たまには地球がチート臭くても良いのではないかと 作:ヤマトとトマトはなんか似てね?
ちょっと不規則な投稿になるかもです。
今回はあるキャラ出てきます。
地球連邦を構成する民族がうっすらと。
「ちょっとイサム、”かわいがり”は別に構わないけど、壊さないでよ? まだ若いし伸びしろあるんだから」
と凛とした声がかかる。
その声にぎょっとしたのがイサムで、
「うげっ……ミリア教官」
露骨に狼狽するイサムだが、更に劇症反応を示したのが加藤三郎で、
「ぜ、全員整列! ミリア・ファリーナ・ジーナス中佐殿に敬礼っ!!」
加藤の号令一下、イサムを除くその場に居た全員が大慌てで姿勢を正し、そのまま指導書に載せられそうな敬礼をささげた。
「そんな固くならたくてもいいわよ。楽にしなさい」
とは言っても無理な相談だろう。緑の髪が印象的な精悍な”彼女”を前にしては。
彼女の名はミリア・ファリーナ・ジーナス。聞いての通り階級は中佐で、現在、この新田原基地で目的や公式名称が公開されないまま編成される”特別編成航空大隊”の最上位指導教官、要するにまだ若手が多いパイロットたちにとって”女王にして
彼女の事を表すなら、たった一言で事足りるのかもしれない。
曰く、”
連邦軍全女性パイロット全員の中で、単独1位の撃墜数/撃沈数を誇る押しも押されもせぬ”生粋のウルトラエース”の一人だった。
それこそ、彼女……ミリアの事を記そうと思えば、伝記の1冊も書けるだろう。
だが、それはさすがにやりすぎというもの。なのでかいつまんでみよう。
ミリアの生まれは地球ではなく別の惑星だった。
地球連邦加盟惑星”カールチューン”……名前から察してもらえると思うが、ゼントラーディやメルトランディに所縁がある者達が住む星だった。
かつてこんなことがあったそうだ。文化のカケラに触れたゼントラーディの小規模艦隊が傷ついたメルトランディ艦隊と出会う。
損傷艦ばかりでミサイルもビームも撃ち尽くしたメルトランディはもはやこれまでと悟った。
だが、ゼントラーディはこう持ち掛けた。
『一緒に”
彼らは感じてしまったのだ。焦げ付くような、心と呼べるものの在処を……
きっと”彼ら”が手に入れ、”彼女ら”も聴いた文化のカケラは、例えば遥か昔……地球人が知らない星で流行った、「何の変哲もないラブソング」だったのかもしれない。
そして盗んだマイクローン化マシンを船倉に積み込み宇宙を走り出し、長い旅路の果てにたどり着いたのが彼らの言葉で”文化”、”
そして、戦いしか知らないゼントラーディとメルトランディからただの男と女に還り……当たり前のように子を産み、育てた。
その末裔にあたるのがミリア達だった。
もしかしたら、それはただの
そして、彼女個人のバイオグラフィーを紐解くと……
もし、イサム(そしてガルド)を「ロイ・フォッカーの最後の直属」とするなら、ミリアはかつての
開戦から3年たち戦況が落ち着いてきた頃に妊娠が発覚、いわゆる”デキ婚”で結婚し出産し前線からは一旦は引いたが……彼女の性格上、大人しくしていられる訳もなく、育児休明けに早々に復帰。
夫の勧めもあり、流石に最前線に出ることはなかったが、教官職に着くことになったのだ。
その時、ロイ・フォッカーの直参につく前に徹底的にミリアにエース養成の選抜ブートキャンプされたのが、イサム・ダイソンでありガルド・ゴア・ボーマンだったわけだ。今でもイサムが思わず”教官”と読んでしまうのはその名残りだった。
というか、このイサムにしても彼女のしごきっぷりは軽くトラウマになってるらしく、今でも若干苦手意識があるようだ。
「でも、そろってるならちょうどいいわ。イサム、古代と山本、ああ妹の方だ、を連れて直ちにミーティングルームへ向かいなさい。開発主任から呼び出しよ」
