「ま、待てよ……確認するが、
ウィルスは確かに意思をもつ。一般的な生物学の定義で言えば、(1)自己複製する、(2)細胞で構成されている、(3)代謝を行う、以上の3つが生物の定義だ。ウィルスは(2)と(3)が無い為に非生物とされている。だが、彼らは遍く世界に存在し、自己増殖の為に戦略を立てる。
それは我々人間と比べるべくも無く、定義が人間とは異なるが、確かに彼らには意思があるのだ。
「生きる」
という意思が。しかし、しかし、だ。その群体としてのウィルスが、
例えば度々我々を脅かすインフルエンザ。これらがもしそうだったとしよう。そうなった場合、まず全世界が彼らに席巻されるだろう。巧妙に抗体やワクチンなどの人間側のセキュリティをすり抜け、生かさず殺さず、瞬く間に増殖するし、そうなったらもう我々に止める術は無い。感染方法も、接触感染、飛沫感染、更には空気感染など自由自在だ。何故なら彼らウィルスは凄まじいスピードで進化出来るのだから。更に言えば、勝手に被感染者である生物の身体を作り替え、自らに最適の環境を作り出すだろう。もしそうだとすれば、その先は考えたくも無いが、感染者は、奴等のいいように操られる可能性すらある。そうだとすれば、我々人類はただ彼らの奴隷、いや、正に家畜と化すだろう。彼らの気分一つで容易に滅ぼされる存在として。
「……資料によるゾバエの脅威はその感染力と、症状の恐ろしさ。それもレベル4を超えるほどの。オレ達はそう把握していたし、事実そうだった。だから環境許可庁で厳重にサンプルと共に保管されてたんだ。厄災の中でも封じ込めが可能なレベルであるとな。だが、甘かった。アレは……牙を隠していた。若しくは
「有り得んのじゃ。アレはビヨンドが持ち帰ってきおった厄災じゃ。当然徹底的に調査された。一度大規模なバイオハザードが起きかけたが、無事に封じ込めた。その時点では人類を危機的状況まで追い込むウィルスとして、天然痘より遥かに厄介、という位置付けじゃったはずじゃ。永遠の生命が得られるという絶妙に人間の欲望を刺激し、そしてそれに釣られた愚か者達を絶望に突き落とす為の存在として」
そう。ゾバエの脅威はそこだった筈だ。人間の欲望を刺激し、パンドラの箱を開かせ、絶望の底に突き落とす。そういう意味では、確かにヤバいウィルスではある。厄災の名に相応しい。しかし、更に意志をもっているとなると話の次元は異なる。
それは正に、最大最強の厄災と言うに相応しい。
「ま……不味いぞ……! それが本当なら最早安全な場所なんて無い!! ワクチン……も無駄になる可能性が高い! クソッ!! 打つ手がねェ」
そばで聞いていた私も暗澹たる気持ちになった。そう来るか、と。この後の話の展開も私は分かっている。確かに私を相手にするならば非常に有効な手段だろう。しかし……そこまでやるか……。
「もう手遅れじゃ」
「は?」
「手遅れじゃ、と言うておる。最早ゾバエは……この世界中に広がってしもうた」
「バカな……! 全然そんな気配は無かったぞ!?」
レオリオが吠える。それぞれがその恐ろしさに気づき始めていたが、信じたくはない気持ちも分かる。だが……ウィルスの脅威を誰よりも知っている私からすれば、理解できるし、してしまった。
「……
「「「!!」」」
ボソっとジンが呟き、全員がそちらを見る。そうなのだ。感染してから発症するまでの期間を潜伏期間と呼ぶ。意志をもつウィルスだとしたら、潜伏期間を調整する事など容易い。だとするならば……一体いつからだったのか。
まさに奴等は
その時、部屋に据え付けられたテレビの電源が入る。これは会長室だ。そしてその中央に不遜な態度で座るビヨンドがいた。
「よォ! 〝救世主〟サマとその御一行。初めまして。オレがビヨンドだ」
出たな……全く、ふざけた事をしてくれやがって……!
