アンブレイカブルハンター【完結】   作:エアロダイナミクス

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 早くカーム君書きたい…しかし、マイケル君も書きたい…!そんなジレンマを感じながら書いてる。


15、マイケルの成長

 

 

 

 

 《念》を習得するために、まずはその力を知覚する必要があるらしい。よって瞑想をしながら身体に流れるエネルギーを探るのだ。なるほど、ここで瞑想が出てくるのか。

 最初は瞑想のやり方から入る。コツを聞いたが、本当に難しい。どうしても雑念が湧いてくるし、訓練の疲れから寝てしまう事もあった。

 兄さんはその都度矯正してくれたが、サポート無しで出来るようになりたい。目標を見据えながら取り組む。

 

 

 

 1ヶ月して、大分形になってきた。ここでようやく念の知覚に入る。兄さんからはコツを聞いたが、サッパリ分からない。本当にあるのだろうか。あるから兄さんの能力なわけだが。兄さんは「気長にやれ。私は1年かかった」と言ってたけど、あるかないか分からないものに1年も費やすなんて狂気の沙汰だと思う。兄さんの場合はずっと寝込んでたらしいからしょうがないけど、それでも異常な精神性だと思う。

 ちなみに、兄さんは自分の事を「私」と言う。前は「にいちゃん」だったが。理由を聞いてみると、弟子である以上、甘やかさない様に一人の人間として扱う為だそうだ。なんか認めて貰えた様で嬉しい。家族以外は「私」で通しているようだ。父さんもそうだ。僕も将来的には「私」呼びが似合う様になりたい。

 

 

 半年が経ち、身体を巡る力の流れが把握出来るようになった。それに伴って、その力の元になる場所が各所にあるのが分かり、その時点で身体からオーラが立ち登るのが視覚的に見えた。オーラは体全体から発せられ、宙に消えてゆく。すぐに兄さんに報告したところ、立ち上るオーラを留める様に指示される。出来るのかと思ったけど、やってみたら簡単に出来た。兄さん曰く、知覚さえ出来れば後は簡単との事だった。

 これが《念》の基礎中の基礎、《纏》らしい。なるほど、確かに身体全体が強化されてる気がする。テンションが上がって兄さんの方を見たら、凄まじい密度の《纏》をしてるのを見て一気に冷静になった。何だコイツ(呆れ)自分のがショボ過ぎて話にならない。

 その後、実は強制的に目覚めさせる事も可能だと聞いて流石にキレそうになった。この半年は何だったんだよ!しかし、じっくり目覚めた方が制御もしやすくなるし、精神の安定から《念》がより強くなると聞いて納得してしまい、それから何も言えなくなった。

 

 

 それから念能力の基礎訓練も加わった。四大行というらしい。身体の精孔を一気に開く《練》と、逆に閉じる《絶》だそうだ。《纏》も含めて3つしかないけどって聞いたら、最後の一つはまだ早いそうだ。《練》はさらに力強いオーラが出て、万能感に浸りそうになるが、例によって兄さんの《練》を見て冷静になる。何というか…すごい威力の爆弾の目の前にいる感じ。語彙力が足りなくてうまく表現できないが、遠くから見ても逃げ出したくなるほどの凄まじい威圧感だ。

 《絶》なんかはやってみるとかなり気配が薄くなって、完全に習得すると文字通り気配が消えるらしい。兄さんが僕から逃げ回ってるときに使ってたのはこれか…。道理で捕まらないわけだ。この訓練は基本中の基本にしてそのまま奥義につながるそうで、今後も毎日やれと言われた。少なくとも1年はこれだけやると宣言された。理想は寝てるときでも出来るようにとのことだ。《絶》には回復力増強の効果があるらしい。

 

 

 3ヶ月たってから、兄さんに、お前の系統を調べるといって、なみなみの水が入ったコップに葉っぱを乗せた物を手渡された。これに《練》をするらしい。実際にやってみたら水が溢れた。強化系らしい。兄さんはしきりに納得していた。なんだそりゃ。どうも系統は全部で6つに分類されるらしい。強化系、放出系、変化系、具現化系、操作系、特質系の6つだ。水や葉っぱの様子で変わるらしい。ちなみに兄さんは操作系か特質系の中間らしい。どういうことか分からなかったので実際に見せてもらったら、葉っぱがすごい勢いで回転しながら溶けて消えていった。なるほど。わからん。

 系統は6角形の関係で成り立ち、隣り合う系統とは相性が良いらしく、習得率も近い程によくなるらしい。逆に遠い系統はほとんど習得できないと言うことだ。僕は強化系だから変化系と放出系も強いらしい。なるほど。全くわからん。ちなみになんとなく性格で判断できるらしく、兄さんは僕が強化系だということを予想していたらしい。単純一途だとか。腹が立ったがぐうの音も出ない。ちなみに兄さんは理屈屋のマイペースで個人主義者らしい。なるほど。わかる。ただ、付け加えていうとカリスマ性とかあるんじゃないかな?理屈屋で、マイペースで、個人主義者の癖に妙に好かれるのはそのせいでは?

