たまには地球がチート臭くても良いのではないかと 作:ヤマトとトマトはなんか似てね?
2199では七色星団の死地から生き残り、「星船」では苦境の中で屈強に立ち、仲間をにがそうとする……リメイク版ヤマトの中でも、屈指の主人公気質の持ち主ですよねー。
そんな彼を、少しクローズアップしてみたいと。
あと、第43話の伏線回収でしょうか?w
ふと、バーガーの脳裏に地球の話を聞いた先輩の言葉が蘇る。
『俺、重力の塊にグッシャとされる死に方は嫌だなぁ……』
「先輩たちが言ってたのは、こういうことだったのかよっ!!」
西暦2196年のその日、バーガーの眼前には阿鼻叫喚の地獄が広がっていた……
既に艦隊と呼べるものは存在せず、ただデブリと化した「かつては軍艦と呼ばれていたはずの残骸」と、傷だらけの統制を失い単艦で逃げ惑うあまりに惨めな「まだ辛うじて動ける船」しか無いようだった。
防御が極めて硬いと聞いていたが、それはバーガーには判断できなかった。
なぜなら……ガミラスの船が「一方的に撃たれている」からだ。
当たる物が無ければ、当然弾くこともできない。
砲撃を行うにはまず照準という準備段階がいるが、今まさに
恐怖に駆られて出鱈目に撃つ艦もあるようだが、相対速度の速い宇宙でそんな砲撃まともに当たるはずがない。
どうしても当てたいなら、それこそ複数の船で敵予想進路に濃密な弾幕砲撃でもやるしかないが、それができるくらいならそもそもこんな体たらくに陥ってはいない。
そして、その流れ弾に当たって沈むのは、ガミラス艦ばかりなのは道理だろう。
実はこの時点でもガミラス艦が生き残る
話は単純。降伏をすればよいのだ。
降伏すれば、地球連邦の船は一切撃たなくなる。
ピカードをはじめ、地球連邦の軍人は、「文民統制の軍隊とはかくあるべし」と骨の髄まで叩き込まれて士官になる。
であるならば、誇り云々を言わずとも「心情的に」降伏し無抵抗の意を示した敵を撃つことなどできない。
だが、降伏とはその場の最先任が行うべきことだ。
だが、司令部ごと消し飛んだレゼック艦隊……のなれの果てには、誰が先任なのか把握してる者はいない。
仮にいたとしても、すぐに別の者に変わるだろう。
当然だ。連邦人に殺され続けているからだ。
端的に言えば、「白旗を掲げようとしても、旗を持ち上げようとした瞬間、砲撃で旗ごと消し飛ばされる」のが現状だった。
もっとも、これだけパニックになってしまうと、降伏なんて合理的な判断ができる者が、生き残りの中にいるとも思えない。
単に推力だけを上げて無茶苦茶に逃げるか、恐怖に負けて無茶苦茶に乱射するか……大別されるのは、そんなところだ。
***
「もうやめてくれ……もう十分だろう? アンタらが強いのはもうわかったっ!!」
フォムト・バーガーの血を吐くような叫びは、当然のように地球軍には届かない。
こうしてる間にも、「人型に化ける黒い戦闘機」が這う這うの体で離脱しようとしていた巡洋艦のブリッジを蹴り飛ばし、艦内に銃口を突っ込み銃撃、内部から破壊した。
バーガーには想像もつかない話だが、蹴り飛ばす瞬間にI-IFSのイメージ通りに足先に集中したピンポイント・バリアで威力を底上げし、またリニアガンポッドの実体弾は最新型だった。
何が最新型なのか?
