アンブレイカブルハンター【完結】   作:エアロダイナミクス

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いろんな所で戦闘が起きてると、どこから投下したらいいか悩む現象。でも最後は決めてます。





148、魔王

 

 

 

 

 

 

「ぐ……うぅ……」

 

「おやおや、まだ意識があるか。随分と鍛えられたようだね。能力も無事進化している。〝彼〟は随分と入れ込んだみたいだ。役目を果たして偉いよ」

 

 ボロボロになったカルトがイルミの前に横たわる。彼女の紙吹雪は力を失い散らばっている。

 

「じゃあ、後はオレの為に働いてね。とりあえず家に帰るからさ」

 

 

 そうして、瀕死状態のカルトに禍々しい色味を帯びた針を刺そうとした、その時。

 

 

 

 

 ドクン

 

 

 

 

 明らかに聞こえるはずのない心音。イルミは思わず周囲を探る。敵か、と。しかし、誰もいない。居るのは目の前のカルトとキルア、そしてアイを憑けた針人間とストック達のみ。

 イルミはこの時、死体の存在を完全に除外していた。幻影旅団に囲まれ、圧倒的に不利な状態でも最後まで抗い、そして死んだ少年の事を。

 

 

 ドクン…ドクン…

 

 

 再び聞こえた音。今度こそ出所を探り当てると集中していたイルミは、ようやく気付いた。その音がゴンから発生している事を。

 

 

「なに…? 完全に死んでたよね?」

 

 

 ドクン、ドクン、ドクン、ドクン…

 

 

 鼓動が早くなっていく。完全に蘇生し始めている。イルミはこの時、再びミスを犯した。これが不思議な事ではあるが、死後の念による()()()()()()()()とタカを括ってしまった。様子を見てしまったのだ。見極め、対処する。それは念戦闘に於いては非常に正しい。

 

 

 しかし、この場合には間違いであった。

 

 

 彼は今この瞬間に即座に攻撃するべきだった。又は針を刺しておくべきだった。イルミは〝力〟を手に入れた事で、本人すら気付かない様な「緩み」が出来てしまっていた。

 

 

 

 ──それが、彼、ひいてはこの戦いの命運を分けた。

 

 

 

 

 

 ムクリ、とゴンの上半身が起き上がる。身体中がボロボロだ。欠損もある。しかし、彼はそれを確認しながら見ていると、身体のキズが()()()()()()()。そして、あっという間に欠損すら回復した。

 これにはイルミも驚いた。何が起きているのか分からないが、マズい事態になっている予感がし始めていた。そして気付いた時に消滅させておけば、と後悔する。しかしそれは詮無き事。ならばここで始末する。コイツはキルの為にも生かしては置けないから。

 

 一歩踏み出そうとした瞬間、ゴンの眼光がイルミを捉えた。

 

 以前と変わらぬ容姿。強いて言えば、彼にあった甘さや弱さといった気配が消えている。

 

 

 イルミはその背後に強大な捕食者を幻視した。

 

 

 ゾクッ

 

 

 ──この時、イルミは自分の感覚を信じきれなかった。この起き上がった少年が、()()()()()()()()()()などと。普段から兄妹達には口酸っぱく教え込んでいた。そうした場合はすぐにでも逃げろ、と。だが、彼自身が躊躇ってしまった。そして、そんな事はあり得ないとタカを括ってしまった。

 

 

 ゴンが起き上がる。その動作だけでも絵になる様な、完璧な肉体の動き。

 

 

「キルア……カルト」

 

 

 ここにきて、彼は初めて口を開く。

 

 

「ウチの家族に何か用かな?」

 

 イルミは探りを入れる。この違和感が何であるか、そして先程から感じている感情がなんなのかを。

 

「イルミ……お前が、やったんだな?」

 

 それは主語のない問い。しかしイルミはそれを正確に把握した。

 

「そうだけど? だから何?」

 

「キルアを、カルトを虐めたな」

 

「失礼だなぁ、これは教育だけど。前もそうだったけど、ウチの方針に口を出さないでもらえるかい?」

 

