雨はヒマそうに、家事の本を読んでいた。
「家事って、こうやってするんだ。
お母さんって、こんなこと、やっていたんだ」
雪が書いた、生前の母がしてきた、家事の数々に、
雨は目を通していたのだった。
「はぁ…今思い返すと、人間とおおかみ、
どっちにも、なれないじゃん…僕も姉さんも」
翌日、雪がアルバイトをしている時間を見計らって、
公園にやって来た。
「ここが、公園か…たまたま、読んでいた、
本で見たことあるけど、結構小さいな」
雨は、ベンチに座り、ヒマそうに、遊んでいる、
女子高生たちを眺めていたが、それから、数分後に、
寝てしまった。
すると、眠りが浅くなりつつあった…
何やら、騒がしい。目を開けると。
一人の女の子が、雨を、じっと、見つめていた。
「あっ!起きてくれた!」
「…」
雨は、そっぽを向いて、帰ろうとしたが…
「ねぇねぇ、神山高校って、どこにあるの?」
「あっち」
と、雨は指をさした方向に、神山高校が、あった。
姉である、雪が通っている高校だ。
「ありがとう!優しいね!」
と、ニコッと、笑顔を向けてくれた。
「どういたしまして」
と、不愛想な表情を、その女の子に向けるのだった。
「あっ、あたし!鳳えむって、言うんだ!
キミの名前は?」
「雨」
「雨くんって、言うんだ!よろしくね!」
と、えむと名乗る、女の子は、雨の手を握るのだった。
「離して」
と、とっさに、雨は、えむの手を離した。
「どうかしたの?」
「ほっといて」
雨は、そのまま、帰るのだった。
数日後、本を暇そうに眺めて、何を読もうかと、
迷っていた。
雨は、基本的に、山の風景が書かれた本か、
昆虫図鑑や、家事の本ぐらいしか読まない。
と、言うか、その本しか、置いていないのだ。
雨は、公園へと向かった。
今日も退屈な日々が過ぎ去っていく。
そんな気がするのだったが…
「あっ!雨くんだ!」
「!?」
「えむちゃん、この人は?」
「雨くんだよ!陽菜ちゃん!
この前、友達になった、男の子だよ!」
「友達じゃないです」
「え~!?この前、神山高校の行き方、
教えてくれたのに!?」
「…」
「あっ、この子は、花海陽菜ちゃん!
あたしの大事な友達だよ!」
「ど、どうも…」
「雨」
「!?」
「名前」
「ねぇ、雨くん!あたし達と、遊ぼうよ!」
「嫌」
「あの…えむちゃん…」
「どうしたの?陽菜ちゃん?」
「初対面の人に、いきなり、そう言ったら…
その…私でも緊張するから…」
「そっか…じゃあ、どうしたら、
雨くんと、仲良くなれるんだろう?」
「ほっといて」
「あっ、雨くんっ!」
雨は、えむと陽菜に、冷たい視線を送って、
そのまま、家に帰るのだった。
(変な女の子達に出会って…何でだろう…何なんだ!?)
と、雨の内心は困惑の一言だった。