「で、どんな状況?」
キルアとも無事合流し、討伐隊とも無事に合流出来た。彼らは驚いていた。他ならぬ討伐対象が堂々と私と共にいるからだ。
それにはキルアも驚きを隠せなかったようだ。代表してカルトが端的に私に尋ねる。
「契約を交わした。この世界では暴れない約束と、彼らにとっての楽園に連れて行くという事で合意した」
端的に答える。
「…………」
沈黙する一同。その意味を考えているようだ。だが、いくら考えても正しい答えは出ないと思う。何故ならこれは単に私の我儘だからだ。
沈黙を破り、カイトが尋ねてくる。
「その楽園とは……」
「そう。暗黒大陸だ。全て終わった後、私は彼をそこに連れて行く事に決めた」
「そう……決めたのね。ならばアタシ達は異論ないわ」
ビスケがアッサリと賛同する。
「な…!? そんな簡単に!」
「いいのよ。第一、彼が決めた事をどう覆すの?」
「うっ……」
「彼は結局この騒動の最大の功労者。よって彼にその権利は十分ある。当然、その王サマについては責任を持つわよね? カーム」
「勿論」
「ね? ならば何も言う事は無いわ」
「一つ訂正しろ。余はもう王ではない。ただのメルエムだ。今はまだ、な。よって余を呼ぶ時はそのように呼べ」
メルエムが会話に参加する。その一言に緊張感が高まる。確かに彼は威圧感というか存在感が段違いだ。さすがは種の進化の最先端を極めた存在である。続けて彼が言う。
「そこのお前。そういうわけだ。余は貴様とは何ら関係ない存在である。貴様は自由に生きるが良い」
ビクッと息を潜めていたコルトが反応する。しかし、諦めたのか溜め息をつき、返答を返す。
「……分かりました。『メルエム』さ…殿」
「私が言うのも何だが、彼も生かしたのは誰が?」
「オレだ。もう人は喰わねえって誓いを立てて貰った上で、生かした。コイツは前世の記憶持ちだったからな」
モラウ=マッカーナシーが答える。彼が言うなら心配はいらないだろう。
「で、ゴンはどうする? ヒソカは?」
キルアが待ちきれないように問いかける。そう、それが今一番の問題なのだ。ヒソカがどこに行ったのか。ゴンは無事なのか。
「……手掛かりはないな。これから見つけねばならん」
「……クソッ! あの野郎、王を倒したら分かるって言ってたのに!!」
「兄さん……」
「アイツは嘘つきよ。それも意味の無い嘘をつくタイプ。あまり真に受けない方がいいわ」
ビスケとカルトがキルアをなだめている。しかし、これだけの力があっても何も手がかりすら分からない今の現状がもどかしい。キルアは更にそうだろう。
「候補はハンター協会。今現在【敵】に攻め込まれている。そこを叩けば自ずと現れる可能性が高い」
「そうね。妥当だわ」
「ならば急ぐぞ。向こうもあまり猶予は無さそうだからな……悪いが、カイトさん、ノヴさん、モラウさんには残ってもらおう。
「……アンタ程の人物に敬称をつけられるとむず痒くならァな。呼び捨てでいいぜ。正直オレ達は足手纏いだろうから願ったり叶ったりだな。なぁ、ノヴ」
「全く同意ですね。……会長をよろしく頼みます。カイトさんもよろしくお願いしますね」
「承った。ジンさんがやられるなんて毛ほども想像出来ないが、万が一の時は宜しく頼む」
「ありがとう……では、行くか。みんな」
◇
「よォ! ご機嫌はいかがかな?」
「……クソ食らえ」
「元気なこった。そっちはどうだ?
