アンブレイカブルハンター【完結】   作:エアロダイナミクス

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 最終話です。最後までお楽しみください。


155、カーテンコール

 

 

 

 

 

 

 

 

「あーー全世界の皆。知ってると思うが、レオリオだ。この度()()()()()()()()()に就任した。まぁ、なんだ。世界じゃいろんな事がありすぎてまだまだ混乱中だ。だからオレがやる事としては、混乱した世界の復興が第一だ。まだまだ世界中で苦しんでる奴等がいる。オレはハンター協会会長として、ハンター達を派遣し、全力で元の生活に戻れるようにする。そのために、協力してくれると嬉しいぜ。もしそれが成った日にゃ、同時並行で「ハンター(念能力者)養成学園」を作っていく所存だ。流石に大量に生まれるだろう野良念能力者を放置はできねぇ。だからせめてオレ等と一緒に働ける様にするぜ。んで、オレ等と協力して世界をよくしてこうな。とりあえずオレからはそんなもんだ。詳細については、後程ネットを通じて文章で発信するぜ。これから、オレと新しいハンター協会をよろしくな! ──あぁ、最後にオレに関して言わせて貰うぜ。あのな? オレは確かに()()()能力を持ってる。だがな、オレはお前等にその〝光〟を分けちまって、もう一般人とほとんど変わんねぇんだ。だからくれぐれも、誰々を生き返らせてくれとか、奇跡を起こしてくれとか言うんじゃねーぞ! そりゃあの時の特別だからな! 第一死者蘇生なんてあの時以外じゃどうあがいても無理だ。──それに、ゾバエの脅威は完全に消えたわけじゃねぇ。あんまり無体なこと言ってると、()()()()()()()()()()()()()()()()()()。だから、なるべくそうならないように頼むぜ。以上だ」

 

 

 

 

 

 

 

 就任演説なのか、脅迫なのか分からないような内容の演説を終えて、レオリオは()()()の壇上から下がる。無事に中継が終わり、そこに声を掛ける人物が2人。

 

 

「おう、お疲れさん。まぁよかったんじゃねェか?」

 

「モラウさんは適当ですね…ま、私も良いんじゃ無いかと思いますよ? ちょっと脅しすぎな気はしますけどね」

 

 

 彼らに声を掛けられ、レオリオは誰も見えないところでドカッとソファーに寝転がる。

 

 

「あれぐれー言っとかないとうるせーったらありゃしねェんだよ。マジで。どんだけ説明しても聞きゃしねェ奴等がまだまだわんさかいるしな」

 

「まぁ、そうでしょうねぇ。有名税って所ですかね」

 

「そういうこった。ま、しばらくすれば沈静化するだろうからここは我慢だな、新会長」

 

 

 会長に就任したレオリオ。その彼をサポートするのが、この2人、モラウとノヴである。彼らはあれから即呼び出され、いきなり彼の補佐役をやれと押しつけられた。無茶ぶりもここまでくれば暴挙である。しかし、トップ層が軒並みいなくなった協会では、彼らは貴重な人材だ。遊んでる訳にもいかないため、こうしてしぶしぶその仕事をこなしている。ちなみにカイトも捕まって、彼らに見えないところで記者への対応を行っている。

 

 

 

 レオリオがそうなることはおよそ必然であった。レオリオはこの世界をよくするために残ると決めた。しかし、全国生中継で奇跡を起こした彼が、ただの一般人のままだと確実に良くないことに巻き込まれる。だからこそのこの人事である。

 誰も手が出せないような地位に無理矢理押し上げ、彼を守る。レオリオは必然的に医者を諦めざるを得なかったが、その代わり世界を采配する程の地位を手に入れた。それはそれで、立場は違えど人々をより多く救えるという彼の夢にも少しは引っかかる。だからこそ、彼も納得してやってみようという気になった。ここ最近ではむしろ、開き直って好き勝手にしてやろうという気にまでなっていた。

 

 その一つが、ハンター養成学園の設立である。レオリオとしては、能天気に学園っていいよなぁとか、女子の制服とか考えるの楽しい、としか考えていなかったが、当然ながら裏の思惑がある。

