たまには地球がチート臭くても良いのではないかと   作:ヤマトとトマトはなんか似てね?

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結局、日付を越えてしまったけど書きあがったので投稿。
今回は短いですが無駄に盛り沢山。

・旧作からのファンなら一度は考えたことのあるネタをやってみた
・ついにあのシリーズからキャラ参戦
・そして……






第26話:”たった一つの勲章だって、この胸に信じて生きてきた”

 

 

 

 戦争というのは、古今東西を問わずに悲劇だ。

 それは間違いないのだが……だが、個人的にはそうとばかりとも言い切れないシチュエーションが存在していた。

 

! 島じゃないかっ!!」

 

「えっ!? 古代!?」

 

 まだ搬入作業が残っていた斎藤始や永倉志織と別れた古代(と山本玲)が次にエンカウントしたのは、天パと健康的に焼けた肌がトレードマークの青年だった。

 

「お前なんだってこんな場所に……確かテストパイロットになったって聞いたぞ?」

 

「そのテストする機体ごと、故合ってヤマトに乗り込むことになったんだが……」

 

 だがそこで、

 

”くいくいっ”

 

 と遠慮がち恋人つなぎしたままの手を引っ張る玲だった。

 

「進さん、この人は?」

 

「ああっ。コイツは島大介、沖縄出身の士官学校の同期だよ。今の本業は歌手じゃなかったか? デビュー曲は確か”男の勲章”だっけ?」

 

”ツッパることが男の~♪” って何をやらせんじゃい! それにそっちは字違いの”しま・だいすけ”だっ!」

 

”ぱかんっ!”

 

「OUCH!」

 

 危うく200年以上前の名曲を熱唱させられかけた天パ青年の拳が実に進の頭でいい音を立てる。

 正しくは、”男の勲章”は”嶋大輔”(しま・だいすけ)”アニキの昭和の名曲だ。

 もっともこの青年の場合、ルックス的にも声質的にも、ニキよりもカバーの「今日から俺は(ドラマ版)」verになってしまいそうだが。なんなら進もセットで。

 

「なんか既に懐かしいネタだなぁ、ヲイ」

 

「島もツッコミの切れ味が変わらないようで何よりだ。一日一万回 感謝の正拳突きは今も欠かさずやってるのか?」

 

「するか! 沖縄人が全員、琉球唐手の達人だとは思うなよっ!!」

 

 いや、玲が思わずウサギ系なのに宇宙猫的な顔をしてるのも、さもありなん。

 ホントにこいつらは士官学校の同期なのだろうか? 実は演芸学校の同期で学生時代はコンビ組んでたと聞いても驚かない。

 

 まあ、実際に士官学校の同期なのは確かなようだ。ただ、島大介の方が実は1歳年上で、進が飛び級でさっさと卒業してしまったので、実際につるんでたのは実質1年くらいらしいが……間違いなく濃い目の1年だったのだろう。

 

「なんくるナイサー」

 

「いや、それ明らかに使い方間違ってるからな?」

 

 そんな少々羽目だかタガだかを外した会話の中に、

 

”くっくっくっ”

 

 という渋い笑い声が。

 

 

「ダイスケのそういう年相応のノリは珍しいな? 普段は妙に飄々としているから、実は年齢詐称を疑っていたところだ」

 

「カ、カーク少佐!」

 

 少し緊張気味に慌てて敬礼する大介。話しかけてきたのが上官だと早々に気づいていつの間にか敬礼していた進は、実に卒がない。

 玲も同じく敬礼しているが、これは思考を放棄して進のトレースをした結果だろう。彼女の頭の中身は9割がた進が占めてるのだろうし。

 

「初めましてだな? 若いパイロット君。”ジェームズ・()()()()()()()()()・カーク、連邦軍少佐でヤマトの主操舵士に任命された。よろしく頼む」

 

 ミドルネームがT(タイベリアス)ではなくF(フィッツジェラルド)、つまりここは”そういう世界線(タイムライン)”なのだろう。

 この白人男性の父親も母親も存命で年がまだ二十代半ばと若く、また乗る船は形は似ているがエンタープライズ()()()()

 クリンゴンやロミュランはおらず、その代わりガミラスやガトランティスが確認されている。

 Q連続体はいなくともテレサはいる。

 

「まあ、ダイスケの兄貴分みたいなもんさ。彼の父上、島大吾艦長(キャプテン・ダイゴ)には随分と世話になった」

 

 どうやらカークも相応にガミラスと戦った経験はあるのだろう。

 だが、大介は知っている。

 この敬愛すべき宇宙軍将校は、実は軍艦の艦長より探査船の船長になりたがっていることを。

 カークもまた、戦争がなければ軍ではなく科学省未確認領域探査局あたりに席を置いていた人物だろう。そうであるが故に、この戦争を終わらせたがっている事も。

 だからこそ、カーク自身もヤマトへの着任を好意的に受け止めていた。

 

「もっとも、今はダイスケの指導教官も兼ねるようだがね?」

 

 とウインク。こういう仕草もサマになるあたり、やっぱり国が他と同様に無くなってしまっても、アメリカンはアメリカンだ。

 大介の所属科は原作と同じく航海科、ポジションは操舵補助員だ。経験がほとんどないのに予定者が爆殺され、やむに已まれず文字通り舵取りを任された原作よりは恵まれてると言っていいだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*******************************

 

 

 

 

 

 

 さて、そんな和やかというか賑やかな再会もあれば、そうでない物もある。

 例えばここ、地球連邦軍本部の一角にある会議室がそうだ。

 今ここには、国防委員会の面々、それもタカ派と称される面子が顔をそろえていた。

 

「槙原君、テレサ殿はサーシャ・イスカンダル殿下の提案、いや言葉を隠さず言おう。ガミラスとの停戦を受ける”()()()”にはおおむね賛成と考えて良いのかね?」

 

 と問うのは、この集まりの首魁でカイゼル髭がチャーミングな芹沢虎徹地球連邦軍副司令官。

 沖田十三が旧作と同じ生年ゆえに年齢高低が逆転してしまった悲劇の登場人物でもある。

 

「ええ。強く賛成してますよ」

 

(”俺が”だけどね)

 

 と国防委員の若手でありながらテレサと太いパイプを持つことがつい最近も証明された為に発言力が上がった槙原康介(てんせいしゃ)は内心で付け加えた。

 テレサが言ったのは、コースケがそうしたいのなら、テレサはさんせーするよ♪”とだけだ。

 

「しかし、本当にそれだけの価値があるのかね? 儂には未だ、今の地球に必要かつ有益なシステムには思えないのだが……」

 

「何をおっしゃいます芹沢副司令!」

 

 槙原はここぞとばかり大きく腕を広げ、熱弁をふるう。

 

 

”コスモリバース・システム”ほど地球に有益な物はないと、私とテレサが断言しましょうっ!!」

 

 

 

 それはもしかしたら、地球連邦の命運を決める言葉だったのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ミドルネームが異なるように、ここはプライムでもケルヴィンでもない、シャトナーバースよりもオリジナルからはるかはるか離れたタイムラインのようですよ?

この世界線のヤマトは、「オリジナルクルー(?)が死なずに乗船する」ので、島大介は直ぐに舵を握ることはないです。

カークさんは、イメージ的には原作開始数年前って感じかな?
スタートレック系のキャラは書くのがかなり難しいですが、なんとか頑張ってみようかと。
とりあえず、あと二人ほど参戦予定ですが……少しづつ名前が違ったりしますので、ご了承ください。



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