ひたすら楽してアークナイツVR   作:捻くれ餅

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 予想以上にイナムが人気で草。
 突然アイデアが降ってきたから初投稿です。


追憶〜「忙しい!」

 

 かつて私は……退屈してたんだと思う。

 ただのトランスポーターとして密林に派遣された。

 

 それだけ。

 

 毎日毎日、飽きもせずに下らない理由でケンカばかりの現地の住民……ティアカウたち。

 日の出と共に目覚めて日の入りと共に眠るような、科学技術とは無縁の生活様式。

 極め付けにはアーツを呪術と(のたま)い、鉱石病をただの病気と見做す程度の知識レベル。

 

 良くも悪くも密林という限られた世界で完結してる彼らには、トランスポーターである私が齎す物資や情報が必要だとは到底思えなかった。

 

 集落を歩けば弱そうだからと見向きもされない。

 同年代の子供達も誰に似たのか喧嘩ばかり。

 これは獣と何が違うのか、私は理解に苦しんだ。

 

 物騒で喧しいくせに平和で、やることもない日々にうんざりするのにそう時間は掛からなかったし、その頃には誰からも頼られないことを幼いながら理解して自分のやりたいことをやるようになっていった。

 この密林という一種の牢獄で新しい発見をしようと考古学者の真似事をしてみたりもしたけど……結果から言えばこれが大成功したって訳。

 

 

「 悔い改めて 」

 

 集落の周辺を散策して、適当な洞窟で休んでたら誰かが入ってきて本当に驚いた。

 洞窟の近くに川はあるけど、もっと魚が取れるような河は集落の近くにある。そんな集落の人たちならまず近寄らないような辺鄙な洞窟に、まさか子供が現れるなんて。

 

 しかも出会い頭にパンチでもお見舞いされるかと思ったら、受け取ったのは何かの文字が刻まれた古い金属片。一目で只のガラクタとは違うと思わせる存在感を放っているもので、“ どうしてこれを ”と驚く暇もなく意味不明な理由で洞窟を追い出された。

 変わった子供に異質な金属片。思いがけない出会いではあったけど、手に入った以上調べてみようと思って調べてみると歴史的価値のある物だって気づいて、もう驚いたわね。

 次に会ったら何処で発見したかを訊くべきと頭の片隅に入れて──すぐにその機会はやってきた。

 

「着くゥ^~」

「いきなり誰?」

 

 そんな出会いがキッカケで彼との付き合いが始まった。

 

 

 

 

 それからはもう……退屈とは無縁の生活。

 

「じぁあ明日の(あさ)に来ますよ! はいコレ」

「えっ? ちょっと!? ……宝石(こんなの)は要らないって言ったのに。どうしようコレ……」

 

 今までの退屈な毎日とは全く違う、忙しい日々。

 

「罠の作り方を教えてくれ」

「共用言語を教えてくれ」

この辺(サルゴン)の情勢とか天災とか…毎日教えてくれ」

 

 周囲とは全く違う、普通の知識を欲しがる子供。

 今まで無かった、私を必要とする声。

 ……恥ずかしいけど、すぐ彼に夢中になった。

 

 でも仕方ないとも思う。

 周囲のバカとは違って都市部でも通用する“ 割とまとも ”な常識を持っているという安心感、私によく懐いてくれる彼が望む物は自分以外に与えられないという優越感。

 見えないふりをしてただけで気付いていた孤独感、それを解消してくれた彼に入れ込まない理由なんて無くて。

 

 

 そして15年近く、その関係は変わらなかった。

 彼が突然何かを欲して、私が用意する。

 それは例えば知識や各地の情報だったり、希少価値がとんでもなく高い印だったり、毒茸を栽培するための原木だったり、変わったところだと医療機関に健康診断用の血液を届ける依頼とかもあった。

 

 そんな彼は私が用意した物に対価を出す。

 それはその辺でも取れるけどちょっと珍しい宝石から出所不明な大量の貴重品まで様々……そう、彼の差し出す対価を売り捌いた結果サルゴンの市場が荒れに荒れ、闇市を牛耳るサンドソルジャーに目を付けられたりもした。あの時は感覚が麻痺してどれだけヤバいことしてるか分からなくなってたわね。