 念能力拡散の流れを防げないなら、せめて大々的に、徹底的に管理する。それが基本方針である。それ以外の能力者は認可制を設け、徹底的に監視していく体制を作る。そのための布石がこの学園構想である。

 その動きは、今後全世界へと広がっていくだろう。そこで学んだ者は社会のエリートとしてハンター協会管理下の元働き、そして、全世界で要職へと就くだろう。それはやがて、ハンター協会の遠大な支配体制の樹立に繋がるのだ。無論、この絵を描いた者はレオリオでは無い。しかし、その者はもう()()()()にはいないので、結果、レオリオの功績として後々語り継がれることになるだろう。

 

 

 

 

 ──世界は、変わった。

 

 

 

 

 暗黒大陸の存在、念能力者の存在、門番の存在、そして……厄災の恐怖。それらは世界中に衝撃を与えた。既存の価値観が吹き飛ぶほどに。ハンター協会は、適度に情報を提供し、時には情勢すら望ましい方向に誘導した。

 世界の政府関係者は慌ててハンター協会を抑えに掛かったが、そもそも武力で勝てる相手ではないということを、生中継でイヤと言うほどに分かったため、迂闊に手を出すことができなかった。そもそも中心人物のレオリオを害してしまったら、自らを守る〝光〟が消えてしまうかもしれない。それは彼らにとって恐怖以外の何物でも無かったので、どうすることもできなかった。

 また、ハンター協会は、突如立ち上がった情報掲示板や動画配信サービスの管理まで請け負っている。この恐ろしく自由なネットワーク情報環境によって、いかなる政治上の秘匿も意味を成さなくなったし、自由な意見交換が活発に行われる場として、既存のメディアを衰退させる勢いであった。そして、その莫大な情報を一手に握る協会に、権力が集中するのは必然であろう。

 

 

 これからの世界は、ハンター協会が主導していく。そして、そこのトップは次世代の〝救世主〟レオリオ=パラディナイト。求心力からしても、各国の主導者層とはモノが違う。

 

 

 つまり──実質、彼は、この世界の「王」となったのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──時は少し遡る。

 

 

 

 

 

 闘いが全て終わり、彼らは荒廃した協会とスワルダニシティをどうするかを話し合った。その結果、カームが自らの能力、つまり〝奇跡〟で完全に復興させた。存在変質の力、それは異世界の神の能力であり、恐ろしく自由度が高い。あっという間に以前より豊かな街が出来上がった。流石は「神」の能力である。また、その際、街の至る所に植物を生やし、緑溢れるスワルダニシティが爆誕した。勿論、不埒な奴が不埒なことを考えないように、()()()()()()()()()()()()()()()付きである。

 

 

 その時、カーム達以外に誰も存在しない、しかし恐ろしく綺麗になった街の上空に超巨大な気配が発生した。瞬時に警戒する全員を押しとどめ、カームがその存在に語りかける。

 

 

 

「随分と遅かったですね。もう全部終わりましたよ。()()さん?」

 

 

 ──そう言うな。我は信じておったからこそ、ここまで手を出さなかったのだ──

 

 

 それは、街の上空一面に広がる龍の顔。そう、彼こそが門番。限界境界線を守護する龍神である。

 

 

「割とやばかったんですが?」

 

 ──だが、何とかなったではないか。むしろそれぐらいの試練は乗り越えて貰わねば話にならん──

 

「なぁ、カーム。コイツ腹立つんだけど」

 

「落ち着け、キルア…で? 遠方にいた貴方が、わざわざここまで来て何の用です?」

 

 ──貴様も分かっているだろう? 貴様達の〝力〟。この〝楽園〟には刺激が強すぎる。よって、貴様等はここから出て行ってもらいたい──

 

「おいおい、随分勝手な門番だな」

 

 ──貴様の妻も貴様を()()()待っていたぞ。貴様も自分の息子と共に行ったらどうだ?──

 

「う”……マジか…」

 

