たまには地球がチート臭くても良いのではないかと   作:ヤマトとトマトはなんか似てね?

28 / 98
久しぶりに女の子かけた気がするw
ただしエロ(実技)はない。残念。

尚且つ新キャラが……

この先もヤマト出航まではコロコロ視点が切り替わります。
ザッピング的な話って読むのも書くのも割と好き。




第28話:”ななつナナフシ とある大砲の完成に至るまでの四方山話”

 

 

 

 さて、ヤローばっかの話が続いたので、一服の清涼剤的な話を……

 

ここは地球にいくつかある迎賓館の一つ、弓状列島にある迎賓館だ。

 第四次世界大戦から約1世紀の後に建築されたのだが……当時の設計者は何を勘違いしたのか、公館なのに外観はもろにフランク・ロイド・ライト設計の旧帝国ホテル風。リスペクトというよりまんまだ。

 そして、迎賓館の別名が”鹿鳴館”だ。

 この時代は懐古趣味でも流行っていたのだろうか?

 西暦2199年のこの時代、他の国同様に日本という国体も歴史用語になって久しいが、構えの帝国ホテルといい名前の鹿鳴館といい、どうにもこの地に歴史的因縁やあるいは業があり過ぎる。

 

 かつて、そして今も東京と呼ばれるこの街で、今日も順調に業が堆積するようだ。

 

 

 

「ユリーシャ、もう帰り支度は済んだのかしら?」

 

「ええ。サーシャお姉さま。お土産はばっちりだよぉ♪」

 

 1年ほど前を皮切りに、この”鹿鳴館”は二匹の女狐の根城になっていた……失礼。つい本音が出た。

 公式には、遥か16万8千光年彼方の大マゼラン星雲にあるサレザー恒星系の第4惑星”イスカンダル”より足を運ばれた、高貴なる二人の使者、王女殿下姉妹を国賓待遇でお迎えしていた。

 まあ、確かに狐耳とか尻尾は似合いそうだ。容姿だけじゃない意味も含んで。

 

「ところで……私の船のセンサーが微弱な次元共鳴振を計測したんだけど? この自然発生じゃ有り得ない波形ってもしかして……」

 

 彼女、上の王女ことイスカンダル王族三姉妹の次女、サーシャ・イスカンダルは、帰国を間近に控えたせいかいつも以上にほわほわした空気を醸し出している妹とは対照的に、どこか凛とした空気をまとわせた雰囲気のまま形の良い眉をひそめた。

 

 「次元波動機関内部での超弦縮退と”余剰次元”の解放だね? うん。ユリーシャの船も1年間で何度か確認してるよ? 多分、7回くらい? 方向から考えると”ほわいとさんず星系”とかで実験してるんじゃないかな」

 

 あっけらかんと言い放つ妹に、サーシャは頭痛を感じた。

 一年前に地球に初めて飛来したイスカンダル人となったユリーシャ・イスカンダル第三王女の愛船”トゥーランドット”、同じくこの間来訪したサーシャ・イスカンダル第二王女の愛船”シェヘラザード”は、いずれも地球連邦が厳重な管理下に置き、休眠状態にあるはずだが……

 相手はオリジナル波動コアを今でも普通に生み出せるイスカンダルである。地球の監視を欺いて船の各種センサーをサイレントモードでアクティブ化させるくらい訳ないのだろう。

 いや、もしかしたら彼女達は欺いてるという意識すらないかもしれない。

 彼女たちのメンタリティを考えれば、「地球人が気づかないことをわざわざ教える必要はない」くらいにしか思っていない可能性がある。

 今こうして普通に「地球連邦人に聞かれたら都合の悪いだろう」会話しているが、無論、二人は盗聴器の存在も鹿鳴館全体に仕掛けられた収音マイクや隠蔽監視カメラの存在に気が付いている。

