雪に頼まれて、おつかいに行く事になり、
雨は嫌々と、商店街へと向かった。
「はぁ…どうして、僕が、
姉さんの為に、買い物に行かないと、いけない…」
と、雨は深いため息をついていた。
今日は、カレーライスにするから、
という理由で、カレールーを買い忘れたから、
買ってきて欲しいと、
雪は雨に、そう頼んだのだった。
このまま、山に戻ろうかと、思っていたが、
ここから、山まで、非常に遠い為、
戻る前に、くたばってしまうだろう。
と、雨は、そう思うのだった。
「あっ!この前の男の子だ!」
見覚えのある、女の子が、
ニコッと笑い、こっちへと、向かって来た。
「何の用ですか?」
「雨くん!久しぶりだね!何しているの?」
「お姉ちゃんに頼まれて、おつかいに行っているけど…?」
「そうなんだね!ねぇねぇ、私も一緒に行っていい?」
「い、いいけど?」
「じゃあ、何買うの?」
「カレールーだけど…」
「よーし!それじゃあ、カレールーを買いに、
レッツゴー!」
と、えむは、雨の手を握って、
一緒の歩幅で、歩いていた。
柔らかい、何だろう?この感覚は…と感じていた。
雨は少し照れた表情をして、えむと歩いていた。
背は雨より低いが、年齢は、えむの方が年上だ。
12歳の少年と、女子校生が、手を繋いで、歩いているが、
雨にとっては、照れた顔以外に、特に思う事は無かった。
「おーい!雨くーん!カレールー売っているよ?」
「あっ、う、うん…」
雨は、代金を支払い、甘口と中辛のカレールーを、
一つずつ、購入するのだった。
「よーし!カレールーを買ったぞ!
おつかい大成功!」
「うん」
「ねぇねぇ、雨くんの家に来ていいかな?」
「そんなこと言われても…」
「よーし!それじゃあ、レッツゴー!」
「人の話を来ていない」
「ダメなの?」
「そうは言っていません」
雪と雨の暮らす、アパートに、
えむが、やって来た。
「ただいま…」
「おかえり、雨、隣にいる女の子は?」
「えむっていう、人だけど?」
「こんばんは!鳳えむです!
雨くんのお友達です!よろしくお願いしまーす!」
「雨にも、友達がいるんだね」
「友達じゃないけどね」
「えー!私と雨くん、二回も会っているんだよ?」
「それって、友達なの?」
「まぁ、それは、ともかく、
お客さんもいるんだし、雨、早く、掃除しなさい」
「はいはい、わかったよ…」
雨が部屋を掃除した後、えむを部屋へと招き、
三人で、雪の作ったカレーを食べるのだった。
「このカレーライス、すっごく、わんだほーい!美味しい!」
「あはは…大袈裟だよ…」
「…」
雨は、視線を逸らして、黙って、カレーを食べていた。