「事情はそこのジジイから聞いたろ? んじゃあ早速初めましてでわりぃんだが、この勝負、オレの勝ちだ。素直に降参してくれりゃ悪いようにはしねェぜ?」
「いきなりご挨拶だな。私が諦めるとでも?」
「別にいいんだぜ? 抵抗しても。オレ達ゃ既にこの世界中を掌握した。気分一つで全人類を今すぐゾンビに変える事だって可能だ。今までそうしなかったのはお前を待ってたからなんだぜ?」
「……何が望みだ?」
「
「話にならん。第一ゾバエに侵された人類は貴様達の奴隷だろう」
「それがそうでもねェんだなぁ。ウィルスには無限の可能性がある。お前なら分かるだろ? ゾバエはその気になりゃ人類と共生する事だって可能さ。むしろ今より遥かに長寿になり、病気知らずで、念能力すら自由自在に発現する事だって可能だ。だとするならば、これは最早〝進化〟と言えるだろう。人類は新たなステージを迎えたって捉えてくれ」
「……そこには自由意志は存在しない。ただ、ゾバエという存在に操られるだけの傀儡の出来上がり、と」
「人聞きの悪い事言うなよ。そりゃ
本当に腹の立つ奴だ。何が「残しといてやるぜ」だ。そんな気はサラサラ無いくせに。だが、これでコイツの目的が完全に理解出来た。奴はやはり行くつもりだ。全人類を伴って暗黒大陸に。今までは不可能だった。国や何やらのしがらみが邪魔をするからだ。しかし、今ここにそれが解消された。人類は奴等の生贄と化し、特攻する。どれだけ犠牲を払おうとも関係ない。
だが、ここで問題が一つ。
その望みを叶えたいならば、
「……貴様が現在の〝人間の王〟か」
これまで黙って事態を見ていたメルエムが話しかける。
「……よォ、蟻の王サマ。オメェがいるのは予想外だったぜ。てっきり滅ぼされてるかと思ったんだがな」
「ふん。余は既に王ではない。ビヨンドと言ったか、貴様は上手くやったようだな。名実共に貴様が王だと言う事に異論は無いだろう。称賛に値する」
「ケッ。蟲に褒められたって嬉しかねェなぁ」
「素直に褒められておけ。此奴等は自由意志がどうのこうのと吼えているが、余からすれば笑止。王足るモノの意のままに、手足として動くことのできる側近の存在は不可欠! ソレをどれぐらい揃えるかが王の器とも言えるのだからな。貴様は揃えることができた。それだけのことだ」
「ありがとよ。ま、そういうこったな。んで、オメェはどうするんだ? 裸の王サマよぅ。一応聞いとくがオレ達と組むか?」
「ふ……分かっているだろう? 王とは並び立たぬモノ。支配するモノ。貴様と余は相容れぬ。この世に存在するだけでいずれかが滅びねばならぬ。人間の言葉で言えば不倶戴天の敵、という事になるか」
メルエムから挑戦的なオーラが溢れ出す。その様子は楽しそうですらある。楽しんでいるようで何よりだ。まぁ私も同意見だから良かった。
「ふ〜ん、そうかい。ま、いいけどよ。んじゃ精々泥船で頑張りな。死んだらオレ達が
そうして、メルエムとの言葉を終え、ビヨンドは開始の宣言をする。プツンと映像が切れ、ニュース映像に切り替わる。アナウンサーが慌てながら原稿を読み上げている。
『緊急速報です! 現在、大規模な暴動が発生しています!! 場所は……い、至る所で、世界中で起きています! 先程投稿された映像です!』
