クソを下水で煮込んだような性格の男になっちまったよ……   作:猫太郎

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やっと、レポートが終わったぁ……
面倒くさかったとしか言えない。さ、今日から話を進めていくぞ!!


第4話 雄英入試

 雄英入試当日。

 

 母親からは「思う存分やってこい」、父親からは「頑張れ」というメッセージを貰い、俺は家を出た。なお、母親の応援をそのまま文字化すると「勝己、出久ちゃんに思う存分やってこいって言え」である。つまり、母親の応援は俺に向けられたものではなく、出久に向けられたものである。

 

 母親曰く、「男なら1人でやってみせろ!」だそうだ。はいはい、やってみせますよ。雄英入試ぐらい、ノー勉でも合格してやるわ。

 

 途中で出久と合流して、一緒に家から電車に揺られたりしながら、雄英に到着した。受験日という事もあって、周りには数多くの受験者がいる。

 

「流石、倍率300倍って感じだね。人が多い……!」

 

 そんな大量の受験者に隣にいる出久は、気圧される事なく、むしろ張り切っている様子。朝からやけに顔が緩んでいたし、オールマイトに応援してもらったのだろうが、肩に力が入り過ぎである。それとどうやら出久は原作通りに”OFA”を継承したらしい。しかも、入試当日ではなく、随分と前に。ある時、「かっちゃん、私も個性が発現したよ! これで一緒にヒーローを目指せるね!」とか言われたからだ。

 

 言い方は悪いが、ヘドロ事件以降、出久の付き合いが悪くなっていた。恐らく、オールマイトと共に個性を獲得する器となる体を集中的に鍛えていたのだろう。それで”OFA"を獲得するに至ったという訳だと思われる。本人達から直接聞いた訳ではないが、おおよそ間違ってはいないだろう。

 

「ほら、行くぞ」

 

 未だに足を止めて、力み過ぎている様子の出久の手を掴んで、無理矢理歩かせる。俺はこんなに人がわちゃわちゃした場所から早く抜け出したいのだ。

 

「あ、ちょ、かっちゃん!? 自分で歩けるから!」

 

 なんか叫ぶ出久の事は、無視して俺は試験会場へと足を踏み入れた。

 

 

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 試験は実技と筆記の2つがある。今日は実技試験を行い、後日に筆記試験を行う。

 

 実技試験の諸々の説明を受けて、各人が動きやすい服装に着替えて、雄英が保有する数ある演習場の内の1つへとやって来た。目の前には、壁に覆われた超巨大な演習場が広がっている。そんな巨大な演習場を幾つも保有しているのだから、雄英の敷地面積がTDL何個分なのかが大変気になる所である。

 

 周りを見てみると、そわそわしている生徒か精神統一を図っている生徒かに分かれている。精神統一している方が強そうに見えるが、気を張り過ぎである。適度に肩の力を抜いた方が良い結果が出やすいと思うぞ、若人諸君。

 

 勿論、演習場に来たのだから、これからやるのは実技試験である。

 

 試験内容は「ロボの撃破」。撃破したロボの種類や数に応じて、ポイントを獲得するポイント制。そして、生徒には知らされていないが、俺は原作によって知っているレスキューポイント。誰かを助ければ、追加ポイントが貰えるシステムである。

 

 そのレスキューポイントがただの主観である為、やや公平性に欠けるような気がしなくも無いが、審査する先生が公正に見てくれる事を期待するしかないだろう。

 

 先生方の公平性を信じていると……

 

「はい、スタート」

 

 多くの人達が突然の気の抜けた開始宣言に頭を真っ白にしているが、俺は原作で予め知っている。だからこそ、集団の先頭という位置を確保しておいたのだ。

 

「ぶっ殺す!」

 

 困惑している生徒達を尻目に、ロボへの殺意を高めながら俺は演習場へと足を踏み入れた。

 

 この知識でズルしているようで、いや、普通にズルしてるか。ズルしていて申し訳ないが、俺にも夢がある。存分とこの知識を有効に使わせてもらう。

 

 

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 試験が始まってから、それなりの時間が経過した。試験会場を周って、サーチ&デストロイを実行しまくった。俺の計算が間違っていなければ、この時点で既にレスキューポイント無しで90ptを叩き出しているはずだ。

 

 この90ポイントにレスキューポイントが加われば、相応の得点になるだろう。だが、他の演習場には"OFA”所持者の出久がいる。

 

 原作開始よりも既に鍛えているおかげでこの時点でそれなりのパワーを解放できる筈だ。予想では20%くらいだろうか。

 

 たったの20%だが、”OFA”の20%で拳を振るうだけで風を起こせるレベルである。そんな怪力で、人を助けるのが使命みたいな出久であるなら、何処かの演習場で無双と救助しまくっている事は容易に想像出来る。

