たまには地球がチート臭くても良いのではないかと 作:ヤマトとトマトはなんか似てね?
八月最後のアップになるかは微妙。
中途半端な時間だけど、読んでもらえると嬉しいっす。
一応は伏線回収回。
玲もユリーシャも綺麗どころだけど、永倉も美人だなっと思う。
「うわぁ。
搬入される4機の”ゴーストX9 ver S”イスカンダル輸出用増加試作型……
それに立ち会うという名目でまたヤマトに来ていたユリーシャ・イスカンダルは、古代進の左腕に抱きつき……より正しく言うなら「進の左腕を胸の谷間に挟むようにして」はしゃいでいた。
常に攻めの姿勢を忘れない女、その名はユリーシャ・イスカンダル!
いつの間にかファーストネームも呼び捨てにしてるしね。
もちろん進の右手は勿論空いてるわけではなく、いつものように可愛い可愛い
それを横目で見ながら、イサム・ダイソンは内心で呟く。
(何が”ブラックバード”だよ……)
「なんか、”ホワイトバード”って感じだな? それに……玲、こう試しに飛ばしてみたくならないか? 理由はわからないけど」
何やら
「それは同感ですけど、生憎と有人機用コックピット・ブロックは用意されてないみたいですね? 残念ですが」
実はこのブラックバード……いや、ホワイトバードは元が元だけにコントロールユニット・ブロックはVF-11シリーズのコックピット・ブロックと全く同寸で、設計上ユニットを引っこ抜いてVF-11シリーズのコックピット・ブロックを少し改修して乗っければ、あとはわずかな調整で有人機に早変わりさせることもできる。
だが、せっかく無人機として売り込んでいるのに、わざわざ有人機用のコンパーチブル・キットを用意するほどスーパーノヴァ・アライアンスも物好きではない。
「ススム、ウサギさん、乗れるようにしたいの? 買ってあげようか? わたし、これでもお金持ちだよ?」
その資金がどこから出てるのかは語らないユリーシャ。
しかし、当然ながら進は首を横に振り、
「いや、今はいいよ。どういう訳か心惹かれるのは確かだけど、俺と玲にはVF-19Aのデータをとるって重要な仕事があるし」
問題となるのはそこじゃないだろう?とツッコむ者は、もういない。
「VF-19A? ああ、あの
「呼んだかい?」
ニィッと笑って登場したのは、如何にも生物学的な強者感を出す、
「永倉、君のことじゃないさ。それに君は歴戦の軍
そうご存知、空間騎兵隊の誇る姉御肌の
今日もピンとたった耳とふさっとした揺れる尻尾がチャーミング。
「あははー。大尉にそう評してもらえるのは嬉しいけどね、私自身はまだそこまで鉄火場潜った自信はないよ」
さて、何でこんな場所に空間騎兵隊が居るのかと言えば……何のことはない。ただいま絶賛テスト中の新装備”試製99式空間機動甲冑”の慣熟訓練の一環として、ホワイトバードの装備搬入を手伝っていたのだ。
無論、これはホワイトバードの場合だけでなく、他の搬入作業もスケジュール的に折り合いがつけば運用テスト名目で参加していた。
おかげで「乱暴者で荒っぽい」という印象の空間騎兵隊は、ヤマト界隈での評価/評判は鰻登り、実験中隊も可動データのオンパレードでホクホクと、まさにwin-winな良好な関係を構築している。
ちなみに永倉は、機動甲冑を装着していない。
何しろ体力自慢の
握力左右平均500kg以上(寺沢武一先生の往年の名作”コブラ”の主人公や、ゴリラの握力が500kgくらいとされている)、パンチ力は㎏でなくtで計測し、重機用タイヤを楽々トレーニングで引っ張るというフィジカル・スペックなのだから無理もない。
という訳で、斎藤の率いる実験第1小隊B分隊でも永倉は99式とは別の「まだ正式名称の決まってない獣人系向け”戦闘用
なんか……99式とは毛色の違う、何となくメルトランディのパワードスーツっぽい感じの奴のようだ。開発者の趣味なのか? 何故かウマ耳型のセンサーとか尻尾状のテール・スタビライザーが付いてた気がするが。