「…………」
「ケッ。相変わらずムカつくジジイだ……しかし良く生き残ったモンだ。確実に殺すつもりだったんだがな。あれから更に腕を上げてるとは予想外だったぜ。おかげで出したくもねぇ被害を出しちまった」
「ふざけんじゃねぇ。テメェらが来なけりゃ被害0じゃねぇか」
「ふん。そうはいかんよ。俺達が来ることは規定事項。これも人類のためだ」
「な~にが人類の為だ! 本当に人類の為なら厄災なんぞを放出するなんてアホなことしねぇんだよ!!」
「お前には大局が見えておらん。多少の犠牲は許容範囲。むしろ、それ以上の脅威がいるこの現実を見過ごすわけにはいかんのだ」
「アイツのどこが脅威だってんだ! 言ってみろ!!」
「
「余計なお世話っていうんだ。そういうのがよ。大体テメェらも厄災使ってる時点でアウトだろ」
「だから必要な犠牲だと言っている。
「……魂すら売ったか……」
「お? 喋ったかジジイ。だいたいこの原因はお前のせいでもあるんだからな。奴を発見次第俺達と同じように動けばこうはならなかっただろうになァ」
「囀るでない。哀れな人形よ」
「お? 今死ぬか?」
不穏な空気が発生する。2人は現在完全に縛られており、念能力すら封じられている彼らは、ほんの少しでも念攻撃を受けたら大ダメージを喰らう。それを知っていて目の前の男は威圧する。2人は既にボロボロに痛めつけられており、少しの衝撃でも本当に死にかねない。
「まぁまぁ。そこまでにしませんか?」
背後から爽やかな笑みを浮かべたスーツの男が顔を出す。彼はもう1人に声を掛けて落ち着かせた。
「出やがったな……!」
「ふむ……元気ですねぇ。あれだけ痛めつけたのに。しかし、貴方には苦労させられましたよ。まさかあの短時間で証拠をそろえてくるとはね」
「テメェらが杜撰過ぎるだけだ。オレが不覚だったのは例の厄災の特性を見誤ったトコだな。やっぱりろくなもんじゃねぇ」
「ふふ……貴方はボクに似てるから大体の事は看破されるんですよねぇ。そこが貴方の嫌いなところです。そしてボクは嫌いな人間を徹底的に愛することに無上の喜びを感じることを最近発見しました」
「気色わりぃ。奇遇だな。オレもお前が大嫌いだ」
「さて、先ほど丁度仲間から連絡がありまして。貴方の息子さん、確保されたそうですよ」
「……それがどうした。アイツはオレの息子だ。お前らの好きにはならんし、人質と言うならお門違いだぞ?」
「今の貴方達にそんな価値があるとは思えませんねぇ。あくまで〝救世主〟を釣る餌ですよ。何勘違いしてるんだか…」
「……ホントにムカつく奴だなお前は。お前はオレのブッ殺すリスト№1に今単独トップで輝いてるからな。首洗って待っとけ」
「はいはい。楽しみですねぇ。さて、会長。どうですか? ここまでの流れは」
「…………」
「だんまりか。悲しいなぁ。ボクなりにハンター協会を何とかしようと思った末の行動なのに」
「…………」
「う~ん。つまらない。もっとこう…無いんですかねぇ」
「木偶に語る言葉は無い」
「おっと。拒絶ですか。まぁそれも良いでしょう。これから始まりますからね。壮大な〝救世主〟の終わりが」
「……そして、
「人聞きの悪い。新しい世界の幕開け、と言ってほしいですね」
「つまり『旧』人類は存在しなくなる。そうだろう?」
「違いますよ。これは〝進化〟です。人類は今のままでは弱いままだ。劇的な進化が必要です。暗黒大陸に還るために」
「結局はそれか」
「おうよ。コイツの言うとおりだぜ。人類は元はあそこにいたんだ。そろそろ還るべきだ。誰かさんが止めやがったせいで停滞したのを忘れたとは言わせねぇからな」
大柄の男が話に無理矢理割り込む。ネテロは何かを堪えるかのように言葉を絞り出す。
「馬鹿め……本当に、馬鹿者め」
「いくらでも言うが良い。所詮お前は敗者だ。歴史は勝者が作るモンだぜ。その様を特等席で見られるんだ。感謝しろよ?」
「……」
「さぁ、そろそろ行きましょう。『公式会見』を済ませないと。準備は整ってますよ」
