たまには地球がチート臭くても良いのではないかと   作:ヤマトとトマトはなんか似てね?

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そして週末恒例の深夜アップ。

戦闘のラストと、どちらかと言えば戦闘終了後がメインの話かな?と。
疲労感みたいなもんが出てればと。

それにしても、このシリーズももう50話。
低評価などで正直、続けようかどうしようか迷った時もありますが、応援してくださる皆さんのおかげでどうにかここまで来れました。

ヤマトが出航してしまうと展開が早くなってしまうので、もう折り返し地点だろうなーと。

あっ、それと今回は50話記念ということで、あとがきに「本編では出てこないだろうなー」というオリキャラを書いてみました。







第50話:”戦い終わって……そして、彼はブラウ・デア・クリーク・テロンの意味を知る”

 

 

 

「”バカめ”!と言ってやる! 誰がお前らみたいな”バケモノ”と、誰が好き好んで真正面から撃ちあおうとするかってーのっ!!」

 

「くっ!」

 

 光子魚雷は初速の遅さを突かれて予想弾幕射撃で狙い撃ちされ、ごく短時間の正面からの撃ちあいからすれ違いざまの……咄嗟戦ともいうべき反航砲戦。

 だが、ここで地球連邦戦闘艦の欠点が露呈する。

 光子魚雷に継ぐ威力があるユキカゼ型の船体中央上下に据え付けられた28サンチ連装偏向陽電子ビーム砲のかなりの門数に強制ロックがかかってしまったのだ。

 理由は、「射線上に味方艦がいたから」……いくらディストーション・フィールドという重力障壁があるとはいえ、強力な陽電子ビームで味方を撃っていいはずはない。フレンドリーファイアを未然に防ぐためのオートロック・システムが、「衝突しそうな距離を駆け抜ける敵艦」には仇となったのだ。

 いや、むしろ「敵を沈めるより味方の被害軽減を優先する」という”文民統制管理下にある地球連邦宇宙軍”(シビリアンコントロール・スペイシー)というあり方がむしろこのようなシチュエーションには決定的に向かなかったのかもしれない。

 あるいは過去にあった誤射事件を大いに反省点としてるのだろうか?

 

 もっとも、撃てた船もあるにはあったが、位置取りが悪かったり、あるいは砲塔自体の旋回速度や発射速度が間に合わなかったりで、命中精度は地球連邦軍にあるまじき散々たる有様だった。

 

(光子魚雷の高速化と、陽電子ビームの砲塔の旋回速度と発射速度の上昇は必ずレポートにあげてやるっ!)

 

 そう歯嚙みしながらも、古代守は頭の中に残った冷静な部分を総動員して解決策を練る。

 

(反応弾はすでになく、高機動対艦ミサイルは撃っても加速する前に逃げられる)

 

 ならば、

 

「全艦、敵進路に位相重粒子ビーム砲(フェイザー・バンク)とパルスレーザーで弾幕を張れっ! 手動照準制御(マニュアル)でかまわない! ありったけをくれてやれっ!」

 

 これが後に「沖田十三の後継者」と呼ばれる男の開眼の瞬間でもあった。

 軽装甲である筈のガミラス艦の「勇気を超えた無謀」には確かに驚嘆した。だが、それを黙って見逃す男でもないのだ。

 

(まだ、武器があるのに「武器がなくて戦えません」じゃ何が軍人だ!)

 

 当たらないのなら、当たるようにすれば良い。

 フェイザー・バンクやパルスレーザーにもオートロック機能はあるが、威力が光子魚雷や陽電子ビームに比べれば低いことが幸いし、非常時には(射線上にいるのが軽防御の機動兵器や民間船でなければ)艦長の簡単な認証一つで外せるようになっている。

 

 要するに地球連邦自慢の「エネルギー系防御システムが動いてなくとも、連邦軍艦の物理装甲の裏側までダメージが通らない武器」として認識されているのだ。

 確かにユキカゼ型に搭載されるフェイザー砲やパルスレーザーでは、「熱やエネルギーをコーティング全体に拡散し、排熱の為に粒子状になり剝離する」機能を持つ多層蒸散剝離(ラミネート)耐ビームコーティングや、さらにその下にあるエネルギー転換装甲を射貫くことはできないだろう。

 