「あのジンが一発で沈黙したぞ! ヤベぇなアイツ」

 

 ──さて、改めて言うが、魔王の子、冥王の系譜、そして禁忌により力を得た雷神、少なくともこの3名は退去してもらう。最後に、〝救世主〟。貴様もだ──

 

「は~ホント融通きかね~なー。世界を救ったってのによー。オレ等が別に何するわけでもねーのになー」

 

 ──これは慈悲だ。貴様等は確かに世界を救った。よって、我が直接転移させずに貴様等に聞きにきたのだ。……大体貴様等もそう言いながら、本当は分かっていたのだろう? 貴様等の頭の中では既に結論が出ているではないか──

 

「勝手に覗かないで欲しいんですがね…まぁ、分かってますよ。でもね、こちらにも()()()準備がある。少しぐらいは待って欲しいものですがね」

 

 ──貴様以外は向こうへの移動手段を持っているのか?──

 

「えぇ。()()()()()。その気になれば今すぐにでもね」

 

 

 龍神は少し沈黙した後、再び語りかける。

 

 

 ──よかろう。ならば、貴様等の時間で1週間やる。その後、この世界から退去するが良い。しなければ我が直接送ってやる。1週間後のこの時間だ。努々忘れるなかれ──

 

 

 

 

 

 そうして、龍神はその姿を消した。まるで白昼夢かと思えるような光景だったが、確かに現実で起きた事だった。

 そして、彼らは再び話し合う。今後、この世界をどうするか。そして、誰が暗黒大陸へと渡航するか。

 

 

 当然ながら、カームとゴン、キルア、クラピカは確定だ。彼らは直接指定されているからだ。その他、ビスケ、カルトは絶対に行くと譲らなかった。そしてメルエム。彼は後半非常に大人しかったが、契約の履行を理由に行くと宣言した。彼の中で龍神に指定されなかったことや、闘いの中であまり活躍できなかった(メルエム基準)ことが引っかかっているようで、闘志を燃やしていた。当然彼らに断る理由は無い。元から彼は参加確定メンバーの1人だ。

 レオリオは、反対にこの世界に残ると宣言した。彼は、この世界でできることを行い、人々を助けていくと皆に力強く言い放った。その様子からは、まだまだ未熟ではあるが世界を守っていく守護者としての片鱗が伺えた。だから、メンバーの誰も反対はしなかった。

 

 最後に、ジンとネテロ。彼らは別に行く必要は無い。むしろこの世界に残り、復興や協会の運営を手伝う方がよいのでは、という意見がメンバーから数多く出ていたが、彼らはそれに強く抵抗した。曰く、

 

 

・オレ達は罠とは言え、国際指名手配までされて処刑まで確定した犯罪者(容疑者)である。

・そんな奴等がハンター協会に残っても疑われるだけ。

・そもそもハンター協会は新しくならねばならない。いつまでも旧体制の象徴がいてはいけない。

・ネテロはビヨンドの父だから余計にマズい。

・ジンはむしろ行けと言われた。

・つーか、そんな楽しそうな所に今更行けないとかマジで無い。

 

 

 以上の強い主張により、しぶしぶだが彼らの参加が決定した。というか、絶対最後の理由が一番だろうし、それ以上に面倒臭い仕事など丸投げしたいという事が透けて見え、他の理由は後付けであると皆が理解していた。しかし、いくら言ってもこの2人の意見は変えられないだろう事も分かってしまったので、仕方なく了承した。

 よって、一同は1人残り、彼らの分まで仕事を丸投げされるであろう哀れな犠牲者(生け贄)のこれから降りかかるであろう苦難に対して、無言で哀悼の意を示した。尚、本人は使命感に燃えてやる気に満ちあふれ、まるでその事に気付いていなかったが。

 

 

 それから、今後のことを(主にジンとネテロが)話し合い、これからの体制づくりに奔走した。いつの間にかハンター協会の協会長に決定されていたレオリオは激しく抗議したが、ネテロとジンの巧妙な「話し合い」によって、最後にはやる気を燃え上がらせていた。他の面々は、あまりにもチョロいレオリオに大丈夫かという不安がよぎったが、それもまたネテロが様々なサポート体制を構築したとアピールしたため、まぁいっかという雰囲気に落ち着いた。

