アンブレイカブルハンター   作:エアロダイナミクス

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 書き溜めが進むと投稿するスタイル。

 しかし、こんな妄想全開の小説を書かせて貰ってるだけで幸せなのに、たくさん見てもらって評価までしてくれるなんて、ホント幸せしか無い。

 ありがとうございます!


10、静かな日々の訓練を

 

 

 

 さて、そうと決まればプランニングを考えよう。まずはマイケルに念に目覚めてもらう。もちろん私の修行もやりながらだ。念の目覚めはゆっくりの方がオーラへの親和性も湧くだろう。無理矢理起こしてもいいが、最終手段にしたい。

 何はともあれ、体力を付けなければ話にならないため、私のランニングと筋トレに付き合わせる。もちろん全くついていけないが、私は構わずやる。ここでへこたれるようなら教えないつもりだったが、へばっても暫くしたら起き上がり必死の形相で食らい付いてくる。…中々の根性だ。とりあえず1年様子を見よう。

 

 

 …1年が経ち、子供とは思えない様な過酷な訓練を続けきった。アスリート並みの量なんだけどね…。最近は私の半分は出来る様になってきている。素晴らしい根性だ。ちなみにジョセフは3日で諦めた。

 これなら、そろそろ念の目覚めに入ってみよう。まずは心構え。初めはマイケルに向かって全力の《練》を放つ。当然殺気は込めないが、多少の攻撃する意を載せる。マイケルは腰を抜かしたが、気絶も失神もしなかった。…大した奴だ。だが、この力の危険性にも気付いただろう。

 そこで私は彼に伝えた。何のためにこの力を欲するのか。これを疎かにしてはいけないと伝え、口に出させた。彼の答えは、「ファミリーを守るため」だった。

 

 さて、それではいよいよ念修行だ。先ずは瞑想のやり方を教えた。自分の意識を極限まで無くす。「無」の境地という奴だ。やってみると分かるが、かなり難しい。特に幼い子供には。目を閉じたところで、様々な情報は周りから入ってくる。ここから想起される雑念を消し、自分の信念のみを見据え、それ以外を無くす。そしてその他をただただありのままを受け入れる事が最初の関門だ。私も隣でサポートしつつ様子を見てみよう。どれぐらいで出来るかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 驚いた事に、僅か1ヶ月でコツを掴んだらしい。最初はモゾモゾしたり、寝てしまったりしていたが、僅かなアドバイスで見事な瞑想状態を3時間続けられる様になった。

 コイツは単純一途なところはあるけど、頭もかなりいいらしい。こちらの言ったことをすぐに吸収出来る柔軟さがある。

 下準備が整った所で、精孔を探る訓練に入る。私のやり方は特殊なので、なるべくかみ砕いて教える。自分の内側に目を向けて、力の流れを感じとれ、と。

 伝える事は伝えたので、私の修行も行う。暫くはこれに掛かりきりになるだろうから、やれるだけやる。時間は待ってくれないからなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 アンダーソン家の朝は早い。午前4時。まだ暗い中、母が起きて支度を始める。同時刻に私も起きて、挨拶をし、軽く身体を解す。暫くするとマイケルが起きてくる。自分から起きて来るとは感心な奴だ。2人して準備運動をする。終われば家近辺を早朝ランニングだ。狂犬病ショックで最近朝に走る様にした。私に害は無いが、マイケルに何かあったら死んでも死にきれないからね。今日はとりあえず軽くフルマラソンでいいだろう。1時間半かな。私は自分の修行に妥協しない。なーに。家の近辺をぐるぐる回るだけだから迷う事もない。一周10キロだから4周だ。マイケルも黒髪を揺らしながらついてくる。大分伸びたな。今度切ってやるか。お、今日は5キロまでついてきて力尽きた。後何回復活するかな。

 

 それから、復活して力尽きる弟子を横目に走りまくる。結局マイケルは合計20キロ走って終了。終わった後ピンピンしてる私を見て、呆れを通り越してバケモノを見る目で見てくるマイケルとシャワーを浴びる。

