たまには地球がチート臭くても良いのではないかと   作:ヤマトとトマトはなんか似てね?

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からすみ(唐墨)=ボラの卵巣の塩漬け。珍味。酒の肴。お高い

藤堂さん→キャラ崩壊
沖田さん→キャラ崩壊

今回はキャラ崩壊フラグが頑張って仕事します。
ほかに新キャラとか。


第05話:”カラスミとガミラスってなんか似てるよね? 特にカタカナで書くと”

 

 

 

「さて、どこから話したものか……」

 

 と口ひげをなぞる藤堂平九郎に、沖田十三は凄まじいまでの嫌な予感を覚えるが、

 

「沖田君、君は1年前にイスカンダルという我々が認知していなかった星から”最初の使者”が来たのは知っているね?」

 

「ええ、まあ、その程度であれば」

 

 そして、つい先日にも二人目の使者が来たという話も聞き及んでいたが、それも軍機のスタンプが押された報告書を読んだくらいだった。

 

「実はその娘、まだ少女といっていい女の子だったんだが……どうもイスカンダル星を統治する女王の下の妹らしいんだ」

 

 一瞬、思考と時間が超空間にワープするような感覚……そして、出た言葉は

 

「……は?

 

 

 

「要するにイスカンダルの立派な王族が直々に遥々地球までやってきたということだな。差し詰め”女王密使”というあたりか?」

 

「ちょ、ちょ!」

 

 藤堂は沖田の狼狽えをガン無視しながら、

 

「ちなみにイスカンダルというのは我々と戦争しているガミラス人の母星、その双子星らしくてなぁ。いうならばガミラス帝国のお隣さん、ついでに言えば今のところガミラスが唯一友好関係にある星……というか、むしろ信仰の対象っぽいぞ?」

 

「ちょっと藤堂()()! そのいきなり爆弾ぶっこむ癖、いい加減どうにかしてくださいっ!! 情報過多で脳ミソが理解を拒否してますってっ!!」

 

 すると藤堂は悪戯成功とばかりにカカッと愉快そうに笑い、

 

「驚いたか? 驚いたろ? ()も驚いた! 『わたしはユリーシャ。イスカンダルの女王の下の妹だよ? よろしくね♪』と初対面の第一声で言われたときは、思わず宇宙の真理とやらが見えそうになったぞ!」

 

 ウルトラどーでもいいオリ設定だが、「沖田と藤堂は古い友人(リメイク版公式)」に加え、この世界線ではどうやら軍大学時代からの先輩後輩の間柄らしい。

 藤堂は軍政学を専攻する文系だったが、沖田は宇宙関連の物理学で博士号を持ってるほどのバリバリの理系。

 どんな接点かと言えば同じ研究会に所属していたらしい。

 

 

 

***

 

 

 

 少し落ち着いた所で沖田はアルコールを所望。とても素面(しらふ)で聞く気分じゃなかった。

 幸いここは藤堂の私宅、本日は表向き「プライベートの案件」という名目で呼び出されたのだ。「勤務中に飲酒」の誹りを受けることもないだろう。

 私宅とはいえ地球連邦防衛軍統括司令長官の邸宅、連邦軍諜報部の紳士淑女の手により防諜は完璧。屋内外を問わず盗聴器/盗撮カメラなどの対策は言うに及ばず、壁に仕込まれた特殊素材が微弱な音波でも熱に変換するので、集音マイクで音を拾われることもない。

 

「ワインで良いかね? 程度の良いものが手に入ったんだ」

 

「純米大吟醸で。先輩の秘蔵のがありますよね?」

 

 すっかり雰囲気、あるいは口調が学生時代に戻ってしまってる沖田。

 これからロクでもない話をこのロクデナシから聞かされるのが確定してるなら、せめて酒の趣味くらい譲りたくなかった。

 

「やれやれ。覚えていたか」

 