()()()()()()。そんな事は知らない。お前はここで倒してキルアとカルトを返してもらう」

 

 

 ゴンが一言一言喋るごとに、そのオーラは膨れ上がっていく。既にその質も、量も人間のソレではない。そしてイルミは感じていた。最早戦闘は不可避であると。そして、自分は逃げる機会を逸してしまったと。

 

 

 

「……〝アイツ〟みたいに甘くは無さそうだね。じゃあやってみなよ」

 

 

 強がり気味にイルミが言う。ゴンは、それを半ば無視しながらイルミに宣戦布告する。

 

 

 

「全部見ていた。夢の中で。お前がやった事、お前達がやっている事。オレは許さない。今は少なくともお前を……倒す!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その攻防は、念戦闘における常識を遥かに上回る闘いであった。ビヨンドの念能力【千手阿修羅】は、無数の手と武器を操り、メルエムに迫る。360°から迫る武器の数々。その威力は一般の能力者が一撃でも食らえばミンチになる。一つ一つが必殺級の威力である。

 協会本部のエントランスはかなり広く、かつ頑丈である。しかし、それが紙屑の様に破壊されていく。

 

 メルエムは、刃を逸らし、鈍器を撃墜し、時には敢えてその身に受けながら接近していく。

 彼は成長していた。産まれて間もないが、幸か不幸か自分よりも圧倒的な強者に出会った。オーラや肉体が自分に及ばないネテロも、その技の冴えは驚愕すべきものだった。

 世界は広く、そして深い。この人間の楽園にすら、自分を上回る強者が存在している。これが楽園の外であれば言わずもがなだろう。何しろ、彼の目から見て神にも等しい力を持つ者さえも上回る連中がゴロゴロしているらしいのだから。

 

 

 刃を切り裂いて、刹那を躱して、辿り着く。この男は、ネテロに比べればまだまだだ。あの息もつかせぬ連続攻撃。瞬く間に繰り出される攻撃は反応すら許されない。この男もネテロを冠しているらしいが、その技には狂気が足りない。だから、こうして辿り着ける。

 

 

 閃光の様なメルエムの突き。それはカームを模したモノ。速度は無いのに()()()()()()。ビヨンドはそこに気付き、それを阿修羅の盾でガードする。

 

 ピシッ

 

 

 盾にヒビが入る。だが、その一瞬の硬直をチャンスとし、ビヨンドは再び波状攻撃を仕掛ける。先程の焼き直しである。だが、メルエムはこの攻防の先を既に見据えていた。尋常ではない彼の頭脳は、この闘いの決着が詰め軍儀の様に、正確に詰みの部分までを読んでいた。無論、相手の詰みを。

 

 

 

 メルエムはネテロと遊び、対話することによって精神的にも成長していた。人とは何か。社会とは何か。そして、王とは何か。

 そして理解する。人間と自分達はやはり相容れぬと。そもそもの生態が人間とはまるで違う自分達は、共存など不可能だ。覇権を争えばどちらかが滅びるまでやり合うか、一方的な奴隷として飼うかしかない。だからこそ、(カーム)は我々を拒絶したのだ。奴は否定したが、アレも歴とした王である。認めたくはないが、臣民を導き、異物は排除する。それも王の仕事であるから。何よりもその強さがそれを裏付ける。自分達は生存競争に敗れ、慈悲で生かされた。王としての資質の強さすら否定された。だからこそ、学ばねばならない。王の資質を。今ここに、玉座を巡る闘いが始まっている。それを奇貨とし、新しい世に王として君臨する為に。

 

 目の前の男。これも王の器ではある。しかし、()()()()()()

 

 強さも、野望もある。外法だったが臣民を支配し、導く手腕も大したものだ。だが、薄いのだ。動機が。情熱が。信念が。

 それは感覚的なもの。しかし、自分や自分を倒したあの男と比べると、何か釈然としないモヤがかかる。そして今、この男と拳を交わしてその感覚が正解だったと確信する。

 

 この男は、()()()()()()()()と。

 

 

「くく……ははははは!!!」

 

 

