たまには地球がチート臭くても良いのではないかと 作:ヤマトとトマトはなんか似てね?
いや、一日三本アップ、チャレンジ・アゲインだけど無理でした。
まあ、でも深夜にやるネタかなと(視線逸らし
ただ、朝読むのもタイムリー感があって良いかも。
そこは皆様におまかせで。
オッサン、アゲイン。
ただし登場人物の平均年齢は幾分下がります。
あと第11話冒頭の伏線回収とか。
「あれ?
在り来たりだが……見知らぬ天井だった。
沖田十三は、昨夜の事を振り返る。
幻の純米大吟醸と、特に聞きたくもなかった情報の暴流のせいで、とにかく飲んで飲んで酔いつぶれてしまいたかった。
飲んで忘れることができるなら幸いだが、職務上そうはいかない。
(藤堂先輩の家……客間か?)
まだ酒が残ってるのかぼんやりした頭でそう考える。
客間の割には生活臭があるというか……ファンシーな気がするが、気にしてもしょうがない気がした。
ただ、沖田は昔、何度か藤堂家の客間に宿泊したことがあるはずだが……ガミラスとの開戦前だったせいもあり、すっぽり記憶から抜け落ちていた。
(ふむ……)
とりあえず、自分は
それは問題ない。軽く酔ったくらいではどうということはないが、泥酔すると脱ぎ癖が発動するのは自覚していた。
首元まで布団が掛けられてるが、問題なのは……
「この布団の不自然な膨らみだな……」
”ぺろん”
布団をめくってみた。
「すぅ……すぅ……」
歳の割に鍛え上げられていた大胸筋を枕に藤堂早紀が安らかな寝息を立てていた。
同じく
何を言ってるのかわからねーと思うが、沖田も何をされたのかわからなかった……
頭がどうにかなりそうだった。見間違いだとか幻覚だとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてない。
だから沖田は見なかったことにして、再び布団をかける。
(とはいえ、いつまでも現実逃避はしてられんか……)
再び布団をめくる勇気!と化物語の一幕みたいな事を考えながら沖田は布団をめくる。沖田は旧時代の大衆文学を好むらしい。
「あっ、おじ様……おはようございます」
まだ寝ぼけ眼でそう囁く早紀。だが目はばっちりあっている。
「ああっ、おはよう。ところで早紀ちゃん、これは……」
「おじ様……」
早紀は沖田の胸板に頬ずりしながら、
「昨晩はたくましくて……とっても素敵でした♡」
(詰んだぁーーーーっ!!?)
時に西暦2199年……心の中で絶叫する通り、沖田は分かりやすく
「早くおじ様の赤ちゃん欲しいな♪」
沖田は知らない。
瞳を愛欲に濁らせ、妖艶にほほ笑む早紀の部屋の外では、藤堂の妻……千晶がサムズアップしていた事を(沖田と同じく酔いつぶれていた夫は、未だ夢の中)
そしてその手には、婚姻届(早紀の記入欄はばっちり埋まっていた)が握られていたことを。
感心すべきは、23世紀を目前にしても重要な公文書は未だ紙媒体が使われていることだろうか?(電子書面でも受け付けてるようだが)
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同じ地球でも場所は変わり、メカドックではなく呉の地下ドック。
わかりやすく言えば、”宇宙戦艦ヤマト”を建造中の場所だ。
ただし、大きさや形はどっからどう見てもエンタープライズDである。
この世界線は第三次世界大戦(限定核戦争)、第四次世界大戦(統合戦争)の影響などもあり、スタートレック・シリーズが作成されていないためパクリとは言われないで済むだろう。
ついでに言えば、このヤマトはイスカンダルへ向かうことを目的とした
今の所計画はないが、仮に今後姉妹艦が生まれるとすれば、ヤマト型と呼ばれることになるだろう。
船の解説などはいずれ出港した時にでもするとして、このドックにはいくつかの仮設研究室が併設されていた。
別におかしな話ではない。
ヤマトは地球連邦未踏の大マゼラン星雲、16万8千光年彼方のイスカンダルへ向かうという目的のため、地球の物だけでなく鹵獲したガミラス艦からのリバース・エンジニアリング、そしてイスカンダル由来のものを含めた様々な新技術/新装備の搭載が必要であり、半ば実験艦や技術実証艦の役割も担っていた。
なので軍の研究施設や軍需産業の研究所の分室が、そこかしこに設営されたのだ。
何しろ扱ってるものがものなので、施設外に持ち出し厳禁の資料もかなりある。
そして、そんな中の一室……
「沖田さん、再婚するってよ? しかも再婚相手は藤堂長官の一人娘だってさ」
と今、軍部で持ちきりの話題を振るのは、”ヤマト”の乗組員に内定している
コーヒーカップ片手のところを見ると、友人の顔見がてらに小休止ってところだろうか?