 その間、それぞれがそれぞれで出来る事を行った。例えばカームはゾバエウィルスをメビウス湖内から完全に消し去った。これはカームがゾバエに完全に適合した結果であり、今の彼にとっては容易い事だった。ただ、それについては人類には完全に秘匿された。人類が安易に暗黒大陸を目指さない様にであり、レオリオの経営が少しでも上手く行くようにというサポートでもある。これによって、レオリオは人類への加護をおまじないレベルまで落とす事ができ、無事に彼が人類への加護を全て引き継ぐ事ができた。

 カルトとビスケはカームに()()()()()()になるように願った。それは、彼とこれからはずっと、絶対に別れない為であり、彼女達の覚悟である。流石のカームもこれには躊躇したが、絶対に譲らないという彼女達の想いを受け、彼は神の権能を再び使い、彼女達を自分と同じ体質へと変えた。ついでに、彼が新しい適合を行うと、そのフィードバックが彼女達にも行くように変えた。なんだかんだ言って、カームも本当に大事に想っていたし、彼女達を死なせない為にも彼は全力を尽くした。

 ゴンやクラピカ、キルアは自分の力がどれほどのモノかをカーム作成の異空間でメルエム相手に確かめたり、ジンに母親(イヴリス)の事について根掘り葉掘り聞き出し、向こうに渡ってから会いに(殴りに)いく計画を立てたりして過ごしていた。ゴンの中で、いらないときに出てきて、肝心なときに来なかった奴の事を一発は殴っておかないと気が済まないらしい。それが例え自分の母親だとしても。カーム的には、多分2回目は龍神が止めたんだろうなぁと推察していたが。

 ジンは、母親の強さについてだけは黙秘を貫いていたが、恐らくその様子から一発どころか座った状態でもあしらわれるんじゃないかという予想をカームは立てていた。

 

 

 

 

 

 

 

 ──そんなこんなで、約束の一週間はあっという間に訪れた。

 

 

 

 

 

 

「さて、これから出発しますが。皆さんもう戻っては来られないですからね? そのつもりで宜しくお願いしますよ。準備は本当に大丈夫ですか?」

 

「あのよぉ、もうそれ何回も聞いたぜ。大丈夫だよ、なぁ皆?」

 

「そうだわね。相変わらず心配性よ、カーム」

 

「僕は特に何もいらないからこれでいい。もう父にも連絡できたし」

 

「私も右に同じく」

 

「オレとお前が出てったら、あそこの後継者第一候補がブタくんかぁ…ま、しゃーねーわな」

 

「オレもミトさんに会えて良かった。別れの挨拶もできたしね」

 

「いよいよだな。余は待ちかねたぞ。ただ、契約がきちんと履行できたことは褒めてやろう」

 

「相変わらずエラソーだなお前。そんな口はオレに勝ってからにしろよな」

 

「フン…今はまだ余は産まれたばかり。数多の困難と敗北を乗り越え、その果てに王として立つのだ。よって、全てが余の糧と言うことだ。貴様もそんな減らず口はそのうちきけなくしてやろう」

 

「お? なら今からやるか?」

 

「やめんか、お主等。これから出かけるというに、全く騒々しい奴等じゃ」

 

「まぁ、いいじゃないジジイ。これぐらいがアタシ達らしいわよ」

 

 

 

 まるで遠足に行くかのようなノリで暗黒大陸に向かうつもりの一行である。彼らは現在ハンター協会会長室にいた。彼らはこの一週間、勝手知ったる我が家のように私物化して住み着いていた。そして、それぞれがそれぞれの準備を終え、今、ここに集結していた。約束の刻限まであと2時間。全ての準備を終え、彼らはこれから旅立つ。

 

 

「そう言えば、カームは挨拶とかできたの?」

 

