アンブレイカブルハンター【完結】   作:エアロダイナミクス

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連日投稿第4弾!
唐突に始まる未来編!
よろしくお願いします!


外伝7、平和の守護者

 

 

 

 

 

 

 

 ガッシャーーーン!!!

 

 

 

 

 

 

 高層ビルの高層階の窓が吹き飛んで、5つの影が飛び出した。一つは念獣。それも巨大な羽の生えた蛇であり、その頭部に操作している人物が座っている。

 

 

 それに対して、果敢に責め立てる4人の能力者。彼らは高層ビルから落ちるという緊急事態にも動揺せずに敵を追い詰める。

 ピンク頭の一人は吹き飛びながらももう一人に投げ飛ばされて蛇に接近し、その拳をぶち込んでダメージを与えた。その間も、もう一人の青年がオーラを足に集め、壁面を駆け下りながら念弾を飛ばして逃げないように牽制している。もう一人のメガネメイドも同様に、空中で水を具現化してその上で波乗りしながら、水を圧縮させたレーザーを撃って牽制している。

 最後に飛び出した黒髪の一人は、落ちながらも仲間をサポートし、自身も手刀にオーラを集めてトドメの一撃を入れる隙をうかがっている。

 

 

「だあらっしゃあああぁぁぁ!!!」

 

 

 ドゴン!!

 

 

 今、近距離で闘う者の蹴りが蛇の顔面を捉え、ビルの壁に念獣ごと叩きつけた。

 

 

「今よ!! アルカ!!! ズシ! メリル! サポート!!!」

 

「分かってるッス!!」

 

「了解です」

 

 メリルと呼ばれた少女が、水を噴射し、アルカに当てて、敵へと誘導する。その後、ズシが()()()()()()()、アルカへの足場をオーラで作り出す。そのオーラに足を乗せて踏み込み、自身の強大なオーラで埋まっている念獣と術者の意識を刈り取った───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ~お疲れ。よもやあんなに暴れるなんて思ってもみなかったわね」

 

「何言ってるんすか。あんなにストレートに追い詰めちゃああもなるッス」

 

「全く…お嬢様は短慮が過ぎます」

 

「無事に依頼完了だからよかったじゃない。手伝ってくれてありがとね。損害費用は〝依頼主〟に請求しとけば大丈夫よ」

 

 

 近くのファミレスでささやかな祝勝会を開く4人。アルカとズシとソフィア(=アンダーソン)とメリル(=ルチアーノ)である。彼らは、とある人物の依頼を受けて、ヨークシンへと赴いていた。

 

 

「それにしても、アルカさんの依頼とハンター協会のハントが被っているとは思わなかったッス」

 

「そうねぇ。だからこそ、協会も一緒にやれって指令出してきたんでしょうけど」

 

「う~ん……フツーは依頼が被る事なんて無かったんだけどねぇ…。よっぽど中央は混乱しているのかしら?」

 

「それはないわよ。〝アイツ〟の事だから、どうせ私たち4人にやらせたかったんでしょ。何の意図があるかまでは分からないけど」

 

「A級賞金首、チョウ=テシン。旧カキン帝国の残党で、ビルゲン市のテロの首謀者。ん~コレやっぱアルカの案件よね?」

 

「そうなんだけどね。〝アイツ〟曰く、またきな臭い動きがあるみたいよ?」

 

「げー。マジ? だからこそのハンター協会依頼ってコト?」

 

「ソフィアさんはちゃんと依頼内容を確認するッス。それ、我々も説明受けましたよ?」

 

「あれほど、依頼内容のご確認を、と申しましたのに…」

 

「いーの。結論から言えば、とりあえずハントしろって事だったからね。それにアタシは賞金首ハンター目指してないし、アンタ達もいたから」

 

 

 ソフィアと呼ばれた少女が、ぞんざいに返事をしながらクリームソーダをすする。その様子を見ながら呆れたように溜め息をつく青年、ズシ。我関せずの態度でプリンアラモードを優雅に食するアルカ。

 

 

「それにしても、例のあの人を〝アイツ〟呼ばわりするなんてアンタぐらいなものよね。ある意味尊敬するわ」

 

「? 私なりに〝アイツ〟には敬意を持っているつもりよ? 人類の中でも特別な力を持つ人だからね」

 