 上がる頃にはすっかり朝日が差して、父もリビングでコーヒー飲みながら新聞を読んでいる。相変わらず絵になるオッサンだ。その内朝食が出来、お楽しみの食事の時間だ。今日はトーストにたっぷりバター。ベーコンにスクランブルエッグ、サラダにコーンスープにミルクか。最高だ。マイケルも私も一心不乱に食べる。父母も談笑しながら食べる。この時間は好きだ。

 食後は片付けを手伝い、父は仕事に出かける。高そうなスーツにトレンチコートを羽織り、ボルサリーノ帽子を被る姿はどう見ても堅気には見えない。さて、我々もスクールの時間だ。

 スクールでは、いつも通り授業を受ける。休み時間には何かと世話を焼きたがるジョセフを自分のクラスに戻したり、クラスメートに調子はどうか聞いてみたりする。昼食の時間は弁当又は購買だ。自称舎弟が気を利かせて買ってくれた定食セットを、これまた自称舎弟が取ってくれた席で食べる。最初は断ってたんだが、泣きそうな目で見てくる彼らを見て、断れなかった。代金をちょっと多めに上乗せして返す。

 午後の授業を終えたら、友人と遊ぶ。最近はもっぱら公園で駄弁る事が多い。下らない話に花を咲かす。前世では出来なかった事なので、毎日密かな楽しみだ。

 

 

 午後4時。帰宅。先に帰っていたマイケルと早速筋トレする。1時間。マイケルよ。バケモノを見る目で見てくるのはやめろ。

 午後5時。念修行パート1。基礎修行。マイケルは瞑想。今日は《円》にチャレンジ。オーラをうすーく伸ばし、均等にしたまま拡げる。相変わらずヘタクソ。現在の最高が10メートルだが、もうちょっと伸ばしたいし、1秒以内に発動したい。今は3秒ぐらいかかるし、実戦ではまだ使えないな。しかし、マイケル君、瞑想中に反応してなかった?気のせいかな。

 午後7時。父帰る。今日は早かったな。家族で夕食。私はこの食事の時間を大切にしている。談話しながら食べる。今日はトマトソースのパスタと冷製スープだ。非常に美味い。今度教えて貰おう。

 午後8時。軽く汗を流し念修行パート2。今日は変化系。うへぇ。苦手なんだよね。今日はそれぞれのレベルを一通り熟す。因みに自室で出来る時はやるが、無理な時は庭でやる。マイケルは瞑想中。

 午後9時。歯磨きしてマイケルを寝かせる。よく寝る子にして育てたい。まぁ毎日の修行で疲れ切ってるからいつも泥の様に寝てる。

 寝かせた帰りに父が書斎から手招きしてる。お、今日は母が捕まらなかったな。晩酌は両親でやってるが偶に私が呼ばれる。前母に見つかって2人ともメチャクチャ怒られたから、コッソリとだ。怒られても辞めない所に父のお茶目さがある。

 この時間も私は好きだ。ウィスキーで乾杯し、まったり過ごす。父も割とざっくばらんに仕事の話をするし、私も舎弟の扱い方を聞いてみたり、マイケルの意外な根性についての考察をしたり、色々な話をする。

 午後10時。明日も早いので先に部屋に戻る。父はもう少し呑む様だ。ほどほどにしなよ。さて、私も瞑想の時間だ。2時間程細胞に語りかけながら行う。私の睡眠時間だが、《絶》プラス細胞操作で良質な休息を得る事が出来るため、2時間でも完全回復する。しかし、人間性を失わない事と、リズムを崩さない様に4時間は寝る様にしている。

 午前0時。おやすみなさい…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 この様に日々を送っている。また休日はバイトに行ったり、一日中修行したりと割と多忙な生活をしている様に見えるが、私にとっては掛け替えのない日々だ。ずっとこの時間が続けばいいのになぁ。




 アンダーソン家の日常。マイケル君には頑張れとしか言いようがない。作者的には、彼もジョセフ君も結構好きなキャラクターです。後々別視点載せます。

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