雪に対して、雨は最近、起きたことを伝えた。
「へぇ~雨が演技の練習を?」
「えむさんに言われて、弁慶の役をやらされた」
「でも、よかったじゃない?
えむちゃんも、喜んでいたと思うよ?」
「僕もそう思う。
えむさんの演技。普段のえむさんじゃなかった」
「そりゃ…えむちゃんは、普段から演技や芝居をしているって、
よく言っているからな…」
「僕はもう寝るから。シャワー浴びた後に」
「もう寝るの?晩ごはん、ナポリタンだよ?」
「シャワー浴び終えたら、食べるよ」
雨はシャワーを浴びた後、雪の作ったナポリタンを食べるのだった。
その後、布団で寝るのだった。
後日、雨はえむと出会った。
「雨くん!この前、演技の練習に付き合ってくれて、ありがとう!
おかげで、劇団の座長に褒められた!」
「そ、そうですか…」
「雨くん!また、練習に付き合って欲しいな!
雨くんの弁慶の役、すっごく熱意があったよ!」
「あ、ありがとう…ございます…」
と、雨が照れだす。
「雨くん!デレデレだ!」
「お、お母さん以外の人に褒められたことが無くって…」
「じゃあ、あたしが褒めるね!えらい!えらいぞ!雨くん!」
「そんなに、おだてられても…」
「今度、弁慶と牛若丸の舞台、観に来て欲しいな!」
「わ、わかりました…」
えむと別れた後…
「牛若丸と弁慶か…」
まるで、えむと自分の関係のように、雨はそう重なり合わせていた。
えむと雨とでは、家庭環境や生い立ち、
全てが正反対と言っても過言じゃないかもしれない。
鳳財閥の令嬢と、生活貧困層の家庭。
普通の人間と、おおかみ人間。
姉と兄二人がいる。姉だけ。
社交性がある。内向的。
明るくピュア。暗くて冷めている。
幼く見える。大人っぽく見える。
積極的。消極的。
友達が多くいる。友達が少ない。
両親がいる。孤児。
と、えむと雨とでは、何から何まで対照的である。
この出会いは、必然的だったのか…?
それとも、偶然だったのか…?
雨の前に犬が寄って来た。
「犬だ…」
「あぁ、雨くん!しばおが、こっちに寄って来ちゃて…」
望月穂波が、雨の前にやって来た。
「しばお?」
「私の飼い犬なんです。目を離したら、
すぐにいなくなるんだから…犬、苦手だった…?」
「へ、平気です…」
雨は虫が苦手だ。だが、犬と猫は平気らしい。
「えむさんに出会った」
「えむちゃんも、雨くんのこと、言っていました。
確か演技の練習に付き合ってくれたって」
「はい。弁慶の役をやったというか…やらされました」
「えむちゃんの話だと、楽しそうだったって、
聞いています」
「まるで、えむさんと僕の関係みたいだった。
牛若丸と弁慶が…」
「そうだったんですね…」
「重なっていたのかもしれない」
「だから、楽しめたと思う。
雨くんの話だけでも、楽しそうだった」
「そう、でしたか…」
と、雨は思うのだった。