たまには地球がチート臭くても良いのではないかと   作:ヤマトとトマトはなんか似てね?

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今回は、前回39話に至る背景を描いたって感じでしょうか?

デスラー総統府とはまた別の視点で軽くガミラスの現状を……と思ったら文字だらけにw

解説回みたいなものですが、一応は伏線回収や疑問回答にもなっております。
40話のキリ番回にしては、地味な内容ですがw






第40話:”バッググラウンド・オブ・ガミロン”

 

 

 

 大きく分けて二つあるとされる対ガトランティス最前線の一つ、通称”ルビー戦線”……

 

 ここを任せられるのは、第6空間機甲艦隊というガミラスきっての精鋭艦隊。

 もう一つの主戦域”サファイア戦線”は、あちらも負けず劣らずの第4/第5空間機甲艦隊が踏ん張っている。

 まあ、通常の精鋭とされる機甲艦隊2個が守る戦場を第6だけで支えているというのだから、その規模も強さもうっすらと見えてくる。

 そして、機甲艦隊と名の付く最後のナンバーである第7/8機甲艦隊は、完全にルビー/サファイヤ戦域のローテーション要員だ。

 

 実際、規模が些か大きい第6艦隊は装備更新やら何やらで後方に下がるとしても、艦隊丸々という訳にはいかない。

 それは、ルビー戦域の戦力があまりに急激に低下し、ガトランティスが何をしでかすかわからないからだ。

 

 なら、第6が2個機甲艦隊分の戦力があるなら、第7と第8を同時投入すれば良いと思うかもしれないが……そうすると、ガミラスの機甲予備が底をついてしまう。

 具体的に言えば、何らかの理由でサファイア戦線に大きな損耗が発生した場合、急場に対応できなくなってしまう。

 それをガミラスは恐れる。

 

 だから、必要があれば第6は多くても半分、少なければ25%程度を後方(本国)に下げ、再編が終わる間、増援に来た第7ないし第8艦隊と居残り組は共同戦線は張り、ガトランティスの侵攻から戦域を守るのだ。

 

 さて、もう気づかれたと思う。

 このガミラスは明らかに「原作のガミラス帝国軍」と性質が異なる。

 原作は烈火のごとく攻めるときはそれなりに強かったが、軍どころか国家レベルで”防御に難あり”と評されるべき部分があった。

 だが、このガミラスは違う。

 言ってしまえば宇宙に艦隊を軸に軍港機能を持つ浮遊大陸、要塞などを用いた三次元重層戦線を構築し、それを起点に「宇宙版()()()()を得手とする軍隊に変貌していた。

 

 もう、お気づきだろうか?

 おそらく、銀河系の中で最も防御が得意な国、あるいはディフェンスに定評がある国はどこだろうか?

 原作世界で、この世界線と違いチートもないのに強敵に攻められ続けた国はどこだったろうか?

 

 はっきり言おう。

 地球連邦との足掛け8年にわたる戦いにおいてガミラスにもたらされたのは、何も膨大な戦死者に代表される「負の遺産」だけではない。

 いや、実はこれさえも語弊がある。等級……純血なのか被支配民を問わずに言うなら、「戦いの規模や沈んだと()()()船の数」から考えると、本当の戦死者はガミラス自身が考えてるよりずっとずっと少ない。

 ガミラスは伝統的に戦時行方不明者を「死体の見つからない死人」と数える(つまり、それは彼らが捕虜をどう扱ってきたのかを示す好例でもある)ので、まさか後に想像を遥かに上回る数が地球に拿捕されていたという事実……地球連邦の習性として自立航行できなくとも中破判定なら「もったいないから」、スクラップにしかならないような大破判定や今にも爆沈しそうな船さえも「放置すると後でデブリになり、航路上の危険物になりかねないから」と回収し、それに比例して救助された人員も多いという事実を知るはずもなかった。

 そして、地球の医療技術はガミラスよりもずっと高い。怪しげな古代技術を勘定に入れなければイスカンダルよりも高いぐらいだ。

 特に医療用ナノマシン・インプラントを使った治療や万能細胞を用いた再生治療、DNAチューニングなどは飛び抜けて高い。

 これは、一世紀の間に四度の世界大戦があり、地球人が総じて、あるいは例外なく放射線障害に苦しんだ哀しい過去があった結果なのだが……

 

 

 それはともかく、まさかガミラスも後で純粋な戦死者よりも多い、「その気になれば、惑星1個を丸々開拓できるだけの人員」が生き残っていたという驚愕の事実を聞くことになるとは、この時は夢にも思ってなかったろう。

 正確にはイスカンダルの二人の使者も、捕虜がいることは知っていても、その具体的な数は知らないし、興味がなかったから調べもしていない。おそらく、ガミラスの基準で考えていたのではないだろうか? 要するに宇宙で盛大な花火になる末路だ。

