たまには地球がチート臭くても良いのではないかと 作:ヤマトとトマトはなんか似てね?
とはいえ、「なんちゃって」的な理論も多々ありますのでご注意をw
なんというか……真面目な技術検証というより、「理由付け」がメインかなーと。
小説を楽しむ一つまみのスパイスにでもなれば、嬉しいっす。
「私は、悪い夢でも見ているのか……?」
2191年4月、エルク・ドメル大佐は天の川銀河の辺境で、信じられないものを見る。
「なぜ、戦闘機が”人に化ける”っ!?」
その襲撃は、唐突に始まった。
確かに800隻を数えるこの艦隊にしては、防空戦闘機……空間艦上戦闘機”DWG109 デバッケ”の数は少ない。いや、元々空母の数が少ないので当然ではあるのだが、それでも敵の戦闘機は驚異的な速度と運動性、そして無数の小型ミサイルを弾幕としてばら撒くことにより、こちらの防空網をやすやすと抜けて悠々と航空魚雷を放った。
*注釈:ガミラスでは核兵器などの高威力弾頭を積んだ高威力で、特に対艦用のそれを”魚雷”、それ以外の誘導弾をミサイルと呼びます。
地球では、光子魚雷のように「通常のVLSやランチャーのようなミサイル用機材では発射が難しい、専用の発射機材が必要な
だが、普通なら航空機による対艦攻撃は、そこで終わりのはずだった。
対艦兵器を放った後の航空機など、戦場にとどまる理由はない。それが常識のはずだった。
しかし、正体不明の敵の戦闘機は、こちらの艦に急速接近し衝突するかに思えたタイミングと距離で「人型に化ける」と、至近距離から大型の銃のような火器で至近距離から艦橋やエンジン周辺、魚雷の発射口やミサイルのハッチを狙い撃ちし始めたのだ!
「なぜ、こちらの弱点や急所を知ってるかのように狙ってくるっ!!」
”戦闘機が巨人に化け、味方を蹂躙し始める”
なるほど。確かにこれ以上の悪夢は、中々無いだろう。
***
さて、ここで留意せねばならないのは、ガミラス艦自慢の装甲表面処理”ミゴウェザー・コーティング”だ。
これを日本語に翻訳すると、”帯磁性特殊加工表面処理”。つまり、荷電粒子の収束を磁場で阻害する系統の耐ビームをメインにした装甲なのだ。
物理的な硬さは、装甲素材の物理的な硬さに依存し、コーティングと装甲素材の重ね合わせでも、恒星フレアでわずかな時間で溶解するあたり、耐熱限界もさほど高いとは言えない。
要するにビーム兵器には強くても(紫外線とか放射線にも強いかもしれないが)、熱や衝撃といった物理的なダメージにコーティングはあまり意味をなさない。
また、装甲素材も無格子欠陥金属などの無重力生成の高強度合金は使っていそうだが、それとて宇宙文明としては極端に高い技術のものではない。むしろ、標準的な物だろう。
対してVF-11B、この時代の主力ヴァルキリーの武装、特にガンポッドはどうだろうか?
実は、これが意外と優秀なのだ。
後年のヴァルキリーには普通に電磁投射式が採用されているが、この時代のVF-11Bは、そこまで余剰発電能力はなく、レールガン式よりも従来の火薬式の方が威力を出しやすかった。
だが、そこで威力を上げるため、一手間も二手間もかけるのが地球の技術陣。
発射薬には原作ヤマトの実体弾発射にも使われた液体装薬を採用、更にそれを放電によりプラズマ化させ燃焼させることで従来の火薬をはるかに超える膨張圧/速度を実現している。
要するに、”液体装薬式
実は、このガンポッドこそオリジナルのVF-11との大きな隔たりでもある。発射に関する違いもあるが、最も違うのは砲弾の口径=砲弾の大きさだ。オリジナルは30㎜の6砲身ガトリング型で、イメージ的には実在するA-10攻撃機に装備されるGAU-8と大差ない印象だ。
だが、この世界のVF-11Bに装備されるのは、一回り以上大きい40㎜5砲身ガンポッドだ。
もしかしたら、「直径が1㎝違うだけじゃん?」と思うかもしれない。
だが、30㎜砲弾の標準的な重さは350~400gで、同じく連邦軍が次世代リニアガンポッドの主力としている35㎜弾は500~600g程度だ。
しかし、40㎜弾の平均重量は1kg弱あるのだ。
つまり、30㎜弾の3倍近く、35㎜弾に比べても倍近く重い。
だが、この大きく重い機関砲弾を連邦軍は伊達や酔狂で採用したわけでは無い。
そうするだけの意味はあったのだ。
そう、このガンポッドの本来の目的は、敵艦や敵機を墜とすことではなく、本来はグラビティブラストや光子魚雷で砕かれ飛び散った大型デブリや小惑星の破片を「より細かく砕く」為に用意された武装だった。
弾殻は、比重の影響を受けない無格子欠陥合金の耐熱高強度素材で、しかもプラズマ燃焼の強力な熱と圧力に耐えるためこの時代のヴァルキリーの装甲表面にも使われていた”分極メッキ処理”がなされていた。
スタートレック、それもNX-01時代の技術だが、実はインフレーション理論の基礎となる「モノポール理論」の技術的応用で、強い誘電分極のヒステリスと磁器分極により質的変化、極端な電気化学的分極を引き起こす、割と隠れハイテクな物だ。
簡単に言えば、熱や衝撃を受けると電気的時期的変質で遮断的極小電磁フィールドを展開する……つまり単純に強度アップになる。
そして、この分極メッキ弾殻の中に封じ込められるものこそ40㎜という航空機の類に搭載するには、少々大きすぎる弾丸になった理由だ。。
40㎜弾の中身は、装薬と基本的に同じ性質の放電により「プラズマ化し燃焼する特殊炸薬」だ。
紳士淑女の皆様は、スタートレックの21世紀に作られた”スタートレック:エンタープライズ”に「プラズマ・キャノン」という武器が出てきたのはご存じだろうか?