「ソフィアさん、アルカ会長は男なんてほぼ眼中に無いッス。オレ含め家族以外の男は有象無象に見えてるみたいッスからね」

 

「そうね。興味ないし」

 

「ふ~~ん。まぁ、確かにアンタはそれでも釣り合う男いなさそーだし、あの人は特別だし、それも分からなくはないけど…つまりアレか、ツンデ──」

 

 

 

 ズゥン………

 

 

 一気にファミレスの温度が下がり、圧力が少女を中心に高まる。

 

 

「──んなことは無いわね! よし! この話は終わり!」

 

 

 強引に少女が会話を打ち切り、ファミレス内の圧力も徐々に下がる。数少ない他の客は何が起きたと辺りをきょろきょろしている。

 

 

「ソフィアさん……!」

 

「ごめんて…。でもさ、本当に話は変わるけど、ここ最近、一体何が起きてるんだろうね。例のあの人も特に忙しそうだし」

 

「……そうね。ウチも最近は依頼が多いわ。一時期かなり減っていたけど、また最近増えだしたし。〝アイツ〟に聞いても答えないからなんとも言えないわ。でも、近いうちにまた依頼が入るわよ」

 

「……それは何故ッスか?」

 

 

 アルカは無言でスマホの画面を彼らに見せる。その中には、〝彼〟から【生徒会役員集合】の一言が添えられたメールが表示されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よォ。しばらくぶり。ガキンチョども」

 

 

 

 スワルダニシティのハンター協会本部、その会長室のソファーに寝そべっていた男が眼前の3人をねぎらっていた。

 

 

 

「つい最近お会いしましたわね、〝人類の守護者〟サマ。今回はどういった御用向きでしょうか」

 

 

 慇懃無礼な言い方で挑発するアルカ。他二人はその様子をヒヤヒヤしながら眺めているが、彼にとってはそれもまた愉快なようだ。尚、メリルは無表情で立っている。

 

 

「その呼び方やめろって。オメーらにちょいとまた依頼することができてな。お前等、今度はミシガン市にいかねーか?」

 

 

 

 突然の無茶ぶり。前回もこれでいきなり依頼に放り込まれた。しかし、この男は、この立場に立ってから8年間、このスタイルを貫いてきた。そして、それでも上手くいってしまうのである。だが、無茶振りされた方はたまったものではない。アルカは後方にいる人物に目を向ける。今日はサングラスの男が付き人のようだ。

 

 

「あ~~、アレだ。コイツが言いたいのは、指名依頼の()()ってことだ。実はな、追加調査で例の男が残した資料に気になる記述があってな。コイツが挙げたミシガン市に、何かが起きるらしい。ソイツを調査して貰いたいってこった」

 

「始めからそう説明してください。その上で──お断りします」

 

「「!!?」」

 

 

 ズシとソフィアが驚く中、アルカはきっぱりと断る。だが、そう。そもそも彼らは学生なのだ。いくらハンター協会肝煎りの学園のトップであるとは言え、何故彼らが直接ハンターのトップから指名依頼を受けなければならないのか。どう考えても確実に厄介事である。そういった思いからアルカは断った。しかし、その答えを予想していたのか、ソファーの男は愉快そうな笑いを絶やさず、彼らに告げる。

 

 

「ククク……そう言うと思ったぜ。だがな、コレは受けた方がいいぞ~?」

 

「なん……あぁ、そういうことですか」

 

「? どういうこと? アルカ」

 

「まさか()()を盾にするとは思わなかったわ。でも流石に直接依頼ではいかがなものかと思いますが?」

 

「そう言うな。その分お前等は特別なんだよ。オレも助かる。お前等もやんなきゃならねー事にプラスでハクがつく。世界も助かる。三方ヨシだろ」

 

 

 

 

 

 

 

 置いてきぼりの会話を続けるアルカと男。それを横目にソフィアとズシがひそひそと会話する。

 

 

「ねぇ! ズシ、どういうことよ!?」

 

「……お嬢様はもう少し興味のない事についても考える事を覚えてくださいませ」

 

「メリル、うるさい。で、ズシは分かるの?」

 

「……これ、オレ達の【卒業試験】ッスよ」

 

「……マジ?」

 