「そうだな。行くか。ふふふ……新しい世の中の幕開けだ!」
2人は足並みを揃えてその牢獄から退出する。それを黙って見ているしかできない。その部屋には小型のモニターが設置されている。これから起こることをご丁寧に見せてくれるための配慮のようだ。
十二支んは軒並みやられた。僅かにいる裏切り者を除いて。敵は思った以上に強大だった。並の人間の知力や武力では到底叶わぬほどに。2人ともこの騒動の真相を理解した。敵がどういう思考で動いているのか。そして、どういうことを目的としているか。そのためにどんな手段を用いているか。しかし、それをカームに伝える手段が無くなってしまった。
2人が辛うじて生きているのは、敵の遊び心だ。彼らの個人的な復讐の為に彼らは生かされている。それは余裕から来るものであり、敵は既に準備を終えてしまっているからに他ならない。
〝救世主〟を追い詰め、倒す準備を。
人類を脅かす脅威に対する抑止力。特にそういった者や現象に対しては無敵の存在である〝救世主〟。それに対抗するために彼らが出した答え。それは──
◇
「おーおー、こりゃすげェな。飛行船の何倍速いんだ?」
「概算で良ければだが、衝撃波が発生しているのを鑑みると時速1,224㎞以上は確実に出てるな。風景の流れから考えると更にその3倍は出てると見ていい」
「音速の3倍以上かよ! やべェ速度だな!」
「これだけの速度が出ていて快適に過ごせるのは奇跡と言っていい。普通は風圧と摩擦熱で消し炭だからな」
「まさに貴重な体験だな……その速度なら後15分ってトコか」
「計算が早くなったな。きちんと勉強していたようだ」
「ケッ。褒め言葉として受け取っておくぜ」
レオリオとクラピカが会話している中、前方を睨みつけながら黙り込む元王ことメルエム。彼の心境はいかばかりか。また、キルアも黙って何かを考えこんでいる。それを心配そうに見ているカルトの姿があった。
そもそもどうやって移動しているかといえば、カームが聖光気状態で空を飛び、その後方に同じく聖光気で形作った簡易的なソリに似た客席に全員が搭乗している。当然馬役はカームだ。
現代世界最速の戦闘機に乗り込んでいる様なものだが、不思議パワーで中は安全であり、外の風景も伺える。正に貴重な体験と言えよう。
「まー改めてとんでもないわね。最早不可能は無いんじゃないかしら」
ビスケが呆れた様に呟く。その呟きにピクリとメルエムが反応する。
「……やはり解せぬ。これ程の力があれば世界は
「ビスケよ、王サマ。そうね……生命体の幸せなんて、それぞれだからじゃないかしら。ちなみにアタシが同じ立場でも同じ選択をすると思うわ」
「それが余には理解出来ぬ。生命体の頂点に立つ者としての責があろう」
「〝力〟の定義の解釈によるわね。アタシの解釈では、〝力〟とは持つ者の我儘を押し通すモノ。つまりはその力を持つ者に使い方は委ねられるという事だわ」
「ふむ……」
「で、カームの場合はハッキリ言って世界を意のままに、なんて望んではいない。どうでもいいんじゃないかしら。ただ自分とその身の回りが幸せであればそれでいいのよ。第一世界を自分の好きなように変えるなんて面倒だし」
「フン。所詮は世界に差配するに足る器ではないという事ではないか」
「ま、そうかもね。でも、それが人間たる所以。多様性の結果という事なんじゃないかしら?」
「そうか……」
それきりメルエムは沈黙した。恐らくビスケの解釈を咀嚼しているのだろう。彼はカームに敗れてから自らの存在について、そして人間について考えているようだ。それはいい傾向なのかもしれない。少なくともカームが健在なうちは。
ビスケは内心溜め息を吐く。特大の爆弾を抱えているようなもので、なまじコミュニケーションが取れる分ヒヤヒヤする。だが、カームが決めた事だ。それは仕方ない。彼以外にはメルエムを御しきれないが、逆に彼がいればこそこの蟲の王は大人しくしているだろう。いざという時はもしかすると戦力に計算できるかもしれない。戦闘になれば、だが。
