アンブレイカブルハンター   作:エアロダイナミクス

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 再び、中盤クロスオーバー注意です。この世界、SCPとの親和性が高すぎる…! SCPさんクロスはこれが(多分)最後ですのでお許しください…!
追記:ライセンスと元ネタ表記を入れてませんでした。申し訳ありません。以下にライセンスと、後書きに元ネタを表記します。

SCP_foundationはクリエイティブ・コモンズ表示-継承3.0ライセンス作品です(CC-BY-SA3.0)
http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja


123、始動

 

 

 

 

 

 

 

 

『敬愛する兄さんへ

 

 やぁ。お帰り! 兄さん。無事に帰れたようで私もとても安心したよ。会えなかったのは残念だけど、こうして手紙をくれて私はとても嬉しい。

 まさか兄さんが本当に200年以上帰って来ないとは思いもしなかった。私に語ってくれた例の能力者とも出会えたなんてね。人生何があるか分からないものだね。能力の件は残念だったけど、それでも兄さんは前を向いて歩く決意をしてくれて本当に良かったと思うよ。私も6代目の事が知れてよかった。アンダーソンは無事に続いているようだし、これからも続いていけそうだからね。

 

 そして、婚約おめでとう! 2人の女性から愛されるとは中々やるね。父さんや母さんからの手紙にもあったと思うけど、素直に祝福するよ。とってもめでたい事だ。我々もこっちで一緒に喜んでいる。兄さんなら2人ぐらいいたって問題なさそうだ。寧ろ別れる時まで女っ気が無かったのが不思議なぐらいだったからね。(ただ、私は兄さんがミテネの部族相手にやらかしたのを後から知ったから、さもありなんだけどね。初めて接触した時は大変だったんだから!)

 ま、強い者に女性は惹かれる。自然の摂理だ。それに、兄さんなら彼女らを大事にするだろ? 彼女達は幸せだな。私も兄さん達の幸せを祈っている。

 結婚したら色々と大変だろう。でも、それがまたいいスパイスにもなる。だから、どんなに辛くても、決して手放しちゃだめだよ? これは経験者からの言葉だ。頑張ってほしい。幸せであれ。それが私の願いだ。

 

 さて、まだまだ書き足りないが、これ以上書くのも野暮というもの。最後に兄さんに忠告しておく。

 

 

 これから貴方の世界で、様々な危機が襲うだろう。残念ながらね。私も知らなかったけれど、「そういうもの」らしい。兄さんはこれから選択を迫られる。何が、とは言えない。でもね、必ず道はある。兄さんにとって最良の道が。

 だから安易に絶望してはいけないよ。それは破滅へと繋がるだろう。どうしても難しい時は視野を変えて見ればいい。兄さんの側には愛する者がいるだろう? 

 私からこれ以上は言えない。でも一つだけ言える事は、希望を捨てないで欲しいと言う事だ。

 

 

 兄さんには申し訳ないけど、私からの返事は()()()()()()()()()()()()()。以降は返信しない。いつまでも死者に囚われるのも良くないからね。その代わり、この手紙には特別な〝想い〟を込めた。大事に持っておいて欲しい。

 

 

 兄さん、希望はいいものだ。

 

 

 

 希望はそれ自体が力をくれる。

 

 

 

 兄さんが幸せである事をいつまでも祈っているよ。大丈夫。またきっと会える。その日まで、しばらくさよならだ。…いや、こんな時はこう言うんだったね。

 

 

 

 

 ()()()! 兄さん。

 

 

 

 

 

      愛を込めて。マイケル=アンダーソン』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……マイケルからの返事が来た。父さん、母さんからもだ。内容は私の帰還を喜んでくれた事、婚約を喜んでくれた事、アレからの自分達の様子など、多岐に渡るが、概ね祝福してくれていた。