 しかし、兄さんはどこでこんな知識を知ったんだろう。周りに出来る人なんて知らないのに。気になって聞いてみたら、笑いながら内緒だぞ、と言われて「自分は前世の記憶持ちで、その時の知識にあった」と言った。そんな馬鹿なと思ったが、兄さんだからなぁ。まぁ、血の掟もあるし誰にも言うつもりはないが。

 

 

 さて、1年基本修行を続け、そろそろ系統別修行に入ろうと兄さんが言ってきた。場所を変えると言って、我が家の所有するボタ山まで来た。兄さんがここでバイトしてるのは知ってたけど、ここ、カタにはめられた人が来るとこだよ?よく無事だったね…。まぁ兄さんだからか。

 とりあえずここで、念修行を行うらしい。修行も出来て金も稼げる、一石二鳥だなとか言ってたけど頭おかしい。しかし、スコップを渡され、兄さんと穴掘りを開始する。筋トレにもなるらしい。掘り始めて思ったけど兄さんの掘り進め方が異常だ。なんでと思って《凝》で見たら(これも習ってた)、スコップに念を纏ってた。ズルい、と思って真似してみたら、思った以上にキツかった。オーラもすぐなくなる。限界までやってへばったが、兄さんはそれからもずっと掘り続け、1人で50人分ぐらい掘ってた。やっぱりおかしいよ…。親方は慣れてるのか普通に兄さんにバイト代を渡してた。僕にも渡してくれたが、兄さんの額の半分以下だ。まあしょうがない。兄さんはあれから、《硬》で岩盤をぶち壊し、《周》で出てきた大きい岩ガラを砕きまくってたからね。でも、親方は僕が加わってまだまだ稼げるなと笑っていた。

 

 

 

 それから1年と4ヶ月間、系統別も取り入れた修行をした。系統別は理にかなってるのもあれば、変なのもあった。ところどころ兄さんの考えたオリジナルらしい。

 強化系のLevel5なんて意味わかんないよ。と言ったら実際見せてくれたが、オーラを削岩機の形にしてガシガシ岩を掘ってた。頭おかしい。

 でも、兄さんの得意の操作系と放出系の修行は楽しかった。オーラをぶっつけ合ったり、水や砂の形を変えてぶつけ合って遊んだ。僕は変化系も得意らしく、しゃべらなくてもオーラで文字を書いて兄さんと意思疎通が出来た。ちなみにこれは僕の方が最終的に早くなり、初めて兄さんに勝てた。

 基礎修行自体も幅が広がり、オーラ移動の《流》でパンチ、キックを攻撃、防御し合う訓練はなかなか難しかった。兄さんは今まで相手がいなかったから出来なかったといって喜んでた。

 こんなことやってると少なからず怪我をするが、僕は強化系で《絶》で治るのが早くなった。しかしオーラをおさえて修行してる兄さんもたまに怪我をするが、治り方が文字通り桁が違う。瞬時に治っていた。聞いてみるとこれが《発》、固有能力らしい。

 はっきり言って基礎修行を極めるだけでも超人的なのに、まだ先があるかと愕然となった。兄さんの場合は、【完全適合(パーフェクト・コンバート)】と【日々是健康(ヘルシーマン)】というらしい。怪我が瞬時に治るのと、病気や毒などの状態異常を取り込む能力らしい。なんだそれ!そんなのこの世に勝てる奴いなくなるじゃん、と言ったら、兄さんはそれは違う、と言ってきた。

 

 

「《発》の能力は相性もあるが、絶対に甘く見てはいけない。私もはじめから戦うのではなく、逃げ延びるために能力を作った。どんな能力でも使い手次第で大きく化ける。だから最強の能力なんてないんだ」

 

 

 といって、知ってる能力の一部を教えてくれた。曰く、巨大な人型が具現化され、不可避の速度で巨大な手が百以上飛んでくる能力。相手の能力を盗む能力。オーラを煙に変えて、様々な攻撃方法に変える能力。オーラを電気に変えて攻撃する能力…などなど。どう戦えっていうんだそんなの!

 と言ったら、オーラをくっつけたり伸ばしたりする能力というのも紹介してくれた。その人弱かったでしょって聞いたら最強クラスの能力者らしい。兄さんの言うとおり、念の固有能力は使い手次第と言うことだ。でも、この話を聞いて僕は自分の《発》に一定の目処が立った。

 

 

 僕の能力は、家族・ファミリーを守る能力を作る。それで十分だ。

 

 

 兄さんは、強化系能力者は一つ一つの念操作が必殺の威力に変わるし、ぶっちゃけいらないから、基礎修行を極めていけ、と言ったが、僕は考えてることを伝えた。能力名は【祝福をあなたに(アンダーソン・ファミリア)】だ。

 

祝福をあなたに(アンダーソン・ファミリア)

・強化系能力

 指定した人物に対して、オーラを分け与え、強化する能力。簡単に言えばバフをかけるようなもので、肉体的に頑丈になり、多少の怪我や病気なども回復しやすい。

 

〈制約〉

・親愛の情によって威力や持続時間が変わる。

・一度かけてしまえば剥がすことはできない。

・オーラ量によってかけられる時間が変化する。また、かけられる人数も変わる。

 

 詳細を伝えたら、兄さんは「お前らしいな」と、苦笑し、この能力の発現をもって卒業とする、と伝えてきた。

 

 

 わかったよ。いよいよだね。




 いよいよ念の習得。カーム君の無茶振りも加速し、ツッコミも加速する!
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