 

 出久には頑張ってもらいたいが、俺も雄英入試成績1位という地位には憧れる。要するに、出久に負けるつもりはなく、本気でやるという事だ。

 

 その時、地面が揺れた。ビルが倒壊させる音を演習場に響かせながら、待ち望んでいたやつがやって来た。視線の先には、高層ビル以上の高さを誇る超巨大ロボがいる。見上げるだけで首が痛い。ジャンプであの頭部にまで跳躍して、ただのパンチであの頭をぶっ壊したのだから、"OFA”という個性の身体能力強化がどれだけバグっているのかがよく分かる。

 

 しかも、近い未来には”OFA”継承者の個性まで扱えるようになるのだから、更にバグる。

 

 巨大ロボがこちらに迫って来ているのを見ながら”OFA”は、やっぱりやべぇな、なんて思っていると背後から声を掛けられた。

 

「お、おいお前! あれが見えねぇのか!? こんな所で突っ立てたら、怪我だけじゃ済まねぇぞ! 逃げんぞ!」

 

 どこかで聞き覚えがあるような声だ。その声の主は誰だろうかと思って、振り返ってみると、黒髪の男がいた。肌が岩のようにカチカチになっている。

 

 何処かで見た事があるような気がして、記憶を掘り返していると思い出した。原作に登場した主人公のクラスメイトの切島鋭児郎だ。やけに「漢だ」とうるさかったキャラと記憶している。特徴的な赤髪でなく、黒髪で気付くのに時間が掛かった。そういえば、高校デビューで髪を赤く染めたんだっけか。

 

 まさか、同じ演習場にいたとは思わなかった。

 

 それにしても、「逃げんぞ」かぁ。生憎と俺は原作の爆豪程に自尊心は肥大化していないが、それでも人一倍負けず嫌いであると思っているし、未来の世紀末が怖すぎて死ぬほど頑張ったという自負がある。「逃げ=負け」という訳ではないが、一生懸命頑張ったのに、ただのロボ如きに逃げるのも何だか癪である。

 

 後ろで逃げる事を提案しれくれた岩野郎には悪いが、逃げるなら1人でどうぞ。

 

「おい、岩野郎ォ! 無知なてめぇに教えてやるよ! 雄英の校訓はPuls Ultra(さらに向こうへ)だっていう事をな! それに俺は逃げるのは嫌いなんだよォ!」

 

 この時点で切島の名前を知っているのは変だろうから、特徴だけ捉えて個性の特徴から岩野郎と呼称する事にしよう。

 

 手の平を地面に向けてから、思いっきり爆発を引き起こす。爆発力を推進力として、俺は一気に空を昇った。最大火力で飛んだおかげで、一瞬でロボよりも上に来る事が出来た。もっと上に行く為に爆発を起こして、雲ギリギリの高度まで到達した。

 

 それ以上、上昇する事は止めて俺は落下を開始する。そして、両手を左右逆方向に向けて、爆破を起こす。その反動を使い、回転しながら落下する。

 

 更に、何度も爆発を起こす事でその速度、回転力は更に増していく。爆発の方向も微調整して、ロボの頭にまっすぐ落ちるように軌道を修正する。

 

 原作の爆豪君から丸パクリして、落下速度も上乗せするという改造を施した技だ。とくと味わえよ、ロボット。

 

「死ねやぁあ! 流星着弾(メテオ・インパクト)ォォォオオ!」

 

 ロボットの頭部に到達するのと同時に最大火力の”爆破”をぶっ放した。未だにロボットが爆煙で包まれる中、爆発を上手く使って、安全に地上に着地する。

 

「これだけやりゃあ、流石に受かってんだろ」

 

 煙も霧散すると、上半身が丸々消し飛んだ、かつてロボットであった残骸があった。妙な達成感を感じていると、マイクの試験を終了する声が演習場に響いた。おそらくヴィランポイントとレスキューポイントの合計は100ポイントを超えているだろう。

 

「待ってろよ、雄英。俺がトップに立ってやる」

 

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 雄英試験からそれなりに時が経ち、今日から新しい学校に行く事になる。勿論、行く学校は雄英高校である。実技成績は、文句なしの1位だった。出久は2位であったらしい。ちなみに出久もあの巨大ロボをぶっ飛ばしたとか言っていた。

 

 しかも、出久から話を聞いてみると実技の方は僅差で俺が勝ちらしい。筆記は俺が圧勝だが。総合成績では俺が1位で出久が4位であるらしい。実技の方は2位だが、筆記試験が足を引っ張ったらしい。

 

 俺に対しての扱いは雑なくせに、出久に対しては妙に過保護な俺の母親の命令によって、登下校は出久と一緒に行くように言われた。中学校の頃も無個性の出久にちょっかいを出す奴らへの牽制という意味も込めて、一緒に行っていたから抵抗感は無かった。

 

 無いのだが、ちょっとだけ納得いかない。実の息子よりも息子の友達の方が大切ってどうよ? 