 さしものイスカンダル姉妹とて、地球起源種が「同じ船乗りだから」という奇特すぎる理由で敵味方問わずに沈みゆく船から救助し、「生きてる者、生きようとする意思を見せる者は、とりあえず生かす」というこれまた特異なメンタリティーを持っていることには気づいてなかったようだ。

 まあ、だからこそガミラスは今の所、捕虜交換など考えてもいないのだが……

 

 

 

 すまない。

 話が逸れ過ぎた。

 さて、ガミラスが大量の屍を代償(と思ってる)に手に入れたのは、地球連邦軍が得意とする「耐えて粘る戦い」に対する高い適性だ。

 ガミラス人から見て、地球人は途轍もなく粘り強く、いくら攻めても攻めきれず、防御線を崩せないままに撤退に追い込まれる……

 

 その地球の強さを、守る戦いだから発揮できる「攻めとは別の要素が必要となる強さ」をガミラス人は経験から学び取ったのだ。

 

 それは武器や装備と言ったハードウェアだけじゃない。人員の心構えから戦術/戦略、ドクトリンに至るまでソフトウェア的な側面までガミラス帝国軍を変質させたのだ。

 

 変質という言い方が気に入らないなら、言葉を変えよう。

 ガミラスは今や、銀河系でも有数の「守りの()()()な軍隊を有していた。

 そして、その事実を……まだ先遣隊規模とはいえ、ガトランティスの艦隊を完膚なきまでに叩き潰せる”強さ”を、地球はまだ知らない。

 

 

 

***

 

 

 

 ところで、ちょっと気にならないだろうか?

 日本人的な感覚なら最精鋭であるはずの第1や、それに続く第2、第3機甲艦隊の名が、最前線にないのかということを。

 

 では、余談ながら話そう。

 残る第1~3空間機甲艦隊は、まあ数は多いのだが……()()()()というだけで、この戦場に向かないのがよくわかる。

 特に本土防衛を担当する「事になっている」”第1空間機甲艦隊”の名目上の艦隊司令が、中央軍総監と兼任する某国家元帥閣下だというのだから何をいわんやである。

 つまり、ガミラス帝国の第1機甲艦隊は装備艦こそ国家元帥の意向と威光と財力で立派だが、「実力で第1を名乗ってる訳ではない」ということだ。

 更に言うなら、前にちょこっとだけ登場したハイドム・ギムレー長官率いる親衛隊が「国内の叛乱勢力の殲滅」を理由に強力な艦隊戦力を有している本当の理由が、「有事の際、第1艦隊の暴挙を抑えるため」だというのが笑えない。

 

 残る第2、第3はどこで遊んでいるのかと言えば……

 天の川銀河系方面にある程度ばらけて存在している。

 

 具体的には、巨大なスターゲートを守るために設置されたバラン星鎮守府を中心に、ゲートと鎮守府防衛を名目に大マゼラン星雲方面と天の川銀河方面に分艦隊単位で広く薄く哨戒任務についていた。

 装備や質は……まあ、それなり。

 彼らに特筆する何かを書くとすれば、地球連邦に欲をかまけて手を出してる勢力が、大本はこの機甲艦隊だったり末端だったり、子飼いだったりするのだ。

 ある意味、ここ最近の3年は、彼らこそが地球連邦にとってのガミラス軍であり、馴染み深い勢力だった。

 つまり、ゲール君が銀河系方面をうろちょろしてるのは、偶然ではないのだ。

 

「ぶえっくしょいっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

************************************

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お帰り、フォムト。大した戦果なのは認めてあげるけど……アンタが死んだら可愛い妹(メリア)が泣くってのは、忘れてないだろうね?」

 

 ()()()()()の艦橋に入るなり飛び込んできた、妙に耳に馴染んだ声色に、バーガーは降参とばかりに持っていたヘルメットごと両手を挙げる。

 

 かつての”チタベレーの女勇者”にして現ミランガルの艦長、何より「妹の軍隊入りは止められなかったが、本国付きの後方職に縫い付ける」事には成功した”強き姉”……

 

 友愛と尊敬を感じる女傑、”ネレディア・リッケ”中佐の顔を見て、初めてバーガーは無事帰艦を実感する。

 

(これも一種の通過儀礼というやつなのかねぇ)

 

 そんなことを頭の片隅で思いながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




とりあえず、書きあがったので連日更新っと。


まあ、今のガミラスはこんな感じということで。

そして……「原作開始前も含め死亡キャラが元気一杯」タグが仕事して、ガミロンな妹ちゃんはピンピンしてるのみたいですよ?w



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