 三度目の接触でメルエムは堪らず哄笑する。既に彼はビヨンドに致命的な一撃を加える程の攻撃を繰り出している。今回は躱された。しかし、次や、その次はもう当たるだろう。そうなれば、オーラに多少差があれど種族差で肉体的に圧倒的に有利なメルエムの攻撃は、大ダメージを与える事すら可能だ。既に彼はシャウアプフの鱗粉を模したオーラの粒子を拡散し、見なくても攻撃を躱せる域に至っている。

 

 

「……何がおかしい?」

 

「虚ろの王よ。貴様はもう既に詰んでいる。どんな自信があってここに直接乗り込んだかは知らんが、貴様では余にすらも勝てん。それがおかしくてな」

 

「まだ見せて無いかもしれねェだろ?」

 

「ならば早く見せる事だ。貴様は後5手以内には詰むぞ。余も()()()()()()()()()状態でこれだ。それとも、貴様は遊びに来たのか?」

 

「そうだぜ…といいたい所だが、ここまでか。親父の方も終わっちまったようだからな」

 

 

 

 見ると、ネテロの方も十二支ん全てを打ち破り、こちらを見据えていた。死体側は()()()()()使()()()()とは言え、それをこの短時間で撃破するネテロの技量はまさに人類最強と言えるだろう。今、死体は再び動き出さない様に拘束し、ついでに裏切り者のサイユウも縛られて拘束されていた。

 

 

 

「あーあー。マジかよ。ここまでボコられるとは予想外だったな」

 

「そんな貴様に問おう。何をしにここに来た?」

 

「ん? そりゃお前らをブチ殺しに来たに決まってんじゃねーか。人類の大敵どもよ」

 

 

 追い詰められているのはビヨンド側のはずだ。しかし、この男は不遜な態度を崩そうともしない。そこだけ見れば王らしいのだが。

 

 

「だが、貴様には無理だ。それは理解できている筈だが?」

 

「ふん。愚民共にはアピールが必要なのさ。今は特にな。〝救世主〟さえいなけりゃもっとラクだったのによ」

 

「で、逃げ帰るか? ますます王としての器が小さくなるな」

 

「いんや。貴様らはここで死ね。これは決定事項だ」

 

「勝算があるとでも? 貴様は嘘ばかりだ。告げる言葉は嘘、臣民に語る言葉も嘘、その野望や信念すらも嘘で固めている。何が貴様の真実だ?」

 

()()()嘘は言ってねーぜ?」

 

「そこが嘘だ。貴様には熱量が感じられん。断固たる決意、確固たる信念。いずれも王に必要な資質! それが無い。正に虚ろだ。貴様は一体何なのだ」

 

「…………」

 

 

 不気味な沈黙が降りる。そこへ、ネテロ達が近づく。

 

 

「メルエムよ。此奴はワシの息子()()()。しかし、此奴が暗黒大陸に渡航し、帰って来た…だが、帰って来た時には()()()()()()()()()

 

「ほう…では、此奴は何だ?」

 

「ワシも気付いたのは不覚にもこの騒動からじゃ。巧妙に隠しておった。しかしお主はこの短時間で気付いた。流石よの」

 

「はぐらかすな。貴様の悪い癖だぞ。で、此奴の正体は?」

 

「此奴の正体、それは──」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──()()()、だろ?」

 

 

 

 

 背後から新たな人影。

 

 

「「ジン!」」

 

「ようやく間に合ったぜ。いや、タイミングバッチリだったな。流石オレ」

 

「いや、待てよ! 何してやがったとか色々聞きてーが、その前にゾバエってウィルスだろ?」

 

 

 レオリオがたまらず疑問を呈する。当然の疑問だが、ジンはそれに答える。

 

「そうさ。カームが言ってたろ? ()()()が居るってな。それがコイツで、ビヨンドはただの依代ってだけだ」

 

「全然意味がわかんねぇ…どういう事だよ」

 

「な〜に、単純な事だ。コイツは取り憑かれてたんだ。50年前の渡航でゾバエにな。で、一緒にまんまと帰って来た。ゾバエの特性上いくらでも潜り込めるからな。んで、ビヨンドと共生してたんだ。いや、乗っ取りかな」