ちなみに沖田のお気に入りである守は、噂話ではなく本人から直接聞いていた。ただし、そうなった経緯は固く口を閉ざし喋らなかったらしいが。まあ、それはそうだろう。
「そうなのか」
とさして興味がなさそうに返したのは、守の親友でもあるこの分室の主、
”研究のパトロンになる”という誘いで軍に入った変わり種で、当然、いわゆる技術将校で階級は同じく中佐。
ただし、軍人の戦場での責務はそっちのけで有言実行とばかりに研究一筋。現在ご執心なのは、当然のように(ゲシュタム機関という現物がガミラスの鹵獲艦から入手できたため)ここ8年で急速に発展した「M理論に基づく余剰次元の波動関数的の解釈と一般解、その実践と応用」であるらしい。
要するに波動機関とかの根本になる「宇宙を11次元構造(間次元が10個、時間次元が1個)としてモデリングした場合、4次元以上の極小空間次元の解放」に関する研究だ。
「真田ェ、軍の権力構造や派閥闘争に興味持てとは言わないけどさ、もうちょっと周囲にも関心向けようぜ?」
「そうは言われてもなあ。俺の研究に直接関係ある話じゃないし」
「そうとも言い切れないぜ? なんでも、芹沢さんとか激おこぷんぷん丸らしいとかさ。露骨な派閥強化だって」
沖田は人望もあるし守もだが若い部下からも好かれている。また、テレザート沖で「ガミラスに最初に勝利した提督」として半ば英雄視され国民人気も高い。確かに派閥を作るなら取り込みたい存在ではあるだろうが、
「そうなのか?」
「沖田さんに限って、派閥闘争に興味持つとは思えないけど……ただ、経緯を聞くと言葉濁してたし、それなりに後ろ暗いところあるのかもな」
確かに後ろ暗い部分はあるのだが、守の懸念とはちょっと……いや、かなりベクトルが違う後ろ暗さだ。沖田はきっと墓場までその秘密を持っていくだろう。
蛇足ながら、藤堂早紀自身は父親の派閥とかには一切興味がないということは記しておく。
単純に、あるいはストレートにおじ様が欲しくて捕食しただけだ。主に性的な意味で。
「長官と副長官の反目とか、連邦軍としては悪夢以外の何物でもないからな……ほら、芹沢さんってガチのタカ派じゃん? 強硬的っていうか……ガミラスとの安易な停戦には反対って言ってる連中の首魁みたいなポジだろ?」
まあ、その解釈は間違ってはいないけど正解とも言い切れない。芹沢虎徹地球連邦軍統括副司令官が表向きの首魁を務める一派は、本質的には停戦慎重派で、そして可能な限り最大限に戦時賠償をガミラスに求めようとする一派であり、別に停戦自体に反対している訳ではない。
これ以上の戦争の長期化は国益を損ないかねない事は十分に承知していたのだ。
そして、そんな話をしている時……
”knock knock”
不意に研究室のドアがノックされたのだった。
ガミラス相手には負けなしの沖田十三、この世界線で初めて敗北を知るw
奇襲には弱かったみたいっす。
睡〇とか言ってはいけない。