 そして、気づいたうえで「レディの会話を盗み聞きしたり盗み見したりするのはよくない」という理由で、無効化しているのだ。

 それもそれらの機材に一切触れることなく、情報だけが「理解はできるが意味のない」ものに並べ替えられてしまうのだ。

 

「ユリーシャ……貴女、それがわかっていてなんでそんなに、

 

はてな?」

 

 ユリーシャはセリフ通りに不思議そうに首を傾げ、

 

「ユリーシャがあげた波動コアや波動機関の設計図で、地球人は創意工夫して作れる物を作っただけだよ? それがたまたま”ご先祖様たちが作ったものに()()()()()”、何か問題あるの?」

 

 少しだけフォローしたい。

 実は「次元波動理論を応用したとある火器」の開発は、昨日今日始まったのではなく、実は遅く見積もっても5年前には始まっている。

 暗号名は、「イズモ計画」

 大きく二つの理由で可能となった計画だった。

 

 一つはガミラスから手に入れた大量の鹵獲艦。中破判定以上で修復による性能評価が不可能と判定された損傷間の中で、彼らがゲシュタム機関と呼ぶ「波動コアを用いた主機」が取り出し可能なものが相当数あったから。

 

 もう一つの理由は、実は元々地球連邦にも次元波動理論(M理論)ではなくインフレーション理論の応用だが「マイクロ・ブラックホールを用いた武器」があったからだ。

 開発コードは”ナナフシ”。ナデシコE型のYユニット用特殊装備として試作された武装で、「重力子を圧縮→縮退させ、マイクロ・ブラックホール化して射出」するという武器だった。

 破壊の骨子は当然運動エネルギーではなく、”マイクロブラックホールの蒸散による膨大な熱量の解放と巨大なガンマ線バースト”だ。

 だが、試作にとどまってしまったのは当然、欠陥があったからだ。

 まず既存の技術ではマイクロ・ブラックホール生成まで時間がかかりすぎること。つまり、発射速度がとても遅いのだ。

 警告してから地上の都市を吹き飛ばすような使い方ならともかく、展開の速い宇宙戦ではチャージしたまま戦場にきて初弾を放つのはいいが、戦域で次弾を装填することが不可能とされるほど遅い。

 そしてもう一つは、「射程が短い」ことだ。原作では「完成すれば地球の裏側も狙撃できる」とされていたが、所詮はその射程しかなく光秒単位の距離で撃ち合う宇宙では短すぎるのだ。

 というのも、ナナフシの射程は蒸散によるエネルギー開放を威力とする関係から「マイクロ・ブラックホールの維持可能時間」に依存していて、現状ではその投射方法が速度上限が限られる電磁加速式しかない。ナナフシの別名が「重力レールガン」と呼ばれるゆえんである。

 

 一時期、同じYユニットのオプション兵装であるボソンジャンプを応用した”次元跳躍砲”とのかけ合わせも検討されたことがあったが、ちょっと考えればわかる話だが、あれは通常状態(フェルミ素子状態)の物質を疑似的にボース粒子化して量子跳躍させるシステムであり、大統一理論においても別枠として扱われる重力、その塊であるマイクロ・ブラックホールをボース粒子化するのは技術的に無理がありすぎた。

 ブラックホールの別名が”重力特異点”とされるように、ブラックホールは物質ではなく「重力という場の一形態」だから当然の帰結と言えた。

 

 だが、実戦投入できる完成度に至らなかったとはいえ、結果としてのその技術は無駄にならなかった。

 そう、この世界線において”あの大砲”は、何も真田志郎が天才だからというだけで完成した訳ではなかった。

 たとえ真田が最後の重要な1ピースだったとしても、そこに至るまでの道筋はちゃんとあった訳だ。

 そして、今は地球連邦領宙の某所で、試験を繰り返していた。

 

「だからヤマトにも試験砲の一つが詰まれてるけど?」

 