 

 

「…………」

 

 

 ビヨンドはニヤニヤしながらも沈黙を貫いている。

 

 

 

「で、機を見てゾバエを広げまくった。バレない様にな。機が熟したら後は発動させるだけ。随分と遠大な計画じゃねーか。なぁ? そうだろ?」

 

 

 

「くく……ぷっ…いや、失礼。()()()()()()()()。楽園のサルは随分と呑気だこと」

 

 

 

 ガラリとビヨンドの口調が変わる。それに伴い、ゴキゴキとビヨンドの身体が変化してゆく。肌は青白く、頭髪は白に、そして何より若々しくなってゆく。背中からはコウモリに似た翼が三対、そして長く細い尾が一つ。

 変化に伴い、彼のオーラも激変していく。強く、禍々しく、一般人でも視認できるほど濃厚に。あまりに濃厚すぎて、その身体が自然と浮かび上がる。恐らく一般人にも視認できるだろう。

 

 

 それは、人間の伝承にある吸血鬼そのものの姿と言えた。

 

 

 そのオーラ、というよりも最早妖気とも言えるソレは、全員に絶望感を与えるのに十分であった。

 

 

「…ようやく出やがったな…最後の厄災。いや、()()と言うべきか」

 

 

「御名答。()()()()()。ボクの名はゾバエ。【魔界の王】にして【吸血鬼の真祖】。ふふ…楽園のサルにしては中々いい素体だったから割と快適に過ごせたよ」

 

 

 言葉遣いこそ子供っぽいが、その威圧感は正に魔王に相応しく。溢れ出るカリスマは神の如く。その存在は、明らかにこの世界に存在していいものではなかった。

 

 

「……門番ザル過ぎんだろ。こんな奴通すとはよ」

 

「アレは老害さ。何も期待しない方がいい」

 

「やはり、な。やはり先程までの姿は偽りであったか」

 

「おやおや、蟲ケラくん。キミも中々楽しめたよ。私の演技はいかがだったかな? 他のサルどもは簡単に騙されて張り合いが無かったものでね」

 

「ビヨンドは…いつまで生きていた?」

 

 

 ネテロが問う。彼も縁を切ったとはいえ父親だった。

 

 

()()()()()()。楽しかったよ。徐々に徐々に犯されて不安に苛まされていく様は傑作だったね。あぁ、彼の理想は本物()()()。それを利用させてもらったよ。バレちゃったけどね」

 

「……ビヨンド」

 

「だが、テメェはここまで姿を隠した。理由を当ててやろうか? テメェでもカームや門番に見つかったらアウトだからだ」

 

「ふ……()()()()()()()()()()()?」

 

 

 

 ゾワッ

 

 

 

 恐ろしい程の波動がゾバエから発生する。どれだけの力量か上限すら掴めない。それ程の圧。

 だが、それでもジンは怯まない。

 

 

 

「そうだぜ。テメェはだからこれまで隠れてきた。見つかったら門番に回収されるからだ。出てきたのは〝救世主〟が現れたから。違うか?」

 

「ほう…まぁそこまでは正解」

 

「そして〝救世主〟を他に任せて潰し、自分はまんまと人類を暗黒大陸に導く。奴隷にする為にな」

 

「な……!」

 

「そんな……」

 

「一つ訂正があるね。奴隷だけじゃなく、玩具。他にも交配とか拷問の実験材料、ストレス解消、ゲームの景品。用途は多岐に渡るねぇ。そもそもこれは()()()()()()()()()()さ。人類を門番の目を掻い潜ってボクの元に連れてくるゲームだ。永く生きてると退屈でね」

 

「そんな事の為に…!」

 

「キミ達が弱すぎるのがいけない。弱い癖に手厚く保護なんかされちゃってさ。だからそれを全力でおちょくるのが楽しいんじゃないか。縛りがあると尚よし。特にこの2年は最高に幸せだったね」

 

「……パリストンと気が合うわけだ」

 

