アンブレイカブルハンター   作:エアロダイナミクス

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非常に難産でしたが、ようやく出来ました…!


114、カキン流奥義

 

 

 

 

 

 最初は7イン1アウトから始まるため、ビスケと高速ジャンケンをして、私が内野に残った。ビスケはズルいわさ! とプリプリ怒っていたが、我慢して欲しい。後でスイーツでもご馳走すると言ったら落ち着いたが、カルトに睨まれた。わかったよ。2つね。

 さて、試合はジャンプボールから始まる。こちら側はキルアが行く。向こうは何とレイザーだ。早くも取りに来たか? だが、キルアも簡単に競り負けるほど弱くはないぞ。

 

 

 そう思っていたが、いざジャンプボールをした瞬間、2人同時に飛び上がり、スパイクの姿勢でボールを挟む。だが、総合的なパワーによって、キルアは吹っ飛ばされ、床に叩きつけられる。次の瞬間、キルアに向かって凄まじいスピードのボールが飛んでくる。

 

 

「キルア!!!」

 

「!?」

 

 

 

 

 ドンッ!

 

 

 

 

 

 シュウゥウウゥ……

 

 

 

 キルアはギリギリの所でボールを回避した。【電光石火】か。やるな。だが、向こうも流石に序盤からこれとは恐れいった。しかもアレは彼の念獣が投げたもの。まだまだ威力はこんなもんじゃないだろう。

 

 

「ちょっ! いきなりずりーぞ!!」

 

「ふむ。避けたか。残念だ。当てるつもりだったんだがな」

 

 

 涼しい顔でレイザーが答える。なるほどな。我々の参加を見てなりふり構わずに来たか。いいね。それでこそやりがいがある。

 

 

「おい……なんちゅー威力だよ。これ、本体が投げたらヤバいんじゃないか?」

 

「そうだな、レオリオ。間違いなくヤバい。だが、君達はそれで死ぬようなヤワな鍛え方はしていない。私をガッカリさせるなよ?」

 

「……しょうがねぇな。やるしかないか」

 

 

 

 《堅》

 

 

 ズズ…

 

 

 

 弟子達はレイザーの球に備えて戦闘体勢をとる。非常になめらかだ。美しくすらある。そして、その顕在量は約3000はある。これは銃弾を浴びても防げるレベルでもあり、上位ハンターと遜色がない。

 

 

 レイザーがボールに念を集める。これもまた、凄まじいオーラの集中がなされる。それが当たれば弟子達もただではすまない程のものだ。だが、防げる。後はどう対処するかだ。

 レイザーが振りかぶる。遠い。だが、恐らくその距離は大して問題にならない。

 

 

 

 

 ゴオッ!

 

 

 

 

 凄まじい球速! 狙いは……ゴンか!

 

 

 

 「!!」

 

 

 

 《凝》!!

 

 

 

 

 ドガン!!

 

 

 

 まるで大砲の様な音を立ててゴンが弾き飛ばされた。驚くべき事に、()()()()()()()()。だが、流石に威力がオーバーし、弾かれた、という顛末だ。その集中力、精神力は見事だ。足にもオーラを割いたおかげで、ダメージは多少あるが、惜しかった。1秒はキープしたからな。ボールは弾かれて天井に激しくバウンド。そのままの勢いで天井に少しめり込み、落ちてこなくなった。

 

 

 

「ピピーッ! ゴン選手、アウト!! ボールの落下予想地点は……ゴンチームの内野からリスタート!」

 

 

 

「ほぉ。コレを耐えるか。だが、キャッチまでは無理なようだな」

 

「おい、ゴン大丈夫か!?」

 

「……うん。ヘーキ」

 

「なわけねーだろ!」

 

 

 ゴンの額からダラダラと出血していたが、すぐに血も止まった。

 

 

「念の為にオレも見とくぜ」

 

「大丈夫。指も動く。次は捕る」

 

「……まぁいいけどよ。無理はすんなよ?」

 