 ただ、気になるのはマイケルの手紙だ。彼は()()()()()()()と書いてある。そんな事ができるのだろうか。その代わりにマイケルの手紙には懐かしい彼のオーラをほんのりと感じる。……マイケルだからな。きっと私のためを思っての事だろう。少し寂しいが、この手紙は大事にとっておこう。残る葉書は100枚程残してクラピカにあげた。彼こそ必要だろうからな。名目は卒業祝いだ。私はマイケルからの返事はなくても、父さんと母さんはまだ通じる為、偶に書いて送るようにしよう。あまり囚われてしまうのも良くないから、偶に、だ。

 そして、肝心な事だが、マイケルもこの世界の危機について言及していた。やはり、何かが起きる事は必定だ。彼が言うなら間違いない。できる限り備えなければならないようだ。私もこの平穏を守る為に頑張らねばな。見ていてくれ、父さん、母さん、そしてマイケル。私はこれからも幸せに暮らしてみせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ビスケはしばらくペットロスの様な状態だった。あれからもう一度グリードアイランドにログインして別荘の整理をしていたが、ゴン達のクリア後から僅か1日目に、()()()()()()()()()の通知がなされた。何でも、ようやくクリア者が出たという事を受けて従来のシステムを見直しつつ、新しいグリードアイランドにする為だそうだ。

 ゲーム内にいる者は順番に管理者権限での退去を勧告され、数日掛けて全員退去と相成った。今回はジンは絡んで無いのかな?

 とにかくそういう訳で、拠点とペット達に泣く泣く別れを告げ、グリードアイランドの野に放ってから出て来た。それ以後、ゲーム機の前で《練》をしてもログイン出来なくなった。運営はアップデート終了を1年後とした。つまり2001年の2月21日だ。

 ビスケには悪い事をした。クリア報酬に死者への往復葉書を要求したが、それは私がどうしても現実で使いたかったからだ。ゲーム内ではキメラアントや他の厄災を察知しづらい為と、ログイン、ログアウトに時間が掛かる為である。

 その分我慢してもらった事が裏目に出た。ペット達や、ブループラネットなどはゲーム内で楽しめばよいと彼女は言っていたから、そこに甘えてしまったのが良くなかった。まぁペット達は限度枚数MAXでカード化していなかったし、カードにして再びゲインした時に彼らが我々を覚えているかどうかは分からない為、難しい所だ。だからこその別荘預かり扱いだったのだが…。

 とりあえずビスケを慰め、また宝石はもっといいモノをプレゼントすることを約束し、ペットも新しい動物を一緒に探そうと提案した事でようやく立ち直った。何を飼うかはおいおい考える事にしよう。

 

 

 カルトは、そんなビスケとは対照的に上機嫌だった。とにかく私の世話を焼きたがり、四六時中私についてくる。今までの離れていた期間を埋める為、だそうだ。流石にそう言われると断る訳にもいかず、しばらくアヒルの親子の様な状態になっていた。

 また、彼女は修行にも貪欲でビスケと模擬戦したり、重力負荷での基礎修行などを積極的に行っていた。彼女は既に一流ハンターの域だが、ビスケはその3倍近くのオーラを持っており、少しでもその差を縮めようと必死に取り組んでいた。それにしても彼女の《発》はかなり強力だ。攻防一体型の能力であり、その上小回りが利く。汎用性に非常に優れた能力だ。あの短期間で完成させたという事だが、大したものだ。やはりこの子も才能が桁違いだ。大事に育てていけば、ビスケと並び、最上級能力者にすらなれるだろう。私の大事な人だ。簡単にはやられない様に私も力を尽くそう。今彼女は20倍に挑戦中だ。恐ろしいペースだ。私もどこまで伸びるか楽しみだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれから一カ月経つ。未だ何も連絡は無い。ここまでで様々なイベントはあったが、世界の危機に関わるものは無かった。私も様々なツテ(主にアンダーソンだが)を使って調べてはいるが、中々掴めない。そもそもキメラアントは何処に出現した? 全く記憶が霞がかって出てこない。とりあえず手当たり次第に情報を集めている状態だ。だが、影も形もない。本当にくるのだろうか? …いや、楽観的な考えは危険だ。あると信じて当たった方がいい。早く見つけなければな。

 イベントについては簡単にまとめれば、大きなものではゾルディックに挨拶に行った事だ。今度は当主と祖父、奥方に加えて、イルミもいた。私は彼、苦手なんだよな…。試験の時の因縁もあるし。ただ、今回は彼は大人しく座っていた。