「あぁ。私は世話になったアンダーソンには伝えてきたよ。あそこもジョン以外は無事だったから何とかスムーズに次世代に移行できそうだ。私の資金も全て譲渡できたし、問題ないだろう。それに、ジョンにも精神世界で会ってお別れしたし、思い残すことはないな」

 

「アンダーソングループがスポンサーになってくれるのはオレとしても心強いぜ。まだまだカネはいくらあっても足りねーからな」

 

「まぁ、あそこ(カームの実家)が協力体制を敷いてくれるなら問題なかろうな。ワシはそれで大分苦労したからの」

 

「おいジジイ! テメェ、オレに面倒くせぇ事全部押しつけやがって! しれっと関係ないフリしてんじゃねーぞ!」

 

「おっと、やぶ蛇じゃったか。すまんすまん。この老い先短い老人の言う事じゃ。気にするでない」

 

「何が老人だアホ! そんな溌剌としてたら説得力ねーんだよ!!」

 

「まぁまぁ…このジイさんも長年頑張ったんだから許してやれよ」

 

「そうですよ。このなんちゃって老人も運営はいい加減でしたし。良い機会ですよ」

 

「……グスン。かつての部下が虐めてきよる…ワシャ悲しいわい」

 

「自業自得だろジジイ。さ、そろそろ行こうぜ。オレは待ちきれねーよ!」

 

「相変わらず誰よりも好奇心旺盛ですね、ジンさんは。もし帰って来られたら面白い話の一つでも聞かせてくださいね」

 

「おう! カイト、一つとかじゃ無くていくらでも話してやらぁ。それまで死ぬんじゃねーぞ」

 

 

 

 和気藹々と会話が弾む。それは、これから待ち受ける場所への期待と、これからの冒険を心待ちにしている人々の気持ちの表れ。彼らは、これから行く場所が地獄すら生温い魔境である事を知っている。しかし、それ以上にその場所を冒険することを楽しみにしていた。

 

 ひとしきり別れを告げた一行。そして、その時が来る。カームが次元収納からとあるアイテムを取り出す。ジンがソレを興味深そうに、分析したそうに眺めているが、カームはジンを躱しながらソレを持って会長室の扉へと向かう。

 

 

 ──ソレは鍵。

 

 

 古い銀の鍵のような見た目ではあるが、その成分は銀では無い。()()()()()()()()()()()金属で生成された、特別な鍵。

 その鍵は、異界への道をつなぐ秘宝。どんな扉からでもその鍵を使えば、一瞬にして暗黒大陸のとある場所へ飛ぶことができる。カームが鍵を鍵穴に差し込む。その鍵は一瞬でその形を変え、鍵穴へぴたりとはまり込む。鍵を回すと、その鍵は扉と融合し、会長室の扉が光りだす。見た目は変わらない。しかし、その扉は今、暗黒大陸へと()()()()。カームがその扉を開くと、その先は協会の廊下では無く、暗闇に包まれていた。どんな黒色よりも黒い、闇。

 

 

「さぁ、行こう」

 

 

 カームが短く告げる。それが合図。まず、カームから扉の奥へと入り、そして消える。それを機に、次々とメンバーがその扉の奥へと消えていく。そして、彼らが全て消えた後、会長室の扉はひとりでに閉まる。慌ててレオリオが再び扉を開くも、その先は普段見慣れていた協会の廊下であった。

 

 

「……いっちまったなぁ」

 

「えぇ。随分と楽しそうでしたね」

 

「あのジイさん、大丈夫か?」

 

「心配いりませんよ。()()()でもどうせ張り切って楽しむでしょう。それより、残された我々の方が大変ですからね」

 

「はぁ…ジンさんも相変わらず無茶ぶりが過ぎる。あの人の弟子としては勘弁して貰いたいところだ」

 

「そう言うなよカイト。ソレ言うならオレが一番面倒くせぇんだからな。ま、アイツらの心配はいらねぇって事だ。気持ち切り替えて、今後の事打ち合わせすっか」

 

 