「ふむ。では、バックの権利は君が使うといい。残り3人になったら、かな」

 

「うん! ありがとね」

 

 

 さて、こちらのボールになったか。では、攻撃ターンだな。さっきから会長がやりたそうにウズウズしてる。……しょうがないなぁ。

 

「はい。どうぞ」

 

「分かってくれたか。無視されるかと思ったぞ。じゃあお主、ボール支えてくれんか?」

 

「ハイハイ。分かりましたよ」

 

 

 会長の前にオーラで作った台を設置する。ボールが丁度乗るように、ゴルフのティーカップの形に加工して。

 

 

 

「……相変わらず器用なやっちゃな。まぁええ。行くぞい」

 

 

 

 会長がオーラを練り始める。おいおい。この人ガチだな。……レイザー、捕れるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ジイさんから凄まじい量のオーラを感じる。これ程とはな。また、あのオーラを自由自在に操る男もやはり常識外だ。

 さて、どうする? 

 

 

 

 ジイさんがゆるりと構える。そして、()()()()()ボールに向かって正拳突きをしている。なんだ? 試しか?

 

 

 

 ……いや、あのオーラは「試し」などではない! 来る!!

 

 

 

 

 

 ドゴォン!!!

 

 

 

 

 まるで大砲の様な音を発して、球が発射された。これは! 

 

 

 

 

 ドギャッ!!

 

 

 

 

 レシーブが無事に成功する。しかし、恐ろしい威力! このジジイ、許さん。

 

 

 

 

「マジか。なんちゅーレベルだ、アイツ!」

 

「ほーう。こりゃいいのう! 素晴らしい使い手じゃ!」

 

「喋ってる暇ない、次来る!」

 

 

 

 ボールに向かってジャンプする。ご名答。喰らえ。

 

 

 

 

 ゴオッ!!

 

 

 

 

「ひょっ。ワシ?」

 

 

 その通り。必殺のスパイクだ。さぁ、ジジイ。お前はどう対処する?

 

 

 

 ジジイが動かない。当たるぞ? いいのか?

 

 

 

 インパクトの刹那、ジジイが()()()()をした。具体的には祈りの所作だ。0.1以下の秒数で何故それが出来たのかは分からない。だが、確かにやっていた。夢ではない。不思議な感覚だ。まるで、時が圧縮されたかの様な……

 

 

 

 

 

 【百式観音 参乃掌】!!

 

 

 

 

 

 パァン!!

 

 

 

 

 気付いたら、ジジイの背後から巨大な二つの手が伸びて、合掌の形を取っていた。そして……

 

 

 

 

 パラパラ……

 

 

 

 

「ありゃ、壊してしもうた。力加減ミスったのう……」

 

 

 

 バカな……あのボールを破壊するとは、どれほどの威力!! チッ。厄介な。どうしてくれようか。

 

 

 

「あ〜もうええわ。後は若いモンに譲るぞ」

 

 

「!?」

 

 

 

 対処の仕方を考えていたら、ジイさんは自ら外野に向かっていった。

 

 

 

「なっ……!」

 

 

「いいんですか? アウトにはなってませんよ?」

 

「いや、アウトみたいなもんじゃ。ワシもまだまだよな。お主ならどう捕る?」

 

「う〜ん、自分に厳しいですね。さっきのパンチは消力が完璧に出来てましたけどね。じゃあ後で私のやり方は見せますよ」

 

 

 

 

 ……クソジジイめ。遊びやがって。だが、ラッキーでもある。内野には後厄介なのが1人だけ。これなら勝ちの目も出て来た。先ずは1人ずつ、確実に潰してやる。

 ボールが外野の女に渡る。

 

 

「あんまり投げるのは得意じゃないんだけど!」

 

 

 ギュオッ!

