沙綾と達人が付き合うまでの話(完結)   作:春はる

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前回の続きです。

前回は土曜日での出来事の話でしたが、今回はそこから一日跨いだ月曜日の話です。


では、本編をどうぞ。


第11話

~月曜日~

 

 

~達人視点~

 

 

沙綾の家のやまぶきベーカリーの手伝いをして、そのまま家に泊まった土曜日から、一日跨いだ月曜日。

 

朝、学校に向かう為に家を出ると、同じタイミングで沙綾も家から出てきた。

 

達人「沙綾、おはよう」

 

沙綾「おはよう」

 

家から出てきた沙綾に"おはよう"と声をかけてから、途中まで一緒に久しぶりに学校に向かった。

 

沙綾「一緒に登校するの久しぶりだね」

 

達人「中学の時から一緒に行ってなかったからね」

 

沙綾と俺は、花女と羽丘なので通ってる学校は違うが、沙綾の言う通りで中学三年の途中まで、一緒に通学路を登校していた。そこから一緒に行っていなかった。

 

二人で登校していると、沙綾から昨日の事を聞かれた。

 

沙綾「昨日は何してたの?」

 

達人「昨日?……えっと、昨日はリサさんとあこに頼まれてたシュシュを作ったよ」

 

沙綾「それって最近頼まれてたの?」

 

達人「ううん。お祭りが無くなるかもって時ぐらいに、頼まれてたんだ。けど、手伝いとか色々してたから、作れてなかったんだ。でも昨日の内に作り終えたから今日渡すけど」

 

沙綾「そっか。二人だったら喜んでくれると思うよ」

 

達人「うん、だと良いけど。……沙綾の方は何してたの?」

 

沙綾「私は、ポピパの皆と蔵練してたよ」

 

達人「…くら…れん…?(くられん……くら…蔵?れん…れん……練習の練?)」

 

沙綾に昨日の事を聞くと、"くられん"してたと言われた。初めて聞いた単語で、頭の中で漢字を当てはめていると沙綾が説明してくれた。

 

沙綾「多分、達人の思ってるので合ってるよ。蔵と練習の練で、蔵練だよ」

 

達人「あ、そうなんだ。…蔵で練習って事は、バンドの練習の事?」

 

沙綾「そうだよ。有咲の家が質屋なんだけど、家にある蔵の一つを使わせてもらってるんだ。その蔵の地下に部屋があって、そこで練習してるんだ」

 

達人「地下の部屋で練習してるんだ。……見てみたいかも……」

 

沙綾「あ、じゃあ見に来る?今日の放課後に蔵練するから」

 

蔵の地下で練習をしてる事を聞いて、"見てみたいかも"と呟くと沙綾に"見に来る?"と聞かれた。

 

達人「行ってもいいの?」

 

沙綾「うん、大丈夫だよ」

 

達人「じゃあ、行く。……でも俺、有咲の家知らないけど」

 

沙綾「放課後、花女の校門前で待ち合わせしようよ。ポピパの皆は花女だから、皆で一緒に行こ」

 

達人「うん、放課後で待ち合わせね。……じゃあこっちだから」

 

沙綾「あ、うん。……達人、いってらっしゃい」

 

沙綾と放課後に花女の前で待ち合わせの約束をした。そうしてると羽丘と花女との別れ道になったので、行こうとしたら沙綾からそう言われた。

 

達人「うん。いってきます。……沙綾もいってらっしゃい」

 

沙綾「いってきます」

 

俺も沙綾に"いってらっしゃい"と言って返事を聞いてから学校に向かった。

 

 

 

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~羽丘学園~

 

 

学校に着き、教室に向かった。

 

教室までの廊下を歩いてると、リサさんを見かけたので声をかけた。

 

達人「リサさーん」

 

リサ「ん?達人じゃん、どうしたの~?」

 

達人「これ前に頼まれてシュシュです。昨日、完成したんで持ってきました」

 

リサ「お、完成したんだ。ありがと♪やっぱり作るの上手いよね、達人は」

 

リサさんに渡すと褒められたので、少し照れてしまった。

 

達人「ありがとう……」

 

リサ「あれ?もしかして達人照れてる?」

 

達人「……照れてない」

 

リサ「絶対照れてるって。……達人、もしかして面と向かってお礼言われるの慣れてないの?」

 

達人「……そんなんじゃない」

 

リサ「あ、図星だな~。……もしかして沙綾に褒められたりしたら、私の時より照れるのかな~」

 