 前の錚々たるメンツが集まった飲み会で、藤堂が2198年度の純米大吟醸グランプリで金賞をとったとかですっかり入手できなくなり、”幻の逸品”とまで呼ばれる銘柄を手に入れたと自慢していたのを、沖田は忘れてはいなかった。

 というか沖田自身が入手に失敗した一人なので尚更だ。

 

 

 

「おじ様、久しぶりですね」

 

 いよいよ話が危険領域に入る前に酒の肴(アテ)(好物のガミラス……ではなくカラスミがあったので沖田のテンションが少し上がった)を手に入ってきた藤堂の娘、早紀に機嫌のよくなった沖田は、

 

「ああ、久しぶりだね、早紀ちゃん。しばらく見ない間に一段と綺麗になったね?」

 

「もう、おじ様ったら! もう”ちゃん”なんて歳じゃないですよ? 私はもう今年で24なんですからね?」

 

「と言っても早紀ちゃんは儂の半分もまだ生きてないだろう? 儂にとってはいつまでも可愛い女の子さ」

 

 かんらかんらと上機嫌に微笑む沖田にぷくっと頬を膨らませるどこか子供っぽい仕草の早紀。

 特に深い意味はないが、どういうわけかこの沖田、2199に準じた世界線のくせに生まれは旧作に準じた2147年(誕生日はリメイクの12月8日)であり、2199年現在はまだ52歳だ。

 老けて見えるのはアルプスの山小屋が似合いそうな白髪と豊かな白髭のせいだが、実はこれ、「若造と舐められないため」わざとそうしてるのだ。

 オリジナルと違い「遊星爆弾症候群」など患っておらず、医療用ナノマシンせいもあり健康そのもの。ついでに言えば、ひげをそり髪を染めるとかなりの若作りで、30代に見間違われてもおかしくはない……のだが、それが沖田の絶対に人に言わない容姿のコンプレックスだったりする。

 

 ついでに言えば、沖田と藤堂は家族ぐるみの付き合いで、例えば早紀は幼いころにサンタクロースのコスプレで毎年プレゼントをくれた沖田にひどくなついていたし、数年前沖田が妻に先立たれた(事件性のない事故だった)時は、家族ぐるみで慰めたものだった。

 無論、沖田には一人息子がいて、現在も健在だが若くして艦長職を務めているためになかなか会う機会はないようだ。

 逆に藤堂は、

 

「あらあら早紀、いくら大好きなおじ様だからとって、あんまり困らせては駄目よ?」

 

 そう酒を運ぶ妻の千晶。そう、ガミラスとの戦争が行われていると言っても、地球は相変わらずノーダメージなので彼女も自殺することはなく、

 

「別に困らせてませんよーだ」

 

 と沖田に抱き着きながら舌を突き出す早紀。彼女は父の影響なのか軍には入ったが、後方というかバリバリの工学系研究職で地球が勤務先……つまり藤堂家は家族仲良く暮らしている。

 沖田も今は地球勤務なのであるが……早紀に話を戻せば、母親が健在のせいなのか少々子供っぽい性格をしているようだ。

 

「すみなせんね、沖田さん。いつまでも子供っぽくて。ホント、いつになったら親離れしてお嫁にいくのやら」

 

「良いじゃないですか。いつまでも可愛い娘がいるのなんて。ウチなぞ一人息子のせいなのか、可愛げも何もあったもんじゃありませんから」

 

「それに相手がいなかったら、沖田のおじ様に(めと)ってもらうからいいもーん」

 

「儂と早紀ちゃんでは歳の差がなぁ。君のお父さんと三つしか違わないんだぞ?」

 

「大丈夫! この人生百年時代、おじ様はまだまだ折り返し地点だよ♪」

 

「何が大丈夫なんだか」

 

 と苦笑する沖田。

 とまあ、非常に和やかな空気なのだが……当然、それがいつまでも続くわけはない。

 

 藤堂母子が部屋を出た後、再び藤堂家の書斎の空気が変わったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




年上好き(むしろジジ専?)で小悪魔で甘えん坊の早紀ちゃんとかどうすっか?

需要があるといいなー。

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