結城龍馬と雨と天馬咲希の三人は、
結城龍馬の飼い猫である、黒猫、ペロと交流している。
普段は、龍馬が飼っており、
自身が暮らしている、親戚の家の庭で飼っている。
龍馬にとって、憩いの時間だが、最近のペロは、
雨に妙に懐く。
咲希と龍馬と雨が、ペロの前にいた。
「雨。オメェは、ペロによく好かれるじゃねぇか」
「えっ?」
「そうなの?」
「あぁ、ペロの奴。やたらめったら、雨に好かれているぜ?」
「ペロ!龍馬くんが飼い主だよ!」
「まぁ、俺がいなかった時期があったからな」
「寂しくなかったの?」
「寂しかったさ。ペロと会えない日々があったからな」
「咲希さんと龍馬さんは、どういう関係?」
「テニスの師弟関係です!
龍馬くんは、アタシのテニスの師匠です!」
「テニスって…」
「ひょっとして、テニスを知らないの?」
「全く」
そもそも、雨はテニスをよくは知らない。
「まぁ、一種のスポーツだが、俺はもうやらねぇ」
「龍馬くん。自分はプロのテニス選手なのに、
絶対にテニスをやらないの…何が何でもやらないの」
「俺にとっては、テニスより、ペロの方が心配だ」
「もう…龍馬くんったら…」
咲希はペロの世話をしていた。
しかし、ペロは雨の方に寄って来る。
「アタシ…ペロに嫌われている…?」
「そんな時もあるさ」
「ペロは可愛いから…本当に癒されちゃうよ~」
「そっか」
「龍馬くんがいなかった頃、ほなちゃんといっちゃんが、
お世話していたんだ!」
「その時は、本当に世話をかけたな」
「そもそも、龍馬さんって、テニスの選手?」
「あぁ、元々な。昔の話だがな」
「ひょっとして、龍馬くんを知らなかったの?」
「全然」
「あの、世界的に有名なテニスプレイヤーなんだよ!?」
「よせよ。昔の栄光に縋りたくない。
やらかしたからな…だから、俺は正直目立ちたくない」
「そっか…」
「俺の事はどうでもいいが、
咲希はテニスでもバンドでもプロを目指せ。
俺の願いはそれだけだ。それ以外に何かを残したくない」
龍馬は何か後ろめたさを、感じていた。
「龍馬くん…あっ、ほなちゃんとのケッコンは!?」
「さぁな」
「ほなちゃんと、ケッコンする約束したんじゃないの?」
「俺も穂波の気持ちに必ず答えないとな…」
結城龍馬と望月穂波は、婚約する約束をしている。
「龍馬さん…そんなことがあったんだ…」
「雨がどういう奴は、知らねぇが、
罪を犯した俺に、あまり近づかない方が良い」
「ちょっと!龍馬くん!何言っているの!?」
「俺は濡れ衣を着せられたとは言え、もう良いんだ。
俺は不幸になってもいい。
ただ、周りの奴らを不幸にするなら、
流石に俺でもな」
「龍馬さん…」
「アタシは、龍馬くんが悪いとは思わないよ」
「そっか。じゃあ、今からジュースを買ってやる」
「ホント?やさしー!雨くん、何飲む?」
「水」
「えっ?」
「甘いのは得意じゃないですから」
「そうだったんだ…」
龍馬は雨のために水を、咲希の為にグレープソーダーを、
スーパーで買った。
「ほらよ」
「ありがとー!」
「ありがとうございます」
(咲希が喜べばそれでいい)
と、龍馬は感じた。