それは、二年経った、今でも忘れられない、あの出来事。
雪が弟の雨と喧嘩して、雨が家を出て行って、山へと向かってから、
早二年が経とうとしていた。
知らないし、どうでもいいことだと思っていた。
でも、私と雨は、おおかみであり、人間。
どちらも、選ぶことが出来ないはずなのに。本当だったら。
雪は、この春、都立神山高校全日制に通うことになった、
高校一年生の15歳。
一人で高校生活を送るために、
東京へと上京してきて、アパートを借りることになった。
それも、アルバイトしながらである。
中学の時まで、田舎で暮らしていたせいか、
久々に、13年ぶりに、東京へと向かったけど、
ハッキリ言って、都会の頃の記憶なんて、全くない。
それは、さておき、私は母の花の一周忌の法事を済ませた後、
荷物をまとめた後、故郷の山を登るのだった。
母の花は一年前に亡くなっている。
しかし、まさか、こんなことが起きるとは…!
突然、暴風雨に見舞われて、雪は洞窟で雨宿りをするのだった。
そこで、雪は見覚えのある、おおかみと出会うのだった…
「ひょっとして…?」
思い出す、二年前、大喧嘩して、雨が家を出て行って、
オオカミとして、生きていくと、誓った、
あの日…二年経っても、変わらないのか…
「…」
そこには、必死で私を庇って、倒れていた、
人間のようで、おおかみのような、生き物がいました。
後日、雪は真実を確かめる為、
倒れている、おおかみのような少年を保護した。
「神山高校の入学式まで、後一週間あるから、
しばらく、この子の手当てをしておこう」
すると、三十分後、その子は目が覚めた。
「うぅ…」
「やっぱり…」
「なんで…」
「雨…本当に雨なの?」
「うぅ…」
雨は泣いた、虫が苦手な自分が、どうして、山に行こうとしたのか、
彼自身、全く理解できなかった…
「雨だったのね…二年間、何やっていたの…」
「雪…」
雪は雨をビンタした!
「雨はどうして、おおかみになるって言ったの!?
本当は、私と雨…おおかみと人間、
どちらも、選べないんだよ!それも、死ぬまでずっと!」
「おおかみのくせに」
「…!!」
雪の人生が全否定されたと感じた。
二年前のあの日、雪は雨と喧嘩した、
それから、ずっと、会わない日々が続いたけど…
こんな、最悪な再会の仕方、他にあるだろうか…?
「これから、どうするの?」
「それは…」
「人間の生活を送るの?」
「うん…」
「姉さんに、あの時と同じ生活が、できるの?」
「出来るから。行こ」
そして、私は、雨を連れて、東京へ向かい、
二人で暮らすことになった。
天国にいる、母親の花は、雪と雨のこと、
どう思っているんだろうか…!
花は、この本編の始まる一年前に他界している設定です。