雪と雨の奇妙な日常   作:アッシュクフォルダー

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第二十七話 夕日のバーベキューと夜と波風

夕方になった。雨は帰ろうと思っていたが、バスの本数が、

今日の便が、もう無い。

 

雨は最初から渡されていた、テレホンカードで、

姉の雪に電話した。

 

(もしもし、雨です…帰りたいですが…!)

 

(あっ、雨!伝えるのを忘れていたけど、宿泊する事になっちゃって、

もうすでに宿泊費は支払っているから、

私が泊まるはずだった部屋で一泊して!)

 

(どういうこと?)

 

(元々、会場のスタッフとして、参加したかったけど、

バイトが急に立て込んでいて…だから、雨に頼んだの。

雨。詳しくは、参加者に聞いて欲しい!ごめんね!伝えるのを忘れちゃって!)

 

(…)

 

雨の前には、冬弥が心配そうに見つめていた。

 

「雪さん。ボランティアスタッフとして参加するはずだったが、

バイトが立て込んでいたんだな」

 

「はい」

 

「雨。向こうで、みんなが待っている。行った方が良い」

 

「わかりました」

 

雨は冬弥と一緒に、バーベキュー会場に…

 

そこには、顔馴染みのある人が何人か参加していたが、

雨は大して気にしていなかった。

 

「雨。何が食べたい?」

 

「食べられるものなら、別に何でも良いですよ」

 

「それでは困る」

 

「…じゃあ、肉で」

 

雨は冬弥が焼いてくれた肉を食べる事になった。

それも、タレさえ付けずに。

 

「俺、ちゃんと焼けているか?」

 

「焼けていますよ」

 

「そうか。それなら、良かった…!」

 

すると、雫が…

 

「雨くん。野菜は食べれるかしら?」

 

「わかりました…」

 

みのりと雫が、バーベキューで野菜を焼いてくれた。

 

「キミが雨くんだね!初めまして!花里みのりです!」

 

「そう言えば、みのりちゃんは、雨くんに会ったことが無かったわね」

 

「愛莉ちゃんからは、よく聞いているよ!

年下の割に、しっかりしているって!」

 

「そ、そうですか…」

 

「私には雨くんと同い年位の弟がいるの!」

 

「僕には姉さんがいます」

 

「雨くんを見れば見る程、しいちゃんと似ているの!

初めて会った時から、そっくり!って、思っているの!」

 

「言われてみれば…志歩ちゃんと似ているかも!

あっ、志歩ちゃんと一緒のチームだったよね?」

 

「僕は志歩さんや彰人さん、それに愛莉さんと一緒でした」

 

「これまた、意外な面々!」

 

と、みのりが感心していた。

 

 

と、バーベキューを雨は細々と楽しんだ後、

雨は瑞希に言われて、瑞希を撮影する事になった。

 

瑞希は奏と絵名とまふゆの為に、線香花火を見せる予定。

 

「雨くん!ボクのスマートフォンの操作方法、わかった?」

 

「わかりました」

 

「じゃあ、奏と絵名に繋げるね。おーい!」

 

「瑞希!それに、雨くんまで!?」

 

「僕は姉さんの代わりに来ているだけで…」

 

「私は雨に初めて出会った」

 

「えっ?そうなの?」

 

と、奏は驚きを隠せなかった。

 

「うん」

 

(この人が奏さんが言っていた、まふゆさん…)

 

と、雨とまふゆは、お互いの存在こそ知ってはいるが、

画面越しとは言え、初めて顔を合わせた。

 

「そう言えば、雨くんがまふゆに出会う事、無かったね…」

 

と、絵名が言いだす。

 

「ボクや奏、絵名には会ったことがあるけどね…」

 

と、まふゆと雨は、ようやく出会った。

 

「それじゃあ、みんなに見せたいのがあるから!

雨くん!ボクのスマートフォンをスタンバイ!」

 

「はいはい…」

 

雨は瑞希のスマートフォンで、

瑞希が線香花火をしているところを撮影した。

 

「線香花火だ」

 

「うん」

 

「花火はキレイだけど、雨くんが困っているけど?」

 

「ひょっとして、嫌だった?」

 

「えっ、い、いや、そうじゃないです…」

 

その後、雨は線香花火が散ったタイミングで、

瑞希のスマートフォンを瑞希に返した。

 

「みんなに、どうしても見せたくて…つい…」

 

「僕は何だっていいですけどね…」

 

「そっか」

 

「まふゆ?」

 

「雨くん。私と違って、気持ちを口に出しやすいね」

 

「まふゆ!雨くんを困らせたらダメだよ!」

 

「絵名さん。僕は気にしていないので…」

 

「まぁまぁ…それじゃあ、この辺で!また、会おうね!」

 

瑞希がスマートフォンの録画を終えた後…

 

「僕は帰るので」

 

「えっ?もう帰っちゃうの?」

 

「疲れましたので、客室に戻ります…」

 

「そっか」

 

と、瑞希は雨に別れを告げた。

 

 

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