 無論、既に別の船に接続して試射済みのそれだ。試射もせず、威力も射程も安全性も確認できてない装備を大切な特務艦に搭載し、ぶっつけ本番で撃たせるほど地球連邦は余裕のない国家ではない。

 

「ユリーシャ、でもそれは姉様が定める”禁忌の技術”、ガミラスにすら渡していない物なのよ……?」

 

「なにが禁忌なのかな?」

 

「……ユリーシャ……?」

 

だから、星をいくつか吹き飛ばしても、大マゼラン星雲一つも統一できず、結局は宇宙から追いやられ星一つに閉じこもって、報復が怖いからって本来の民族の名前すらも封印した……()()()()()()()の情けない民族が隠し持ってる技術の、何が一体禁忌なのかな……?

 

「ユリーシャ、いきなり声色変えるのやめて。正直、怖いわ」

 

「それにね、サーシャお姉さま、さっきも言ったけど地球人はユリーシャたちの技術で、あれを作ったんじゃないだよ? エンジンやコアは確かにイスカンダルのかもしれないけど、あの大砲は間違いなく自分たちで作ったんだよ。人間ってすごいね? 生まれる星は違っても、同じこと考えつくんだもん。ユリーシャ、感動しちゃった♪ それにね……」

 

 ユリーシャはうふふと微笑みながら下腹部を撫でた。

 

「同じ人間だから、赤ちゃんだって作れるし♪」

 

「ユ、ユリーシャ、貴女まさか……」

 

 だが、彼女は首を横に振り、

 

「まだだよ。でも……」

 

 ホッとする姉を気にすることもなく、ユリーシャは瞳を急速に濁らせてゆく……

 

旅が終わるまでに、なんとかしたいかな……?

 

 そして彼女の視線は既にサーシャを見ておらず、「ヤマト乗艦予定者名簿」が収められた端末へと移っていた。

 

可愛いなぁ……ペットのウサギさんと一緒に食べちゃいたいくらいだよぉ……♪

 

 

 

 ユリーシャ・イスカンダル……下の王女と呼ばれる彼女もまた、「正しくイスカンダルの女」なのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




古代君はヤベー奴に目をつけられたみたいですよ?w

とある三姉妹の特徴(簡易版)

長女
世話好き。陰謀は嫌いじゃないが存外底は浅い。腹黒くても悪人にはなり切れない。
女王様というよりおねーたま気質。実は母性本能三姉妹最高説。でも未婚w
古代守との結婚フラグはベキベキにへし折れた公算大(弟と違って守は一夫一推奨派)
残念美人疑惑がある。だって、きっこおねーちゃんだし(出所不明根拠


次女
原作では登場シーンでナンマイダーだったせいか、三姉妹の中で最も生真面目なキャラ付け。抑え役……な筈。
クールもしくはクーデレっぽく見えるが、割とビビりな隠れポンコツ気質。実は地球連邦には奔放すぎる三女より「王族っぽくて付き合いやすい」と思われている。
たまに妹が怖い。
所々残念な気がする姉と、地球への最初の使者の座を旅行気分でかすめ取った妹に挟まれ、苦労人気質な気がする。本人は決して認めないだろうが。

三女
三姉妹で一番ヤベー奴(確定)。お肉大好き肉食系女子(意味深)
自由奔放にして天衣無縫。言動は天然っぽいが、実はダークサイドを多分に持ってそう。精神的には先祖返りしてたりして。
そのうち闇落ちして「ダース・ユリーシャ」とかになりそうで怖いw
護身用にフェイザー銃ではなくライトセイバーとか持ってても不思議じゃないキャラ。景気よく振り回しそう。光刃は黄色→赤とか?
いや、世界観的には「反重力サーベル」の方か?(ドコエメラルダスナンダー
最初の地球への使者は次女だったはずなのに、その船を強奪して強行突破した前科……があるらしい。あくまで噂だが。










  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。