たまには地球がチート臭くても良いのではないかと   作:ヤマトとトマトはなんか似てね?

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ついに戦闘の口火が切られました。
だけど、まあ、結果はお察しの通りかも?

期待通りじゃないかもしれないけど、楽しんでもらえたら嬉しいっす。







第46話:”見るがいい。これが君たちを屠る為、連邦が用意した力というものだよ”

 

 

 

コンゴウ型装甲巡航艦”スターゲイザー”、ブリッジ

 

 

 

「敵は機動兵器を積極的に運用せぬ、純粋な砲雷戦打撃部隊か……」

 

 正確には偵察機1機も飛ばさず、艦隊丸ごと一心不乱に突っ込んできているだけなのだが。

 

「そのようですな。まさに相手にとって不足なしと?」

 

 するとこの艦隊の指揮を執るジャン=ジャック・ピカード大佐は、胡散臭いものを見る目で、

 

「中佐、それは本気で言ってるのではあるまいな?」

 

 参謀は笑いをかみ殺すようにコホンと咳払いし、

 

「かかりましたな。呆気ないほどあっさりと」

 

 参謀の言葉に噓はない。

 旗艦と思われるガイデロール級を先頭に、有り得ないほどほどの密度で突撃してくる。

 だが残念なことに、その進行速度は「正統派ガミラス式高機動三次元水雷戦術」に慣れた地球連邦軍の将兵には、ゆっくりと感じてしまうレベルだった。

 

「こうまで簡単に釣れてしまうと、むしろ敵方の欺瞞を疑いたくなるが……」

 

 ピカードは自慢のスキンヘッドを一撫でして、

 

「まあ、実際の釣りでもままあるのだがな。”入れ食い”というものは」

 

 意外……と言えるのか?

 ピカードは存外にアウトドア好きだ。いや、実家が広大なブドウ畑付のワインセラーなのだから、ある意味、自然なのかもしれない。

 小柄で平たく、いつまでも若い(幼い)嫁×3も種族特性的にアウトドア好きなので、ちょうど良いのだろう(ただ、嫁たちはホーシアンの割にはインドア的なものも好むらしい)

 

 

 

「聞いたところによると、釣り人のこない場所の魚……いわゆるスレてない魚がそうなるのだとか」

 

 ピカードは頷く。つまり、こちらへ向かってくる陣形と呼べないような艦隊行動の稚拙さから、レゼックたちの経験の浅さがとっくに読み取られていたのだ。

 

「そういう魚は、疑似餌(ルアー)毛鉤(フライ)も本物の餌だと思って食いつくものだ。この間、妻たちといったキャンプ地の清流がそんな感じだったな」

 

 ピカードは妻の一人手製の毛鉤で釣り上げた時のニジマスの感覚を思い出しながら、

 

「では中佐」

 

「はっ! 全コンゴウ型、ムラサメ型、艦首グラビティ・ブラスト、艦首陽電子ショックカノン、砲撃よぉーい!」

 

 参謀の号令の元、5隻のコンゴウ型の艦首部に変化が起きる。ブレード状の構造物に保護のために格納されていたディストーション・ブレードが延び、収束された重力の射出方向と破壊範囲を定めるのだ。

 ナデシコ型の大きなそれに比べれば細く薄く頼りなく見えるそれは、ナデシコのように「巨大すぎる重力の奔流」を放つのでなければ、実用上は何の問題もなかった。

 言い方を変えれば、ガミラス艦を数隻まとめて捻り潰す程度の重力波を放つには、十分な性能があった。

 

 また、ムラサメ型の艦首にある防御キャップが開き、40.6サンチ長砲身陽電子ショックカノンの砲口を覗かせる。

 それに同期しているフィンパーツに仕込まれた精密長距離射撃用センサーも、今頃はせわしなく仕事をしていることだろう。

 

「照準の中心は先頭を走るガイデロール級を中心に。目標振り分けはオートのままで構わん。全艦、全兵装最終安全装置、解除(セフティ、オープン)……」

 

 そして、ピカード麾下のコンゴウ型+ムラサメ型の合計25隻の遠距離照準マーカーがグリーンを示し、

 

「ファイア!!」

 

 5条の指向性収束重力波と、20条の加速された高圧縮陽電子ビームが真空を駆け抜けたっ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ば、バカな……ただの一撃で、艦隊の中央が消し飛んだだとぉっ!?」

 

 思わずフォムト・バーガーは椅子から立ち上がってしまう。

 ガイデロール級を中心に密集突撃陣形らしきものを取っていたレゼックとその周辺の船は、収束された重力乱流に飲み込まれ……遺言も絶叫も残せずに圧壊して果てた。

 また、辛うじて飲み込まれなかった船も信じられないほど、ミゴウェザー・コーティングなどまるで意味がないとばかりに叩き込まれる強力というより凶悪なビームに次々と射貫かれ、現在進行形で次々と爆散している。

