なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
はてさて、なにごともなかった……とは言い難いものの、近年の類似イベントを比較すると幾分穏当に終わったと言える今年のホワイトデー。
その戦利品?……的な存在であるジーク・クラネル君へ、現在インタビュアー達が突撃しているのであった。主に
「いや、私は別にどうでもいいんですけどね?ただこっちの聖女様が、一応気になるから話を聞いておきたいって……」
「おおおおオルタ!?そこは内緒にしておいてくださいって言ったじゃないですか!?」
「知らないわよそんなの……」
まず一組目、ジーク君と聞いていても立ってもいられなかったらしいアクアさん&オルタペア。
……隣にずっといるささらさんを前にしてなにか言いたげな表情だったけど、ささらさん本人が私の話は後でと主張しているため現状先送りである。
「いや別に、僕だって別段気にしてないというかなんというか……」
「ダメですよヘスティア様、そんなこと言って。随分と気になさっていたじゃあないですか」
「え、エウロペぇ~……!」
二組目、ベル君と(ry。
こっちはエウロペ様に連れられての登場である。
あと、こちらも彼の隣に立ってニッコニコしているささらさんを前に、なにか言いたげな顔をしていたけれど……やっぱり『後で』と躱されていたのだった。
……はい。
そんなわけで、【星融体】として巻き込まれたっぽいキャラクター二人に関係のある人物達*1が、こうして集まってきたわけなのですが。
「……なんでここでやるのよ!他でやりなさいよ他でぇ!!」
「やだなぁゆかりん、話を聞くためにここにジーク君を呼んだのは君じゃあないか」
「他の人は呼んでないんですけどぉ!?」
その場所が何故か()
……いやまぁ、昨日の今日ゆえ話を聞くために重要参考人達を呼び寄せた結果、ってやつなんだけども。
うんまぁ、昨日はてんやわんやしてたからね。
ジーク君要素をあの時の少年君に継ぎ足すためにアクアを探して走り回り、結果それを見つけたのがゆかりんのとこだったからついでにとばかりに彼女を向こうに連れていくことになったりしたし。
……え?なんでゆかりんまで巻き込んだのかって?偉い人に了承を得る必要があったからですがなにか?
ほら、現場にいて貰えれば色んな手続きがスムーズに進む、みたいな?
まぁ、その時ゆかりんからは『許可云々を口約束で済ませようとするなー!!』って怒られたんだけども。
まぁともかく、それでなんとかなるならよかったんだけど。
そもそも【星融体】はアクアの例を見ればわかる通り、かなり不安定な存在。
それゆえ安定した存在にするには一手足りておらず、その一手を埋めるために再度誰か良い感じの人はいないかと探しに戻って──結果、ヘスティア様を引っ張り込むことになった、と。
「つまるところ二人とも話を聞く権利があるというわけで。そりゃ求められたら答えないわけにもいかないですよね、みたいな?」
「そりゃそうだけども……!」
まぁうん、
でもこういうの後回しにする方が厄介だから、ここで終わらせておいた方がええと思うで?
……ってな感じに説得したところ、ゆかりんは渋々といった風に頷いたのだった。
「はい、お墨付きが出たので話を続けると……今の貴方って『クラウン・クラウン』じゃなさそう、ってのは本当なの?」
「ああ、俺にはよくわからないが……多分、そのクラウンクラウン?とやらとは違うモノになっていると思う」
で、改めて彼自身についての話なのだけれど。
推定『クラウン・クラウン』であったはずの彼は、どうやら詳しく話を聞いた限り
「……いや、どういうこと?そのためにあれこれしてたんじゃあ?」
「ささらさんが隠してたのは
「あははは~……」
口頭でしか話を聞いていないゆかりんが疑問符を浮かべ、こちらの言葉を受けたささらさんが曖昧に笑いながら視線を逸らす。
……先の話をもう少し詳しく説明すると、どうやら『クラウン・クラウン』では
どういうことかというと、聖杯や【星融体】などの状況を利用して『クラウン・クラウン』を
わかりやすくいうと、彼女は『クラウン・クラウン』を誕生させないようにしていたのである。
「そもそも彼女が『パレード・メイク』としてあったこと自体、『クラウン・クラウン』生誕の阻害であったというか」
「……えーと、話がややこしくなってきたんだけど。つまりどいうこと?」
「彼女自身、ここで『クラウン・クラウン』が生まれるのはヤバいって思ってたってこと」
「……んん?」
こちらに真意を掴ませない立ち回りゆえ、終わってからでないと気付けなかったが……彼女は新しい【星の欠片】の生誕は求めていても、それが『クラウン・クラウン』であることは求めていなかったのだ。
それを如実に示すのが、
「【星の欠片】が究極的には現象の名前であるってのは言ったと思うけど、そうなると彼女が【星名】を得てるのはおかしいって話になるんだよね。本来【星名】は
言い換えるなら、【星屑】の段階で【星名】を持っているのはおかしい、となるか。
何故かその違和感をスルーしてしまっていたわけだけど……それに関しては多分、『月の君』様がなにかしていたのだろう。
ともあれ、【星屑】の状態で【星名】を得ているのがおかしいのだとすれば、ここで考えられる答えは一つ。
彼女は一度【星の欠片】として成立したが、恐らく『月の君』様の力によって【星屑】に戻されたのだろうということ。
ゆえに、既に得ていた【星名】は残りっぱなしだし、それ由来の能力も消えてしまっているのだ。
「……そういうのありなの?」
「そういうのがありなのがあの方達なので……」
「理不尽~」
うん、理不尽だよね。
でもまぁ、その理不尽が人間に対して向かないだけマシだと思うべきなのが彼女達というか。
そもそも区分の上では私もその理不尽に含まれる側なのであんまり大きなこと言えないし。
ともかく、ささらさんが退化した【星の欠片】であるとするならば、それがもたらす効果というのは一つ。
そもそもに同じ世界には現れることがほぼない他の【星の欠片】、それを同
「代替わりが必要、って時点でわかる話だけど……同じ【星名】を持つ【星の欠片】っていうのは、基本的に同時には存在できないわけ。……
「例外って?」
「『星女神』様と『月の君』様」
「……初手例外ってわけね」
まぁ、あの二人も現在は別の【星名】なのだが、その辺りはややこしいので割愛。
ここで必要なのは、余程特殊な環境・状況でもない限り同じ【星名】の存在は同じ世界に現れられないということ。
そしてもう一つ必要なのが、【星の欠片】は
「……そっちは初耳だけど?」
「産み出しやすいって言っても、新しい【星の欠片】の発生に他の【星の欠片】が関わっている場合……みたいな大分限定される条件下の話だし、そもそも最初代替わりって話だったから該当する話だとも思ってなかったから……」
「それで説明しなくていいと思ったって?……で、今の感想は?」
「……知ってる人が多いとその現象が優先されるきらいがあるから、みんながみんな知ってる必要はないってことで」
「ほうほうなるほど?……上司にくらいは説明しとけー!!」
「ひぃー?!」
いやしゃーないやん!
知ってる人が多いのよくないって基本情報の上、私自身そのタイミングにならないと思い出せないことも多いんだもの!
なんでかって?わざわざノートに書き出してるって時点で、常日頃覚えている知識である必要がないからだよ!
まぁノート見ると(色々な意味で)頭が痛くなるから、基本的にあんまり見返さないんだけどね!!
まるで開き直ったかのような私の言葉に、ゆかりんの怒りが再度噴火するのは既定路線なのでありました……。