アンブレイカブルハンター【完結】   作:エアロダイナミクス

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117、悪の定義

 

 

 

 

 

 

「おや、皆さん。久方ぶりですね。早速カードを使ってくれたのですね? 喜ばしい事です。森の危機を救ってくれた皆さんならいくらでも滞在してくださいね」

 

 

(なぁ…アレって寝癖だよな?)

 

(間違いなくそうだね…。今まで寝てたのかな?) 

 

(涼しい顔して偉そうな事言ってるけど、相当間抜けな絵面。お里が知れる)

 

(これだからチビッコは…そんなギャップがいいんだろうが! 分かってねーな!)

 

(お休み中だったのかな…とりあえず伝えてみるよ)

 

(マジか! 確かに気になるから伝えるのは賛成だがよ…いけるか?)

 

(うん。大丈夫。任せて)

 

 

 

 

「あの……お休み中にごめんなさい。オレ達敵に追われちゃってて…」

 

「いいえ、休んでなどいませんよ? これでも女神ですからね」

 

 

(おい! 分かってねーぞ! もうちょいストレートに言わねーとダメなんじゃねーか!?)

 

(うーん、これは天然タイプのズボラさんかな? じゃあ別の言い方試してみるよ)

 

(……何でそんなに冷静に分析できんだよ…。お前、オレと同い年だよな?)

 

(くじら島では旅行で来て暇してる人とかとデートしたりエスコートしたりしてたからね。何となく分かるんだ)

 

(マジか…)

 

 

「急に押しかけてごめんなさい。でも、女神様は今日も綺麗だね! 髪もサラサラですごいや! でも、髪の毛が()()()()()()乱れてるね。何かあったの?」

 

「あ、あら? …オホホホホ。ごめんなさいね。ちょっと急いじゃって…。でも、教えてくれてありがとう。その歳で気遣いできるなんて中々できる事じゃないわ。将来が楽しみね」

 

「ううん、こちらこそ不躾な事言ってごめんなさい。でも、女神様が身近になってくれた感じがして嬉しいよ!」

 

「あらあら…! 本当に素敵な紳士だこと…。貴方とは仲良くできそうね」

 

 

 

 

((……コイツ……大人だ!))

 

(アイツ、マジでパーフェクトコミュニケーションだな…。夜の店で鍛えたオレでも無理だぜ)

 

(オレも無理だな…やっぱゴンはすげーや)

 

(ふん…何が凄いんだか…。僕にはサッパリ分からないね)

 

(…お前、そんなんだからあのババアに負けそうになるんじゃねーの? もうちょい勉強したらどうだ?)

 

(な…それとこれとは関係ない! そんな事言う兄さんなんて嫌い!!)

 

 

 プリプリ怒ってその場から離れるカルトを見ながら、やれやれのポーズを取るキルアであった。

 

「おいおい、いーのか?」

 

「ん? あぁ、好きにさせようかな。アイツも大分感情が表に出てきてむしろいい傾向だと思うし。オレもそうだけど、やっぱウチは特殊だからさ」

 

「なるほどな、納得。ようやく難しいお年頃が来たってか」

 

「そーゆーこと。だからほっとく。…それにしても、アイツら打ち解けすぎじゃね?」

 

 

 彼らがゴン達を見れば、非常に打ち解け、和気藹々としゃべりまくる女神様の姿がそこにあった。

 

 

「なぁ…あの女神、キャラ変わってね?」

 

「お、おう…なんつーか、近所のおばちゃんみたいになってるんだが…」

 

 

 そんな失礼な感想を言い合っている野郎2人にゴンが振り返り告げる。

 

 

「ねぇ、みんな! ディアナさんが特別に家に招待してくれるって! みんなで泊まれるスペースもあるみたいだよ! よかったね!!」

 

 

 

 

「……アイツ、ホントすげーな…。これからゴンさんって呼ぼうかな…」

 