 そう告げて、新会長であるレオリオは彼らと今後の打ち合わせを始める。彼は本気で心配などしていない。何故なら、彼らは自分など及びもつかない様な強者だからであり、ハンターだからだ。それに()()()()()()()()。その確信があるからこそ、レオリオは彼らを快く送り出せた。

 

 

 

 

 ──向こうでも楽しんでこいよ。オレはこっちで待っててやるからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 珍獣・怪獣、財宝・秘宝、魔境・秘境。〝未知〟という魔力。その言葉に魅せられた奴等がいる。人は、彼らをハンターと呼ぶ。

 

 

 

 そして、そのハンターすらも容易に行くことができない、前人未踏の大魔境がある。そして、そこに挑む大馬鹿野郎達がいる。

 

 

 

 彼らは正しくハンターである。

 

 

 

 

 

 今、彼らは〝未知〟へと挑む──












 以上をもって、「アンブレイカブルハンター」完結です!!
 1年で完結する予定でしたが、まさかの3年も掛かってしまいました……途中で何回も更新が止まってしまって、本当に申し訳ありませんでした。中々納得いく展開が思いつかなかったり、ちょっぴり心が折れかけたりしてしまい、長らく休養期間が必要でした。
 しかし、今。無事にこうして作品を完結させることができました。それはひとえにここまで見てくださった読者の方々の応援があったからです。本当にありがとうございました。
 この作品の制作秘話や裏話などについては活動報告にでも書こうと思いますが、そもそもこの作品を書き始めた動機としては、この作品における最大の真ヒロイン、暗黒大陸ちゃんの熱い思いが溢れたからです。ですから、最後はやっぱり主人公が真ヒロインに会いに行って完結! これ以外はないという風に決まっていました。まさにラブストーリーの王道! いやぁ、素敵な愛の物語でしたね! 
 まぁ、そういうわけで、暗黒大陸ちゃんの妄想はいくらでもできる状態であり、その先駆けとなる五大厄災ちゃんを書けたことも嬉しかったです。作者的には、ゾバエちゃんの構想が頭をよぎったときに、これは勝ったと思いました(笑)
 真ヒロインの元に行った彼らについては、今後も物語は続いていく、というか、これからが真のスタートなのですが、まぁやろうと思えばいろんな事が思いつくわけで。

 例えば、行った先からヒロインがまた増える疑惑。メンバーを生き残らせるための人権スキル修行。これだけで例の泉からしばらくは出られんなぁ(暗黒微笑)。
 他にもゴンの母親との再会。ゾバエとの真の決着。魔界大戦。冥王さんちに遊びに行こう…え? ヒソカ君なんでそこにおるん?。例のドンwith超越種3匹チームとの再会。ナウシカ世界みたいな所に迷いこんだ! 巨神兵と闘え!。え? 天界ってあるんですか?。親方! 地面から超巨大な手が! 
 等々……本当に真ヒロインちゃんって懐の広いヒロインですね! カーム周りの人間模様も色々あるだろうし…これ書いてたら本当に終わんねぇな! という。作者としても書きたいのも山々ですが、流石にちょっと区切りを付けたいのもあり、一旦読者の皆様のご想像にお任せして、とりあえずこの作品としては完結と言うことでご了承いただければと思います。
 

 というわけで、ここまで楽しく見ていただいた方々、誤字報告やコメント、評価を残してくださった方々、本当にありがとうございました! 初の小説をここまで書き切れたのも、皆様のおかげです。そして何より、このような素敵な妄想を無限に広げられるHUNTER✖️HUNTERという原作、そしてその世界を創造した冨樫神に、果てしない敬意と感謝を表します。(神よ! 出来れば原作での神の答え合わせが見たいです!)
 これからの事ですが、とりあえず完結の余韻に浸りつつ、また新しい妄想が生まれて来ると思うので、しばらくしたら、ハーメルンか別のどこかで多分同じ名前でまた書き始めると思います。ですので、またどこかでお会いできると思いますし、お会いできたら嬉しいです! 最後に、皆さま、本当に、本当にありがとうございました!!
感謝を込めて 作者より
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