感謝されることに慣れてない空間騎兵隊の強面たちは、感謝の言葉を受けるその度にくすぐったそうな顔をしているが、そこには何というかほっこりした空気が漂ってしまう。
中には純朴で実直、荒っぽいが男臭い空間騎兵隊の魅力にやられた搭乗予定の女の子もいるらしく、出航前だというのにさっそく成立したカップルが数組いるらしい。
そうそう、言い忘れていたがこの世界線のヤマト、原作と比べても女の子の搭乗比率がずっと高い。
正確には、男女比は48:52だ。実は今回のイスカンダル行に搭乗する約1800名の内訳は、僅かに女性の方が多い。
だが、これでも地球連邦軍人事部の苦労がうかがわれる話なのだ。
地球連邦全体の男女人口比は4割弱(39):6割強(61)。連邦法で一夫一妻縛りができない元凶である。
軍の比率はいくらかマシで、男女比44:56。実は連邦軍が人気の就職先である理由は安定さが売りの公務員のわりに給料が良い(危険手当とか手当が多い)、福利厚生がしっかりしてるという理由以外にも、裏の理由として「男性比率が高い」というのもあるのだ。
特に出会いが欲しい女性には、割と憧れの職場なのだ。
その中でもヤマト、連邦軍の中でも指折りの男性比率を誇る職場だった。
「ところで古代大尉殿、今日は”これ”の日だけど……予定、開けてるよね?」
くいっとコップ酒をあおる仕草をする永倉。
セクション31……ではなく31話で進と斎藤が盛り上がってた乱痴気騒ぎ確定の飲み会、いやいや「他セクションとの親睦交流会」は、出航十日前となった本日が決行日なのだった。
「勿論。ダイソン少佐も参加するって言ってるし」
と視線を向けるとイサムは適当にひらひらと手を振り返してくる。
まあ、この男は根本的に宴会とか好きそうだし。
「ところでイスカンダルのお姫さんはどうすんだい? 来るなら歓迎するよ? うちの隊長が気合入れて結構デカい居酒屋一軒丸々キープしたから、キャパはまだ余裕あるしね」
こ、この永倉、意外と怖いもの知らずである。
政府の国賓待遇者にいきなり庶民酒場へ誘いをかけやがった!
「えっ? わたしもいいの? いくいくっ♪」
いや、それで良いのかユリーシャ・イスカンダル?
「ユリーシャ、いいのかい? 今日の予定とか、勝手に参加決めちゃってとか」
そして、既に名前呼びの古代進。怖いもの知らずで言えばコヤツもか。
気にするとこはそこじゃないだるろぉっ!?と常識的なツッコミを入れる人間は、やはりここにはいない。
イサムはイサムで、「胎黒姫って話だし、まあいいか」とか考えていた。
「いいんだよぉ♪ 元々、イスカンダリアンは自由にして自在なる
きっと今の発言で、ユリーシャの身辺警備担当の保安要員は忸怩たる涙を流していることだろう。
誰とは言わないが星名とか、ほっしーなとか、トオル君あたりが。
伊東さん?
彼はどこぞの議員につきっきりですが、何か?
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そして……東京は神田、回らない寿司屋”超神田川寿司”
「伊東さん、俺も女の子と飲みに行きたいんだけど……」
「ヤマト出航まであと十日だというのに、何を言ってるんですか? この議員」
「いや、だってさぁ……俺の周りだけ色気なくね?」
だって、天然バニーガールとかリアル・ウマ娘がいる世界で、男と二人で飯食ってる構図って実際、どうなん?
そりゃ飯は豪華だけどさぁ。そういうんじゃないんだよ、そういうんじゃ。
というかこの絵面って誰得なんだよ?
「少なくても私得ですが? 面倒ごとが減っていい」
「さらりと心読むのやめて」
「槇原議員、貴方は少々顔に出すぎです」
ポーカーフェイスって苦手なんよ。
「髭を剃ったら女子〇生とか落ちてないかな?」
「……阿呆ですか貴方は。テレサ殿としょっちゅう遊んでるんですから、それで我慢してください」
あれ、遊んでる内に入るのか?
