たまには地球がチート臭くても良いのではないかと   作:ヤマトとトマトはなんか似てね?

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実は、原作2199の「メ号作戦(冥王星海戦)」のパロディーかもしれない回。
古代守もいるしねw




第48話:”それはある意味、伝説と呼べるような戦いかもしれない”

 

 

 

「全艦に告ぐぞっ! 沈めなくてもいい! 生き残りが逃げれるように敵の邪魔さえできりゃ、それでいい!」

 

それはある意味、”伝説的な戦い”と言えた……

「降伏を決めた奴は機関切って絶対に動くなっ! 偽装降伏とみなされたら、皆殺しにされても文句は言えんっ!!」

 

 矢継ぎ早に命令を出しながら、フォムト・バーガー率いる小水雷戦隊は真空を駆ける。

 

(テロン人、どうか俺たちの船を解析し終えて、通信傍受とかしていてくれよ……)

 

 そう敵に祈らざる得ないほど、バーガー達は追い詰められていたのだ。

 巡洋艦1隻に駆逐艦4隻、合計僅か5隻の小戦隊とも呼んではいけないような戦力だが、それでもこの天の川銀河辺境にあるこの宙域で、「唯一戦えるだけの戦力を有したガミラス軍」だった。

 

 デブリと化した味方艦の残骸を盾にして……否。かつて戦闘艦と呼ばれる物の一部だった筈のデブリとデブリの間を擦り抜けるような高速機動を繰り返すバーガー隊……

 

「止まるんじゃねぇぞ! 止まった時は死ぬ時だっ!!」

 

 どこぞの団長のような言い回しだが、状況は大幅に違う。

 止まったら即撃沈、デブリに激突しても一歩間違えれば轟沈……まさに命を懸けた「宇宙の障害物レース」はいつまで続くかわからない。

 だが、そうであっても止まることは許されない。

 味方を1隻でも多く逃がすまでは。

 

(この距離でも弾くのかよ……)

 

 正直、うんざりしてきた。

 ガミラス艦と同等の加速性や運動性を持つくせに、火力は高く、防御力は文字通り桁違いだ。

 これまでそれなりに頼りになると思っていたケルカピア級航宙高速巡洋艦の330mm陽電子ビーム砲が、感覚的にはゼロ距離のような射程で当ててるのに、小型艦にさえ水鉄砲のように容易く弾かれてしまう。

 対して、敵艦の攻撃は1発当たればデブリになった元味方艦をさらに細分化する威力を嫌というほど誇示するのだ。

 ミゴウェザー・コーティング? 何それ、新しい塗料?とでも言いたげに。

 

(本国に生きて戻れたら、絶対に防御力強化を訴えてやる! 絶対にだっ!)

 

 だが、それが叶うとはこの時のバーガーは思えなかった。

 

 

 

 

 

 

 

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「随分、良い動きをしてる船があるではないか」

 

 コンゴウ型装甲巡航艦”スターゲイザー”のブリッジ、艦隊司令官であるジャン=ジャック・ピカード大佐の感心したような言葉に、

 

「どうやら、雑兵の中に精鋭が混じっていたようですな」

 

 参謀が端的に答える。

 

(まあ、この状況であの広域通信を敵に聞こえること前提で言い放つのだから、それなりに腕も頭も度胸もあるのでしょう)

 

 そして無いのは、

 

「惜しむらくは、数が少なすぎる事でしょうか?」

 

 まあ、奇跡的に損傷軽微だが、たった5隻ではどうあがいても盤面をひっくり返すのは無理だろう。5隻すべてがセルグート級であってもだ。

 

「……どこの世界にも、貧乏くじを引かされる者はいるということかもしれんな」

 

 何かを察したように頷くピカード。そして、

 

「古代少佐に対応を」

 

 精鋭には精鋭を。まあ、当たり前の発想ではあるのだが、

 

「よろしいので?」

 

 参謀は「数の差で揉み潰さなくていいのか?」と聞いていた。

 

「我々は降伏した船を抱えているのだぞ?」

 

 その言葉の裏側にある意味を察した参謀は、

 

「……大佐も存外に甘いようで」

 

「怠惰と呼ばれん程度の仕事はするさ。私だって恩給は惜しい」

 

 ”嫁たちとの老後の為にも”という言葉を、ピカードは静かに飲み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 その命令を受諾したとき、古代守少佐は自然とその意味を悟った。

