アンブレイカブルハンター   作:エアロダイナミクス

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 初めてのバトル描写が病気っていう独自路線。個性派……?


8、ジュニアハイまで

 

 

 

 

 

さて、時間は飛んであれから6年たった。私もそろそろ12歳になる。日本で言うと小6だ。さすがに勉強で後れを取ることはないので、余裕で修行に励むことができた。ただ、歴史は興味深い。基本的には前世と似たような文明の発展をしているが、実はあるときからぽっかり記述がない。いきなり割と発展した文明から始まるのだ。つまり、類人猿とかの記述がない。

 人類はいったいどこから来たんでしょうねぇ…。

 

 

 

 

 

 

 

 なんてね。まぁ知ってるけど。32巻にちらっと出てきた「暗黒大陸」。十中八九あそこからだよ。

 ……いいさ。今はあまり関係ない。とりあえず私のこれまでをざっと振り返ってみる。

 

 

 

 

 まず、【完全適合(パーフェクト・コンバート)】だが、ちょくちょく発動してた。だけどかなりやばいのが2回あった。

 

・破傷風

 

・狂犬病

 

 の2つだ。これはマジでやばかった。特に狂犬病。

 まずは破傷風から。まだ低学年の頃、敷地の砂場で遊んでたら、古い釘が埋まっていた。気付かずそれに手を刺し、血が出てしまった。珍しく。体力向上のために念能力解除してたからね。

 で、とりあえず洗って手当してそのままだったんだけど、1ヶ月過ぎたぐらいから口が開きにくかったり、食べ物こぼしたりしだした。まだ小さいのに首肩あたりがこり始め、だるさが出てきたと思ったら手足がけいれんしだした。正直、普段は念能力使ってるし、貫通してくるとは思わなかった。即座に【完全適合(パーフェクト・コンバート)】が自動発動したが、拮抗している。かなり珍しいことだ。しばらくして、この症状は破傷風だって気付いた。トラウマ映画の『震える舌』にあったから覚えてた。これって致死率相当高いやつじゃなかったか?ともかくすぐ部屋にこもり、瞑想開始。だが痙攣が止まらない。さすがの両親も様子がおかしいのに気付いて、おなじみセント・バーナード病院につれてってくれた。

 医師の診断はやはり破傷風。対処法がなく、覚悟してくださいといわれた。両親は呆然とし、医者に詰め寄ったがこればっかりはどうしようもない。痙攣を抑えるために拘束され、モルヒネ飲まされて安静に寝かせられた。正直いらんのだが。

 そこで再び瞑想開始。おそらく【完全適合(パーフェクト・コンバート)】オート発動だけじゃ勝てない。マニュアルでもサポートする。具体的にはオーラをバカスカつぎ込んで、押さえ込みにかかる。かなりの量のオーラを持って行かれ、かつすごい時間かかった。普通の風邪は5分以内だが、5~6時間かかった。たぶんモルヒネの分も含まれてると思う。なんとか全て消化しきった頃にはオーラの8割を使い、体力的にも限界で眠ってしまった。

 翌朝、様子を見に来た医師と両親がぴんぴんしてる私を見て仰天していた。医師は奇跡だと騒ぎ、検査を綿密に行ったが、何も悪いところはなく呆然としていた。とりあえず治ったので家に帰った。母からは「あなたはいつも心臓に悪いわ」といわれた。ごめんね…。普段は肝っ玉母ちゃんだが、この人の泣くところはなるべく見たくない。

 闘いに勝った結果、破傷風には2度とかからず、神経系が強化された。具体的には神経毒耐性だろうけど、上半身や四肢の神経の伝達速度も速まってる気がする。これがあるからいいよね。この能力。サイヤ人みたいで。

 

 

 

 

 

 