リサさんに図星を言われてしまい、その上図星な事を見抜かれて、リサさんに言われた沙綾から褒められる事を思い浮かべてしまった。

 

思い浮かべると、顔が熱くなってしまった。

 

リサ「顔が赤くなったって事は、沙綾に言われた方が嬉しいのか~。……達人って、意外と照れ屋なんだ。もう達人は可愛いな~」

 

リサさんはそう言いながら俺の頭を撫でてきそうだったので、すぐに避けて、あこの分のシュシュをリサさんに伝えた。

 

達人「それより、これはあこの分なんで代わりに渡してください」

 

リサ「避けなくてもいいのに……。で、これがあこの分ね。達人から渡してあげればいいのに」

 

達人「まぁそうなんですけど、バンド練習とかあると思って、その時に渡してもらった方が早いかなって、思ったんです」

 

リサ「まぁ確かに、今日の放課後にサークルで練習があるし。……あ、放課後にロゼリアの練習を見に来て、あこに渡せば?直接渡せばあこ喜ぶと思うよ」

 

達人「でも、今日の放課後は沙綾と約束してるんで無理なんですよ」

 

リサ「あ、そうなんだ。分かった、私から渡しとくね」

 

達人「うん、お願いします」

 

リサさんにお願いして、教室に向かった。

 

 

 

 

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~沙綾視点~

 

 

達人と別れた後に、香澄と有咲に道で会った。

 

沙綾「香澄、有咲、おはよう」

 

香澄「さーや、おはよう!」

 

有咲「沙綾、おはよう。……沙綾、何か嬉しいことでもあったか?」

 

二人に"おはよう"と言うと、有咲がそう言ってきた。

 

沙綾「え?な、何で?」

 

有咲「いや、なんかさ……、沙綾の顔が嬉しそうな顔をしてるから嬉しいことがあったのかな~、って思ったんだけど」

 

有咲に"何で?"と言い返すと、私の顔が"嬉しそうにしてたから"と言われたので、思い当たる事を考えると、一つだけあった。

 

沙綾「朝、達人と一緒に登校したんだ。学校は違うから途中までだけど。久しぶりだったから……」

 

有咲「だからか……」

 

香澄「達人くんと登校したんだ。さーや、良かったね!」

 

沙綾「わっ……!……もう、香澄いきなり抱きつかないでよ~。びっくりするんだから……」

 

香澄「ごめんごめん」

 

達人と一緒に登校した事を言うと、香澄が抱きついてきたから、後ろに倒れそうになったが踏ん張って香澄に一言呟いた。その後に有咲に放課後の蔵練に達人を連れてきていいか、質問をした。

 

沙綾「有咲、一つお願いがあるんだけど放課後に蔵練するでしょ」

 

有咲「うん。そうだけど……?」

 

沙綾「その時に、達人も連れてきてもいいかな?」

 

香澄「達人くん、来るの!?うん!連れてきていいよ!」

 

有咲「香澄!なに勝手に答えてるんだよ!沙綾は、香澄に聞いてねぇー!」

 

香澄「じゃあ駄目なの?」

 

沙綾「有咲、駄目かな?達人には一緒に行こって言っちゃったんだけど……」

 

有咲「……いや別に駄目とは言ってないし。そもそも私は断るつもりは無かったし……。沙綾の幼馴染みだし、こないだ皆で会って話をした時に、良いやつなのは分かったから……連れてきても大丈夫だし」

 

沙綾「ありがと、有咲」

 

有咲に聞くと、いつも通りに香澄が話に入ってきたが、有咲が"大丈夫"と言ってくれたので、お礼を言った。

 

そうこうしている内に、学校に着きりみりんとおたえにも放課後に達人が事を伝えた。

 

それと皆に、達人と放課後に花女の校門前に待ち合わせして、それで皆で行く約束していることを伝えといた。

 

 

 

 

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~達人視点~

 

 

~放課後~

 

 

 

今日の全授業とホームルームが終わった。終わると、凛やクラスの友達に遊びに誘われたが、"用事がある"と言って断り、俺はすぐに花女に向かった。

 

 

 

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~花女前~

 

 

花女に着いたので、校門前の道で沙綾達が出てくるまで待っていた。

 

達人(流石に、女子校の前で男子一人がいるってなると生徒からすごい見られる……)

 

校門前で待ってる間、周りから見られていた為居心地が悪かった。沙綾と約束していたので、しばらく我慢して待っていると、校門から出てくる燐子先輩と氷川先輩から声をかけられた。

