アンブレイカブルハンター   作:エアロダイナミクス

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流石に毎日は厳しかった…!
すみません。とりあえずでき次第投下という感じで…!


108、フラグ

 

 

 

 

 

 

 今、我々は広く、()()()()()()()()を仲良く彷徨っている。我々とは、私とビスケに加えて、ゴン達の事だ。

 現在、方向も分からず闇雲に歩いている。何処がゴールかも分からない。弟子達は途方に暮れている。

 それは会長が遊びに来てから3日後に起きた事だった──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日、私とビスケはルーティンに組み込まれた午後のカード探しに出かけていた。最近ビスケはペットに愛着を持っている様で、出かける際には全て連れ歩く様になった。移動が大変だが、我々もさして切迫してない為問題ない。

 目的はカード収集、ではあるが、その中でも全く取得条件が不明なNo.1『一坪の密林』だ。そして、このカードはまだ誰も取得していない。少し弟子達のサポートをこっそりしてやろうという魂胆だ。

 さて、件のカードは【道標(ガイドポスト)】と【解析(アナリシス)】を使ってみて、場所と概要は分かったが、それきりだ。というわけで、少しでも情報が得られる様にその場所へと赴いた。その名も、エルディアナ大密林。その麓村である「エルディアナ村」である。

 多少距離があった為、ペット達を担ぎながら私とビスケで走り、現地に着いた。すると、意外な人物達と出くわした。

 

 

 

 そう、弟子達である。

 

 

 

 

「あっ! カームとビスケ!」

 

「ゲッ! こんなトコで会うとは……」

 

「やぁ、ホントに偶然だな。キルアとカルトまで揃って。まだ試験中かと思っていたが」

 

「コイツら帰って来たのはついさっきだぜ。キルアが帰ってくるなり攻略しようっつーからよ」

 

「バカ言え! ゲンスルー組ってのがもう90種近く集めてんだ。ボサッとしてるヒマ無いからな!」

 

「とか言って。ホントは後でビックリさせたかったくせに」

 

「うるせーぞカルト! そんなんじゃねーからな!」

 

「……全く。連絡ぐらいしたらいいものを。で? どうだった?」

 

「あぁ、ヨユーだぜ、あんなの。なぁカルト」

 

「むしろ帰ってくるのに時間かかった。それよりそこのババァ……ちょっと話がある」

 

「ふぅん。何かしら、小娘」

 

 

 ビスケは以前の様にキレちらかさず、余裕を持った表情で答える。カルトはそれを見て青筋を立てながらビスケを誘導した。そして2人は我々から離れて()()()()()を始めた。大体の内容は想像つくが、こういうのはツッコむと余計にややこしくなるからスルーだ。……なんか今にもバトルが始まりそうな不穏なオーラが出てるが無視する。しかし、カルトもあれから更にレベルアップしてるな。オーラでわかる。だが、ビスケも相当強くなってるからな。

 

 

「おい、アレいーのか?」

 

「あぁ、ほっとこう。我々に出来ることはない」

 

「レオリオ、女の子は()()()()()もあるからここはカームの言う通りだよ。……でもカーム。そろそろ2人とも向き合ってあげないといけないよ?」

 

「……ゴンの言う通りだな。まさか弟子に教えられるとは。私も〝コレ〟が終わったら白黒つけようと思う。心配させてすまなかったな」

 

「ううん。余計なお世話だったね。じゃあ気を取り直して、ゲームの話しようか」

 

 

 

 流石ゴンさんだ。全てお見通しか。私もそろそろ年貢の納め時、か。だが、不思議と以前の様な悩みはない。不安ではあるが、私は前に進み出そうとしている。これも、師匠や会長、そしてこれまでの彼らとの触れ合いが私を支えてくれているからか。だからこそ、私は進まなければならない。

 

 

 

 前へ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「終わったわよ。無事話がついたわ」

 

「カルトもいいのか?」

 

「うん。大丈夫。ただ、後で相談がある」

 

「……分かった」

 

「よし、それじゃ今話してた事を言うね。とりあえず、今回は情報集めしようって事で、オレ達とカーム達で手分けして探してみる事になったよ。前から一通り探ってはいたけど、見落としがないか、しらみつぶしにやってみよう」

