些細なことで世界を変革してしまうような存在。望ましくない変化を引き起こしてしまった際、それを無かったことにできるようにしておくのは寧ろ当たり前の備え……というわけです」
「理屈の上ではわかるけど、ひたすら恐ろしい話でしかないよねそれ!?」
まぁ、恐ろしい話ではありますね。
先に『星女神』様のそれは規模がおかしい……と述べた通り、他の【星の欠片】が使う【偽界包括】は
なお、『星女神』様はそれこそ無限に
それこそ宇宙開闢の時代よりも遥か前まで戻し続けられるのですから、まさしく限度がないということでしょう。
ともかく。
普通の……普通の?【星の欠片】であっても、【偽界包括】を機能として持ち合わせる存在が多い、ということは事実。
その上で、その機能を『星女神』様ほど多様に扱うことができているものは少なく、それゆえ他の【星の欠片】が扱う【偽界包括】は【偽界包括】として
「なので、別に他の【星の欠片】相手に自身の(キャラクターとしての)正確さを測られている……みたいに警戒する必要はありませんよ?」
「いや別に警戒なんてしてないが?束さん全然平気へっちゃらだが???」
「あ、一応言っておきますけど
「だから気にしてな……そっか三番目だっけ!?」
ええまぁ、下の方が上を再現できる……となれば、自身より下となる二人に【偽界包括】(の、元となった人物)が含まれない時点でそりゃそうですよ、としか言いようがないといいますか。
そもそも普段他者の能力ブーストとかやってるの、そういう技能を使っている面もありますが【偽界包括】によるブーストもあるんでわりと最初からそうでしたよとか、まぁ色々あるんですけど。
今はとりあえず、変な方向に気にし始めた束さんに落ち着くように言い聞かせることから始めるべきでしょうね、とため息を吐く私なのでしたとさ。