 彼らにキルアの卒業の件と、カルトとの婚約の件を伝えたら、非常に喜ばれた。シルバから「もっと時期を早めてもいいんだぞ?」と言われたが、丁重に断った。カルトからはジト目で見られたが、流石にダメなものはダメだろう。

 横にいるビスケと同時に婚約という事で何か言われるかと思ったが、そんな事はなかった。ただ、イルミの眉がピクリと動いただけだ。だが、結局彼は最後まで黙っていた。何を考えているか分からないが、あまり考えても無駄なのでスルーした。彼は会談が終わると直ぐに依頼の為に旅立った。何でも、友人からの依頼らしい。これの為に待っていたのだろうか。

 シルバからしばらく滞在してはという提案をされたが、なるべく早く戻りたかったので丁重にお断りし、早々に帰路についた。カルトも早く実家から出たかったようだし。ひとまず報告は概ね穏やかに済んだ。騒ぎにならずにホッとしたというのが正直なところだ。これで名実共に婚約が済んだ事にカルトは喜んでいた。

 

 

 

 もう一つは、ジン、ゴン、キルアを救出した事だ。ゾルディックからの帰路、彼らに渡した銀の武器の反応が消失した。アレは私の聖光気を付与している。消失するなどはあり得ない事だ。慌てて最後に反応があった場所に意識を集中したが見つからない。どうにかして、彼らの反応のあった場所を探る為に思案していた所、彼らの武器を通して〝祈り〟が微かに届いた。

 しかし、その場所は()()()()()()()。つまり、地球上には無かったのだ。彼らは一体何処に紛れ込んだのか。兎に角行ってみるしかない。

 私は〝聖光気〟状態へと移行し、微かな反応を手繰る。すると、ようやく見つけた。彼らはどうやら異空間に囚われていたようだ。なぜそんな事に…と思いつつ、私は〝奇跡〟を使い、彼らの元へと()()()。基点さえ分かればそのぐらいはできる。ただ、使った事が無かったので割とぶっつけ本番だったが、上手くいったようだ。

 さて、彼らだが、現実の空間がぐちゃぐちゃに混ざり合った様な異空間にいた。とりあえず彼らを引っ掴み、崩壊しかかっている異空間からの脱出を図った。再び転移し、彼らが気付いた頃にはサヘルタ行きの飛行船の中だ。

 

 

「いやーヤバかったな! 危うく異空間に飲み込まれるトコだったぜ!! なぁ、お前等!! そして…よっ! 久しぶりだな、カーム」

 

 

 …非常に明るい様子で捲し立てるこの男は、絶対絶命のピンチだったって事を分かっているのだろうか?

 

 

「いや、ジンさん? アンタ息子とその友達まで巻き込んで何やってんです? アレ、私が居なかったらヤバかったのでは?」

 

「まぁそう言うな。オレも普段はそんなあぶねー橋は渡らねーんだがな? ()()()()()()()()()()()。あの武器見た時にオメー由来のだって確信したしな。で? ここどこだ?」

 

 

 

 仕方なく今の現状を説明する。ゾルディックへと婚約の挨拶へ行って、その帰りだと。キルアはカルトに実家の人々の様子を聞いて、全員勢揃いしていた事にビックリしていた。なんでも、誰かしらは依頼で居ない事の方が多いらしい。キルアは実家の様子が気になるようで、カルトに色々と質問をしていた。

 一方、ジンはというと、ビスケが気になるようで最初に姿を見た時はビックリしていた。彼女にその修行法を根掘り葉掘り聞き、到着したら手合わせしようと盛り上がっていたので、私はゴンに事の経緯を尋ねた。

 

 

 なんでも、サヘルタ西部で謎の未確認生物災害が発生し、ジンはそれを探っていたらしい。彼らはジンの付き添いで同行していたとの事。

 

 