 でも、彼がくれた物の中で1番気に入ってるのは変化だった。

 

 暇を持て余していた私が彼に対して都市の家庭教師の真似事を始めたり、彼の推薦で集落内でも商売人の真似事を始めたり、今では不本意とはいえ大族長だ。

 相当振り回されてここまで来たとは思うけど、それでもまだ彼のことを嫌いにならないのだから手遅れだと思う。

 

 だって、彼と居る日々は楽しいから。

 彼のやること成すこと全てが突飛で面白いから。

 だから他の人に取られないように、私が一人で楽しむ為に、色んなことをした。

 

 彼の勉強がてら持って来るヴィクトリアケーキに合うお茶を探したり、滅茶苦茶な食生活を改善する為にご飯を用意したりと恋人みたいなことから……ちょっとした工作とかね。

 

 あ〜あ、彼に尻尾じゃなくて羽根があったならなんて、何回考えたことか。

 本当は一緒にトランスポーターとしてやっていきたいんだけど……彼の目的の為にもう少し我慢しないとね。

 

 そんな彼は今頃、何をしているだろうか。

 三週間前にガヴィルやズゥママ、トミミらが居るロドス製薬に喧嘩を売りに行くなんて言ってたけど……もしかしたら私の想像を超えた何かをしてるのかもしれない。

 常識外れなほど強い彼のことだから何事もなく帰ってくるとは思うけど、それでも心配なものは心配だ。

 嫌々押し付けられた大族長の権利を活かして、さっさと帰ってこいっては言ったけど……二週間の喧嘩にしては遅い。

 

早く帰ってきてくれないかしら……

「大族長、何か言ったか?」

 

 ……。

 

「アナタに言った言葉じゃないから、気にしないで頂戴」

「おうよ! また何かあったら呼んでくれよな!」

「はいはい……」

 

 ティアカウの相手は本当に疲れる。

 ズゥママが居なくなって、みんなのガラクタ集めが終わったかと思えば、あの大人気バンドAUSの所為で今度は昼夜問わずのバカ騒ぎが始まった。

 暴力沙汰や少し減ったけど騒音が酷くて眠れない。さっさと匙を投げて、彼の拠点に引っ越した私はきっと悪くない。

 

 

 

 

彼と別れてから一月が経った。

その日の商売も終え、集落の喧騒が聞こえない彼の拠点……今の家に帰ってゆっくりしていた時。

 

 バキッ

「えっ!?」

 

 立て付けた扉が勢いよく破壊されて飛び起きる。あの罠を掻い潜って誰かが来た!?

 かと思ったら、彼が驚いた顔をして立っていた。

 

「ファッ!? ウ-ン……お ま た せ 」

 

 なんで貴方がビックリしてるのよ。それにおまたせって……本当に。すぐ帰ってこいって言ったのに。

 でもこれで、大族長命令で一緒にトランスポーターしてもらえる。そう思うとちょっと嬉しい。

 

「イナム、夜中腹減ってねぇか?」

 

「突然何? ……夜ご飯ならさっき食べたわ。だからその毒茸は仕舞ってくれない?」

 

「あっ、そっかぁ *咀嚼音* ……この辺にぃ、謎の団体が居座ってるガリア貴族の古城があるらしいっスよ」

 

「あっそう……えっそれ本当!?」

 

「一緒に行かねぇか?」

 

「……行きたい」

 

「行こうぜ」

 

 

 彼の行動はいつも突然だ。

 まずは適当な誰かに大族長を押し付けないと……

 

 





済まんな。
公式でも異種族間でのS●X! は殆ど描写されてないから何もできないんや(サルカズとサンクタは同祖らしいし)
アークナイツは健全なゲームだった…?

アニメ視聴兄貴「(健全じゃ)ない(R-18指定されてないだけ)です。」
ラテラーノ民 「素晴らしい絶望感だ、興奮してきたな」
ハーメルン民(曇らせスキー) 「ああ、興奮してきたな」

次回があるなら新シリーズ。
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