何処かの都市のアーケード街の様子が映し出されている。逃げ惑う人々と、それを追いかけて
『この様な事態が全世界の都市を中心に同様に起こっています! 原因は今の所不明! 各地で連絡がとれなくなっています! え? 未知の感染症の疑いあり!? 首謀者は、カーム=アンダーソン!? …ッ、 現在唯一情報を継続的に流しているハンター協会からも非常事態宣言が出されました! とにかくッ! 全国民の皆様はくれぐれも外出を控え、固く施錠してください!! 今すぐ! 事態が収まるまで息を潜めてやり過ごしてください! 我々もこの放送後に逃げます! どうかヤケを起こさず、命を守る行動をとってください! ……ジョー、どうした? まさか』
画面外から人間とは思えない様な咆哮が響き渡る。
『ガアアァァireeecァアオfお ishfiemqlfehck!!』
『い、嫌、やめ、やめてぇええ!! あギィいいィイ!!!!』
誰かが襲われた。そして、必死で放送し、今起こっている事態を止めようと声を掛け続けていたアナウンサー自身も目が充血し、顔色が明らかに悪くなっていってる。
『誰か! ジョーを止めろ!! ぐっ……ぐうぅうウゥうduetアアァ!!』
『 』
ガシャン! と派手な音を立ててカメラが上下反転する。続いてプシュッ、プシュッ、グチャッと生々しい音を立てて画面に血がべとりと貼り付き、視界が更に悪くなっていく……そこで映像は途絶えた。
……糞ったれめ。タチの悪いゾンビ映画の導入のようだ。人類の終焉という言葉が頭を過ぎる。最早、猶予はほぼ無い。画面が切り替わり、再びビヨンドが出てくる。
『楽しんでいただけたかな? ちょいとフライングしたが、今、全世界で同時に起きてることだぜ? 〝救世主〟サマよう。オメェなら何とかできるか?』
……ここまでやられて不愉快にならない者などいるのだろうか。いや、いない。なので八つ当たりすることにした。
「そうだな。お前等は私を完全に怒らせた。必ず
『おぉ、怖。んじゃ、精々頑張れy……プギョッ!』
ビヨンドがその場で圧壊され、内蔵をひねり出して潰された。まぁ、この協会内のスタジオから生中継してたらこうなる。突然のグロ画像を未成年ズに見せてしまったが、衝動的にやってしまった。反省はしていない。慣れてるだろうし。
「お、おい、アイツ、破裂したぞ! 死んだのか!?」
「私がやった。私の《円》圏内にいるならば、どんな防御だろうが無意味だ。だが──」
「
「え”、マジ?」
正解。ジンも流石に分かっていたか。そう簡単にはやらせてくれないと言うことはわかりきっている。本当に面倒な奴等だ。どうせ誰かの念能力か、ヒソカの入れ替わり能力的なアレだろう。
「その通り。そんな簡単にやれるほどアホじゃないって事。さて、場所を移そう。どうやら潜んでいた団体さんがお越しになったようだからな」
待機していた気配がこの部屋に殺到するのを感知した。ゾバエ患者…とは少し様子が異なるが、似たようなものだ。だが、雑魚を寄越した所で意味がない事は分かっているはずだが。
「マズイぞ! 敵が迫ってる!」
「落ち着け、私が対処する」
バタバタと侵入者が倒れる。殺してはいない。念の為。だが、しばらくは起きないだろう。
「──ここは狭いな。場所を変えよう」
ドゴォッ!!
