雪と雨の奇妙な日常   作:アッシュクフォルダー

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第三十一話 偶然と奇遇と運命

初音ミクのいるセカイ。大きな木の周りには、長閑な草原が広がっていた。

 

雨と龍馬も、やって来た。

 

「あっ!雨くん!龍馬くん!」

 

「やはりか」

 

「どうして、僕がここに…」

 

「来てくれたんだね」

 

「また会えたね。遥ちゃん」

 

「私もまた会えて嬉しいな。

そう言えば、私達のセカイにある木から、

ミクの歌が聴こえてきたんだけど…」

 

「遥ちゃん達もそうなんだね!あたしも同じだよ!」

 

「あれって、私たちがおノートの女の子に、

会った時に聴いた曲だよね…」

 

「ルーズリーフに書いてある曲とも一緒だと思う」

 

「やっぱり、そうなんですね。

でも、どうして、ミクがその曲を知っているの?」

 

「…前に、みんなが来てくれたことがあったでしょう?

あの後、わたしはみんなのとは違う、

誰かの想いの欠片を拾ったの」

 

「えっ?」

 

「誰かの想いの欠片…?」

 

「その欠片から時々、歌が聴こえてくるの。

それがわたしの歌っていた曲だよ」

 

「え?」

 

「あの曲は、あの子のオリジナルだと思うし、

それが聴こえてきたってことは…」

 

「多分、想いの欠片の持ち主は、

遥ちゃん達が出会った、女の子達じゃないかな?」

 

「あの子か…」

 

「そうですね…」

 

「すごいよね。こんな偶然があるなんて」

 

「偶然じゃないかもしれない」

 

「えっ?」

 

「このセカイで一歌ちゃん達に出会ったのも、

あの子とみんなが出会ったのも、きっと何かの思いで、

共鳴していると思う」

 

「どういうこと?」

 

「みんなって、想いの欠片が、どういうものかは、

知っているよね?」

 

「キラキラしていて、触るとその欠片の想いのセカイに、

行けたりするんだよね!」

 

「たまにセカイで見るけど…」

 

「そうですね」

 

「あぁ。俺もだ」

 

えむや奏の言う、想いの欠片を、

雨も龍馬も見たことがあるようだ。

 

「たしか、セカイを作っている私たちの想いに、

引き寄せられるんだっけ?」

 

「想いは似ている想いと共鳴するの。

みんなのセカイに誰かの想いの欠片がやって来るのも、

その共鳴が起きているからだよ」

 

「じゃあ、ミクが見つけた想いの欠片も…」

 

「このセカイの作っている想い、特に遥ちゃん達の想いに、

引き寄せられると思う。それと…みんな見て。これが想いの欠片だけど…」

 

と、ミクが見せる、想いの欠片。

 

一歌、遥、えむ、奏、龍馬、雨が、それを見た。

 

「光ってない。色がくすんでいる…」

 

「ここ見て!おっきなヒビが入っている!」

 

「本当だ…」

 

「本当の想いを否定されたり、受け入れられないと、

こうなってしまうみたい。わたしが見つけた時は、

素敵な歌が聴こえてきたけど…

急に聴こえなくなって、ヒビが入って来ちゃって…

元々、この想いの欠片は限界に近かったと思う。

それで、近い想いを持つ誰かに助けを求めていたと思う」

 

「…」

 

「…」

 

と、龍馬と雨は、どうして、あの子が泣いていたのか?

を、考えていた。

 

「だから、このセカイも、欠片の想いに応えて、

みんなの想いの欠片の持ち主と出会えるように、

導いていたかも…」

 

「え…!?」

 

「もしそうなら、その子との出会いは、偶然じゃない…?」

 

「そうなるな」

 

「でも、待って、セカイって、そんな凄いことが出来るの?」

 

「ううん。少なくとも、そんなセカイ見たこと無いよ。

だけど、このセカイは5つのセカイと繋がっていて、

想いの気持ちの持ち主以外の子達の想いも、

ひとつになっているみたいし。

そうやって、人と人が、セカイとセカイが繋がっている、

セカイかもしれないね」

 

「偶然か奇遇が運命か、それとも…」

 

「…」

 

龍馬の言葉に雨は、何かを感じざる得なかった。

 

「あっ!破片のヒビが大きくなっている!」

 

「いつの間に!?」

 

そして、周りが急に暗くなった。

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