口径は35㎜。軌道修正用スラスターと装甲などに衝突の瞬間硬化するエネルギー転換素材の
別にオリジナリティー溢れたアイデアではない。
石津嵐先生の小説版には、「ヤマトの主砲弾」として普通に登場し、実はとあるSF作品には拳銃弾の中に仕込まれている。
この世界線における2196年の地球の科学力をもってすれば、「あって当然」の武器であった。
10発以上が艦内に撃ち込まれたその結果は、あまりに悲惨だった。
確かに宇宙空間での核爆発は、地上での爆発に比べればそう大した威力ではない。
なので、その威力を最大限に引き上げるために生まれたのが純粋水爆の終着点の一つとも言える熱核反応弾であり、より強力な対消滅兵器である光子魚雷だ。
だが、この電磁投射式のガンポッドから放たれた弾は、基本的に装甲の内部で起爆するようにセットされている。
艦内に撃ち込めば、地上と大差ない空気も重力も可燃物もあるところで爆発するのだ。
結果どうなるか?
端的に言えば、中からの膨張圧力に耐えかねて船が裂けた。もしかしたら何かに引火/爆沈したのかもしれない。
地球人類はかつて、核戦争で滅びかけた。
無論、核兵器に思うところが全くないわけじゃない。
だが、それでもガミラスは”敵”であった。
少なくとも戦う事をやめぬ限りは倒さねばならぬ敵であったのだ。なので、持てる力全て使うのに躊躇う理由はない。
かつて1世紀の間に世界大戦が四度……生き残った者たちも、残留放射能や異常気象、それに起因する飢饉や疫病で敦盛の幸若のような「人生五十年」、あるいはそれ以下の平均寿命の時代が半世紀も続いた。
地球人類は第四次世界大戦(統合戦争)の直後に20億人以下まで減ったと”
言うまでもない。誰もまともな記録など残してないからだ。そんな余力はどこにもない時代が、確かに地球人類史にもあったのだ。
だからだろう。
地球連邦市民は、生存に関わることには素直な、あるいは正直な気質を持つようになっていた。
***
「ライル!」
その叫びの意味を、付き合いがそれなりに長いライル・ゲットーは嫌というほど理解していた。
だからこそ、
「英雄的行動は、推奨されんぞ?」
「親衛隊の戯言なんざ知ったことかっ!」
叫んだあと、バーガーは冷静さを取り戻すように少し呼吸を整え、
「ライル、今テラン人にひき肉にされてる連中の大半は、好きで戦ってる訳でも、好きでここにいるわけでもねぇんだ。死んだ腐れ貴族の”元領民だった”ってだけで促成のやっつけ教育をされて、戦場に引っ張ってこられた奴だって、大勢いるだろうさ」
「だから?」
「だからさ……」
バーガーは考えをまとめ、
「そういう”臣民”を、外敵から守るのが俺たち”プロの軍人”の本来の役割じゃねぇのか?って話だ」
ゲットーは今度こそ溜息を突き、
「お前にはこの言葉をくれてやる。『バカめ』」
するとバーガーは口の端を吊り上げ、
「それに付き合う気満々のお前もな」
そして、敵の傍受されることもお構いなしに、オープンチャンネルで叫ぶ!
「俺は軍事顧問団、団長フォムト・バーガー上級大尉だ! 俺の声を聞こえる全ての奴に告げる! 動けない奴は降伏しろっ! 動ける奴はゲシュタム・ジャンプができるようになり次第、バラン方面へ跳べ! 細かい座標なんざどうだっていいっ! とりあえずこの宙域から離脱しろ! 後先考えずに逃げろっ!! そうすればテラン人は追ってこんっ!!」
そして、一度大きく息を吸い、
「振り向かずに逃げろっ!! ケツは俺が、俺たちが持ってやるっ!!」
次回くらいで、「3年前の戦闘」は終わりかな?
