アンブレイカブルハンター   作:エアロダイナミクス

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 いよいよ念修行。オリジナル考察を含みはじめるので注意。


4、目指すは強い身体

 

 

 

 

 

 念能力に目覚めてから、取り敢えずこの力を鍛え、伸ばす事が当面の目標となった。私は病気に罹らない限りは基本家から出ないので、自分の部屋に籠り修行の時間に充てる事にする。同年代の子供は働き出してる奴もいるが、新しい我が家は大きく、お手伝いさんが複数人雇えるぐらいの経済状況なので大丈夫だろう。

 この頃には両親、お手伝いさん、家庭教師も私の奇行に慣れ始め、勉強の時間や食事などを除けば好きにさせてくれた。全くもってありがたい。もちろん家族サービスは欠かさず行っている。「パパだいすき〜」とか、「ママありがと〜」とか言って抱きついたり、家のお手伝いをしたりと、色々だ。あざとくならない様に気をつけて家の中の味方を増やしておく。今も昔もスポンサーは大事だよ。

 

 

 さて、今、オーラを身に纏う《纏》は出来ている。HUNTER×HUNTER的に次にやる事といえば、所謂四大行である。即ち《練》、《絶》、《発》である。

 まずは《練》からいってみよう。まずはいつもの全身の細胞をイメージ。一つ一つの細胞からエネルギーの出る精孔を探り、全ての精孔からエネルギーを絞り出し、出てくる力強いオーラを身の周りに留めるイメージ……。

 

 

………!

 

 

出来た。

 

 

 

 思った以上にあっさり出来た。全身から割と強めのオーラが迸る。まだまだこれを留めるのが難しく、暫くしたら弾けて《纏》に戻ったが10秒以上は維持する事ができた。不思議なのは、この弱っちい身体のどこにそんなエネルギーが眠っていたのかということだ。確かオーラって生命エネルギーだよな?だとしたらもうちょっとショボい量だと思ったが。もしかして前世の分も含まれてるのかな?

 

 

 さて、次は《絶》だ。全身の精孔を全て閉じるイメージ。《練》は立って行ったが、今度は瞑想スタイルで行う。《練》で疲れたし。目を閉じて、細胞一つ一つを意識する……。全ての細胞から出るエネルギーを今度は封じ込め、精孔を閉じ、内側に隠す。

 

 

………!

 

 

これもあっさりできた。

 

 

 今まで出てたオーラがさっぱり消え失せ、存在感自体が薄くなる。

 あれ?なんでこんなに簡単に出来るんだろう。《纏》の発現には1年以上かかったのに…。どうも前世を含めた長年の瞑想が良い方向に働いている様だ。特に細胞単位のイメージが効いてる気がする。前世での知識や経験が役に立っているのだろう。

 ところで昔、《絶》が体力回復や怪我の治療に役立つと聞いて疑問でしかなかったが、実際にはオーラが消えたわけではなく、細胞レベルで循環していて表に出てこないだけなのだ。精孔は閉じていても実際に発生するエネルギーを余す所なく身体に廻らせている状態といえる。

 おそらく、細胞内での修復機能が強化されている状態になっているため、回復が早まるのだろう。

 自分の体質には非常に良く合った技だと思う。

 

 

 さて、最後の《発》だが、考えている能力はあるが、まだしばらく基礎的な修行を経てから開発していこうと思う。焦って中途半端な能力になるよりはよっぽどいいからね。後、大事な大事な自分の系統を調べなきゃ。これによって随分先の修行内容が変わって来るから、早いうちに調べておこう。

 

 

 

 取り出したるは水の入ったコップ。庭の木の葉っぱを浮かべ、両手を添えてレッツトライ!

 

 

 

 お、葉っぱがクルクル回転してる…。これはアレだ。操作系だな。考えてる事からすると、出来れば強化系が良かったんだが、まぁこれはこれでハズレじゃない。自分の系統が分かって満足し、今後の方針を考えるためにコップを片付けようとした時、ふと違和感を覚えた。

葉っぱの形がおかしい。正確には、僅かだがところどころが溶けて無くなってる。もう一度チャレンジ。クルクル回る。回るのに惑わされるが、確かに極僅かに葉っぱが水に溶け出しているのが見えた!

これって特質系?つまり、系統としては操作寄りの特質系って事になるのかな?または特質寄りの操作系か。または世にも珍しいダブル系統か。葉っぱの動きの方が強いけど、どうなんだろう。

 特質系ね…これはまたなんとも難しい系統になったものだ。まぁなってしまったのはしょうがないので、この系統でベストになる様に能力を考えるとしよう。

 

 

 それからはひたすら《纏》、《練》、《絶》の繰り返しを行い、かつオーラの移動、操作なども含めて繰り返した。これってある程度座って出来るからいいよね。外から見た感じ、いつもの瞑想スタイルだし。

 

 

 

 

 

 

 