しょうがないから、暇つぶしに”波動砲艦計画”の改善案でも考えてみますか。
「波動砲撃ったらハイお終い」な船じゃあ、ガトランティス相手には話にならんし。
「是非そうしてください」
いや、だからナチュラルに読心すんなっつーの。
現在のストックはこれで終了。
37話は、まださわりしか書いてないので、気長に待ってもらえればと。
それでは、お待ちかね(誰も待ってないと思うけど)のオマケ設定っす。
***
無人高機動要撃CIWS”ゴーストX9 ver S /ブラックバード”
略称:ブラックバード(イスカンダル輸出仕様はそのカラーリングから”ホワイトバード”と呼称)
デザイン:コスモゼロの左右ブレンデッドウイング風のバルジ上面にタンク状の高機動ユニットではなく、より大型のVF-11Cのそれを発展させたスーパーパック型高機動ユニットを搭載した物。ただしキャノピー部はコックピット同様に無くなり、それを補うように機体上下面にVF-11Cの頭部をレーザーCIWSごと流用したパノラマセンサーが付く。
ブラックバードのペットネームとは裏腹に、初期の試作モデルはVF-17を揶揄って黒を基調としたカラーリングだったが、地球連邦軍正式採用機は普通にコスモゼロカラー(塗装をケチった説)、イスカンダル輸出仕様は耐ビームコーティングが施された純白だった。
武装
・陽電子ガンランチャー×1(エンケラドゥスでガミラス戦車を射貫いていたあれの強化版。電磁弾殻に陽電子を封入し電磁投射式で射出)
・35㎜パルスレーザー×4(機体前方下面)
・旋回式レーザー単装砲×2(VF-11Cの頭部の流用。機体中央の上下面)
・15連装マイクロ・ミサイルランチャー×2(機体上面左右高機動ユニットに内臓)
機関
・主機:
・副機:APU兼用小型熱核反応タービン×2(メインエンジン左右。ブレンデッドウイング状バルジ部分)
・重力ビームレシーバー(母艦からの重力ビームを受け時機のエネルギーに変換)
・回転ターレットスラスター式高機動ユニット×2(機体上面左右)
防御装備
・エネルギー転換装甲(エネルギー転換素材はフレームなどにも一部採用)
・ディストーション・フィールド(母艦からの重力ビーム受電時のみ使用可能)
・積層式蒸散耐ビーム・コーティング(イスカンダル輸出仕様のみ。イスカンダル輸出モデルが純白の理由)
その他の装備
・簡易式自衛用アクティブ・ステルス機材
・簡易式低価格
・半自立型制御システム(母艦からの多重量子通信コントロールと搭載量子脳自立制御の併用。母艦からのコントロールが受けられなくなった時点でのみ完全自立行動をとる)
外部装備
・対艦熱核反応弾(最大4発を主翼下面に搭載。VF-11/17シリーズと共通装備)
・4連装高機動ミサイルランチャー(左右主翼上面に1基ずつ搭載可能。VF-11/17シリーズと共通装備)
・ドロップ式プロペラントタンク(必要な場合のみ)
備考
名前の通り、敵機からの艦隊直掩防空、個艦防空を担うために作られた無人機。大気圏内外を問わず運用可能。
原型となったのは、ガミラスとの開戦前にスーパーノヴァ・アライアンスのプライベート・プランで試作された”コスモゼロ”という開発コードを持つ非変形有人汎用戦闘機”。
「調達コスト以外に可変戦闘機に対しての優位性は認められない」という事で採用されなかったが、その後は堅実で堅牢な機体設計から
だが、コスモゼロが再び着目されたのは、”ゴーストX9”計画が始まってからだ。
ガミラスに”ゴーストX7”規格の対艦無人機”ファントム”を一蹴されたこと、”ゴーストX8”計画で迎撃機路線は決定したが、成果物がガミラス機動兵器群と対峙した際に優位を保てると判断できる内容が乏しかったこと。