「そうだな…オレも見習わねーとな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おや、いらっしゃい。何の用かな?」

 

「とぼけるな。わかってるだろ? お前が『一坪の密林』と『一坪の海岸線』を持っているのは【名簿(リスト)】で確認済みだ。更に言えば【念視(サイトビジョン)】でも確認済みだ。お前がオリジナル持ち。そうだろう? よって、生命の安全は保障してやる。その代わりにその2つのカードをよこせ」

 

「おやおや…初対面でいきなりずいぶんだな。君たちがかの悪名高い『爆弾魔(ボマー)』かな? で?」

 

「ククク……女の前で粋がるのはやめる事だ…。無惨に(バラ)されたく無いだろ? おとなしくカードをよこせば()()()()辛い目にはあわせずに済むぞ?」

 

「ふ~ん。だってよ、ビスケ」

 

「きゃー怖い~! カームさん、何とかして~。このままじゃ私、アイツらに酷いことされちゃう~!!」

 

「……あのさぁ。……まぁ、いいか。じゃあ辛い目とやらにあわずに済むには、カードを渡せば良いんだな?」

 

「理解が早くて助かる。バカじゃないようだな。物分かりが良い奴は長生きするぞ。じゃあお前1人でカードを出してゆっくりこっちに来い」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だが断る」

 

 

 

 

 

「!!? ……は? なんて言った?もういっぺん言ってみろ」

 

「私は君達のような自分が強いと思っている奴に『NO』と断ってやる事が趣味でね」

 

「貴様…死にたいらしいな。いいだろう。構えろ。無意味な行為だがな」

 

 

 

 ズズズ…

 

 

 ゲンスルー組の3人からオーラがあふれ出す。《堅》だ。もう既に戦闘態勢に入っている。やる気満々だな。

 さっきのセリフだが、いっぺん言ってみたかったことだ。どの漫画か忘れたが、やたら印象に残っているセリフだったからな。煽り効果としては抜群の性能を誇っているようだ。

 さて…どう料理しようかな。…よし、決めた。随分と自分勝手に人殺しやってる奴等だから少し懲らしめてやろう。具体的には()()()()()()()()って奴を教えてやろうかな。

 ついでにビスケにも見せてやろう。本来の私を。

 

 

 

「うーん。中々いい《練》だ。ビスケ、ちょっと離れといて。…ところで、私は『悪』とは何かって考えた時に、自分の欲望のために弱者を利用する奴って書いてある本が昔あってね。それには概ね同意しているのさ」

 

「…だから何だ?」

 

「それに照らすと、君達はまさに『悪』だな」

 

「それがどうした? 早く構えろよ。それとも無抵抗で死ぬか?」

 

「だがね、そんな『悪』も、『悪』じゃなくなる時がある」

 

「……いい加減にしろよ。時間稼ぎか? やらないならこっちから行くぞ」

 

 

 ゲンスルーがしびれを切らしてこちらに歩き出す。油断ない、いい動きだ。さて…始めようか。()()()()()()を。

 ゲンスルーが迫る。後数歩、という所迄接近して、手にオーラを集めている。他2人も油断なく近づき、私を取り囲むようなフォーメーションだ。だが彼等が自分で言った様に、無意味だ。

 

 

 

「それはソイツが『弱者』だった時だ」

 

 

 

 

 《練》

 

 

 

 

 ズアッ!!!!!

 

 

 

 

 

「カッ…カハッ!!」

 

 

 

 あまりの衝撃に3人ともフリーズしたようだ。よく気絶しなかったな。ほぼフルパワーの《練》なのに。さーて、そうしたらここからがお仕置きの時間だな。

 

 

 

 〝聖光気〟

 

 

 

 からの……〝恐怖〟の概念!

 

 

 

 (オン)…!