「あぁ、彼? 彼もサルにしちゃ中々趣味が合う奴だったよ。優秀だったし、ボクに快く協力してくれたしね。さて、真実に気付いたキミ達は既に絶対絶命。運良く助かっても最早キミ達に味方はいない。肝心の〝救世主〟は〝反救世主〟と良くて相討ち。〝救世主〟が死ねば、サルどもの保護も外れてやりたい放題。あぁ、絶望だねぇ。こういう時、なんていうんだっけ? …そうそう。詰み(チェックメイト)だ」

 

 

 ──正に絶望。このメンバーですら勝てるような相手じゃない。そして、仮にカームがヒソカに勝ってもコイツには負けるかもしれない。それ程の相手だ。

 この勝負は負けていたのだ。初めから。周到に準備され、見事に詰まされた。何故なら全人類は知ったから。念の存在を。暗黒大陸の存在を。いずれ、ノコノコと出て行くだろう。そして奴隷となるのだ。目の前の様な存在に。

 

 

 

「──バカが。人類を舐めんなよ」

 

 

 

 ジンは、ポケットからケータイを取り出す。それは、一般に普及しているものよりも大柄で、どちらかと言えば小型のパソコンに近い。それはジンの特注品。他のケータイより遥かに高性能で、高機能。これ一つで大容量の映像データや記録を保存でき、通信速度も並じゃない。ジン自ら手掛けたソレは、最早オーパーツに近い品だ。

 ジンはその画面をゾバエに向ける。

 

 

 そこに映っていたのは()()()()姿()。しかも複数の角度から撮られている。

 

 

「うん? コレはボクら? それがどうした」

 

「良く見な。見えるだろ?」

 

 

 ジンがボタンを操作してコメント表示をONにする。途端に画面を埋め尽くすほどの文字列が流れ始める。

 当然だが、ゾバエは人間とはその性能面で隔絶している。視力も比べるべくもなく良い。だからこそ、左から右へと高速で流れてゆく文字列が見える。

 

 

・ビヨンド……ウソだよな…?

・オレ達を暗黒大陸に連れてくのは奴隷にする為…?

・バカ言うな!フェイクだろ!!

・いや待て、そもそもビヨンドじゃないぞコイツ

・自分からゾバエって…やっぱりオレ達は騙されてたんだ!!

・待てよ…じゃあオレ達ってこの悪魔の応援してたって事?

・クソ!わかんねぇ!!オレは確かめに行くぞ!

・待て!絶対ヤバいからやめろ!!

・この配信は生LIVEで間違いない。念能力のフェイクでもない。オレも今ものすごいショック受けてる(@現役ハンター)

・本職降臨!やっぱマジか…!!

・カーム=アンダーソンが…本当の〝救世主〟…?

・でも、今なんで居ないんだ?今激ヤバのピンチだろ?

・話聞いてたか!?今〝反救世主〟とやらと闘ってるんだろ!?

・みんな!!オレが保証してやる。コレはマジで生中継だ!(@モラウ=マッカーナーシー)

・げ、現役ハンターの有名人じゃん!やっぱりコレって…

・私も保証します。これはリアルです(@サトツ)

・ハンター達が続々名晒してコメントしてる…アカウントも本物くさい。つまり…

 

 

 続々とリアルタイムで書き込まれるコメントは追うのに精一杯だ。しかし、ゾバエはその内容を正確に捉えていた。

 

 

 

 

「コレは……」

 

()()()()()()()()()。そうさ…今現在のこの状況を生LIVE配信中だ。テメェがペラペラくっちゃべった事も全て筒抜けだったって事だ。残念だったな。あぁ、パリストンにゃ期待すんなよ? アイツの考えはオレも分かる。引っ掻き回される前に()()()()()()()()()

 

「…………」

 

「見てるか、お前ら。お前らが信じてたモンの正体がこれだ! コイツこそが全ての元凶!! 今だに信じられねー奴もいるだろう、だが、今このLIVE映像だけは本物だって生命を掛けて誓ってやろう!」

 

 