 だが、ガミラス艦はそうではない。

 無論、ミゴウェザー・コーティングは、フェイザー砲やパルスレーザーに全く無力という訳ではない。

 だが、原作ヤマト2199の第1話で見せた「弾くほどの防御力」を発揮できるわけでもないのだ。

 その証拠に、また1隻が大破し脱落したようだが……

 

「クソッ!」

 

 だが、そこまでだった。

 古代戦隊の弾幕に刻まれながらも、見事に擦り抜けてみせた巡洋艦と駆逐艦は、その直後にワープを敢行。虚空の彼方へと消えた。

 こうなってしまっては、もう地球連邦の軍艦に打つ手はない。

 

(8隻vs5隻……数の優位に技術的な優位があったにも関わらず、撃沈2に大破1。対してこちらは、)

 

「中破1に小破2か……」

 

 古代守の(臨時ではあるが)司令官としての始まりは、味方の大勝利にも関わらず、彼自身にとってはホロ苦いものになってしまったようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

************************************

 

 

 

 

 

 

「ライル、生きてっか?」

 

「ああ。残念ながらな」

 

 ここは先の戦場より200光年ほどバラン側にある何もない、誰のものでもない宙域。

 そこをひどい有様になっているケルカピア級航宙高速巡洋艦1隻と、「廃艦置き場にある船だって、もう少しましな状態」でありそうなクリピテラ級航宙駆逐艦1隻が進んでいた。

 いや、こう言った方が適切か? ヨレヨレになりながらなんとか航行していた。

 その巡洋艦の方のブリッジで、フォムト・バーガーとライル・ゲットーは互いの生存を確かめ合う。

 敵戦隊を抜ける最後の瞬間、ブリッジをかすめた敵ビームでのダメージだった。

 光透過装甲の一部が砕け、危うくブリッジの外に吸い出されそうになったが、直後に緊急用の装甲シャッターが降りて互いに一命は取り留めた。

 特に強運なのはゲットーで、本当にかすり傷しか負っていない。

 対してバーガーと言えば、

 

「随分と男前が上がったじゃないか?」

 

「言ってろ。イテテっ」

 

 只今、バーガーは不思議とダメージの無いように見える艦長席で、衛生兵から頬に受けた裂傷の治療を受けていた。

 おそらく、衝撃を受けたときに飛んだ破片で切ったのだろう。

 目やら喉やら頭やら心臓やらに当たらなかった分、この男の強運も捨てたもんじゃないのだろう。可愛い婚約者もいることだし。

 

「バーガー大尉、せめて治療中は喫煙をおやめください」

 

「痛み止めだ。痛み止め」

 

 そう適当に手をひらひらさせながら返すバーガー。

 

「なあ、ライル……」

 

「ん?」

 

「万が一、億が一にもあの腐れ貴族がテロン人に勝つ可能性はあったのか?」

 

「ないな」

 

 即答する冷静沈着が売りの友人に、

 

「上層部はそれを知ってたのか? 知ってたうえで俺たちを……それじゃあ、俺達はまるで体のいい」

 

「それ以上、言うな。言えば、ガミラス帝国軍人ではいられなくなる」

 

 ”捨て駒”という単語が友人の口から出る前に遮ったゲットーは、

 

「それにそうとばかりは言い切れんぞ?」

 

「何を根拠に?」

 

「出征前の親衛隊の言い回し、今更ながら妙だとは思わんか?」

 

 

 

 

 

『諸君、この戦いに勝利する必要はない。君たちが顧問すべき相手が何者であるかを考えれば、わかることだね? それがわからぬのであれば、よろしい。遠慮なくテロン人と戦い散ってきなさい。国家にそのような愚物はいりません』

 

『まず、生き残りなさい。生きて国家に奉公なさい。君たちが戦力として使えるようになるまで、国家は時間をかけ、国民は血税を捻りだしている。諸君らの命は諸君らの物ではない。国家は英雄的な行動であっても、一戦も持たずに死ぬような兵は求めていない。国家が求めるのは、しつこくしぶとく粘り強く、国家が必要と判断する限り戦える兵なのです。そこを思い違いしてはいけない。良いですか? 生き残れれば、それだけ国家に奉公できる時間が延びるのです。そういう兵をガミラスは求めているのです』