 

(犠牲を出して沈めなくてもよい。そろそろ潮時だから追っ払ってしまえ、か)

 

 もはや戦術的にも戦略的にも(このガミラスの作戦に戦略的なもの物があればだが)、地球連邦の勝利は揺るがない。

 であるならば、あの追撃を絶妙に邪魔している小部隊にお帰りいただくのも吝かではない。

 まあ、もちろん沈めてしまってもかまわないのだろうが……

 

(それを口にすると、何か致命的によろしくないことが起こる気がするんだよなぁ)

 

 人はそれをフラグと呼ぶ。

 

「艦長、どうしたんで?」

 

 ブリッジクルーの言葉に小さくかぶりを振って、

 

「何でもないさ。状態の良い、いや残弾の多い船から8隻、我に続けっ!」

 

 麾下の船の大半が良い状態だった為に、守は残弾数で討伐隊を即席に編成する。

 

 

 

***

 

 

 

 何の救いにもならないが、実はバーガー隊は彼の予想以上に連邦艦隊に邪魔に思われていた。

 貫通されないとわかっていても、ビームに撃たれれば気になるし、唐突に放たれるミサイルに当たれば船は揺れて微妙に軌道がずれる。

 せっかく入れた射撃諸元もパーだ。

 

 つまり、バーガーの思惑は十全にとは言わないが、ある程度は効果を発揮していたのだ。

 だからこそ、”ソイツ”はやってきた!

 

「フォムト! 正面から回り込まれた! 機動から見て手練れだっ!」

 

 珍しく焦った声の友人(ゲットー)に、バーガーは努力して引きつらない笑顔を作り、

 

「面白ぇ! このバーガー様にチキンレースを挑むとは、テロン人も見どころがあるじゃねぇかっ!!」

 

 引きつってはいないが、その笑顔は覚悟を決めた壮絶なものに切り替わる。

 もはや、残弾は少なく戦闘可能な時間は、分単位だろう。

 

(結局、沈められなかったなぁ……こっちの火力じゃどうにもならねえってことかよ)

 

 実はそれはバーガーの思い違いだ。

 今のガミラス艦だって、地球連邦の船をやりようによっては沈められる。

 例えば、「ガミラスキラーの三姉妹」の長女、擬人(かんむす)化すればグラマーな美人になること請け合いな重装甲/高火力を誇るコンゴウ型でさえ、「セルグート級2隻が魚雷全弾と5分間の全力射撃をすれば、回路をオーバーフローさせてディストーション・フィールドを飽和させる」事ができるのだ。

 まあ、コンゴウ型に限らず地球艦が持っている防御システムはディストーション・フィールドだけじゃないし、そもそも「5分も黙って一方的に撃たれている」というシチュエーションを想像するのが中々に難しいが。

 むしろ、近づいてきただけで「全力砲撃開始(バーニング・ラブ)デェース!!」とセルグート級の方が海の藻屑ならぬ宇宙のデブリになりそうだ。

 

 とはいえ今のバーガーがそんなことを知るわけはない。

 彼が認知してる限り、撃沈できた地球艦はない。軽微な損傷なら与えられたかもしれないが、その程度だ。

 それが、今のガミラスと地球連邦の立ち位置を象徴してるようで……それが、どうにも我慢ならなかった。

 

「行くぞっ! 最後の一当てだっ!!」

 

「……本気か?」

 

 正気を確かめるかのようなゲットーに、

 

「安心しろ。策くらいは考えてある」

 

 だがそれは、策といより一か八かの賭けのようなものであったが……この”ディープスペース・ナイン”と地球連邦に呼称される宙域で起きた小さな衝突、その()()となる最後の戦いが行われようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回で3年前の戦いを終わらせようと思ったけど、バーガーの見せ場を増やしたいがために延びたで候。

いや、流石に次回で終わらせますよ?
というか、これ以上長引かせるとバーガーが死ぬか捕虜になりそうでw

流石に地球連邦の捕虜収監惑星からの脱出は、無理ゲー過ぎなので(ガミラス人は未だに銀河のどこに地球連邦の首都惑星があるのか知らない)

イスカンダルは?
最初は、あの娘ら知らなかったんですよ?
ただユリーシャ曰く、「適当に領宙と思える場所に入ったら、必ず接触してくると思ってた♪」ということらしいw


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