 

「なるほどね。まぁ激レアカードみたいだし、いいんじゃない?」

 

「1番怪しいのがここの長老だけど、何もヒントがねーんだよな。多分、別のトコでフラグ踏まなきゃいけないと思う。で、どっかにフラグがあるはずなんだけどな」

 

「じゃあとりあえず、それぞれで手分けして情報収集しながら、後で集まって確認する感じだな」

 

「了解。ところで、さっきから思ってたんだが、その動物どもは何なんだ?」

 

「あぁ、これは──」

 

「ウチのペットちゃん達よ! 紹介するわね。まず、メイドパンダのメイちゃん、シルバードッグのシルちゃん、トラエモンのトラちゃんにカメレオンキャットのメレちゃん!」

 

「いや、そうじゃなくてな? 何で連れて来てんの?」

 

「可愛いウチのペット達を置いてきぼりにできるわけないじゃない!」

 

「これには事情があってな。ウチの拠点でカード化出来ない彼等を放し飼いにしてたら、結構懐いてビスケが愛着が湧いたらしい。最近はあまり熱心にカード集めやってないから連れて歩いてるという訳だ」

 

「マジかよ、めんどくせぇなぁ」

 

「まぁそう言うな。邪魔にはならん様にするさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『一坪の密林』について何か知らないか?」

 

「……それは禁忌だ。ヨソ者には教えられん…が、お前さん達ならヒダ長老から教えてもらえるだろう」

 

 

 ……おかしい。以前は何も反応がないか、知らないの一点張りだった。他の村人に聞いてもそうだ。これは何らかの要因でフラグが進んだ可能性がある。

 急ぎ、他の村人にも確認して、ゴン達と合流しよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とりあえず、情報を集めた結果、長老に話をしろと殆どの村人が言ってきた。これは…まさかとは思うが()()か? そう考えた所で彼らと合流した。情報交換タイムだ。

 

 

「全然収穫ナシ。前と一緒」

 

 

 やはりな。彼らになくて、我々にあるもの。それは──

 

 

「カーム達は何かあった?」

 

「それがな……長老に話をしろと皆が口を揃えて言ってきた」

 

「!!? マジで!? ナイスだぜ! 何らかのフラグが揃ってたか! 早速長老の元にいこーぜ!!」

 

「そうだな。まずは長老に話を聞こう」

 

「僕達になくて、カーム達にあるもの……まさか」

 

 

 カルトは気づいたようだな。恐らく考えは一緒だろう。まぁ推察でしかない。長老と話せば分かるだろう。そうこうしてる内に長老の元についた。元々狭い村だからな。彼は質素な木製の家の前の木の切り株に座っていた。

 

 

「やぁ、ヒダ長老、お尋ねしたいんだが、『一坪の密林』について何か知ってる事はないかな?」

 

「…………」

 

 

 

 

 長老が黙り込む仕草をする。これはまさか……!

 

 

 

「反応がちげーぞ! いつもなら知らんの一点張りだが、これは……!」

 

「長老? 何か知ってるのか?」

 

「……お前さん達にならいいじゃろう。その場所は我々にとっては『聖域』じゃ。この大森林の何処かにそれは確かにある。じゃが、今そこは闇に侵されておる」

 

「!!? フラグが進んだぞ!?」

 

 

 

 キルアが興奮して捲し立てるが、ゴンがそれを制する。

 

 

 

「黙ってて! ちゃんと聞こう! それで、長老。何があったの?」

 

 

「……そうじゃな。どこから話そうか……。遥かな昔から『聖域』は森の神がおわす場所であり、この大森林はその神が治めておった。ワシら人間はその恩恵を分けていただきながら暮らしておった。じゃが、ある時から闇の精霊がこの森を支配し始め、この森は閉ざされてしまった。神はお隠れになり、動物達は暴走し、『聖域』は今や闇の領域となっておる。森の恩恵は失われてしもうた。遠からずワシらも滅びを迎えるじゃろう。だからといってあそこは稀少な動物達の楽園じゃ。無闇矢鱈と踏み込んで荒らす訳にもいかん。しかも厄介な事に、資格がない者には普段の森の様にしか映らん。だがそれは幻なのじゃ。しかし、お主達ならあるいは……」