念弾で天井に大穴を開け、全員で移動する。そうして出たのは一階のエントランスだ。程よい広さで丁度良い。しかし、本当に全人類を人質にとりやがったか。ハッタリだといいが…アレだけ自信満々ならば恐らく事実だと思った方がいいだろう。そうやって私の心を折る気か……舐めやがって。まだウィルスが残存している可能性がある為、エントランス全体に〝聖光気〟の結界を張る。これでとりあえずは大丈夫か。
「……すまんの」
「いいって事ですよ。少なくとも結界内だと再感染は無いはずです」
「……あまりこんな事は言いたく無かったが、カームよ、頼みがある」
「聞きましょう」
「お主は……
……会長にしたら苦渋の決断だろう。よりによって自分の息子の不始末だ。しかし、これは最早人類が対処できる範疇を超えている。
「
「すまぬ……結局お主に負担を掛けてしもうた」
「いえ……敵の規模が想定以上でしたから。それに、いい加減私もムカついています。消し炭になるまでぶん殴ってやりたいぐらいにはね」
「そうじゃな。ワシらも同意見じゃ。しかし──」
「おいおい、何の話だ?」
「シッ。黙って聞いておけ」
ジンさんは分かっているな。私がどうするかを。
「……出来るのか?」
僅かな不安を見破られたのだろう。会長が私を真剣な目で私を見てくる。実は少し自信が無い。恐らく半々だ。
「やりますよ。私をあまり舐めない方が良いということを奴等に教えてあげないといけませんからね」
「なぁ……カームは何する気なんだ?」
「……恐らく、全人類に潜伏しているウィルスを奇跡で治癒し、更に再感染させない様にする…という事だろう。可能かどうかはともかくな」
「ハァ!? んな事出来るわきゃねーだろ! 一体この世界に人類がどれだけ居ると思ってんだ!?」
「カーム、それはいくらなんでもムチャだわよ!」
「やる前に諦めたくは無い。だからやる。ただ、私は暫く動けなくなる。今から〝聖光気〟を君達に付与する。ゾバエを侵入させない奴だ。最低限しか出来ないが、感染は防げる。ゾバエには意志がある。だが、群体で統一した意志を持つ事は普通はありえない。何処かに必ず統率者がいる。それが潜伏しているビヨンドまたはパリストンだろう。それを叩き潰せば、こちらの勝ちだ」
◇
ここまで折られた事は久しく無かった。ここまで裏切られた事は無かった。敵は、奴は全人類を裏切った。大罪だ。創世記にも遡るほどの大罪だ。これほどの規模の裏切りは人類史上初かも知れん。そして、それを為した者はよりによって自らの肉親であった。そして、ワシはソレを止めることができなんだ。無能、と言われても何ら反論できん。そしてゾバエ、これは本当に恐ろしい病じゃ。飢え、渇き、苦しみ…それらを何十倍にも凝縮したかの様な苦痛が際限なく襲ってくる。理性が辛うじて残るのがよりタチが悪い。この状態で永遠に死ねないとは…絶望の病とはよく言ったものじゃ。
この勝負は奴等の勝ちじゃ。徹底的に、容赦なく。その為の全人類人質だ。奴等からすれば、こちらの作戦が成功しようがしまいがどちらでもよい。
これが奴等の狙いだからだ。カームが弱ってきた所にトドメをさす。恐らく潜伏しているヒソカ辺りが筆頭とみた。それまで奴等は隠れているだけでよい。これで奴等の支配は万全となる。嫌になるほど遠大で綿密な計画。〝救世主〟は人類の守護者。その性質として人々を見捨てられない。古の昔から、彼らは総じてそういう性質をもつ。だが、その代わりに人類に仇なす存在に対しては無敵に近い存在でもある。
だからこそ、奴等は万全を期した。
ほぼ無敵の存在であるカームは、奴等からしたら天敵に等しい。呪いは効かない。毒も効かない。人類最強の兵器も、どんな念能力すらも無効にしてしまう恐ろしい存在。それを封じ込めるために奴等は人類全てを犠牲にする。
だが、カームも馬鹿ではない。奴等の考えぐらい看破しておるじゃろう。何もかも分かっていながらもカームは人類を救う。歯痒い事に我々ができることは少ない。それが彼の弱点であり、我々の弱点でもある。ここまでの動きは全て奴等にとっては予想通りじゃろう。
そして、奴等の思い通りのシナリオを辿り、人類は奴等の奴隷となる……そんな絶望的な状況。
そんな中で、我々の勝利条件は何か?
そもそも、ここから勝利などあり得るのか?