さて、作中では「射程10㎞にも満たない豆鉄砲」と評されたが、なぜ豆鉄砲なのか考えたことはあるだろうか?
実は、これはプラズマの性質が原因で、高温高圧状態のプラズマでも「物体に触れると急速にそのエネルギーを周囲に与えてプラズマ状態ではなくなってしまう」、「真空中ではプラズマ状態にある物質が拡散してしまう」などだ。
つまり、作中では「兵器として使えるエネルギー状態が維持できるのは、10㎞飛ぶ時間の間だけ」ということになる。
だが、考えてほしい。それだけ短時間にエネルギーを放出できるのなら、「もし、標的となる物体の中で、プラズマ火球が生成出来たら、どうなるか?」を。
それが現在進行形で示されているのが、ガミラス艦隊だった。
つまり、40㎜弾は「内部からの破砕に使う意味のあるプラズマ火球を発生させる最低限の容積器」として逆算され、設計された弾丸だった。
加えて、その強みを最大限に生かせるのも、ヴァルキリーの最大の特徴……人型になれることだった。
航空機にこのような高反動の武器を搭載し、発砲しようとすれば推力が集中する機体軸線上、つまり機首の方向へ砲口を剝けるしかなくなってしまう。つまり、空力効果が使えない宇宙では、「作用反作用の法則を推力の調整で抑え込む」必要がある。
下手に旋回させて撃とうものなら、慣性質量のバランス変動と反動で、発砲中の機動がかなり面倒なことになってしまう。
だが、「全身を覆うようにスラスターを配した人型」ならどうだろうか? その推力バランスを微調整して、「反動を抑え込むだけでなく逃がすことも、逆に利用することも容易い」のだ。
古い時代で恐縮なのだが、機銃が主力と兵器だった第二次世界大戦、人間と飛行機を比べて、「体積比や重量比を考えれば」どちらがより大きく重い武器を使えただろうか?
そして、ストライクウィッチーズではないが、「もし人間が航空機と同等の大きさで、それに見合った大きさや重さの武器を持ち、同等の空中機動力を持っていたら」、戦場はどうなっていただろうか?
これが、馬鹿な課程とは言い切れないのだ。
なぜなら、地球には”I-IFS”があるからだ。
双方向イメージで操縦する場合、ファイターモードでは確かにイメージコントロールがメインだが、操縦桿やフットペダルの操縦転換比率が意外に大きいのだ。
それは「飛行機は”操縦する物”」という固定観念が人間にはあるからだ。語弊はあるが、飛行機はそもそも鳥が飛ぶ姿を見て構想されたもので、「人の姿はしていない」。
自分の姿と全く違う物を動かすのだから「操縦する」という考えになる。
だが、バトロイドモードでは?
結論は見えたと思う。
真空中だろうが無重力だろうが、最も自然に「動きをイメージできる」のは、やはり人型なのだ。
ガンポッドを撃つとき、レバーでスラスターの出力やバランスを調整する必要はない。「銃を抑え込んで射撃するイメージ」や逆に「銃の反動を逃がしながら撃つイメージ」をすれば、スラスターが配された全身がそのような姿勢をとり、勝手にイメージに合わせた推力調整やバランス調整を行うのだ。
そう、それはあたかも「自分が超能力を持って自在に空中で戦えるようになった」ように!
***
その結果は、ガミラスにとり余りにも悲惨だった。
推力を機体軸線に集中できるため加速力の優れた飛行機型で接近され、トリッキーな動きをする人型で翻弄され一撃をもらい、何らかの行動を起こす前に再び飛行機型に変形され飛び去られる……
こんな敵を想定してなかったガミラスの艦載防空システムは、そのほとんどがまともに仕事できていない。
そして、その間も敵艦からの”不可視の砲撃”は間断なく続いているのだ!