 

 

「ギシェ!」

 

 

 何が得意じゃないだ。かなりの威力の球を投げる。リバウンドしたボールを長身のレオリオという男が拾い、再びもう1匹の悪魔を仕留める。これも中々な威力! 慣れてるな。さては放出系だな? まぁいい。さて、こちら側の準備は整った。再び、レオリオが投げる。オレ以外を先に仕留める気だな? そうはさせん。

 

 

 2、6、7番、合体!!

 

 

 バシィ!

 

 

 

「なっ! 審判、アレ、アリかよ!!」

 

「アリです」

 

「じゃあ分裂もアリなのか?」

 

「規定の人数を超えなければアリです」

 

 

 向こうで審判に何人か抗議している。しかし、それはアリだ。そちらでもやっていい事だしな。出来るかはともかく。……いや、あの帽子の奴。アイツはやりかねないな。だが、そんな事はどうでもいい。漸く準備が整った所だ。

 さて、始めるか。覚悟しろ。確実に、1人ずつ、だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ギュオッ!!

 

 

 

「なっ! パス!?」

 

「なんちゅー高速パス!!」

 

 

 

 外野の全ての面にいる悪魔が、パス回しを高速で行う。縦横無尽に駆け回るボールの軌道。だが、念獣が投げるボールはオレのよりも威力は相当落ちる。このレベルの奴等では普通に止められかねない。大体は無理なんだが、コイツらは異常だ。

 よって、このパス回しに()()()()()()()。そうすることで、先程の弱点が一部解消される。

 

 

 

 

 ほら、そこ。

 

 

 

「レオリオ!」

 

「くっ!!」

 

 

 

 ドギャッ!!

 

 

 

 背面からのオレのボールだ。だが、奴も正面に向き直り、レシーブをしようとしていた。残念ながらボールはこちら側に跳ね返ってきたがな。

 しかし、分析して真似をしようと思う事がやはり異常だ。

 

 

 

「ピピーッ! レオリオ選手、アウト!!」

 

 

「クソっ! やっぱ無理だったか!」

 

「練習無しでやろうとするなんて無茶がすぎるぞ? レオリオ。その辺は前から変わらないな。折れてるんじゃないか?」

 

「ケッ。クラピカ、オメーに言われなくてもわかってらぁ。確かにちょっと無理だったぜ。だが、骨の一本ぐれーならすぐ治せる」

 

 

 ……奴はヒーラーだったのか。除念師程では無いが、稀少な能力者! 先に潰せて良かった。本当はリタイヤさせたかったが。

 さて、続きだ!

 

 

 思いっきり振りかぶり、投げる。今度は変化球だ!

 

 

 

 

 端のキルアが避ける事を選択する。だが、そのまま直角にシュート! 

 

 

 

「!…ッ!」

 

 

「くっ!!」

 

 

 

 一直線になってた複数人のうち、和服を着た女の子はジャンプして躱したが、衣服の一部に掠った。そして、最後の金髪も上体を逸らして躱すが、そのボールの先には悪魔が控えている。

 高速の切り返しで金髪の男? にボールが迫る。

 

 

「クラピカ!!」

 

「……ッ!!」

 

 

 

 【縛る中指の鎖(チェーンジェイル)】!!

 

 

 

 ジャラッ!! ギチギチギチ…

 

 

 

 ほぅ。鎖を操る能力! アレでボールを縛ったか。だが、手のダメージは隠せない。今後捕球もままならんだろう……ん? オーラが増大したぞ?

 

 

 

 【癒す親指の鎖(ホーリーチェーン)

 

 

 

 なっ……! コイツも回復持ちか! ……中々やるじゃないか。しかし1人は頂いたぞ。

 

 

 

「ピピーッ! カルト選手! アウトです!!」

 

 

「……衣服も体の一部って事……不覚」

 

 

 

 

「バック!!!」

 

 

 

 

 ゴンがバックを宣言する。残り3人になったからか。これで奴らはバックを使えない。数字的にはこちらの大幅な有利だ。

 だが、全く安心出来ない。あの帽子の奴。アイツを何とかしなければならないからだ。さて、ボールは向こう持ち。どう来るか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ……ツェズゲラ、何だあの戦い」

