たまには地球がチート臭くても良いのではないかと 作:ヤマトとトマトはなんか似てね?
飲み会の後半なのですが……オカシイ。
もっと色艶のある話になるはずだったのに。
とりあえず地球外起源の三人娘が語り合う回です。
世の男に問う
アルパイン・”クワイエット”・アビス(2042 - ? 作家。詩人。記者)
いきなりどうでもよい話から始まって恐縮だが、古代進大尉の「地球外起源種の女の子好き」は公然の秘密を通り越して”周知の事実”化している気がする。
まあ、山本玲といつもあれだけ引っ付いてりゃ無理もないが。
ただし、獣人系の年頃の娘達の間では、本質が変質してただの「ケモっ娘好き」として流布されてるような気がしてならない。
だが、あえて言おう……噓であると!
確かに古代進はケモっ娘が好きだ。
ウサっ娘も、ウマっ娘も、何ならネコ耳もイヌ耳もキツネ尻尾もトラ縞だって好きだろう。
だが、それはケモっ娘だから好きなのではなく、ケモっ娘が地球起源で無いから好きなのである。
つまり、順序が逆なのだ。
そして、そんな進の状態を横目で見ていた永倉志織は、
「あれ、いいの?」
と山本玲に問い掛ける。
「何がです?」
今はプライベート、階級でなく年上の女性として丁寧に返す玲に、
「ああ、
逆に
何かにつけて1位を獲りたがるのは、もはや本能と言っていい。
「はい。怖いのは、捨てられて野良になることくらいで……進さんに愛でられればそれで。他の種族の方が言う独占欲とかもよくわかりませんし。気にするとすれば、群れの大きさとかでしょうか?」
まあ、だからこそ玲はせっかくの宴席で、進の隣を空けていたのだ。
無論、新たに名乗りを上げる群れの候補者の為に。
「あー、
番い=一夫一妻
「えっ? でも、一つの星で暮らして頃から住んでる地域によっては群れを作ってたって聞いてますよ? 進さんはきっと、そっちの家系でしょうし」
群れ=一夫多妻、あるいは一妻多夫
当然、進……というか古代家は群れを率いる家系ではない。由緒正しい番いの家系だ。多分、きっと、メイビー。
「まあ、いいけどさ。確かに大尉なら、良い”群れ
玲はくぴりとレモンチューハイで喉を潤し、
「そういうの、わかるんですね?」
「まあね。そういう種族だし。どうせ産むなら自分を超えていきそうな強い子が良い。私ら
「だから、斎藤さんの”愛
永倉はうんうんと頷き、
「それもある。まあ、単純に強いオスが好きっていうのもあるけどね。
「それは否定しません。それだけじゃないけど、否定できません。できるわけがない」
野生をその身に色濃く残す者としては当然すぎる回答だった。玲だって今じゃないだけで、いつかは仔を宿したい。どうせ産むなら強い仔がいい。
だけど、今は愛でられ貪られる快楽と悦楽を、一匹の堕ちてゆくケモノとして耽溺したい……彼女は自分に正直なのだ。
母になるのは、それを
すると、”くすくすくす♪”と楽し気な笑い声がして、
「面白い。ちゃんと種族差ってあるんだね?」
そう興味深そうなのは、ご存知ユリーシャ・イスカンダルだ。
姫様だというのに生ビールを割とぐびぐびいっている。もしかして、酒豪なのだろうか?
「そういう姫様はどうなんだい? 好みって奴くらいあるんだろ?」
何やらホーシアンだけにウマが合ったのか、もう気安い永倉に、
「ユリーシャ、でいいよ? うーん。好みって言うのかわからないけど、ススムとの赤ちゃんはすごく欲しいかな? きっと可愛い子が生まれるよ♪」
さり気なく爆弾発言をするユリーシャだが、こと子孫を残すことに関しては地球人より熱心、あるいは執心するされる獣人系二人。その発意すらも「そりゃそーだろうな(そりゃそーよね)」とスルーされてしまった。
連邦に属する前は成人に至れずこの世を去る子も多く、また今でも地球系より懐妊しにくいという種族的背景が朧気ながらわかる発想だ。
とりあえず進は、別のウサギとウマに絡まれ、幸運だったのかもしれない、いや、それとも不運なのか?