 ジンは、エントランス最奥のモニターを映し出す。ジンがケータイに映していた内容が全て大画面で映し出されていた。

 

 

「さぁ、どうする? プランが狂ったなァ。暗黒大陸の魔王サンよ!」

 

「……クク…ハハハハハハハ!!!」

 

 

 盛大に笑い出すゾバエ。その様子から、心底笑っているようにしか見えない。

 

「…笑うポイントじゃねぇんだが?」

 

「キミ達はいつも面白いねぇ! ()()()()()勝ち誇っているなんて! 全人類にバレた? で? それがどうしたんだい? もう、キミ達は『終わってる』んだよ。逆に教えてあげるけど、よく見てごらん? キミ達を大事に守ってる光を!」

 

 

 ジジッ、ジジッ…

 

 

 見れば、確かにその光が弱まってきている。

 

 

「これは…カームがヤバいのか!?」

 

「そのクソ忌々しい枷ももう終わる。そしたらどうなると思う? ボクはね、()()()()()()()()()()? ふふ…ボクは逆に皆の顔が見たいモノだ。絶望を浮かべる顔をね」

 

 

 そうなのだ。ゾバエの言うとおり、これが落ちると言うことは、即ち敗北を意味する。どんなに頑張っても、どんなに策を弄しても、それが駄目なら駄目なのだ。

 

 

「……そうさ。勝算なんてハナからねぇのさ。でもな、クソ野郎。()()()()()()()()()()()って言ってんだ」

 

「見苦しいよ? じゃあ待っててあげるからどういう根拠があるのか言ってごらんよ」

 

「いいのか? じゃ、言うぞ。おい! 見てるお前等!! 今聞いたとおりだ!!! カームの光が消えると詰みだ! コイツの言うとおり、そこからは地獄一直線だ! お前等それでいいのか!?」

 

 

 

・え…いやだ…

・マジで……どうにかならないの!?

・そんな…そんなことって…

・クソッ、マジで光薄くなってきてる!ヤバいぞ(@モラウ=マッカーナーシー)

・おいジン、どうすんだよマジで!(@ドゥーン)

 

 

 

「だが、一つだけある! 那由多の彼方にある可能性だが、それに賭けるしかねぇ!!それは──」

 

「それは?」

 

「──祈れ」

 

「……は?」

 

「祈るんだ。必死で。カームの無事を祈れ。それがお前等にできることだ」

 

「……は~。結局運頼みか。やっぱり下等生物だね。じゃ、そろそろいいかな?」

 

「オレの運はとどまるところをしらねぇからな。案外何とかなるかもしれんぜ? それに、テメェの面を一発ぐらいはぶん殴っときたかったからな」

 

「ほぉ~威勢の良い下等生物がいたもんだね。楽しみだよ。()()()()を迎えて絶望する姿が見たいから、ゆっくりじっくり嬲ってあげるよ」

 

「ジジイ、ビスケ、メルエム…ここからが本番だ! いいか、絶対に死ぬんじゃねぇぞ!」

 

「わかっとるわい。言ったじゃろ。誰も死なさんとな」

 

「ちょーっと自信無いけど…カームも頑張ってるからね。やるわよ」

 

「話は終わったか。闘いの時間だ」

 

「OK。最後に、レオリオ」

 

「何だよ…超展開過ぎてオレにはついてけねーんだが」

 

「オレはお前にできることがあるって言ったな」

 

「あぁ、あったな。わりーがさっぱり分からん」

 

「いいか。ハッキリ言って万分の一より低い確率だが、逆転のチャンスがある。それがお前さんだ。それができたらあのクソ野郎のハナを明かせる。だからな──」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ()()()〝聖光気〟を掴め。







ドゥーンさんなんでこんな所におるん?(パリストン対策)
と、言う事で、ラストバトル第一弾。
ちなみにパリストン氏はコメントしたくてもパリストン絶対垢BANするマンの活躍によって阻止されてます(ネタバレ)。電脳ハンターは伊達じゃない。
そして、ゴンさん。正直やりたかったシリーズがここに来てモリモリと解消されてきてる。
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