 次に、狂犬病。これは4年生ぐらいの時。庭の外周をランニング中にやられた。野良犬が前方にいて、ぐったりしてたから、避けて走ったら、いきなり起き出して足を噛まれた。とっさに念ガードしようとしたが間に合わなかった。まだまだ瞬時発動にはほど遠い。調子に乗ってよだれ垂らして噛みしめてくるから頭にきて、噛まれたまま電柱にたたきつけてやった。たぶん死んだと思う。で、家に戻って洗ってたら、くっきり歯形と血がにじんでた。あーあと思ってたら、やたら心配された。まぁでも大丈夫だろうと、普段通り過ごしてたら、案の定2ヶ月後に発症。

 噛まれたところが腫れ、変な痛みが走ると同時に発熱、疲労感、吐き気、果ては幻覚まで見えてきた。当然【完全適合(パーフェクト・コンバート)】が発動していたが、これまた長期戦の予感だった。【完全適合(パーフェクト・コンバート)】君は、症状出てからしか発動しないからね…。再び、例の病院。医師は、今度こそ無理だと言ってきた。両親は泣いた。

 そうだよね。なんつったって発症したら致死率100%だもん。相変わらずこの身体は死亡フラグが過ぎる。だが、負けない。このときのために修行を重ねてきたのだ。瞑想&マニュアルサポート!こいつはウィルスだから、より精密な操作が必要だ。私自身が細胞になることだ!(幻覚)

 激闘の末、一昼夜がかりでウィルスは消滅した。オーラは9割5分ぐらい使った。死ぬまでは行かないが本気できつかった。例によって医者が今度こそ腰を抜かし、是非献体として調べさせてほしいと言ってきたが、父が部下を呼んで黙らせた。権力ってこういうときに使うんだよね。

 さて、勝利ボーナスだが、脳に作用してたらしく、思考能力がアップした。具体的には計算が早くなった。記憶力も上がった。1.2倍ぐらい。ついでに更なる精神状態の安定をもたらした。たぶん緊急時に錯乱しないため。ちなみにこれは特別ボーナスであって、通常ボーナスの肉体能力アップも含まれるからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、まあそんなことがあったわけだが、相変わらずスクールではボス扱いである。というか、年齢上がるごとに裏の代表的な感じになってきて、終いに日本で言う番長扱いにまでなった。私にそんな気は全くないのに。教師も私には何も言わないし。仕事しろ。でもね、私はやんちゃはしないし、授業まじめに受けるし、タバコ、クスリとかに手を出さない。いや、実際には出したけど、目的が違う。あくまで【完全適合(パーフェクト・コンバート)】用ね。一回だけだし。

 でも、私は静かな環境を好むため、あっちにいじめがあったら潰しに行くし、こっちにケンカがあったら叩きにいく。暴力は嫌いだよ。節度って大事な言葉だね。おかげで私の見える範囲は静かな環境である。模範生だね。

 一度、別のスクールのやんちゃしてる輩が乗り込んできたが、とりあえず授業中でうるさいので一人で出て行って≪練≫威圧で全員黙らせた。高学年ぐらいの時はこういう芸当もできるようになったのだ。ほぼ全員気絶したが。

 おかげで、自称舎弟が自校だけでなく、近隣からも発生し、一大ちびっこファミリーになってしまった。これには親父様もニッコリ。もうここまで来たらこのムーブは止められないので、逆に考えて、マフィア程度に収まるにはもったいない、ってレベルまで頑張ろうと決意した。

 

 

 

 

 

 

 

 修行の方は、まず筋トレ。これはかなり出来るようになった。それぞれ4桁いける。そろそろ疲れなくなってきた。時間もかかる。やり方考えなきゃなぁ。

 走り込みも、フルマラソンを2時間程度でいける。そろそろ人類の限界に近付いてきてる気がする。【完全適合(パーフェクト・コンバート)】の副次効果がかなり大きい気がする。肉体的には最高のスペックになりつつある。

 

 

 念修行の方は、かなりのブレイクスルーが起きた。何と、念の制御が出来る様になったのだ。そもそも何故出来なかったかっていう話だが、オーラ量が多すぎるからなんだよね。増え続けるし。で、何故そんなに多いのかって事に一定の仮説が立った。

 

 