 それを調査していると、とある田舎の牧場へと辿り着いた。いや、正確には牧場のある近辺の一軒の廃屋らしい。なんでもそこは昔、カルト教団の悪魔召喚の儀式じみた怪しげな事をしているとの通報が相次いだ曰く付きの家だった。そして、ある日から近辺の農家の家族からの消息が途絶え、次いで謎の生物の襲撃を受けて周辺の動物、人間問わず特殊な方法で他の組織を傷つけず、()()()()()()()()()()()()()()()との事。地方警察も出動して探っていたが、足跡やその手口から新たな魔獣ではと結論付けた。そして災害の中心を例の廃屋から出てくる未確認生物だと突き止め、そこに突入した所、全員が消失してしまったらしい。更に、その後も謎の生物が次々と現れ、警察官を殺害していった。警察も退却し、特殊部隊も投入されたが、行方不明者や死者は増えるばかり。コレはまずい事態だと浮き足だっていた所に彼らが辿り着いたとの事。

 

 

 

 

 そして、話を聞くや否やジンは迷わずそこに突入していったらしい。アホか。

 

 

 

「言ったろ? 勝算はあったってな!」

 

 

 ジンが横槍を入れるが無視する。それで謎の襲撃者だが、基本的には彼らの姿はほぼ見えなかったようだ。特に光の元では。暗闇で辛うじて見える程度らしい。だが、念能力者なら別で《凝》でうっすらとその姿が見えたとの事。その姿は、二足歩行の180センチ前後。鳥の様な頭に鋭い爪を生やした手足、であった。見えた所で攻撃は通らなかったらしいが。ジン曰く、オーラ生命体ではないか、と推察を立てていた。念獣かとも思われたがどうも様子が違う。普通はそんな事(オーラが独立して生命体になる様な事態)はあり得ないが、その廃屋内では異空間化しており、常識の通用しない空間になっていたのではとの事。

 さて、3人で探り探りしていたが、そこはただの廃屋ではなく、様々な場所に通じていたらしい。高校のロッカールーム、アパートの一室、ショッピングモールなどなど…。襲撃は相変わらず続き、何とか躱しながら探索を続けていたが、そこで突入部隊の手記をクローゼットから見つけたらしい。手記の彼曰く、決死の覚悟で突入したもの達は軒並み巣に連れていかれたようだ。そして、何とか状況を探るうちに、彼の仲間が対策を発見した。それは()()()()()()()()()()()()()()()()。彼らは最後の1人になるまで抵抗していた。

 

 

 しかし、最後に生き残った彼は巣を見てしまったらしい。抜き取られた心臓はそこで()()()()()され、彼らの仲間がまた増える……それを見て、彼は心が折れてしまった。その手記を見せて貰ったが、彼はこう綴っていた。

 

 

 オレの代わりにやり遂げてくれ。巣を破壊してくれ、と。そして、自分はこれから居間へと向かう。決して奴等の仲間にはならない、と。

 

 

 

 彼は最後に

 

 

 

 

 

 幸運を、死にゆく者より敬礼を。

 

 

 

 

 

 と記して、後の者に全てを託していた。

 

 

 

 …なんて事だ。念能力者じゃなくとも相当に優秀な人物だ。恐らくコレは放置すると大災害に発展しかねない奴だ。それを部隊単位とは言え、非能力者が原因まで突き止め、対処法も確立していた。彼らは恐らく英雄と呼ばれるべき人物だろう。

 ゴンとキルアもそこでスイッチが入ったようだ。銀の武器と聞いて私のあげた武器を取り出し、片っ端から駆除を始めて、巣を目指した(ジンは2人から武器を片方ずつ借りたらしい)。

 

 

 

 そして、巣を見つけた。

 

 

 

 それは心臓の集合体。不気味に動くソレは、鳴動を繰り返しながら敵を産み出していた。ジンとゴンは莫大なオーラを込めたパンチ、キルアは銀の爪を刺してからの高電圧を同時に加えて、それを粉々に破壊した。

 すると、やはりそれが「核」だったらしい。空間が歪み始めた。さて、そうなると困るのは彼らだ。脱出方法が無い。2人で焦っている時、ジンが銀の武器を指して、「ソレをくれた奴の言った事を思い出せ」と告げ、思い出した2人は必死で祈り始めた。