 

 

 

「確かに、な」

 

「俺が思うにこれは選抜試験だったんじゃないか?」

 

「試験? なんの?」

 

 怪訝な顔をするバーガーに、

 

「佐官となれば、相応に預かる命の数も増える。いかなる状況でも生き残ろうとする指揮官……上は、そういうのを少佐にしたいんじゃないかとな。まあ、私見だが」

 

「なっ!?」

 

 バーガーは一瞬絶句した後……

 

「アホかぁぁぁーーーっ!! こんな生き残る方が難しい試験があってたまるかっ!! ってイッテェェェーーーッ!!_」

 

「大人しくしてろって言っとりますでしょーがぁっ!!」

 

 衛生兵の一喝が、フォムト・バーガーという男にとってこの戦いの本当の意味で〆となった。

 

 本人、戦闘の興奮が冷めやらないせいで、この時点で気づいてなかったが……この後の乗艦軍医の診察で肋骨の骨折が判明。

 バラン鎮守府での、いっそ胡散臭いまでの手厚い看護の後に本国に帰国、いやいや”凱旋”することになる。

 

 別に大げさでも、おかしな話でもない。

 地球連邦(テロン)軍と戦って、生き延びただけで立派な英雄だ。

 

 地球連邦戦域従軍生還章(ブラウ・デア・クリーク・テロン)とは、それだけの意味も価値もある”偉業”を成し遂げた物の胸に輝く勲章なのだ。

 

 

 

***

 

 

 

 では、少しだけフォローしよう。

 西暦2196~2199年の対ガミラス戦における「最後の三年間」の損害比は、地球とガミラスで1:15と”公式に”発表されている。

 だが、おかしいとは思わないだろうか?

 これだけの損害比、本当に1:15で収まるのだろうか?

 

 確かにジャン=ジャック・ピカード大佐は優秀な男だが、別にこの時点で地球連邦軍最強の司令官という訳ではない。将来的にはそうなる可能性は低くないが、現時点では「最強の候補者」どまりだ。

 高性能な連邦軍艦はこれからドンドン増えるし、優秀な指揮官、司令官、提督だってまだまだいる。

 

 答えは数字のマジックだ。

 地球連邦のガミラス艦被害集計は、撃沈艦、損傷/航行不能になったうえでの鹵獲艦や処分艦、降伏艦を含む広義な意味での「未帰還艦」だ。

 対して地球側は……「入渠が必要な損傷艦全て」、そう一時的に戦列を離れる()()()()()()()()()()()

 つまり、広義な意味での地球側損傷艦1隻が出る間に、ガミラスは15隻の未帰還艦を出してる計算になる。

 ひどい粉飾決済もあったもんである。

 

 まあ、地球連邦政府があえて「大本営発表とは真逆のベクトルを持つ実際の戦果より過小な、噓はついてないが正直でもない戦果」を掲げているのかと言えば、色々と理由はあるが……「ガミラス恐れるに足らずの判断からくる安易な楽観論を防ぐ」ためだろう。

 舐めプも遠距離出兵論も討伐論も報復論も、地球連邦には無用の長物なのだ。

 

 

 

 

 最後に一つだけ付け加えておきたい。

 バーガーは興味がないのか知らなかったようだが、”地球連邦戦域従軍生還章(ブラウ・デア・クリーク・テロン)”が制定された時の最初の受勲者は、”エルク・ドメル”という名だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




とりあえず、バーガーもゲットーも生還です。
そして、頬の傷のエピソードっと。
あと、戦闘シーンばっか続いたので、作者の息抜きも兼ねて、本編に出てこないだろうオリキャラをショートインタビューっぽく書いてみました。


***



 じゃあ、名前聞かせてくれる? 今の名前とできれば旧姓も。
 
きらら・ピカード、だよ? えっと、旧姓は美浦(みうら)きらら、です。旦那様の一番目のお嫁さんです♪」

 あっ、そういう名前だったんだ……(というか、あんまライスシャワ○感ないなぁ。容姿とかスタイルはすっげー面影あるけど)
 
「どうしたの?」

 いや、なんでも。可愛い名前だなーと。
 
「えへっ♪ ありがとう」
 
 ところで、ピカードさんとはどこで出会ったの?
 