ビスケも待つ間流れる景色を眺めながら考察を始める。敵について。彼女はこの闘いがいよいよ大詰めだと予感している。カームの話から残る厄災はあと2つ。黒幕共の狙いとヒソカ。これらは恐らく連動している。そして、彼らの目的がここに来てハッキリと見え始めた。今までの全ての騒動は陽動だ。彼らの本命はハンター協会を抑える事。その為にジョーカー的な存在であるカームを慎重に切り離した。
だが……いくら敵が巧妙に動こうと、カームの敵ではない。仮にカームを真剣に怒らせて怪物にしようとも、彼らにメリットはない筈だ。結局自分達が駆逐されて終わりだからだ。では、どのような手段で彼に対抗しようというのか。
……やはり情報が足りない。だが、敵は敵で勝算があるのだろう。カームを封じ、自らを優位に立たせる勝算が。ならば、慎重に動かなければならない。少なくとも彼の足を引っ張る行動は取らない様にすべきだろう。ゴンの行方も気に掛かる。結局出たとこ勝負になる他無いのだ。
──もうすぐ到着する。
◆
「さて──着いたはいいが……」
クラピカが呟く。今、協会があるスワルダニシティの高層ビルの上に降り立った一行であったが、直ぐに違和感に気付く。
しかし、全滅しているわけでもない。人々は建物の中に引っ込んでいるだけだ。それがおかしい。こんな昼間に誰一人外に出ずに引き篭もって居るなど、普通ではない。
「ふむ……人々は黙って屋内にいるようだ。テレビを見ているようだな。だが、それにしても異常だ。既に何らかの影響を受けているとみていいだろう」
そう。不自然にも程があるが、街中の人間は家の中にこもっている状況だ。街の中央、一際大きく聳え立つビル。それが目的地だ。
そんなビルの中央に巨大なモニターがある。これまで何がしかの企業コマーシャルを流していたが、それが唐突に終わり、画面が切り替わる。映し出されたのは、なんらかの会見放送のようだ。カメラが十二支んの1人である女性をクローズアップする。
『……これより、ハンター協会による緊急放送を行います。この会見はハンター協会公式会見として全世界に中継されます。まず初めに、会見にあたってこれまでの経緯について、ハンター協会から謝罪を行います。この度は、ハンター協会の不手際で大変ご迷惑をおかけしました。申し訳ありませんでした』
初手から頭を下げて謝罪に入る犬耳の女性。全員思わずモニターを注視する。10秒ほど頭を下げて、その間フラッシュが焚かれるが、ようやく頭をあげて話を続ける。
「ちょっと……嫌な予感がするんだけど…」
ビスケが呟くが、それはメルエム除く全員が感じていた。このタイミングでの公式会見で、なぜネテロ会長ではなく彼女なのか。
『事の経緯については度々緊急速報で流していましたが、改めて。この度の無差別テロに、
「「「な…!?」」」
「ふむ……」
衝撃的な話は続く。
『テログループが起こした厄災騒動は鎮圧に向かっています。既に殆どの厄災は沈黙、消滅いたしました。協会からは事態を主導した前会長、アイザック=ネテロ及び、トリプルハンターのジン=フリークスを容疑者として捕らえ、司法当局に引き渡す予定です。そして、ハンター協会も中枢から混乱を巻き起こした責任をとるべく、V5連合の主導のもとで組織を再編し、重要参考人であるアンダーソングループ会長、及びその三男であるカーム=アンダーソンの身柄を捜索、確保するとともに、事態の収拾に努める所存です』
「……どういう事?」
「一歩遅かった。既に協会は敵の手に落ちたか。だが……」
「先手を打たれたのは痛いわね。でもこの短時間でどうやって……」
「会長とジンさんは拘束されてんだよな? 死んじゃいねェならまだ何とかなりそうだが…」
「……とりあえず続きを聞こう」
『──よって、V5は今回のテロ鎮圧に貢献し、内部からの崩壊を防いだ副会長であるパリストン=ヒル氏を会長に指名。協会はこれを受け入れました』