 

 

 

「「「あっ、あっ、あっ……」」」

 

 

 

 ジョロロロ……

 

 

 

 

 

 うん。仲良く失禁したね。あっ、大きい方も…。あと、顔面がえらいことになってるな。髪の毛抜けてきてないか? でもまぁ、同情はしないがな。

 

 

 

「『力』を持つ者は、その『力』の扱いには十分注意しなければならない。なぜなら、身勝手に『力』を振り回せばより大きな『力』に潰されるからだ。これは私自身にも言える事だがね…ってもう聞こえてないか」

 

 

 

 

 フッ

 

 

 

 

 全ての圧を一旦引っ込める。そこには3人そろって死屍累々で無惨な姿を晒した『爆弾魔(ボマー)』組がいた。こうなると哀れだな。自業自得だが。

 

 

 

 

 さて…ビスケに声を掛けてみようか。

 

 

 

 

「ビスケ。どうだ? これが私だ」

 

「……ふん。だから何よ。あたしがビビるとでも?」

 

「無理をするな。足が震えているぞ」

 

「…ッ! 勘違いしないでね…これは武者震いよ…! どこまで行っても貴方はあたしと同じ人間! ただ、ひたすらに強いだけ…! あたしはそんな貴方をいつか超えてみせるッ…!!」

 

 

 

 涙目になって震えるビスケを思わず抱きしめる。一瞬ビクッとしたビスケだが、徐々にこわばりを無くしていった。

 

 

「ありがとう…。君の気持ちは十分受け取った。それだけで私は救われる」

 

 

 彼女の身体を離す。「あっ…」とつぶやく声を無視して『爆弾魔(ボマー)』組に向き直る。

 

 

「これから私は()()()をする。これは私にしか出来ない事だ。だから、先に拠点に帰っていてくれ」

 

「でも…」

 

「いいんだ。君のおかげで私はまた1つ、前に進める。ありがとう。私は大丈夫さ」

 

「そう…。じゃあ待ってるからね」

 

「あぁ。今日はゆっくりしよう。のんびり温泉にでも浸かるか」

 

「えぇ。ペットたちと待ってるわ。早く帰ってきてね!」

 

 

 

 ……私はいい人達と出会えた。ずっとずっと、このつながりを大事にしていこう。()()()()()、ソレを破壊するような『悪』はこれからも許さない。

 

 

 

 

 

 例え、私が『悪』と呼ばれようとも。

 

 

 

 

 

 

 絶対に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「うわっ! 汚ったな!!」」」

 

 

「何よー。わざわざ泊めてあげるんだから、文句言わないの! 全く。ゴン君を見習いなさいよ」

 

「ディアナさん、オレ、ちょっと片付けていい?」

 

「嬉しいわ! ありがとう!! お礼に何でも教えてあげるわよ!」

 

「オイこらG・M(ゲームマスター)! そんなんでいいのか!?」

 

「いいの! ここでは私が法律なんだからね!!」

 

「マジかよ…最初の女神キャラどこに行ったんだ?」

 

「まぁ、冗談だけど、片付け手伝ってくれたらお礼ぐらいするわよ。最近サボり気味だったから助かるわ」

 

「最近……?」

 

「最近! ホラホラ、さっさと身体動かす!」

 

「当人が寝っ転がってるじゃねーか! オレ達だけでやんのかよ!」

 

「まぁまぁ、早く片付けして休もうよ」

 

「……納得いかねェけど、しゃーないな。やるか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 粗方の掃除を終え、全員が寛いでいる。この家? は、巨大な木をくり抜いて作った様な外観の割には非常にゆとりがある。また、不思議なことに水道や電気関係も完備している。また、木の内部なだけあって縦に長く、天井もゆとりがあり、息苦しく無い。聞けば、ここは5階建てらしい。1つのフロアは丸々温泉フロアだそうだが、それでも部屋は余っている。ディアナの気分によって寝る場所を変えるらしい。最近は専らソファーで寝てたらしいが。

 

 