 細胞操作だ。

 

 

 

 多分、一般的な念能力者は身体の各場所からある経絡と呼ばれる部位がある。確かに精孔が開き易い場所がある。一般的な念能力者はこの精孔からオーラを取り出すのだと推測できる。対して、私の場合は細胞操作によって、一つ一つの細胞から操作してるため、そこから精孔を作り、オーラを捻り出している。その為、普通より多い量が確保出来ると推測される。つまり、肉体や細胞が強化されればされるほど、掛け算で生命エネルギーが増えていくのだ。

 とはいえ、私でさえまだ全ての細胞からは出来ない。今漸く半分程度だ。全ての細胞を制御した時、どれくらいのオーラが生み出せるか、今から楽しみだ。増やす方法は瞑想からの細胞把握&操作。やっぱりこのやり方は間違って無かった。

 自分の操作系能力はここにかなりのリソースを喰ってると思う。だからオーラ制御に難有りなのだ。まぁこれに気付いてからは一気に念操作しやすくなったが。

 今現在のオーラ量は普通に《堅》をして10時間は行けると思う。制御が難しい為実際には大体6時間ぐらいだが。

 オーラ計算式から1オーラ=臨戦態勢で何もしていない1秒間での消費量、でざっくり算出したら、6〜10倍ぐらいの消費量で考えて、潜在オーラは大体100000ぐらいかな。で、表に出せる顕在オーラが3000ぐらい。ショボい。この辺は修行の余地有りだね…。まぁ全力戦闘でも多分2時間は持つよ!やらんけど。周りに全く能力者いないしね。

 そんなこんなで、暴れ馬の正体が見えたため、制御も漸く目処がたってきた。以前述べたが、私のオーラは無色透明らしく、ナチュラル《隠》に近い。いや、目立たないだけで見えるけどね。だから一般の人にも多少の違和感しか感じ取れないっぽい。

 系統別修行も、6年続けたらそれなりに形になってきた。というか、全てクリア出来た。変化系と具現化系はかなり苦戦したが。

 

 つまり私は、今現在、オーラで割と色々な事が出来る。例えば、紙を念で強化して投げると、投げナイフみたいになるし、DBみたいな気功波みたいな真似は一通り出来る。オーラの性質変化は難しかったが、上記の理由でかなり捗り、Level5までは行けた。具現化は…まぁ…最低限は出来たとだけ。そして操作系。物質操作でナルトごっこして遊べる。無から生み出す訳じゃないから万能じゃないが。というか、DBごっことかナルトごっこが出来るなんて感無量すぎる。

 実際、この辺の修行は超大事だよね…。系統別修行してからじっくり能力決めた方が絶対いいよ。質が上がる。

 

 そして、遂にあの能力が発現した。

 

 

日々是健康(ヘルシーマン)

・操作系能力

 怪我などの不測の事態が起きた時にオーラを使用し、細胞レベルで自分を操作し、復元することで、健全な状態に戻す能力。

 

〈制約〉

・傷の程度によって、使用するオーラが増加する。

・復元なため、超回復はできない。

・今後、一切操作系能力で他の生物を操作する事が出来ない。

 

 

 お分かりの通り、〈制約〉と〈誓約〉を大幅にカットした。無くてもいけるし後からでも足せるからだ。流石に復元力は想定より落ちるが、これも修行で伸ばしていこうと思う。とりあえずピッコロさんみたいな超絶再生は無理だが、くっつけるぐらいなら行けると思う。

 

 いよいよ土台が固まってきた。あとは精度を高める段階だ。『死なない男』まであと少し。




 いよいよ、カーム君の特異性が判明。細胞操作でした。よって他の人よりもオーラが絞り出せる。細胞操作を極めていけばある程度の肉体変化や操作も可能な模様。魔獣かな?

 【日々是健康】は、【完全適合】に比べるとショボい様に見えるかもだけど十分つよい。強化系の回復とどう違うのかというと、分かりやすい例がアンデルセン神父。訓練次第であれ以上いける。

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