 

「…………オレがいなくて良かった。あの戦いでは足を引っ張りそうだ。悔しいがな。修行不足を実感したよ。少なくとも、オレ達だけじゃこのイベントは無理だったな」

 

「あぁ。しかし、高レベルの戦いを見せてくれるチャンスでもあるな」

 

「その通り。我々の仕事は終わった。後はしっかり見させてもらおう。そしてまた一から鍛え直さねばな。ククク…基礎修行など何年ぶりだろうな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ、ジイさんはアレで満足なのか?」

 

「一通りやったからいいんじゃないですか? 我々もラクできますよ。……しかし、『彼』…何者でしょうね」

 

「あぁ。ビスケ師範代もヤバいが、『アイツ』はまた別次元だ。敵味方合わせてな。今んトコ動きが無いが、もうすぐ分かるだろ」

 

「そうですね。とりあえずしっかりと見させてもらいましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

「クラピカ、貸して」

 

「……秘策があるのか?」

 

「うん。キルア、そこでボールを持って支えてくれる?」

 

「……なるほどな。会長がやったやつか」

 

「絶対に吹っ飛ばしてやる」

 

 

 

 そう言って、ゴンはオーラを練り始める。

 

 

 

 ゴゴゴゴ……キイィィィン!

 

 

 

 

 凄まじいオーラが拳に集中する! 

 

 

 

「最初は、グー!」

 

 

 

 ビリビリビリ!!

 

 

 

「ジャンケン、グー!!!」

 

 

 

 

 ドゴォン!!

 

 

 

 

 およそボールの射出音とは思えない凄まじい音がして、これまた凄まじい勢いでボールが吹っ飛んでいった。

 

 

 

 ドゴォッ!

 

 

 

 そして、巨体の悪魔が吹っ飛ばされる。この威力は会長のものほどではないが、いい威力だ。見事。これで残り悪魔は一体。しかし、巨体悪魔はキャッチせずに、ワザと当たり、ボールを内野側まで転がす。ぶつかった衝撃で威力を殺したか。そのバウンドした球をレイザーが拾う。

 

 

「くそっ! あんなんじゃダメだ!」

 

 

 ゴンが悔しがっている。まだまだ行けるか。楽しみだ。さて、それなら彼からボールを取らねばな。

 

 

 

「…………」

 

 

 

 外野と内野の念獣を1匹ずつ残して解除した。オーラが増大する。なるほど。()()本気か。そして、ボールにオーラを集める。凄まじいポテンシャル! 先程のゴンを上回るオーラ量! 最早大砲クラスの威力になるだろう。

 そして、そのボールを上空に投げた。狙いは……私か!

 

 

 

 

 バゴォン!!

 

 

 

 

 凄まじい暴力が私に迫る。

 

 

 

 

 ……見せてやろう。カキン拳法の奥義を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 コレを使う事になるとはな。久々にいい感じだぜ。奴もこの威力ではただでは済むまい! さぁ、どうだ!!

 

 

 

 

 

 ……インパクト音がしない!! そして、何だアレは!? 回転している!?

 

 

 

 

 

 ギュルギュルギュルギュル……

 

 

 

 

 奴は目にも止まらぬ程の速さでその場で回転していた。その姿が速すぎて竜巻の様になっている。姿もブレてはっきり見えない。しかし、それも徐々に穏やかになる。そして……人差し指の先でボールを激しく回転させる奴の姿が現れた。

 

 

 

 

「「!?」」

 

 

 

 

 ジジイと女が驚いている。いや、オレも当然驚いている。なんなんだ。あの動きは。何をした!

 

 

 

「岩のように硬く、草のように柔らかく、羽のように軽く、山のように重い。水のように流れ、枝のように受ける。其れ即ち、自然と合一すること也。極める事で、如何なる打撃も意味を為さない」

 

 

 

 恐らく、だが、ボールを側面から受け流しつつ掴み、そのまま勢いに逆らわず回転したのだろう。そして、少しずつ威力を減じ、ボール自体の回転へと置き換えた! オレも何を言ってるか分からない程の超高等技術だ。

 ……脱帽、だな。だが、勝負は終わるまで分からん。最後まで出し尽くす!