「はぁ〜快適ねー。やっぱキレイになると気持ちいいわね〜」

 

 

 ゴンが冷蔵庫から出したメロンソーダをソファーで寝っ転がりながらストローで飲みながらのディアナの一言。絵面だけ見れば、リゾート地に滞在中の美女の図に見えなくも無い。

 

 

「ダメだよ、ディアナ。虫が出るほど片付けてなかったら不衛生で健康に悪いよ」

 

「はいはい、分かりました〜。…ねェ、ゴン君ココに住まない?」

 

「いや、それはできないかな。ごめんね」

 

 

 同棲の誘いを一瞬で蹴るゴン。それを見て、レオリオが「なんちゅー羨ましい奴!」とか言っていたが、キルアに「汚部屋女だぞ、本当に羨ましいか?」と言われて少し冷静になっていた。カルトは不機嫌そうな顔でテーブルの端っこに座ってチビチビ同じメロンソーダを飲んでいる。

 

 

 

「さて、ありがとうね。私からもお礼しなきゃね。大した事はできないけど、まずはこの家でゆっくりしていってくださいね」

 

 

 メロンソーダを音を立てて飲み終えたディアナがキリッとした顔で告げる。もうそのキャラは遅いのではと全員が心の中で突っ込む。

 

 

「…ありがとう。ディアナ。じゃあお世話になるよ」

 

「遠慮せずにゆっくりしていってね。あぁ、それと、これは答えなくてもいいけど、君達が逃げるなんて結構な奴ね。珍しい。よっぽど強い奴なの?」

 

「あぁ、それなんだけど──」

 

 

 ゴンがこれまでの経緯を語り出す。一通り聞いて納得した様にディアナは頷く。

 

 

「ふぅん。君達、レイザーと闘った直後だったのね。納得。彼、人間にしてはかなり強いからね〜。あっ、でも君達には()()()が一緒にいたじゃない。何とでもなったんじゃないの?」

 

「あぁ、カームの事? それはね…」

 

「カームなら『これも君達の試練だ』っつってどっか行っちまったぜ。今回のこのゲームはオレ達の力でできるだけクリアしてほしいらしくてな」

 

「あー…なるほどね。合点いったわ。だからあの時何もしなかったのね。つまり君達はアイツの弟子って事?」

 

「うん。そうなるね。コレが最終試験だって」

 

「ふ〜ん……。ちょっと面白そうね〜…そうだ! いい事思いついちゃった♪ とりあえず、今日明日はダメージの回復に努めてね。明後日から私が少しだけ君達の面倒見るわ!」

 

「いや、それは嬉しいけど…いいの?」

 

「いいのいいの♪ 片付けのお礼よ〜。さぁ、休んだ休んだ!」

 

 

 

 ディアナに追い立てられ、あれよあれよと部屋に連行される一向。ディアナが何を企んでいるか分からないまま半分強制的に休む事になった。

 次の日になると、昨日の怠惰的な雰囲気から想像できないほど家庭的な雰囲気を発したディアナが、彼らの世話を献身的に行い始めた。具体的には、朝早くからエプロンを付けて料理や家事をする姿が見られた。

 女神の格好のままエプロンを付けている為にシュールな光景にも思えるが、実際には彼女の手際があまりにも良く、殆ど違和感を持たせない。聞けば、「昔とった杵柄だからねー」と答えた。

 その様子を見て、レオリオなどは鼻の下を再び伸ばし始め、カルトの眉間の皺がより深くなった。ともあれ、ゴン達は回復したら何が起きるのかと戦々恐々しながらも、治療や回復に努めていった。

 

 

 

 

 そして…滞在3日後、ディアナが朝食後にエプロンを脱いで、全員を外へ誘った。

 

 

 

「さ〜て、殆ど回復したみたいね! 若いから回復も早いわね。じゃ、やろっか」

 

「えっ…何を?」

 