 

「勝己! 弁当持った!? 忘れ物ないでしょうね!?」

 

 玄関で靴を履いていると、後ろから俺の扱いがテキトー極まりない母親から声を掛けられた。忘れ物は無い筈であるが、それでも言われると忘れているかもしれないと心配になる。念の為、バッグの中身を見てみるが、やはり忘れ物はない。

 

「忘れ物はねぇ」

 

 忘れ物がないのを確認してから、ドアノブに手を掛けるが、それと同時に母親に「勝己!」とまた呼び止められた。少ししつこいので文句を言おうと思ったが……

 

「行ってらっしゃい!」

 

 良い笑顔でそう言われては、流石に文句など言う気にならない。

 

「行ってくる」

 

 短くそう言って、俺は扉を開けた。

 

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 制服姿の出久と一緒に電車を乗り継いだりしながら、雄英に辿り着いた。校舎に入って、これから色々と厄介事に巻き込まれるであろう呪われたとしか言えない1年A組に俺は到着した。

 

「……でけぇ」

 

「バリアフリーってやつだね」

 

 クラスの扉は、漫画で見たようにやはり大きかったが、改めて自分の目で見てみると、その大きさに少なからず圧倒される。目算5メートルぐらいある気がする。

 

 異形型の個性を発現した者の中には、体が大きくなる者も珍しくない為、出久の言う通りバリアフリーな設計にしてあるのだろう。

 

 そういえば、原作でもこんな説明があったような気がする。

 

 やはり、10年以上も前に読んだからか、所々忘れているらしい。それでも、作品内の大事件等は覚えているが。

 

 異様にでかい扉を開けて、これから1年間通う事になる教室に入る。教室の中には、それなりに人がいた。数えてみると18人。俺達を入れると20人。雄英1年A組の定員は20名だから、どうやら俺達がビリらしい。

 

「お前はあの時の爆発マン!?」

 

 教室に入るや否や、岩野郎から新たな2つ名を頂戴した。それにしても、爆発マンってなんだよ。もう少し何とかなんないのか、その名前。よく言えば分かりやすい。悪く言えば、安直過ぎる。その名前は少し気に入らないし、イラッと来たので言い返す事にしよう。

 

「俺の名前は爆豪勝己だッ! 爆発マンなんていうクソダセェ名前で呼ぶんじゃねえ! 次にその名前で呼んだらてめぇの頭を爆発させるからな、逃げ腰野郎!」

 

 逃げ腰野郎とか、こいつにピッタリでは無かろうか。入試の時に巨大ロボから俺に「逃げようぜ!」とか提案していたこいつには。割と酷い名前な気がしなくも無いが、気にしてはいけない。

 

「なっ!? 俺は逃げ腰野郎じゃねえ! 俺には切島鋭児郎って名前があんだよ! 切島でも鋭児郎でも好きなように呼んでくれて構わねぇ。これからよろしくな、爆豪!」

 

 そう言って、切島は手を出してきた。なんつうか、こいつ熱苦しいな。漫画とか読んでた時からずっと思ってたが、こうして実際に面と向かってみると、段違いに熱い。熱過ぎる。

 

 まぁ、別に熱血は嫌いな訳では無いのでここは渋々握手しておく。嫌いな訳でもないが、好きな訳でもないからな。

 

「けっ、熱苦しいんだよ、赤髪」

 

「だから切島鋭児郎だって言ってんだろ!?」

 

「っるせぇな、赤島逃児郎(とうじろう)

 

「色々混ざってるッ! 俺は──」

 

「お友達ごっこしたいなら他所へ行け。ここはヒーロー科だぞ」

 

(((なんかいる……)))

 

 寝袋に身を包み、芋虫のような動きでその男はやって来た。その時、バラバラだったクラスの意思は1つになっていた。原作で予め知っていた俺もこんな不審者みたいな男を現実で見てしまった驚愕が隠せない。全身真っ黒の服、時期外れのマフラー、そして寝袋。何処からどう見ても立派な不審者ですありがとうございます。

 

「静かになるまで8秒もかかりました。君達、合理性に欠くね」

 

 これはこれで良いキャラをしているとは思うのだが、合理性を突き詰めるとこうなるんだったら、俺は合理性はドブに捨ててもいい気がしてきた。

 

「早速だが、この体操服を着てグラウンドに出るように。これから、君達には個性把握テストを受けてもらう」

 

 

轟焦凍を焦凍ちゃんにするか、焦凍くんにするか。どうしましょう?

  • 焦凍ちゃん見てみたい!
  • 焦凍くんのままでいい
  • ぶっちゃけ、どってでもいいよ
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