 

 

 

 

 

 

「!!! バカな…! 何だあの動きは!!」

 

「まさか、在野にこれ程の者がいるとは…。会長も人が悪い」

 

「あぁ、一回手合わせ願いてぇなぁ…!」

 

「会長が大事に仕舞い込んでる理由が少し見えましたね。明らかに人類で5指に入る程の実力!」

 

「いいモン見れたぜ。オレも鍛え直さねェとな」

 

「えぇ。それにしてもどんな素性なんでしょうね。彼は」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゴン、私はここまでだ。後は君らがやれ」

 

 

 

 ボールを渡しながら奴が言う。

 

 

「!!!」

 

 

「なっ! もう少しなのに何を言ってるんだ君は!!」

 

 

 外野の外から髭面の野次が飛ぶが、それも当然だ。舐めてるのか?

 

 

 

「私の目的は弟子の育成。これまででも過保護過ぎた。後は彼等でも充分に勝てる。そうだろう? ゴン。これはお前の闘いだ。キルアもクラピカもムカついてる筈だ。ならば、奴に勝て。私抜きでも完璧に」

 

 

 

「…………」

 

 

 ゴオッ!

 

 

 

 

 

 しばらく考え込んで、彼らは返事では無く、オーラで彼らはその意を示した。

だが……舐めやがって。()()()()でオレに完璧に勝つ? ふざけるのも大概にしろよ。いいだろう。ここから先は死合だ。覚悟するがいい。先ずは奴からのボールを捕る。

 先程のならレシーブでいける。来るがいい。

 

 

 

 

 

 《練》

 

 

 

 

 ゴゴゴゴ……!

 

 

 

 

 なっ! 先程のがMAXでは無かったのか。この歳で……怪物か…!! だが、いける。レシーブ後のスパイクで1人ずつ潰す!!

 

 

 

 

「ジャンケン、グー!!!」

 

 

 

 ゴオッ!!

 

 

 

「あまりオレを舐めるなよ…小僧共!!」

 

 

 

バゴンッ!

 

 

 

 よし! 成功!! 続けて喰らえ!! 

 

 

 ジャンプし、スパイクを撃つ寸前にボールに鎖が絡み付き、向こうに引き寄せられた。

 

 

 

「完璧に勝つ、とはカームも無茶な注文だ。いつもの事だが。しかし、()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 チッ! 鎖使い!!! 失念していた。オレのミスだ。

 

 

「………バック」

 

 

 

 ……使わされたか。もう後が無い。鎖使い(クラピカと言うらしい)から外野の女の子にボールが渡る。

 

 

 ギュオン!

 

 

「ギシェ!」

 

 

 ……これでオレ1人。いいだろう。ガキども。ボールはコチラだ。その傲慢さを体で支払うがいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「審判、タイムだ!」

 

 

「おい、ゴン! なんか手はあるんだろうな? 完璧に勝つ前に、アイツからあのヤバい球を捕らなきゃいけないんだぜ?」

 

「うん、それなんだけどね……クラピカも来て……ゴニョゴニョ」

 

 

 

「……またとんでもない発想だな。よく思いついたものだ」

 

「へへ、すごいでしょ!」

 

「いや、オレ自信ねーなぁ」

 

「だが、やる価値はある。面白い。私も力を尽くそう」

 

 

 

 ……話はついたようだ。ではいくか。

 

 

 

 シュオオオオオ…

 

 

 

 

 こちらのターンだ。

 

 

 

 

 奴等は何を企んでいるか。

 

 

 

 

 だが、何をしようと無駄だ。

 

 

 

 

 ケリをつける。

 

 

 

 

 だから。

 

 

 

 

 ありったけを。


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