「私が君達を直々に鍛えてあげるわよ! 君達だけの特別サービスね! いいから掛かってらっしゃい?」

 

「いや、いいのか?」

 

「何遠慮してんのサ。…あー。この格好じゃアレかな? んじゃ、ちょっと姿変えるねー」

 

 

 

 そう告げると同時に、ディアナの姿が変化していく。頭から角が生え、背中から羽が伸び、尻尾が生えて手足の爪が鋭くなってゆく。腕や脚などにはうっすらと鱗が見え隠れし、首周りは毛皮で覆われている。

 それと同時に、莫大なオーラの奔流がディアナの周囲に巻き起こる!

 

 

 

「な…! 何だこりゃ!! バケモンじゃねーか!!」

 

「あーっ! 女の子にバケモンなんてヒドイー! そんなだからレオリオ君はモテないんだよっ!」

 

「いや、格好とかじゃなくてな…その、オーラが…」

 

 

 レオリオがタジタジになって答えるが、他のメンバーも同じ気持ちだ。あまりにも莫大な量のオーラが彼女を中心に渦巻いている。

 

 

 

「いやいやいや…。あんた達、仮にもアイツの弟子でしょ? あたしなんてアレに比べりゃまだまだよ」

 

「ソレはそうだけど…」

 

「まぁ、次元が違いすぎて理解が及ばなかったかな? それとも全力は見せてなかった? どっちにしろ、今度見せてもらうといいわね。絶望するから」

 

「…それで? フツーに闘えばいいのか?」

 

「あ、そうそう。それなんだけど、私が貴方たちから聞いた情報と、『爆弾魔(ボマー)』って情報から想像した能力を再現してみるね。んで、色々試してみるからそれに対応してみよう! とりあえず、3人組でしょ? ()()()()()()()

 

 

 ズズズ…

 

 

 見る間にディアナはオーラを切り離し、自らのコピーのような念獣を作り出す。いわゆるダブルに近いシロモノだ。3人だからトリプルだろうか。

 

 

「爆弾でしょ…とりあえず思いついたパターンを色々試してみるから、全員で掛かってらっしゃい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこから、ディアナによる一方的な蹂躙が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ボムッ!!

 

 

 

 

「ハイ残念、死亡ー」

 

 

 

 実に3時間、彼らは闘い続けていた。現在爆風によってキルアが吹っ飛ばされたところだ。

 

 

 

「お、おのれ…! クソ女! 大体絶対無理じゃねーか! どこに爆弾あるかわかんねーよ!!」

 

「ハァー。これだから未経験者は…! あのね? 私の故郷じゃこんなのフツーにあるからね? むしろ日常茶飯事よ。一発の威力を相当弱くしてんだから文句言わないの。ガチバトルじゃ1発で致命傷だからね。とりあえずパターン3の設置型透明爆弾、これ一通りやれば一回休憩しましょうか」

 

 

 現在、透明に設置された地雷タイプの爆弾能力者を想定したバトルを行っている。しかし、まず爆弾が見えない。そして触れたら爆発すると言う悪質きわまりない能力に、どう対処したら良いか分からないと言ったところだ。

 完全に見えないわけではなく、かろうじて《凝》で見破れる程度である。しかし、ディアナの体術も特級であり、しかもそれが3人がかりで襲ってくる。数では有利だが、《凝》に神経を費やすことは非常に難しい。体術に対処していれば、爆弾が容赦なく爆発し、割とキツいダメージを受ける。おかげでゴン達は徐々に、ダメージ箇所にとっさにオーラを集中出来るようにはなってきていた。

 

 ちなみにパターン1は、単純に拳で殴られたら爆発するタイプ。パターン2は握られたら爆発するタイプだった。いずれもボコボコにされ、対処できないまま次のパターンに移っていた。

 

 

 

 

 

「終ー了ー! あ~いい汗かいたわね! たまには運動するのも悪くないわー」

 