とりあえず、今回のオマケ設定は何気に初登場の……
***
VF-17D”ナイトメア・ディスカバリー”
愛称:”ナイトディスコ”、”ディスコ”
デザイン:形、サイズ共にオリジナルのVF-17D準拠。
武装
・
・速射型陽電子ビーム砲×2(バトロイド時には胸部。陽電子転換炉直結)
・単装35㎜パルスレーザー×2(バトロイド時は腕部。基本、ブラックバード搭載のそれと同じ物)
・単装レーザーCIWS×2(計2丁。バトロイド時は頭部)
・内蔵6連装マイクロ・ミサイルランチャー×4(VLS方式)
・近接戦用指向性高周波微細振動フォールディングナイフ×2(腰部。原則バトロイド時のみ使用。エヴァのプログナイフみたいな物)
機関
・主機:
・副機:陽電子転換炉
・重力ビームレシーバー(母艦からの重力ビームを受け時機のエネルギーに変換)
・高機動スラスター多数
防御装備
・エネルギー転換装甲(エネルギー転換素材はフレームなどにも採用)
・ピンポイント・バリア・システム(単位相光波/指向性磁場併用式)
・ディストーション・フィールド(母艦からの重力ビーム受電時、もしくはスーパーパック装着時のみ使用可能)
その他の装備
・パッシブステルス・システム
・
・I-IFS(インタラクティブ・イメージフィードバックシステム)対応操縦システム
・ファイター(戦闘機形態)/バトロイド(人型形態)/ガウォーク(鳥類形態)の三段階変形可能(ただし強攻モードはオミット)
外部装備
・スーパーパック(宇宙空間専用装備。ただし、2196年時点では、まだ開発最終段階でオプション設定されてなかった)
・対艦熱核反応弾(最大4発を主翼下面に搭載。スーパーパックと併載可能)
・4連装高機動ミサイルランチャー(左右主翼上面に1基ずつ搭載可能。スーパーパックと併載可能)
特記
フォールド・ブースターは未対応(対応しているのはS型のみ)
備考
”ガミラスが最も恐れた戦闘機”と言われる重戦闘機。原作のコスモファルコンがパッシブステルス機ということで、同じパッシブステルスで最も完成されたヴァルキリーであるVF-17が採用となった。
先行量産型のA型、改良型のC型、そしてVF-17シリーズの決定版として登場したのが、このD型だった。
先に出てきたS型に比べ、以下のような違いがある。
・機関出力が10%ほど低い
・フォールド・ブースター未対応
・腕部パルスレーザーが30㎜×6→35㎜×2
・頭部レーザーCIWSが4丁→2丁
・アビオニクスなどの搭載機器の一部が一世代前の物
ただし、下記の点は同じである。
エンジンはスタートレックのインパルス・ドライブとマクロスのバースト熱核タービンの技術的ハイブリッドであり、また内向きの局所重力場で反応物質を封じ込める方式なのでコンパクト・ハイパワーを実現している。加えて反物質炉の一種であるが安全性の高い小型陽電子転換炉を予備動力として採用することにより高出力化を達成している。
このような高出力化があったからこそ、ガンポッドの電磁投射化や多様なビーム兵器の標準搭載、ピンポイント・バリアの標準搭載などが可能となった。
また、マクロス系だけでなくナデシコなどの他の技術体系も入っているため慣性制御系は重力制御などの技術的応用で完成度が高く、原作なら後年に登場するYF-21以上のイナーシャル・コントロールシステムを導入。また操縦系はI-IFS対応だ。
加えて原作ではないエステバリス系の技術から発展した重力ビームレシーバーは推進剤の大幅な消費量削減につながるだけでなく、受電してる限りは機体本体の稼働時間は理論上無制限で、またディストーション・フィールドという強力な重力防御フィールドを展開できる。
まさに重火力、重防御、高機動を高度にバランスさせたVF-17Dは、VF-11から前線を奪うのに相応しい高性能機だった。
またVF-17シリーズで最も量産機数が多いのもこのD型であり、戦争後半の花形可変戦闘機と言える。
語弊はあるが、旧日本陸軍機に例えるなら、VF-11が”隼”なら、VF-17は差し詰め”疾風”というところだろうか?
そのせいもあり、実は連邦市民にはS型よりD型の方が実は人気があり、
「D型の方が顔がスマートでハンサム! S型はなんか顔が厳つくて怖い……」
「ディスコって名前がしゃれてて良い」
などの意見があったとかなかったとか。連邦市民とて全員が軍事専門家ではなく、大半が素人だということがよくわかるエピソードではある。
また、D型にもフォールド・ブースターを搭載化できる改造案も存在したが、VF-19シリーズや”後継機”へのフォールド・ブースター供給が優先とされた為に、ペーパープランで終わったようだ。