「ウソでしょ!? そこまで浸透してるの!? ていうか、どんな手を使ったらそうなるのよ!」
「なるほど。そう来たか」
会見は続く。
『それでは、質問がなければ次に移ります。新会長に就任しました、パリストン=ヒル氏及び、V5最高顧問である
そうして、カメラに映った人物が2名。胡散臭い笑みを浮かべたスーツの男、そして……古のカキンの武将のような衣装を纏った壮年の男。その顔は、ネテロ会長を想起させた。
「ネテロ……!? 会長の縁者か?」
「いえ……確かに居たわね。ソイツはジジイの息子よ。随分前に縁は切ったって言ってたけど…」
「そんな奴がなぜ今頃……」
ビスケ達の会話を聞きながら、カームは確信した。
「コイツか」
「えっ? カーム、何か言った?」
カルトが呟きに反応したが、その問いかけをスルーしながら厳しい目で画面を睨む。
『──この度、特別措置により大任を賜りました、パリストンです。先程チードルからもありましたが、一連のテロの件は大変痛ましい被害を齎し、それがあろう事かハンター協会の中枢から指示が出されていたという事実。世界中の皆様に伏してお詫びを申し上げます』
パリストンもいかにも悲痛な顔で謝罪する。だが、こちらからすれば茶番もいい所だ。
『さて、今回の件で我々ハンター協会はV5からの監査を受け入れ、前会長が秘匿していた情報及び、所謂協会の闇を暴くとともに、ハンター十ヶ条の見直しを行います。そして、そこから得た情報を広く全世界に公開する事をここに宣言いたします! ハンター協会は、これよりクリーンな組織を目指していく所存です!』
捲し立てるパリストン。ハンター協会の闇とは何か。ハンター協会が秘匿していた情報とは。そしてここで言及されたハンター十ヶ条。そこから導き出されるモノ。それは──
『ここからはV 5最高顧問、及びハンター協会再編対策局長であるビヨンド氏に説明いただきます』
『おぅ。オレがビヨンドだ! 名前から分かる通り、前会長とは血縁だ。大昔に縁は切ったがな…。それだけに今回の件は慚愧の念に堪えぬ。言い訳にもならねェがまさかあのジジイがあれ程の事をしでかすとは思ってもいなかった。だからこそこのパリストンから連絡があって、すぐオレ自ら指揮を取った。間違いであればいいとな。しかし結果はこの通りだ。残念極まりない。言わせてもらうが、今回の件はジジイもそうだが、協会の怠慢と傲慢により引き起こされたといっても過言ではない。よって、超法規的措置をもって我々が協会に介入させてもらった。パリストンによる内部告発が無ければ延々と被害は拡大しただろう。難しい立場でありながら正義を貫いた彼には感謝しかない。ともあれ、多くの犠牲を出しながらも何とか取り戻す事ができたのだ。結果は大事だ。批判の声も多々あろう。パリストンに疑問を覚える者もいるかもしれんし、オレを疑う奴もいるだろう事は重々承知だ。しかし、それを受け止めながらも我々は結果で示していく! パリストンを中心に、これから協会に囚われない新しい枠組みを! そして、全世界に希望を!! それがオレ達の基本的な指標だ!!!』
鳴り響くシャッター音、そんな中でも堂々と、威厳たっぷりに宣言するビヨンドの声はハリがあり、自身に満ち溢れている。それは会長と同じようなカリスマ性をもち、聞くものを魅了する。
『──オレが思うに、ハンター協会がここまで腐った理由は様々な事を秘匿し過ぎた事だ。そりゃ大規模な組織であるからには隠したくなるような事があっても致し方ねェ。だが、協会が隠してきたそれは、人類の進歩を結果的に妨げる事となった! それは罪だ。大罪だ。だからオレ達が責任をもって詳らかにする! その内容は大きく分けて2つ』
「おいおい何言い出すんだコイツ」
「まさか……」
嫌な予感が止まらない。
『まず1つ! この厄災騒動の出所であり、莫大なる祝福が待つ【暗黒大陸】!! 2つ! 人間なら誰しもが操る事のできる〝力〟である【念能力】だ!!』