「えっ? ヤンの奴が? 何の用だ?」
ヤン、ウェンリーの方でなくノイマンの方。一桁の年齢でマサチューセッツ州あたりにある工科大学を卒業した、真田志郎のみが技術チートキャラでないことを証明する好例のような男である。
その実績は、「17歳でYF-19の主任設計者に大抜擢された」と聞けば納得もするだろう。
『常に最良でなくとも無茶でも最高の結果』を出せるイサムをひどく気に入っており、今でも友人関係を維持しつつ色々便宜を図っているようだ。
「さあ? 行ってみればわかるんじゃない?」
「ごもっとも」
「んじゃあ、行くか。ヤンを待たせるのもなんだし」と自然と進と玲を引率するポジションにつくイサム。ホントに大人になったものだ。
「さてと」
ミリアはにっこりと微笑み、居残った加藤と山本兄を一瞥し、
(この子達、未だに連邦人が到達したことのない彼方まで行くのよね……)
「……もう少し戦場のイロハを叩き込んでおきたいわね。金龍」
「はっ!」
実はミリア登場の時から後ろにまるで女王に付き従う護衛役のように無言を貫いていた男……大柄で褐色の肌、スキンヘッドに刻まれた麒麟のタトゥーという特徴だらけの少佐の階級を付けた何故か身を小さくしてるように見える大男に、
「午後は確か、大気圏離脱後に宇宙空間での近接戦訓練だったわね?」
「イエス、マム!」
「ふーん……じゃあ、私も参加しようかしら? 地上から見上げてるだけじゃ、貴方達の腕前がどれほど上がったかわからないものね」
その瞬間、加藤と山本、そして特別編成航空隊の大隊長が内定している金龍の目からハイライトが消えるのだった……合掌
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「よお、ヤン。お久ってほどじゃないが、元気にしてたか?」
『ええ。こっちはこっちで、VF-19の本格量産化に向けて、それなりに忙しいですよ』
YF-19の初期テストの大部分を行っていたのは、連邦軍が様々な兵器の開発/実験する為に星系丸々一つを保有してる”ニューホワイトサンズ”星系の有人惑星の一つ(とはいえ民間人の立ち入りは許可がない限り原則禁止)、惑星”ニューエドワーズ”であり、イサムがヤンと行動を共にしていたのはその星の開発拠点にいた頃だ。
通信機越しとはいえ、こうして顔を合わせるのは1年ぶり近くなる。
「そりゃ何よりだ。暇をぶっこいてるよりはずっといい」
『ですね。イサムさんにも感謝を。いつも有益でバリエーション豊か、刺激的なデータをありがとうございます』
「よせやい。柄にもねーぜ」
と少し照れくさそうに鼻を掻くイサムだが、
「ところでヤン、俺だけならともかく第8実験隊の新人二人にも用ってのはなんだ?」
言い忘れていたが、山本玲も「獣人系なのでフィジカルは高いが、経験はほとんない新人パイロットのサンプリング」枠で集められた人材で、獣人系人類が軍人を目指すことが少なくない昨今、価値のあるデータを提供していた。
一応、階級は少尉である。
『あー、それなんですけどね』
ヤンはちょっと言いづらそうに、
『イサムさん、その二人を引率してちょっと遠出をしてもらえませんか?』
ミリア姐さん、登場っす。
イメージ的にはボドルザー艦隊との決戦から数年後って感じかな?
夫婦仲は極めて良好な時期で、ミリアも別に生粋のメルトランディではなくその末裔、惑星カールチューンも地球と接触してそれなりの時間がたってるせいもあり、だいぶ人間丸くなってます。
ガルドも多分、角が取れてます。
そして、二人そろってお兄ちゃん元気なのに古代と山本がイスカンダルへゆく船に乗るには、一応理由がいるかなと。