 

 想像して欲しい。

 初代、あるいは劇場版のナデシコが5隻並んで、過剰に……木連の無人艦隊並みに密集したガミラス艦隊へ一斉にグラビティ・ブラストを放つ様を。

 そして、その周囲をリメイク版2202に登場した、アンドロメダの40.6センチ収束圧縮型衝撃波砲と同等の高エネルギービームが、同等の発射速度で飛び抜けてゆく様を。

 

 コンゴウ型はグラビティ・ブラストを撃ったらおしまいの砲艦ではない。

 重装甲、高火力、そして超光速航行は外れるので機動力と呼ばずに運動性と限定するが、それらは高次元にバランスされ、コンゴウ型をまさに王道の戦闘艦というべきものに仕立て上げている。

 

 ムラサメ型は駆逐艦に分類されるが、打撃と付く以上、駆逐すべき対象は「敵艦」だ。だからこそ、彼女達は魚雷ではなく長射程/高威力/速射性の三拍子がそろった新型陽電子衝撃砲を自らの武器としたのだ。

 つまりその発想の根本は、第二次大戦の仇花「駆逐戦車」と同質なのだ。

 ただ違うのは、ムラサメ型自身が高い機動性を持つことと、砲口に重力レンズの応用である偏向装置を搭載することにより、固定砲にしては広い射界を持つことだろうか?

 

 

 

 貴方、もしくは貴女の想像の中で、射程外に居るバーガー達を除く何隻の船が生き残り、何人のガミラス人が無事だろうか?

 

 現実は常に非情であり無情。

 残念なことに、地球連邦軍パトロール分艦隊主催の殺戮の宴は、まだ始まったばかりだったのだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「全艦、突撃せよっ!」

 

 そして今、古代守に率いられた偽装撤退をしていた戦場のトリックスター、ユキカゼ型コルベットの群が一斉に反転、最大戦速で陣形というものをとっくに維持できなくなっていたガミラス艦隊に襲い掛かるっ!!

 

「反応弾、全弾開放っ!!」

 

 今回の戦い、激戦は想定していないが遭遇戦は常に想定している為、船体左右にマウントされる高機動モジュールに、それぞれ据え付けられた16セルVLSの1/4には熱核反応弾が搭載されていた。

 つまり1隻当たり左右合計8発、古代が率いる40隻で都合320発の反応弾が発射された計算になる。

 基本は弾速がビームなどに比べれば速度は圧倒的に劣るが、だが旗艦が一撃で消し飛び、その巻き添えに根幹戦力が消失、その余波で大混乱に陥った艦隊には、十分に効果的な攻撃となる。

 飽和攻撃と呼ぶには少々物足りないが、だが逃げ惑う敵艦の数をそれなりのペースで削っていく。

 相手が迎撃態勢をとっていればこうまで戦果はあがらなかっただろうが、今回は状況が良かったようだ。

 だが、本来なら反応弾の弾幕などユキカゼにとっては敵陣を崩す牽制に過ぎない。

 その本命は……

 

「光子魚雷、3本同時! ()ェーッ!!」

 

 そして、持ち前の驚異的な運動性を武器に凶悪極まりない光子魚雷を解き放つ!

 弾速も遅く射程も短いが、誘導でき威力は絶大……これにユキカゼ型の通常空間加速力と運動性が組み合わさった時、戦場は対消滅の爆炎に染まるっ!!

 

 

 

***

 

 

 

「全艦、最大戦速で前進せよ。ふむ。たまにはこういうのも良いだろう」

 

 ピカードは珍しい類の……肉食獣的な獰猛さが滲み出る微笑みを浮かべ、

 

「全艦に告ぐ! 砲雷戦、全力! ヴァルキリー隊は逃げようと群れからはみ出た船を狙え! 全艦、可能な限り敵を殲滅せよっ!!」

 

 

 

 眼前には、演技でも欺瞞でもなく、たたただ無様に潰走する……統制を失った艦隊ではなくガミラス艦の集合。

 勝負は既についていた。

 

「繰り返す! 可能な限り敵を殲滅せよっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ピカードさん、珍しくもノリノリですw

まあ、地球連邦にしてみれば「何度倒しても、懲りずにやってくるのがガミラス」なので、倒せるときに可能な限り沈めるという発想も別段珍しくはないっす。

それに鹵獲艦はこの時代なら十分、ストックはあるしねw
しかも未確認の新型艦が出てくることはまずない、「馴染みの船ばかり」なので、ピカードさんも遠慮がないという。

次回は、バーガー達の見せ場かな?
ここで往年の名台詞を一つ、

「(バーガー)君は、生き延びることができるか?」



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