雪に置いてけぼりにされた、雨。
雨はカフェの店内を見回っていた。
(十年位ぶりに都会に来たけど、
都会って、こういうところなのか…?
それに、飲食店?も、初めて見たし、
母さんと暮らしていた時に比べると、
僕の生活も、だいぶ様変わりしたな…)
すると、瑞希が…
「雨くん、何か食べる?
せっかく、来たんだから、何か食べないと!」
雨が持っているお金は、700円だけだった。
雨はメニュー表を見て、
食べられそうなのを、選ぼうとしていた。
「じゃあ…コーヒーゼリーで」
200円のコーヒーゼリーを一つ、雨は頼んだ。
「わかった。コーヒーゼリーだね!」
雨はコーヒーゼリーを食べた。
(苦いけど…僕の口に合う…美味しい…)
「ひょっとして、甘いの苦手?」
「うん…」
「じゃあ、甘くないワッフルもあるよ?」
ワッフルも、200円だったので…
「一つください」
「はーい!注文承りました!」
雨は甘くない方のワッフルを食べた。
(初めて食べるけど…美味しいと感じる)
雨はご満悦だった。
すると、日野森雫が、カフェの手伝いがしたいと、
ディレクターに言った為か、雫はメイド服に着替えていた。
着替え終えた後。
「皆様、おくつろぎくださいませ」
「…?」
雨が振り向くと、そこには可憐な美女が、
雨の目に焼き付いていた。
(キレイな女の人だな…)
(カメラ!日野森さんに回して!)
視線は思わず釘付けになっていた。
(何だろう…初対面の人なのに、
すごく雰囲気があって、似合っているな…)
と、雨は感心していた。
「あら、あなたが愛莉ちゃんの言っていた、
雨くんかしら?」
「は、はい…」
「ひょっとして、愛莉ちゃんを応援しに来てくれたかしら?」
「いえ…姉さんと…今はいませんけど…」
「よろしくね、雨くん。
私は日野森雫よ。愛莉ちゃんと同じユニットで、
アイドルをしているの」
「よ、よろしくお願いします…」
「雨くんって、何となくだけど、
雰囲気や見た目が、妹の、しいちゃんに、そっくりだわ」
「えっ?」
「何ていうか、もう一人、しいちゃんがいるきがして、
思わず、話しかけちゃったわ」
「そうですか」
「今日は、楽しい日にしましょうね」
「はい」
「それじゃあ、私は撮影があるから、また会おうね」
と、雫と別れを告げた。
「あっ、雨くーん!」
「えむさん、それに…えむのお姉さん…?」
「雨くんも、来ていたの!偶然だね!」
「はい」
「あっ、雨くんに、パフェを食べさせないと!」
「ぼ、僕は、コーヒーゼリーとワッフルを食べたから…」
(甘い食べ物はそんなに得意では無いが)
「えっ?じゃあ、一口だけ!あーん!」
「あっ、あーん…」
無理矢理食べさせられた。
「どうかな?」
「甘いのは、そんなに好きじゃないけど…その、美味しい」
「それなら、よかった!」
「うふふっ、えむは、雨くんのこと、好きなんだね!」
「うん!あたし、雨くんのこと、大好き!」
「そ、そんなこと言われても…」
カフェでの一時を過ごした。