「マジッス。正解には卒業試験を盾にとった強制依頼っスね。普通は協会経由から学園でのチュートリアル的な依頼のはずっスけどね。オレ達は学園トップ層だから、理事長サマからの特別依頼になっちゃったってコトッスかね…」

 

「うげぇ…まじかぁ。アレで十分じゃないの~?」

 

「ソフィアさんがテキトーにやるから…!」

 

「あによ! アタシのせいだって言うの!?」

 

「そうは言ってねぇッスけど……あの様子じゃ間違いなくおかわりっすよ…!」

 

「ふふふ。まぁそう言わず。我々は基本的にはキミ達を評価しているからこそ、なんだよ?」

 

 

「「!!?」」

 

 

 一瞬で飛び退き戦闘態勢に移る2人。その目の前には、いつの間にか2人の人物が立っていた。メガネのスーツの男。細身のジーパンの男、である。

 彼らこそが、世界中を牛耳るハンター協会のトップオブトップ。〝象徴〟であるソファーの男を除外すれば、実質の世界を差配する男達である。その威圧感たるや、ハンター中堅クラスの彼らをもってしても圧倒的である。

 

 

 

「やぁ、学生諸君。遅れて済まないね」

 

「少々立て込んでいてな」

 

「ノヴさんと…カイトさん…」

 

「なんでトップ3がこの場に勢揃いしてんのよ…」

 

 

 無論、アルカも気づいてはいる。しかし、それよりも目の前の男との会話を続けていた。なんなら、彼女は断りのおねだりをその男にしている始末だ。それを横目に見て、ノヴは少し嬉しそうに微笑み、口を挟んだ。

 

 

「おやおや。会長様はゾルディックに夢中、と」

 

 

 

 

 

 

「「あ”!?」」

 

 

 

 

 

 

 グルン! と2人してノヴの方に顔を向けた2人。息の合った2人に、これはまんざらでも無いのかとノヴは真面目な顔で計算を始める。そこに2人からの突っ込みが入った。

 

 

「ノヴ!! テメーこの間も変な噂流しやがって!!! 今度はオレをロリコンにするつもりか!!?」

 

「いえいえ、愛に年齢は関係ないですよ?」

 

「ノヴさん…いくら私とは言え、この男に懸想されるというのは冗談にしてもゾッとします。──殺しますよ?」

 

「おっと、それはご勘弁を。ですが、貴女のご家族は…」

 

「や め て く だ さ る ?」

 

 

 拒絶のおねだりの2回目ともなり、アルカのオーラが倍増する。流石にノヴもこれ以上からかうのはまずいかと判断し、口をつぐむ。馬に蹴られたくはないものだ。

 

 

「……まぁいい。全員揃ったようだから真面目に話すぞ。ぶっちゃけるが、コレはお前らの卒業試験として単位を認める依頼だな。前回のはインターン扱いになる。無事達成出来れば、卒業後も文句無しでシングルハンターとして認めよう…おっと、何も言うなよ? とりあえず黙って聞け。本来ならばヒヨッコ未満の学生に頼む案件じゃあない。だが、特例としてオレが押し通した。何故ならば──」

 

()()()()()()から」

 

 

アルカが会話に割り込む。その言葉を受けて、男は苦笑する。

 

 

「……ご名答。黙って聞けって言ったはずだがな?」

 

「早く帰りたいもので」

 

「ケッ。コレだから最近のわけーのは…まぁいい。その原因がコイツな」

 

 

 そう言うと、彼は2枚の写真をテーブルに放る。2つとも女性が被写体の中心にいる。

 

 

「はえ~美人。んでも、なんか顔に怪我してるッスね」

 

「それな。一つは8年前の写真。んで、もう一つが現在の写真だ」

 

「えっ? マジで!? 全然変わってないじゃない!!」

 

 

 黙っていたソフィアが思わず突っ込み、保護者役のメリルが苦い顔をする。しかし、彼女の言うとおり、どちらも年齢がほぼ変わりないように見えている。

 

 

「ソイツの名は、モレナ=プルード。旧カキン帝国のマフィアのボスだった女でな。王族の親族として、継承者争いから外された証として、顔面に傷を入れられるらしい。ま、そこまでは前置きとして。問題は、旧カキンの重鎮になり得るソイツが何故、今更出てきたかってところだ」