 

燐子「達人…くん…。どうしてここに?」

 

紗夜「確かに。柳瀬さん、どうしてここにいるんですか?」

 

達人「あ、えっと、沙綾と待ち合わせしてるんです」

 

紗夜「待ち合わせですか?」

 

達人「はい。朝にポピパの皆が、蔵でバンドの練習をしてるって聞いたんです。蔵とか練習を見てみたいって言ったら、今日の放課後にやるからここで待ち合わせして、皆と行こうって言われたので……」

 

紗夜「なるほど、そういうことですか。……多分ポピパの皆さんはもうすぐ来ると思いますよ。皆さんが集まってる所を見かけたので」

 

達人「あ、はい」

 

氷川先輩にそう教えてもらうと、燐子先輩が凛の事で聞いてきた。

 

燐子「あ、あの……達人くん。凛くんの学校の様子は…どんな感じですか……?」

 

達人「凛ですか?……んー…いつも通りですよ。燐子先輩の自慢する以外はですけど」

 

燐子「が、学校で……私の自慢してるんです…か?」

 

達人「自慢してますよ。学校では日菜先輩と凛で"姉大好きコンビ"なんて呼ばれてますよ」

 

紗夜「日菜も言ってるんですか?」

 

達人「え、はい。耳にタコが出来るぐらい、二人の事が好きって事を聞いてますよ」

 

燐子「それはそれで…恥ずかしい…ですね」

 

ガシッ❗

 

氷川先輩と燐子供先輩と話してると、左腕に何かに抱きつかれた。俺は左腕の方を向くと、沙綾が抱きついていたので声をかけようとした。

 

沙綾「燐子先輩、紗夜先輩。失礼しますね」

 

達人「ちょっ、沙綾!?」

 

声をかけようとしたがいきなり引っ張られてしまった。引っ張られながら校門の方を見ると、先輩二人は呆然としていて、その横を他のポピパの皆が通って追いかけてきていた。

 

 

 

しばらく引っ張られていると、やっと止まってくれたので沙綾に声をかけた。

 

達人「ねぇ、沙綾どうしたの?いきなり引っ張って……」

 

沙綾「……何でもない」

 

沙綾に引っ張った事を聞いたが、"何でもない"と言われてしまった。

 

達人(……でも、大体こういう時は、何かあるんだけどな……)

と、思いながら何を言えば教えてくれるのか考えてると、他のポピパの皆が追い付いた。追い付いた後にりみが沙綾に声をかけた。

 

 

りみ「でも、沙綾ちゃん。どうしたの?いきなり走ったと思ったら、そのまま達人くんを引っ張って行ってたけど……?」

 

沙綾「……達人が、紗夜先輩と燐子先輩の前で、"好き"って言ってたから……」

 

りみに聞かれた沙綾がそう言ってきたので、俺は何となく察した。

 

達人(多分俺が二人……どっちかに告白したとか思って、嫉妬した感じかも。……いや違うかも知れないけど……。ここは誤解を解いてた方がいいな)

と、思った俺は、沙綾に伝えた。

 

 

達人「あ、それは凛と日菜先輩が、姉の燐子先輩と氷川先輩の事が好きって事を、耳にタコが出来るぐらい聞いてるって事を伝えたんだ。だから俺が好きって訳じゃないよ」

 

沙綾「……え……そ、そうなの……?」

 

達人「うん」

 

香澄「さーや、顔真っ赤だよ!?だ、大丈夫!?」

 

沙綾「だ、大丈夫だよ。私の事より早く有咲の家に行こう……!」

 

沙綾に先輩達に話してた内容を教えると、顔を真っ赤にしてしまい、香澄が心配して声をかけたが沙綾は"早く家に行こう"と言って向かっていった。香澄とりみとおたえの三人は急いでついていった。俺と有咲は四人を見失わない様にしながらの後ろを歩いた。

 

有咲「なぁ、前から気になってたんだけど、何でポピパの皆の名前を知ってるんだ?」

 

歩いていると有咲からそう聞かれたので答えた。

 

達人「沙綾にも教えたけど、スペースの閉店ライブやったでしょ。その時に友達と見に行ってそれで知ったんだ。そこからポピパが好きになって、ポピパが出るライブ行くようにしたから、名前は知ってたんだ」

 

有咲「……そ、そっか。ライブを見にきてくれてたんだな……」

 