また鹵獲されたガミラス艦の装備品の再調査が行われ、彼らが地球を凌駕するドローン・テクノロジーを持つことが改めて認識された事が引き金となり開発がスタートしたのが”ゴーストX9”計画だ。
この計画で「将来的な無人機像の模索」を命じられたギャラクシー・アライアンスに対し、「既存の技術を積み重ね、可能な限り早急に高性能無人機の開発」を命じられたのがスーパーノヴァ・アライアンスだった。
その裏には幾つもの政治的思惑があったようだが……それはともかく、その要求に対してベースとして選択したのが「ネジの一本一本の位置まで把握している、非変形戦闘機の中では新しく高性能」な”コスモゼロ”だった。
このコスモゼロ、実は技術的にはVF-11シリーズと同じコックピット・ブロックシステムやユニット構造のボディを採用しており、単純な無人機化ならば”無人機用のコントロール・ブロック”に入れ替えるだけで可能だったのだ。
そして、それを叩き台にブラッシュアップし、完成に漕ぎつけたのが”ブラックバード”だった。
ブラックバードというペットネームや、その由来となった初期型の黒い機体色は「VF-17に対する揶揄」とされていたが、それは誤りでこの初期型は”簡易パッシブステルス”機として作られ、VF-17と同じステルス・コーティングが施されていた為に同じ黒色になったというだけだった。
だが、試作3号機あたりで(VF-11EXと同じ)簡易アクティブステルス機材の搭載が可能なことが判明した為に設計を小変更。
表面コーティングやミサイルなど外部登載機材に関する制限は緩和されたのだが、名称は特に変える意味が無かったのでそのまま”ブラックバード”が継続使用されている。
また、わざわざ”要撃CIWS”とされているのは機動兵器相手の防空戦闘だけでなく、発射速度は遅いが高威力の陽電子ガンランチャーが限定的ながら対装甲/対艦攻撃能力があり、またVF系と同じ対艦反応弾の装備/運用が可能なため肉薄する敵艦に対する攻撃能力を有するかららしい。
ただ、設計上は重力ビーム送電の到達範囲での行動が基本で、その場合はディストーション・フィールドも展開可能なため見た目以上にタフだ。
余談ながら、イスカンダルへのプレゼン用の増加試作型は表面処理の制限が無くなったメリットを活かし、純白の最新耐ビーム・コーティングが施されていた。純白の機体色は実はコーティングのカラーだった。
だが、”ブラックバード”開発の逸話の中で驚くべきは「ケリー・ジョンソン(クラレンス・レオナルド・ジョンソン)率いる開発チーム”スカンクワークス”がP-80戦闘機を開発した時並みの速さ」で開発/試作機を製造したことだろう。
彼とそのワークスはの1943年6月23日に開発命令を受け、その約半年後(183日後)の1944年1月8日には最初の試作機”XP-80”の初飛行に漕ぎつけている。
また、ブラックバードの異名をもつ初代の航空機は、このケリー・ジョンソンと彼率いるスカンクワークスの傑作”SR-71 戦略偵察機”であったことも、歴史の奇妙な符号を感じる。
後年、宇宙時代のケリー・ジョンソンと言われるヤン・ノイマンが原案あるいは基礎設計者だったとされる俗説が流布したが、それは全くの誤りで、作中に出てきたようにヤンはこの時期VF-19シリーズにかかりきりで、ゴーストX9計画にはかかわってない。
追記
・ギャラクシー・アライアンスが開発中の”ver G”は、オリジナルの”ゴーストX9”に近い機体。
・実はVFシリーズに専用の量子通信中継機材(中継ポッド)を載せれば、ある程度の母艦から離れても半自立制御は可能。
・実は有人機の随伴機としてのモードがある。ただ、まだ実用的とは言い難いらしい(可変戦闘機の戦場でのトリッキーな動きに最適化されてないため)
・母艦からの半自立制御モードだと「行け! ファン〇ル!」ごっこができる。ビッ〇でもドラグー〇でもファ〇グでも可。