雪と雨の奇妙な日常   作:アッシュクフォルダー

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第三十四話 決意と出会いと新たなる展開

高架下。一歌、遥、えむ、奏、龍馬、雨は、

以前、出会った、女の子と再会しようとしていた。

 

「来てくれるかな…?」

 

「あ、来たんじゃないかな?」

 

「あっ…」

 

6人の前に女の子がやって来た。

 

「あの…」

 

「来てくれて、ありがとう。

あっ、ノートは、この封筒の中にあるよ」

 

「封筒…?」

 

「ノートに挟んであった、

ルーズリーフを無くさないようにしたんだ。

その…ノートを拾った時に出て来ちゃって…

書いてあった曲とか見えちゃったりするから…」

 

「勝手に見ちゃって、ごめんなさい…

でも、あの曲を聴いていたら、元気がもらえたよ」

 

「あ…あれは、病気のおばあちゃんの為に作ったんです…」

 

と、その女の子が事情を打ち明けた。

 

「そうだったんだ…」

 

「でも、もう…いない…から…だから…」

 

「…」

 

「あっ、ノート、ありがとうございました。

私はこれで」

 

女の子が立ち去ろうとしたら、えむが言いだした。

 

「あのっ!今日は本当に来てくれて、ありがとう!

あたし、あなたと同じだった時、

部屋から出られなくなった時があるの」

 

「えっ?」

 

「だから、あなたもきっと頑張って来てくれたんだね…」

 

「…同じ、だった時…?」

 

「…あたしはね、ちょっと前にお別れしたんだ。

大好きなおじいちゃんと」

 

「…」

 

雨は思い出す。一年前に母の花が亡くなったことを…

 

(僕には姉さんしかいない。だけど…そうじゃないかもしれない…)

 

「あの時は、お日様がまぶしいのも、ポカポカも、ちょっと…

って、思っていたの。カーテンも全部閉めて、

暗い部屋で、ボーっとしていたの…」

 

「…同じですね。私と…」

 

「もうちょっとだけ、あたしの話をしても良いかな?」

 

「…」

 

「あたしが寂しい思いをしたのは、

おじいちゃんとお別れしたからだけど…

あたしが悲しい気持ちにバイバイできたのは、

おじいちゃんのおかげなの。

だから、その…あたしと同じようには、

いかないかもしれないけど…」

 

「聞きたいです。これ以上、迷惑を掛けたくない…」

 

「…おじいちゃんとお別れした後は、まだ元気だったの…

でもね、生活をしていても、おじいちゃんのことを、

どうしても思い出しちゃうの。

そのたびに胸の奥がギューってなっちゃって…」

 

「…」

 

「あの時は、世界が真っ暗に覆われていたって、感じたの。

おじいちゃんには、もう会えないって思っていたら…

何で、おじいちゃんと一緒だった頃の思い出ばかり、

思い出させるだろうなって思って…それで…

ある日、朝起きたら、急に部屋から出たくなくなったの…」

 

「えっ?」

 

「前の日まで、ちゃんと過ごせていたのに、

おしゃべりしていたのに、急にそれが出来なくなって…

おやすみーって、普通に言っていたのに…」

 

「…」

 

「自分でも気が付かないうちに、心が限界に来ちゃったと思う」

 

「うん」

 

「お母さんたちも、すごくビックリしたと思う。

おじいちゃんとお別れして、ちょっと経ってから」

 

「どうやって、立ち直れたんですか…?」

 

と、少女がえむに問いかけた。

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