 

 

 

 

 それが私に辛うじて届いたようだ。

 

 

 

 

  

「……全く、無茶をする。際どい所でしたよ? 実際」

 

「ま、オメーの言う通りだな。だが、結果オーライだ。なーに、オレはカンタンには死なねェからな」

 

「いや、でもホント寿命が縮んだぜ…無事でよかった…」

 

「ホントにね……これ以外にも色々あったし…」

 

 

 ゴンとキルアが遠い目をしてる。色々あったようだが、聞くのが怖い。ただ、どうもここ最近探っていた災害級の事態は、ヤバくなる前に彼らが割と潰していたようだ。私の耳に届く前に。ありがたい事だが、あまり無茶はしないで欲しい、という事をそれとなく伝えたが、ジンは「オメーの為にやってる事じゃねーよ」とそっけなく言われた。とりあえず、彼らと図らずも合流し、一緒にアンダーソンまで行く流れとなった。

 

 

 

「言うの遅れたが、婚約おめでとよ。まさか2人たぁ、オメーもやるじゃねーか。ま、祝福するぜ」

 

 

 ジンはニヤニヤしながらそう言った。続けて、

 

 

 

「しばらくはオメーんトコで厄介になるぜ! ようやくオメーと手合わせできるなぁ。あっちの話も聞かせてくれや」

 

 

 

 と、上機嫌だった。……まぁ、ようやく彼とも堂々と会えるしね。少しは付き合っておくか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──時間は少し遡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 南西、バルサ諸島、NGL付近のとある海岸にて、2人の男が話し合っていた。

 

 

 

 

 

「さて…コレでよし、と」

 

「聞きたいんだけどサ♠︎ …『これ』ってワザワザ隠蔽までしなきゃならない程にヤバい奴?」

 

「アナタ程じゃないと思いますけどね。今はこの有様ですけど、資料の通りなら『これ』が繁殖したら相当楽しい事ができますよ?」

 

「ふ〜ん♣︎ あんまり興味を惹かれないなァ…♠︎」

 

「まぁ、()()としては充分ですよ。『これ』の脅威は繁殖スピードにありますからね。…貴方も味見ぐらいは出来ると思いますよ? 隠蔽もバッチリですし、しばらくは見つからないでしょう。気付いた時には手遅れ、ってトコが理想ですね。……さて、残る仕事は()()()()! 楽しみですねェ…どんな素敵な事になるか…!」

 

「う〜ん、ボクとしては()()()も欲しいんだけどなー♦︎ ま、我慢するよ。『お手伝い』はこれから『約束』があるからその後でね❤︎」

 

「…相変わらず融通が利かないなァ。それはそれでいいんですけどね! ボクとしてはちゃんと手伝って貰えば何も言う事ないですからね」

 

「そこはちゃんとやるよォ…♦︎ 他ならぬ『彼』の為だからねェ…❤︎」

 

「ふふっ…『彼』も随分と愛されていますねェ…。じゃあ連絡しますからその時はよろしくお願いしますね?」

 

「了〜解♣︎ ボクの()()もすぐ終わらせるからねー♦︎」

 

 

 

 怪しい2人が会話を終え、その場から掻き消える。後に残されたのは……

 

 

 

 ()()()()だった。

 

 

 

 

 

 そう。それはヒトをも捕食出来る程の……。








 いよいよ例の蟲さんが登場しました。そしてなにやら怪しい謎の人物…一体誰なんだ!()

 さて、カーム氏ですが、彼なりに調査は進めていますが、中々見つからない模様。記憶が揮発しちゃってるから仕方ない部分ではあります。しかも、よりヤバいことにこの世界ではこの蟲さん、隠蔽工作されてしまいました。蟲さんは果たして無事王まで行けるでしょうか。そして、暗躍する彼らは一体何を企んでいるか…。

 次回もお楽しみに!


今回の元ネタ
SCP-1983 - Doorway to Nowhere(先の無い扉)
by DrEverettMann
http://www.scp-wiki.net/scp-1983
http://ja.scp-wiki.net/scp-1983

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