高架下。一歌、遥、えむ、奏、龍馬、雨は、
以前、出会った、女の子と再会しようとしていた。
「来てくれるかな…?」
「あ、来たんじゃないかな?」
「あっ…」
6人の前に女の子がやって来た。
「あの…」
「来てくれて、ありがとう。
あっ、ノートは、この封筒の中にあるよ」
「封筒…?」
「ノートに挟んであった、
ルーズリーフを無くさないようにしたんだ。
その…ノートを拾った時に出て来ちゃって…
書いてあった曲とか見えちゃったりするから…」
「勝手に見ちゃって、ごめんなさい…
でも、あの曲を聴いていたら、元気がもらえたよ」
「あ…あれは、病気のおばあちゃんの為に作ったんです…」
と、その女の子が事情を打ち明けた。
「そうだったんだ…」
「でも、もう…いない…から…だから…」
「…」
「あっ、ノート、ありがとうございました。
私はこれで」
女の子が立ち去ろうとしたら、えむが言いだした。
「あのっ!今日は本当に来てくれて、ありがとう!
あたし、あなたと同じだった時、
部屋から出られなくなった時があるの」
「えっ?」
「だから、あなたもきっと頑張って来てくれたんだね…」
「…同じ、だった時…?」
「…あたしはね、ちょっと前にお別れしたんだ。
大好きなおじいちゃんと」
「…」
雨は思い出す。一年前に母の花が亡くなったことを…
(僕には姉さんしかいない。だけど…そうじゃないかもしれない…)
「あの時は、お日様がまぶしいのも、ポカポカも、ちょっと…
って、思っていたの。カーテンも全部閉めて、
暗い部屋で、ボーっとしていたの…」
「…同じですね。私と…」
「もうちょっとだけ、あたしの話をしても良いかな?」
「…」
「あたしが寂しい思いをしたのは、
おじいちゃんとお別れしたからだけど…
あたしが悲しい気持ちにバイバイできたのは、
おじいちゃんのおかげなの。
だから、その…あたしと同じようには、
いかないかもしれないけど…」
「聞きたいです。これ以上、迷惑を掛けたくない…」
「…おじいちゃんとお別れした後は、まだ元気だったの…
でもね、生活をしていても、おじいちゃんのことを、
どうしても思い出しちゃうの。
そのたびに胸の奥がギューってなっちゃって…」
「…」
「あの時は、世界が真っ暗に覆われていたって、感じたの。
おじいちゃんには、もう会えないって思っていたら…
何で、おじいちゃんと一緒だった頃の思い出ばかり、
思い出させるだろうなって思って…それで…
ある日、朝起きたら、急に部屋から出たくなくなったの…」
「えっ?」
「前の日まで、ちゃんと過ごせていたのに、
おしゃべりしていたのに、急にそれが出来なくなって…
おやすみーって、普通に言っていたのに…」
「…」
「自分でも気が付かないうちに、心が限界に来ちゃったと思う」
「うん」
「お母さんたちも、すごくビックリしたと思う。
おじいちゃんとお別れして、ちょっと経ってから」
「どうやって、立ち直れたんですか…?」
と、少女がえむに問いかけた。