 大体1年ぐらい繰り返したか。纏うオーラはより力強くなった様に思う。相変わらず《練》は制御が苦手だが、1時間は持つ様になった。どうも私はオーラ操作が苦手らしい。オーラは保つのに纏う技術の方が保たないのだ。操作系なのに。同じ様に応用技の《凝》や《流》も初めは全く動かなかった。7ヶ月チャレンジし、ここ3か月続けて漸く動き出し、1か月前にやっと二つともある程度出来る様になった。とはいえ瞬時にはとてもムリだ。大体動かすと意識してから5秒はかかる。戦闘には使えそうにない。

 まぁ闘う気全く無いけど。死ぬリスクを減らす為にやってるのに、自ら死にに行きたくはないね。

そのかわり《絶》の適性はかなりあるらしい。やろうと思えば瞬時に発動する。また気配の消えっぷりもヤバい。同じ部屋に居ても気付かないレベル。探しに来たお手伝いさんが部屋のど真ん中にいる私をスルーするレベルである。座敷童か。多分私に感情の揺れが殆ど無く、精神的に植物に近いためそうなってるのではないだろうか。そこ、影が薄いとか言わない。

 

 

 話は変わるが、応用技の《隠》って原作でいまいちよく分からなかったが、自分でなってみて何となく理解できた。おそらくオーラの()を消す技術なんだろう。元は生命エネルギーとも言えるオーラは個人の感情や意図を如実に表す。一般の人を見ても、怒ってる人は怒った様な荒々しいオーラになる。原作のヒソカの禍々しいオーラは彼の意思が現れてるのだろう。その自分の意図がほぼ無になると、オーラも併せて見えづらくなるのではないか。何かと言われがちなヒソカであるが、彼はあんな禍々しいオーラを持ってる癖に《隠》も使えるから、やはりただの殺人狂じゃなく一流の達人である事が伺える。

 

 

 

 ともあれ、現在6歳。最近ではほとんど風邪などに罹らなくなり、両親もホッとしている様だった。1年前に弟が産まれた事もあり、そちらに注力出来ると喜んでいた。

 そういえば、ウチの家族の仕事がとうとう判明した。というより父の稼業だが。表向きは商会を経営しているが、裏ではヤの付く自営業らしい。アメリカ風だとマのつく自営業か。以前に仕事内容聞いてみたら渋ってたけど、宝くじの采配とか複数の遊戯場(意味深)の経営もやってるらしい。どう見てもそっちが本命ですよね?あと、父自体は人当たりのいい外見をしているが、やたら大柄なコワモテのオッさんからペコペコされたり、跪いて手の甲にキスされてたのを幾度か目撃したんだよね。どう見てもドンです本当にありがとうございました。だからウチは経済的に余裕があったのね…。でも父も家族には一切そんな顔は見せない。ファミリーを大事にする地元の顔役って感じだ。うちの家族は移民らしいから前世でいうイタリアンマフィアだね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 当たり前だが、そんな家の跡継ぎになるのは真っ平ごめんである。死にたくないのになんでそんなヤバい稼業を継がねばならんのか。幸い向こうも私が病弱で、更に奇行を続けてるちょっと可哀想な子なので、長男にもかかわらずあまり期待されてなかった。いや、擁護しとくと子供としては可愛がってくれたよ。要するに後継者って意味でね。前将来はお前の好きにしろ、応援するって言われたし。じゃあハンターになるって言ったら笑われた。解せぬ。

 

 だから弟が産まれた時はお互いWin-Winの状態だった。弟よ、是非立派に育ってマフィアのドンになってください。この1年見てると病気もほとんどせず、憎たらしいくらいすくすくと育ってる姿を見て、私は胸を撫で下ろした。

 

 

 さて、話が逸れた。《発》だが、系統や自分の考えを踏まえて2つの能力にしようと考えている。

 

 1つは

 

日々是健康(ヘルシーマン)

・操作系能力

 怪我などの不測の事態が起きた時にオーラを使用し、細胞レベルで自分を操作し、復元することで、健全な状態に戻す能力。

 

〈制約〉

・傷の程度によって、使用するオーラが増加する。

・使用する場合はマニュアルで発動する。

・復元なため、超回復はできない。

・今後、一切操作系能力で他人や物を操作する事が出来ない。

・この能力を使用してオーラが尽きた場合、死に至る。

 

 

 簡単に言うと回復能力だ。厳密には復元能力だが。…まぁ強いよね。攻撃性は全く無いけど。しかし実現出来たら超強い。滅多な事じゃ死ななくなる。回復じゃ無くて復元って所がミソだね。かなり便利な能力になるだろう。メモリ足りるかなぁ。制約と誓約をかなり重くしたから大丈夫とは思うけど、後1つ作りたいんだよね。ていうか死にたくないってのに死んでしまう可能性のある〈誓約〉はどうかと思うので、そこは議論の余地有りだ。とりあえず現状では机上の空論なので、基礎修行と併せて少しずつ取り組んでいこう。




・操作系……理屈屋・マイペース。
・特質系……個人主義者。


……主人公の性格からやっぱりこの系統にならざるを得ない。

 これを考えたヒソカは偉大である。実は前世の影響も有り、両方の性質をちょっと強めに持つ。実際はダブルなんて無いので、両方の真ん中辺りになる。ちょっと系統別習得率にボーナスがつく程度。

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