「えっと……故郷の惑星”カンバーランド(エクリプス人(ホーシアン)発祥の星)”だよ。えっと、旦那様が探査船に乗っていたころに、カンバーランドに来たんだ。お休みの日に航海の安全を祈願に、きららのお家にお参り来たときにね、きららが一目惚れしたの♡ 十代のころだったよぉ」

 お家? お参り?
 
「えっとね、ききらの実家、神社なんだよ? スミノエ様(=住吉三神。航海の神様)とお馬さんを祀ってるの」

 えっ? カンバーランドに神社とかあるの?

「あるよー♪ あのね、お父様のご実家が神社で、お父様はカンバーランドに分社を建立するために来てたんだって。お父様のご実家は、大昔から神事で奉納流鏑馬とかやってて、絵馬とかも有名でお馬さんに縁がとても深い神社なんだって」

 そ、そうだったんだよ……そういえば、宇宙時代に入って航海の安全を祈願できるよう、あちこちの有人惑星に神社建ててるって話はきいたことあるけど、その一つか。
 
「それでねそれでね、『ここウマを祀る神社よね? ねっねっ、なら御神体、ワタシでいいじゃん! 今年のカンバーランド・ダービーのスプリント、優勝バだし! ワタシにしなさいよ! それに決定!』ってお母様が押しかけ女房になって、きららが産まれたんだよぉ♪」

 そうなのかぁ(なんか、らしい話だなぁ)。
 ところで今は?
 
「専業主婦だよ? 前にちょこっとだけレースにも出てた時期あったけど、スランプになって引退しちゃった。お金も稼げたし、もういいかなって。それに、旦那様の帰りをお家で待ってたいなって♡」

へー。

「それにね、お母様みたいにいっぱい赤ちゃん産みたいなぁって♡ あのね、きらら、妹も弟も一杯いるんだよ? お母様の夢って、出走ゲートを自分の子で埋めるくらい産みたいみたいだし」

 そ、そらなんともエクリプス人らしい夢な事で。お父さんには頑張れ、死ぬなとしか……あと、ピカードさんにもね。
 
 
 
 
ネタのネタ
(というか、あんまライスシャワ○感ないなぁ)→勘違い。実は容姿以外にもそこそこある……はず。多分。
・きららという名前→「”北海道”の誇る”お米”の銘柄」、きらら397より。元ネタになった競走馬のライスシャワーの生まれ故郷は北海道登別市。きららとピカードはどっちも光属性っぽくて良い。
・”美浦”姓→同じく元ネタの競走馬と縁が深い茨城県美浦トレセンより。的場姓とどっちにしようか迷ったが、美浦の字面の綺麗さに軍配。
・一目惚れ→おコメの品種「ひとめぼれ」。
・神社→単一のモデルはなく、いくつかの実在する神社のイメージを組み合わせた物。
・お父様→ちょっと合法ショタっぽい。実はお母さんより背が低い。気弱というより押しに弱いタイプ。こういう人をカンバーランドとかに赴任させてはいけないw 実はきららはお母さんより、むしろお父さん似という噂がある。
・お母様→特にモデルはいないということにしておくが、リアルでは母方の祖父がマルゼン○キーということは明記しておく。
・ちょこっとだけレースにも出てた時期あったけど、スランプになって引退しちゃった→死亡フラグをへし折った具体的事例。
・お母様みたいにいっぱい赤ちゃん産みたいなぁって♡→繋げられなかった命に願いを込めて祝福を。ライスシャワーの由来は「祝福された結婚」の象徴で、「子宝に恵まれるように」という願い。

総評
一目惚れして単身で地球にわたったりとお母さん譲り情熱的な部分はあるが、ホーシアンの中では比較的温厚な方。
結婚が早かったことは、お母さんは「一生をかけて好きになれる人が早く見つかってよかった」と素直に喜び、子宝に恵まれ過ぎてしまったお父さんは、未だにボリューミーな巫女服姿で甘えてくる妻と、それと張り合おうとするファザコン気味の娘たちの面倒見で寂しがる暇がなかった。
基本的には大人しく可愛い性格で、専業主婦となった今の趣味はバラの栽培。大昔は「不可能」の象徴とされ、それが転じて今は「夢が叶う」という花言葉になった青いバラが特にお気に入り。






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