アンブレイカブルハンター   作:エアロダイナミクス

25 / 158
※ここから、地域や国についての妄想が多分に入ります。ご注意ください。


25、会場への道

 さて、再び家族に見送られながらハンター試験の会場へと向かう。例の手紙も持った。え~っと、ミンボ共和国の首都付近にある港のデリー船長だったな。とりあえずミンボ共和国まで行かねば。まずはサヘルタ合衆国の北の港へ向かい、クカンユ王国に船で渡り、そこから更に別の港からミンボ共和国に向かうってとこか。あと2ヶ月でこの旅は普通に行ったら厳しい。たぶん間に合わない。が、私は間に合う。再びランニングの時間だね。最初はヨークシンから出て、5大湖って所へ向かう。ちょっとは湖で水中訓練しようかな?真水にも慣れたい。

 えっと、地図見るとここから東へ100キロも無いな。人を避けながら1時間ちょいで行くか。

 

 

 はい、到着。でかい湖だね!さて、早速人目に付かないところで脱いで…。また、あんな苦しみ来るかなぁ。ちょっとそこが心配だけど、えぇい!ままよ!

 

 

 ガボゴボガボ…

 

 

 若干苦しい。【完全適合(パーフェクト・コンバート)】発動!やっぱり海水とは勝手が違うか…。しかし、海水と似た要領で出来るからそんなに苦労しない。【自己貪食(オートファジー)】も必要ないぐらい。1分も掛からないうちに適合完了。海水じゃないから目も自家製コンタクトだけで十分。よし。泳ぐか!

 

 

 

 調子に乗って2時間も満喫してしまった…。海とはまた違う風情があるから楽しくなっちゃったんだよね。魚も違えば、植物も違う。こっちは水草、あっちは海草。ちなみに底を歩いてて人の骨っぽいの見付けたけど、見なかったことにした。

 

 

 さて、気を取り直して、服を着る。こっから北へまっすぐ行く。ただし、また500キロ以上はあるな。せっかくだし、景色を楽しみながら走るか。まだ時間あるし。今度は純粋にランニングしよう。それでも3日で行けちゃう私も大概かもしれない。良い町や宿があったらそこで泊まろう。

 

 

 再び雄大な景色。途中で大規模な滝があったり、地平線まで続く畑があったり、岩石地帯などがあった。本当に感動した。前世では見ることがかなわなかったからな…。そして、所々で町を発見し、一日の終わりぐらいに見付けた町で宿を取る。まだ、西部の開拓時代みたいな雰囲気。まぁ風情があってよい。しかしトイレぐらいなんとかしろ。病原菌の塊になってるぞ。私はもうあれらは効かないけど。ヨークシンあたりより乾燥してるから別に大丈夫なのかな?

 そんなこんなで、走りまくった末に、4日かかって着く。ちょこちょこ観光名所とか寄っちゃったからね…。でも後悔はしてない。今度来るときはじっくり観光しよう。

 

 港では、わりと大きめな町と、整った港があった。このミテネ連邦との差よ。まぁ私はあそこは嫌いじゃないけど。むしろあののんびりした感じが好き。船乗りも豪快だしね。そう言えばあのクラーケン(仮)は結局どうしたんだろう。あそこのみんなで食べたかな?寄生虫怖いからみんな焼いて食べると良いけど…。ともあれ、こちらの港は大規模な手続き所もあって、出港手続きも簡単に出来た。…なんか簡単すぎない?1日ぐらいは待たされるかと思ったよ?

 まぁ早いことに越したことはない。出港が5時間後。さて、この港町を満喫だ!

 

 

 品の良いレストランに入る。海辺の景観を楽しみながら、ワインを一杯。ホットサンドを食べながら、まったりと船の行き交う様子を眺める…。あぁ、こんなことがしたかったんだよ。前世からの夢がまた1つ叶ってしまった。出来れば2泊ぐらいしてもっと町を満喫したかった…!まぁ、帰りに来るだろうし、それまで楽しみはとっておこう。

 そんなことをやってたら、船の出航に間に合わなくなりそうになった。結構ぎりぎりになったので焦ったがなんとか間に合った。あぶねー!出来るだけ時間前行動を心がけなきゃ、「時間を守れない男」になってしまう…!我がファミリーでは、時間を守れない男は存在すら許されないのだ。いや、私はマフィアじゃないけど、それでも約束を守る男としては生きていたい。

 

 

 前回はボロ船だったけど、今回は割と豪華な客船。タイタニックとまでは言わないけど、それに近いデカさ。ちなみに私は2等客室ですが何か?いくらマフィアの長男とは言え、ホイホイ1等客室には行けないのよ…。節約しなきゃね。お金は大事だよ。実際。しかし、甲板に出たり、客室内のホールをうろうろすることぐらいはできるので、バーでカクテルを頼みながら船旅を満喫した。ちなみに≪絶≫で1等客室に忍び込んだけど……何あれ。豪華さのレベルが違うわ。ハンターになったらここに来よう。絶対にだ。

 

 

 それにしても思うことは、前回の船旅よ。ボロ船に乗せられ、行きはともかく帰りは怪獣とのバトルとか。言ってて悲しくなってきた。でも苦労の甲斐あってハンター試験のこと分かったから良いけど。おっと、そろそろ消灯の時間か。自分の部屋で念修行&瞑想でもするかぁ。

 

 

 

 さて、3日間の豪華客船の旅を満喫した私は、気分上々でクカンユ王国に降り立った。さて、次の港はどこだっけ?入国審査所で聞いてみようかな。

 

 

 聞いてみたら、ここから北東へ750キロのボルドー港だって。ご丁寧に宿泊する町まで教えてもらった。ラッキー!念のために地図を拝見…。何々、首都を経由して、各地方を回り、泊まる…と。まぁ妥当だな。到着は20日後。うーん。時間掛かりすぎかな。いくつか飛ばして進もう。いざというときは超ダッシュするし。ただ、それぞれの町は見とこう。特に首都。さて、早速出発しよう。でも地図はもらっとこうかな。…何?1万ジェニー?

 

 

 …お金取るのね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~入国審査案内所受付裏にて~

 

 

「さて、彼が連絡のあった受験者か」

 

「えぇ。まだ若いですね。何の疑いもなくこちらのおすすめを聞いて、それに従うようです」

 

「まぁ、まだ彼はハンターじゃないからな…それに、そのルートをとってくれたほうが、こちらとしてもありがたい」

 

「達成難度C、仮称『クラーケン』単独討伐…今でも信じられませんよ。冗談としても笑えない」

 

「まぁな…もしこちらで事に当たるとしたら、討伐隊の結成も視野に入れてたしな…。それが本当か、まぐれかは彼が想定通りのルートをとった時分かるだろう」

 

「達成難度C、仮称『獣』ですね…。こちらとしては討伐してくれたらありがたいですが、もしそうなったら試験でボーナスを弾まなきゃいけませんね」

 

「まったくだ。さて、どうなることやら」

 

「期待して待っていましょう。万が一通らなければ我々の出番ですからね」

 

「わかってる。……気が重いがね。彼には期待しよう」

 




サヘルタ=アメリカ、クカンユ=フランス、ミンボ=インド、がモデルと言うのをどこかで聞いたことがあって採用してます。
さて、いよいよ本格的にロックオンされたカーム君。討伐達成難易度Cの「獣」とは一体!?


フランス…1700年代……モンスター……と言えば。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。