雪と雨の奇妙な日常   作:アッシュクフォルダー

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第二話 共同生活の始まり

雪は雨を連れて、東京へと向かった。

 

「十三年ぶりの東京だね」

 

「うん…」

 

雪の問いかけに、雨は頷いた。

 

「どうしたの?なんか、元気ないけど?」

 

「うん。久々の都会だから、元気が無くて…」

 

「当然だね…」

 

 

 

雪と雨は、一緒に暮らすことになった、アパートへと向かった。

 

「ここだよ、私と雨が、このアパートで暮らすの」

 

「学校には行きたくない」

 

「行かせるつもりはないよ?

後、山に行くつもりもないから」

 

「ここから、遠いじゃん」

 

「そうだね、山から遠いよね、シブヤって」

 

「遠いんだね」

 

「後、雨、出来たら、家の家事やっておいてね、

風呂掃除と、トイレ掃除、後、タオルたたみ、

やっててね」

 

「どうして、僕が」

 

「もし、人間の生活が、嫌と感じたら、

おおかみとして、生ればいいし」

 

「じゃあ、今すぐ、帰る」

 

「それは、ダメ、じゃあ一つ聞くけど、

虫は平気だった?」

 

「それは…」

 

「やっぱり!それで、山の主を務めるなんて、

おかしいと思ったよ!」

 

「おおかみのくせに」

 

「私と雨は、人間であって、おおかみだから…

その…やっぱり、どっちにするか、決められないよ、

だから…私が高校卒業するまでの、三年間、

人間の生活をするの!

学校には行かなくてもいいから!

とにかく、自分のペースで楽しんだらどう?

人間の生活」

 

「僕だって…おおかみ人間みたいなものだから、

碌に送れないよ、人間の生活」

 

「大丈夫だよ、雨なら、出来るから、

まずは、家事の説明書!

これをよく読んで、熟読するんだよ!」

 

「そんなこと言われても…

押し付けだよ、こんなの…」

 

「じゃあ、しなくてもいいから、

大人しくしててね!」

 

「うん」

 

と、雪の問いかけに対し、

雨は不愛想な頷きをするのだった。

 

「何時に帰って来るの?」

 

「夜に仕事もあるから、夜の20時までには、帰ってくる!」

 

「わかった」

 

 

 

それから、数日後、

都立神山高校の全日制の入学式が、行われた。

 

雪は入学式に出席したのに対し、

雨は、一日中、家にこもっていた。

 

雨は何をやっていたのかというと、

暇そうに、自然や山の風景が描かれた、

雑誌を読んだり、

 

自然豊かな山が描かれた、ポスターカードを

じっと、見つめていたのだった。

 

雨は思い出すのだった、雪や、

死んでしまった母。花の事を思い出すのだった。

 

「そう言えば、東京に行くまでの間、

雪から、母の花が亡くなったことを、言われたな…

天国でお母さん、お姉ちゃんと僕のこと、どう思っているんだろう…」

 

雨は、そう思いつつも、

家事をした後、眠りにつくのだった。

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