それは、
ワシは何を腑抜けておったのじゃろうな。腑抜けてる場合ではないのに。カームがやると言ったらやるじゃろう。このミッション、誰かを犠牲にせねば達成できぬかもしれぬ。だが、やる。ワシはハンター協会会長じゃ。最後の奉仕をせねばな。
「ジジイ。やるこた分かってるよな?」
生意気にジンがほざきよる。昔から此奴の強メンタルは驚嘆に値するの。ワシと同じ目にあっておきながらこれじゃからな。だが精神的に植物とまで言われたワシを舐めるなよ。
「……ワシゃそこまで耄碌しとらんぞ?」
「そこで強がりが言えるなら上等だぜ……で、どうする?」
どうする? じゃねーわ。こんな時まで試すでない。じゃがまぁ、ワシも自分のケツぐらいは自分で拭けって事か。
「まず、カームよ。大体で構わん。どれぐらいかかる?」
「申し訳ないですが、全くの未知数ですね……少なくとも3日以上はかかると見てください」
「……奴等は探せるか?」
「……どうでしょうね。異空間とかに逃げられたら正直厳しいと言わざるを得ません。というか無理です」
「参ったのぅ……八方塞がりか」
「──ですが必ず姿を現しますよ。そこは断言しましょう」
やっぱり気付いておったか。
「……そうじゃな。そこには同意見じゃ。ならばそこを叩くしかあるまい」
少なくとも今は本当に何もできん、か。せめて露払いは、と思ったが……。
「しゃあねぇ。正攻法だな」
「うむ。根比べじゃな」
「ちょ、ちょっと待てよ! だから何の話なんだって!!」
レオリオか。カームの弟子の1人の。話が終わったら説明してやるか。
「ワシらがものの役に立つかは分からんが、基本的にはお主が邪魔されんように守る。それでよいか?」
「すみませんね。では、そちらは任せましたよ」
「ふん。待つだけとはつまらんな。だが、逆に言えば待てば奴等は来るというなら待ってやるか」
偉そうに口を挟む異形の存在。そう言えばコイツ、ナチュラルに居るがキメラアントじゃね? しかもオーラがヤバい。もしかして王とか言う奴? ってかビヨンドも言っとったな。カームが連れてきたんじゃろうが、また特大の爆弾持ってきおって……まぁ、今の状況じゃありがたいっちゃありがたいがな。
「……作戦に異論はないわね。人類を救うために動けないカームを守らなきゃならない……敵の能力は不明、且つ、戦力は未知数。少なくともヒソカは来る、と。こりゃ誰か死ぬかもしれんわね」
元弟子がこっちを見よる。コイツ、言いづらい事言いおって。いや、そもそもワシが死ぬ筆頭みたいな視線はやめんか。まったく。カームがビスケに向かって絶対に死なせないと宣言しておる。愛されとるのぉ。ゴツくなかったら、といつも思っておったが、ここに来て更に進化しよっていい女になったもんじゃ。ま、生死は時の運じゃて。なんとも言えんが、口約束ぐらいはしておくかの。カームの精神状態も作戦の成果に左右されるからな。
「いや、誰も死なさんぞ? ワシを誰じゃと思っとる」
「息子に負けた奴」
「パリストンに裏切られた奴」
ぐっ……おのれ! ジンもビスケも痛いところを! ていうかジン! お主も人の事言えんじゃろ! しかし、しゃーないか。ワシもふがいないことこの上ないが、せめて足は引っ張らん様にせねばな。
「カーム。情けないが、この世界の全てをお主に託す。すまんが頑張ってくれ」
そんな、ワシの情け無い願いを、カームは笑いながら任せてくださいと返してきた。此奴も初めて会った時より強くなった。無論、精神的な意味でじゃ。初めは少し危うかったからの……これまでの仲間との絆、愛、か。ならばワシらはそれを無くさぬ様にせねばならんな。
それこそが、ワシらが出来る唯一の支援かもしれんからのぅ。