 

「……旧カキンの残党どもを統率する恐れがある、と?」

 

「恐れじゃねぇ。もうかなり統率してる。そもそもコイツは8年前の例のドサクサで植物状態の筈だったんだ。だからこそ協会も監視付きで処分を見送ってきた。だが、コイツはいつの間にか意識を取りもどして脱走した。オレ達の気づかないうちにな」

 

「貴方ほどの者が警戒する……そんなに厄介な能力なのね?」

 

「鋭いな。その通り。コイツは放置するとマズい。いや、コイツが脱走したと想定されるのは約半年前だから()()()()()()()。時間経過で歯止めがきかなくなるタイプの能力者だからな。当時の資料が残っているから、詳細は後で聞け。そして、何よりも奴の問題点は、破滅主義者ってことだ。それも筋金入りのな」

 

「……それって、オレ等に言っていい情報ッスか?」

 

「もち、極秘情報だ。だが、そうもいってらんねーんだよ。もう時間もねぇ。敵の動きを見るに、奴等の準備がほぼ整ったと推定された。ゾルディックもオレ等も以前から協力して奴等を潰しに掛かってたが、モレナ脱走後は上手く潜伏してやり過ごし、ダミーで誤魔化し、力を蓄えてやがったみてーだ」

 

「なるほど…厄介ね。で、貴方はその女を始末しにいく、と。だからこその私たちね?」

 

「そうだ。コイツはオレが決着を付けに行く。……時にお前等は8年前を覚えているか? 例のテログループが当時の〝救世主〟相手に取った作戦を」

 

 

 そうして、彼は部屋の面々を見渡す。誰かがゴクリと喉を鳴らし、答え合わせをする。

 

 

「世界同時多発テロ……! まさか、また()()が起こるって言うの!?」

 

 

「そう。これは確定じゃないがな。かなりの確率で起こり得る予想だ。だからこそ人手が足りねぇ。オレは首謀者のモレナを潰しに行くが、奴はアイジエン大陸だ。オレはカームほど早くは移動できねぇ。つまり、こちらで何か起こったら現地での対応となる。そこで、お前さん達なんだ」

 

「はぇ~~厄介なモンねぇ。流石にあたし達じゃ無理なんじゃない?」

 

「アンダーソンのお嬢ちゃんよ、お前さん達はハッキリ言うがトップクラスに近い能力者だぜ? 流石にトップオブトップとまでは言わねぇが、なりたてハンターよかよっぽどな。だからこそ、それらを遊ばせてはおけない。つか、めぼしい奴等はもう既に総動員中なんだ。だからわりーけどコレは強制依頼だ」

 

 

 口調はラフでおおざっぱだが、そこには有無を言わせぬ迫力があった。この辺は流石の〝人類の守護者〟たる所以だろう。その様子に、学生達も表情を引き締める。

 

 

「……はぁ。珍しく概要を説明してくれたという事は、今回ばかりは本当に厄介事のようね。面倒な…どうせウチにももうアポはとってあるんでしょう?」

 

 

 彼はニヤリと笑って答える。

 

 

「当然な。お前だけじゃねぇし、他の面々の家族や師匠にも許可は取ってあるぜ」

 

「なっ! いつの間に……」

 

「権力の使い方って奴さ。とは言え、流石にお前等に危険な仕事は割り当てられん。さっきもモラウが言ったが、奴等の同時多発テロの可能性の一つってやつだ。しかも噂レベルの、な」

 

「でも、それが前回の依頼で噂レベルを超えた、と」

 

「そーゆーこと。とゆう訳で、頼むわ。田舎なんだがな、どうも怪しい連中が集まりだしてるようだ。ソイツらの調査、及びマジもんだったら報告。状況を見て阻止、可能なら撃破で」

 

 

 周りの面々もウンウン頷いてる。どうやら引き出せる情報はこれまでのようだ。アルカはため息を吐くと、メリルに視線を寄越す。その視線一つで何が必要かを察したメリルは、早速手続きや準備の為に動き出す。この優秀な書記には、言葉もいらず最適な行動を取るため、アルカも重宝している。うるさいピンク頭に絡まれる事を代償にしたとしても、それでもあまりある優秀さだ。

 

 

