雪と雨の奇妙な日常   作:アッシュクフォルダー

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第二十三話 えむと雨と正反対

雪に対して、雨は最近、起きたことを伝えた。

 

「へぇ~雨が演技の練習を?」

 

「えむさんに言われて、弁慶の役をやらされた」

 

「でも、よかったじゃない?

えむちゃんも、喜んでいたと思うよ?」

 

「僕もそう思う。

えむさんの演技。普段のえむさんじゃなかった」

 

「そりゃ…えむちゃんは、普段から演技や芝居をしているって、

よく言っているからな…」

 

「僕はもう寝るから。シャワー浴びた後に」

 

「もう寝るの?晩ごはん、ナポリタンだよ?」

 

「シャワー浴び終えたら、食べるよ」

 

雨はシャワーを浴びた後、雪の作ったナポリタンを食べるのだった。

 

その後、布団で寝るのだった。

 

後日、雨はえむと出会った。

 

「雨くん!この前、演技の練習に付き合ってくれて、ありがとう!

おかげで、劇団の座長に褒められた!」

 

「そ、そうですか…」

 

「雨くん!また、練習に付き合って欲しいな!

雨くんの弁慶の役、すっごく熱意があったよ!」

 

「あ、ありがとう…ございます…」

 

と、雨が照れだす。

 

「雨くん!デレデレだ!」

 

「お、お母さん以外の人に褒められたことが無くって…」

 

「じゃあ、あたしが褒めるね!えらい!えらいぞ!雨くん!」

 

「そんなに、おだてられても…」

 

「今度、弁慶と牛若丸の舞台、観に来て欲しいな!」

 

「わ、わかりました…」

 

えむと別れた後…

 

「牛若丸と弁慶か…」

 

まるで、えむと自分の関係のように、雨はそう重なり合わせていた。

 

えむと雨とでは、家庭環境や生い立ち、

全てが正反対と言っても過言じゃないかもしれない。

 

鳳財閥の令嬢と、生活貧困層の家庭。

 

普通の人間と、おおかみ人間。

 

姉と兄二人がいる。姉だけ。

 

社交性がある。内向的。

 

明るくピュア。暗くて冷めている。

 

幼く見える。大人っぽく見える。

 

積極的。消極的。

 

友達が多くいる。友達が少ない。

 

両親がいる。孤児。

 

と、えむと雨とでは、何から何まで対照的である。

 

この出会いは、必然的だったのか…?

それとも、偶然だったのか…?

 

雨の前に犬が寄って来た。

 

「犬だ…」

 

「あぁ、雨くん!しばおが、こっちに寄って来ちゃて…」

 

望月穂波が、雨の前にやって来た。

 

「しばお?」

 

「私の飼い犬なんです。目を離したら、

すぐにいなくなるんだから…犬、苦手だった…?」

 

「へ、平気です…」

 

雨は虫が苦手だ。だが、犬と猫は平気らしい。

 

「えむさんに出会った」

 

「えむちゃんも、雨くんのこと、言っていました。

確か演技の練習に付き合ってくれたって」

 

「はい。弁慶の役をやったというか…やらされました」

 

「えむちゃんの話だと、楽しそうだったって、

聞いています」

 

「まるで、えむさんと僕の関係みたいだった。

牛若丸と弁慶が…」

 

「そうだったんですね…」

 

「重なっていたのかもしれない」

 

「だから、楽しめたと思う。

雨くんの話だけでも、楽しそうだった」

 

「そう、でしたか…」

 

と、雨は思うのだった。

 

 

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