達人「楽しかったし、沙綾も皆も楽しそうに演奏しててバンドの事が好きって気持ちが凄く伝わった……」

 

有咲「そっか」

 

香澄「達人くーん!ここが有咲の家だよー!」

 

有咲と話してると、香澄が大きな声で俺の名前と、有咲の家らしき建物を指差しながら俺の名前を大きい声で呼んできた。香澄達の所に着いて、家を見てみた。

 

達人「流星堂……。ここが有咲ん家。大きいね……」

と、呟いたまま、家が大きかった事に驚いて家を見ながら固まってしまった。

 

 

 

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~沙綾視点~

 

 

放課後に皆と校門前に向かうと、達人は紗夜先輩と燐子先輩と話してた。

近づくと話が聞こえてきた。

 

達人「…………好きっ………………ます」

 

沙綾「好き?」

 

りみ「沙綾ちゃん?」

 

沙綾(好きってどういう事だろう……。それに何か燐子先輩達と話してる達人凄く楽しそう……)

 

燐子先輩達と楽しそうに話してる達人を見た私は嫌な気持ちになった。そう思った私は、無意識に達人の方に向かって腕に抱きついた。

 

ガシッ❗

 

沙綾「燐子先輩、紗夜先輩。失礼しますね」

 

達人「ちょっ、沙綾!?」

 

左腕に抱きついた後に、先輩に一声かけポピパの皆を置いてけぼりにして、有咲の家方向へと引っ張っていった。

 

有咲「ちょ!沙綾……ちょっと……」

 

有咲の声が聞こえだけれど、気にすることなくしばらく引っ張っていった。

 

学校から結構離れた場所で止まると、達人が引っ張って来た事を聞かれた。

 

達人「ねぇ、沙綾どうしたの?いきなり引っ張って……」

 

沙綾「……何でもない」

 

引っ張ってる間に、先輩と達人が話してるのを見て私が感じた気持ちが嫉妬って気づいたけど、それを言うのは恥ずかしかったから、"何でもない"と答えてしまった。

 

ただ"何でもない"っていう私の答えに、達人は困ったような顔をしていた。そのまま黙ったままになって、私はどうしようかと悩んでると香澄達が追い付いてきた。

 

香澄「やっと追い付いた~!」

 

おたえ「沙綾、予想以上に早かったね」

 

りみ「ふぅ~……。確かに早かったね……」

 

有咲「はぁはぁ……疲れた……」

 

四人の口から一言呟いていたが、りみりんが私に質問してきた。

 

りみ「でも、沙綾ちゃん。どうしたの?いきなり走ったと思ったら、そのまま達人くんを引っ張って行ってたけど……?」

 

沙綾「……達人が、紗夜先輩と燐子先輩の前で、"好き"って言ってたから……」

 

りみりんの質問に答えると、りみりん達はキョトンとした顔で私を見てきた。それを見た私は"え…?"と思ってると、達人から"好き"って、言葉の事を説明された。

 

達人「あ、それは凛と日菜先輩が、姉の燐子先輩と氷川先輩の事が好きって事を、耳にタコが出来るぐらい聞いてるって事を伝えたんだ。だから俺が好きって訳じゃないよ」

 

沙綾「……え……そ、そうなの……?」

 

達人「うん」

 

沙綾(……達人が二人のどっちかに告白したと思ったけど、今の聞いて凄くホッとした。けど、それ私の勘違いじゃん……恥ずかしくなってきた……)

と、達人の説明を聞いた私はそう思い、顔が熱くなってしまった。その事を香澄に指摘された。

 

香澄「さーや、顔真っ赤だよ!?だ、大丈夫!?」

 

沙綾「だ、大丈夫だよ。私の事より早く有咲の家に行こう……!」

 

香澄に指摘された私は"早く家に行こう"って言って逃げるように有咲の家に向かった。

 

逃げるように有咲の家に向かっていたので、一番最初に有咲の家に着いた。通ってきた道を見てみると、香澄とりみりんとおたえは、私の後ろを付いてきてたのかすぐ近くに居た。

 

達人とは有咲は話しながら来ていたのが見かけた。香澄も二人の方を見て、大きな声を出した。

 

香澄「達人くーん!ここが有咲の家だよー!」

 

達人「流星堂……。ここが有咲ん家。大きいね……」

 

家を見た達人はそう呟いて、家の大きさに驚いているのか、しばらく有咲の家をずっと見てしまっていた。




次回は、今回の話の続きの蔵での話を書いて投稿予定です。
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