だけど別のことが気になった玲は小首を傾げ、
「可愛い? カッコイイじゃなくて?」
「ううん。きっと可愛い女の子だよ? だってススム、可愛いし♪」
と満面の笑顔のユリーシャ。見解の相違という奴だろうか?
まあ、そこは深く追求しても大した意味はない。
「どうして雌だって断定できるんだい?」
「言ってなかった? イスカンダル人は女しかいないよ? どんな星の男の人と契ってはらんでも、イスカンダル人からはイスカンダル人しか生まれない。だから女しかいないの」
ぎょっとする玲に何か悟ったような顔をする永倉……女しかいないイスカンダル人は単体では増えない。その意味は確かに闇の深さを感じる話だ。
「そりゃまた業の深い話だねぇ」
「イスカンダルの業はね、とても深いんだよ? 宇宙の闇と同じくらい」
だが、永倉は大して気にした様子もなく、
「ふーん。まあ、業が深いって意味じゃ
「ウマの人はどんな業の深さがあるの?」
興味津々といった様子のユリーシャに苦笑しながらも視線を斎藤の方へ送り、
「さっきから隊長にくっついてる
永倉はぐいっと芋焼酎を呷り、
「ホント、可愛い娘だよ。幼いころの付き合いらしくてね。隊長を兄のように慕って……きっと心の内じゃ、お嫁さんになりたいとか思ってるんじゃないのかい?」
「……永倉さんは違うってこと?」
永倉は小さくうなずき、
「求めてる物が違うのさ。”愛バ”っていうのは、別に嫁のことじゃない。そういうのもあるかもしれないけど、少なくとも私が求めてるのはそこじゃない。自分で言うのもなんだけど、私はそもそも嫁よりも旦那向きの性格だよ」
「ホントにそれ自分で言うかなぁ」
呆れるようなユリーシャに、永倉はニヤリと男前に笑い、
「事実だからね。それに私は”軍バ”だからね。軍バには軍バなりの愛バのなり方や作法ってのがある」
「例えば、どんな?」
焼き鳥をかじかじしてるユリーシャが問えば、
「これぞと認めた
そして永倉はどこか夢見るように、
「今からガミラスとの停戦に行く船に乗るってのに、こんな事を言うなんて我ながら阿呆だとは思うけどね……戦って戦って、心ゆくまで戦って、最後に好きな男と同じ場所に
「それって一緒に死んじゃう……ってこと?」
「ああ」
永倉は大きくうなずくと、
「確かに隊長のガキを産むのも悪くないさ。ああ、悪くない未来だ。だけどね、それでも軍バとして生き、愛バとして死にたい……次の世代に命を繋ぐよりもなお強く、そう願う私も確かにいるのさ」
それは儚くもまたとても綺麗な微笑だった……
「それもまた、一つの理想なんだよ」
人にはそれぞれ望んだ生き方がある。
ならば臨んだ死に方があってもしかるべきなのだろう。
結局、何が幸せなのかなんて、生きた果てまで行き着いた者にしかわからないのだから。
基本、永倉は男前、いわゆる「おっぱいの付いたイケメン」的な立ち位置でしょうか?
今回の小ネタ
アルパイン・”クワイエット”・アビス→アンブローズ・グウィネット・ビアス。米国の誇る名著「悪魔の辞典」の著者。捻くった表現の宝庫。作者の好きな本ですが、大分前に紛失。
また買うかな?
次回からは、久しぶりにガミラス・サイドでも書こうかなーと。
戦闘の要望が思ったより多いですが、地球サイドは「戦争を終わらせ、和平へ繋げる」という意識が強い……というか既定路線にしたがってるので、あんま戦闘が無いんですよw
本領が発揮できそうな大きな会戦はあるにはあるんですが、それも結構先になりそうなので。
なのでちょっと次回投稿まで時間がかかりそうです。
さわりだけでも書こうとおもったんだけど、これがどうにもしっくりこない。
戦闘シーンは別に嫌いじゃないんですが……平和に慣れすぎたかな?w