「……早速準備してきます。明日には出発しますわ。行くわよ、2人とも。では〝人類の守護者〟様、ご機嫌よう」

 

 

 クルリとソファに背を向け、歩き出すアルカに慌ててほかの2人がついてくる。その背中に向けて、ソファの男が声をかける。

 

 

「アル坊! 気をつけて行けよ!」

 

 

 その言葉に反応して、ピタリと足を止めたアルカ。そのあまりの呼び名にオーラが漏れ出すが、彼女は一旦大きく息を吐いて振り返る。

 

 

「その呼び方はやめてください……意趣返しのつもりですか? 全く……そちらもお気をつけて、()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 今度こそ、彼女たちは会長室を出て行った。部屋に一瞬沈黙が広がる。しかし、その静寂はニヤニヤしているモラウとノヴに破られた。

 

 

 

「……アレは脈アリじゃねぇか?」

 

「ですね。そもそも彼女は学園でも男に対しては関心を全く向けないと聞いてます。例外が家族とズシ君ですが、前回と今回の対応を見るに、会長も結構いいセンにいってるみたいですねぇ」

 

「ズシの野郎かと思ったがな。アイツもそろそろ切り替えりゃいいのによ」

 

「彼の場合、脳を焼かれるしかないですからねぇ。周りは女性ばかりでよりどりみどりの筈なんですが、難儀なものです。それはともかく、いい感じだからこそ進めて行きたいところですね。いい加減歳ですからね」

 

 

 それまでソファーで寛ぎながらプルプルと耐えてきたレオリオが遂に爆発する。

 

 

「だあーーっ!! うるせーんだよ! アレのどこ見ていい感じとか出てくんだよ! どう見てもおっさんと近所の親戚っぽいの子の心温まる会話じゃねーか!」

 

「それがそうでもないんですよ。あの子は()()ですからね。知ってるでしょ?」

 

「大体オレはまだそーゆーのはいいの! んなモンに縛られずに綺麗なネーチャンと遊んでたいの!!」

 

「とか言って、お前さん未だに童貞だろ?」

 

「ど、ど、ど童貞ちゃうわ!!」

 

「立場上、難しい事は知っているが、そろそろ縁談を捌くオレの身にもなってくれ…」

 

 

 カイトが心底げんなりした表情で呟く。それを受けて、流石にバツの悪い表情を浮かべたレオリオ。

 

「……そりゃ悪いとは思ってるぜ? 縁談申し込んでくる奴はほぼアレだしな……。ただなぁ、かと言ってアルカはな…アイツはガキの頃からの付き合いだから気安いんだよ。だからこそ、どうも保護者目線になっちまう。アイツも随分と社交的になったもんだってな。だから、悪いとは思うがお前らが期待するようにはならんと思うぞ」

 

「まぁまぁ。そこから発展するのもよくある事ですからね。家庭はいいですよ? 励みになります」

 

「あぁ、ノヴんトコももう2人目だっけ? パームさん元気か?」

 

「おかげさまで。だからこそ、私としては平和な世界でいて欲しいのですがね」

 

「あぁ、そうだな…その通りだ。だからこそ、その平和を守りたいもんだ。〝人類の守護者〟としてな」

 

 

 

 レオリオの雰囲気が激変する。だらけた姿勢のままではあるが、黄金のオーラが部屋中に凝縮され、その表情も真剣なものへと変わる。その威容は、他の追随を許さない。

 一同は気を引き締めて、世界を差配する会議へと望む。人類生存圏を守護する者達、それぞれが超一流。その意志決定に世界は傅く。

 

 

 いかなる敵が訪れようとも、彼らがいる限り人類は守られる。

 

 

 

「──じゃあ始めようか。不届な事を考える奴等をボコボコにする()()()()をよ」

 

 

 何故なら、中心にいる彼こそが次世代の〝救世主〟レオリオ=パラディナイトなのだから。







 アルカは、あれからストイックに鍛えまくった弊害か、ちょっと情緒不安定、というか社会性に難あり。ソフィアお嬢様は強化系故にぽんこつ臭が漂うが、その分野生の勘とかがやたらと働くタイプ。そんなお嬢様に呆れつつもツッコミを入れながら献身的に支えているメリル。


 ズシは脳が焼かれてる。
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