 

「まさか……こんなにアッサリ……」

 

「動物……そうか! フラグは()()()()()()!! コイツらを()()()()()()()()()()()()()()()()()、それがフラグか!」

 

「分かるわけねーだろそんなの! アホか!!」

 

「待って、まだ話は続けよう! それで、どうしたらいい?」

 

「まずは森の闇を暴くのじゃ。その動物達も力になろう。そして、その原因である闇の精霊を倒してくれ。さすれば森の神も復活し、平和が戻るじゃろう」

 

「うん! 任せて。必ず闇の精霊を倒すからね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんちゅー分かりづらいフラグ! そりゃ誰もゲットできねーわ」

 

「ただの動物じゃなくて、指定カードの動物だったから良かったのかもな。多分、絶滅寸前の〜ってのがポイントなんだろ」

 

「う〜ん、ソイツらSランクとかだろ? それをワザワザゲインするなんてのは厳しいぞ」

 

「まぁ結果オーライだわよ。アタシのペットちゃん達が役に立って良かったわね!」

 

「認めたかねーがファインプレーだったな。さて、じゃあ早速攻略すっか! とりあえず動物連れて森に入ろうぜ。どっちかっつーとジャングルだけどな」

 

 

 

 

 そうして、我々はエルディアナ大密林へと足を踏み入れた。ここはまさにジャングルだ。一見平和なジャングルに見える。しかし、動物達が全く見当たらない。

 

 

「うーむ。長老は『闇を暴け』って言ってたけど、どうやったらその闇とやらは姿を現すんだ?」

 

「また何かのフラグがあんのか? もう勘弁してほしいよな」

 

「動物達が役に立つだろうって言ってたけど、どうなんだろ。ビスケ、聞いてみてくれる?」

 

 

「どう? みんな、どうにかできそう?」

 

 

 ビスケがペット達に問いかける。それぞれが考えこむ中、トラエモンが何やらお腹の袋をゴソゴソしている。そして、お腹からアイテムを取り出した。

 

 

「あーっ!! それアタシが飾っといた『闇のヒスイ』じゃない! トラちゃんまたくすねたわね!!」

 

 

 ビスケが騒ぐが、闇のヒスイは暗い光を撒き散らし、辺りを暗く染める。現れたのは、闇に染まった密林。木々も、空も、植物すらも黒く塗りつぶされている。正に闇の世界、といった風情だ。

 

 

「うわっ、マジか……ちょっとグロいな」

 

「これは酷いね……一刻も早く元に戻さないとね」

 

「とりあえず探すか。その『聖域』とやらをよ」

 

 

 

 そうして我々は、動き出す。シルバードッグの毛が輝き、明かりの代わりになってくれている為、先頭を歩いてもらう。だが、どっちに向かえば良いのか。仕方がないので、まっすぐ奥地に向かって歩き出す。

 周りは暗く、そしておどろおどろしい。しかし、それがカードに繋がるため、頑張らねばならない。弟子達はそれぞれ暗澹たる気持ちだったようだが、意を決して歩き出した。

 私はといえば、以前からこういうのはしょっちゅうあって慣れていた為、あまりショックは無い。むしろ弟子達がどのような動きをして行くか、お手並拝見といこう。




『一坪の密林』フラグ

①指定カードの中の「絶滅寸前の〜」という文言の入った動物達をゲットする。
         ↓
②それらをゲインし、一定時間世話して親密度を上げる。
         ↓
③その状態で、大密林の麓村まで行き、村人に話しかける。
         ↓
④カードについて尋ねると「長老に聞け」と言われる。

         ↓
⑤長老から、重大なヒントをもらう。※この時点で親密度を上げてない者にも情報を渡してくれる。ただし、フラグを立てた者が半径5メートル以内にいないと無効になる。


 ……という妄想でした。この小説では、最上級の指定カードコンボをフラグとして出してます。ここから更に『闇のヒスイ』を持ってないと、森の真の姿が現れないっていう。

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