 

 

 

 

 開始から5時間後、ようやくディアナが訓練の終了を宣言する。メンバーはぐったりと倒れこんでいる。言葉を発する気力も無い、といったところだ。そして、そんな彼らに向き直り、ディアナが総評を述べる。

 

 

 

「う~ん。結論! アンタ達、ダメダメね。逃げ回って正解よ。闘ってたら万全でも普通にぶっ殺されてたわね。まず、ゴン君。君は一発の威力は大きいけど、それ以外がからっきしダメね。地面殴っての攪乱はよくあるパターンだし、その後が単純すぎ。《隠》とか使わないと話にならないわ。オーラ移動もまだまだだしね。ただ、肉体性能が他のコとは別次元でいいからそこを活かすといいわね。次に、キルア君。君は速いのはいいし、雷も良い感じだわ。でもね、まだまだ動きが単調で見切りやすい。決定打もあまりないし。それに君は特に爆弾に対する相性が悪いわね。置き爆弾とかされたらアウトじゃないの。もうちょっと複雑な動きを覚えるべきね。あ、カウンター攻撃だけはよかったわ。カルトちゃん。アンタの紙吹雪、威力弱すぎ。搦め手としてはいいんだけど、これもやっぱり決定打に欠けるわね。せめて爆風に吹っ飛ばされない程度の攻撃力、または防御力を付ける方法を探ったほうがいいわ。最後にレオリオ君。君はヒーラーとして中途半端! ヒーラーならヒーラーで、全力でヒーラーしなさい。能力的には悪くないんだから。熱くなるのはいいけど、一番全体見なきゃいけないポジションじゃない。君が崩れると一気に崩れるわよ。心した方がいいわ」

 

 

 

 一気に全員分の所見を告げたディアナであったが、これは「ディアナの感想」である。彼女は弱いとは言え、暗黒大陸深部の住民だった者だ。人間界で換算すれば潜在オーラは100万を余裕で超える。顕在オーラで言えば3、4万はいくだろう。しかし、彼らはそれを知らないため、著しく落ち込んでいる。

 レイザーに続き、格の違いを見せつけられたためだ。特にディアナには手も足も出なかった。彼女があからさまな舐めプをしているにもかかわらず、だ。

 

 

 だが、ディアナは容赦しない。そんな軟弱な感情など向こうでは唾棄されるべき物だからだ。

 

 

 

「さ~て、ちょっとオーラ整えたらまたやるよ。とりあえずパターン1から3までを繰り返しね。ふふ…()()()にちょっとでも貸しを作っておかなきゃね」

 

「ま、マジか……これ、生きて帰れるのか…?」

 

「でもやるしかないよ…。ディアナさん、イキイキしてるし…がんばろ…?」

 

「もうなんでも来いってんだ…とりあえず、なんとか今日中にはクリアしようぜ」

 

「あのクソ女……! 絶対にハナを明かしてやる……!」

 

 

 

 

 

 

 そして、その日の訓練は夜遅くまで続いた。








 ディアナさんの実力は、実は亜人種でのエリートである為に相当高いです。しかし、それは亜人種の中では、と続きます。
 彼女が弱いと言っているのは、周りがヤバすぎたから。その為どんな状況でも生き残れるようにオーラ技術を磨き、その結果様々な事ができるようになりました。ある意味器用貧乏ではありますが、人間界では特級レベルを遥かに超える為、万能であるとも言えます。目安として、オーラ量で言えば復活前のメルエムと同程度です。
 その力でもってG•Iのゲームマスターとして様々な面でシステムを支えています。

 ゲンスルー君はその5倍以上を至近距離で浴びた為、行動不能になりました。哀れ!


 ちなみに作者が一番苦労したのは、ゴンさんのイケメン表現。どうしてもその辺の描写が難しかったです…。よって、多少変でも生暖かい目で見てやってください(汗)
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