「なんたる無様か……」
ドメルは呟くように嘆いた。
だが、状況は変わらない。
何の慰めにもならないが、実はドメルは誤解している。
地球は「弱点や急所を知っているかのように」ではなく、「弱点や急所を
厳密に言えば、違いかもしれないが……実は沖田十三中将の命令一下、最初の戦いで鹵獲ではなく回収できた「スクラップしか使い道のないような敵艦の残骸」を標的に、地球連邦軍持つあらゆる兵器で試射する実験が行われたのだ。
実は学者肌の沖田らしい話だが、原始的な方法で現場でできるやり方や時間的制約故に十分な効果測定や検証ができたとは言わないが、それでも先程のガンポッドを例に挙げれば、
”どこを撃ち抜け、どこが撃ち抜けないのか? 撃ち抜くにはどれくらい接近すれば良いのか?”の大まかな所は把握できたのだ。
だからこそ、VF-11Bが銃口を向けるのは巡洋艦や駆逐艦ばかりであり、特に可能ならばブリッジを狙っていた。
地球連邦にとっては驚くべき事実だが……調査の結果、強力な宇宙艦隊を有してるにも関わらず、ガミラスの軍艦は未だにレーダーが実用化される前の時代の船、CICという概念ができる前の時代の船のように、船体から飛び出た目立つブリッジに、コントロール中枢をおいていたのだ。
これは「ヴァルキリーのガンポッドでも壊せる格好の場所」であり、狙わない理由がなかった。
ガミラスは、弱いわけでは無い。
だが、地球連邦とは余りにも相性が悪すぎた……
今回のオマケは増量でw
ナデシコ二次でもあまり活躍を見かけない地味な船ですが、そうであるが故に脚光を。
***
アマリリス型大型巡航艦
ネームシップ就役:西暦2186年
全長 315m
デザイン:劇場版ナデシコに登場した新リアトリス級戦艦をアップデートしたような感じ。
機関
・重力補助型熱核反応炉(ほぼマクロス式)
・重水素/反重水素型反物質炉(対消滅/対生成機関。スタートレック式に近い)
・真空相転移炉(ナデシコ式)
防御装備
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・エネルギー転換装甲材(膨大なエネルギーを生かした可変強度素材)
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攻撃兵装
・折り畳み式ディストーション・ブレード付収束連装
・光子魚雷発射管×8(艦首左右に6、後方に2)
・三連装
・汎用16セルVLS×6
・単装防空レーザー砲×18
非殺傷装備
・トラクタービーム
・重力ビーム送電装置
・各種ジャミングシステム
・クラッキングシステム
・各種超光速通信機材一式
・高出力投光器など
特殊航法装置
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・通常空間加速型
・戦術用
搭載機(2191現在)
・大気圏内外兼用
・空間汎用輸送機 ”SC-87 コスモシーガル”×2~4機
・汎用人型空間作業機”MHU-89 エステバリス5”×4~6機
・90式空間機動甲冑×4~8機
・小型無人多目的ドローン(ナデシコのバッタなどの子孫)
備考
ナデシコE型の随伴艦、そして新世代の連邦宇宙軍の主力となることを期待して建造された大型高性能艦。
実は、グラビティブラストと光子魚雷を除いた通常砲力では、ナデシコに勝っている。
また、ヴァルキリーの最大搭載数は2/3程度ではあるが、防御力と機動力は随伴艦として設計されただけありナデシコE型に劣っていないのも見逃せない。
そもそも、アマリリス型はコンセプトが明確であり、また当時の地球連邦軍が持ちうる科学力で実現できる「攻撃力、防御力、機動力をできる限り高次元でバランスさせた万能艦もしくは汎用艦」なのだ。
実際、ナデシコE型は強い。グラビティブラストの威力は、アマリリス型の倍以上だし、オモイカネ型超高速多目的量子演算装置の高い情報処理能力で、演算リソースを艦隊統制に全ぶりすれば、理論上は単艦で連邦軍の全保有艦艇の数倍の艦隊指揮統制が可能だ。
また、分離機能のお陰で万が一の時のサヴァイヴァビリティも高い。しかも”Yユニット”なんて規格外の追加装備を施せば、それこそ船としての性質が変わる、あるいは本当に1隻の船が成し得られることなのか怪しい事象さえも起こせるのだ。
だが、それらの装備が全ての艦、いや大型艦すべてに必要だろうか?
断じて否だ。旗艦は最低でも艦隊の命運を背負ってる以上、簡単に沈んではならない。だけど、それ以外の船は「鉾となって沈むことも、盾となって沈むことも」考慮しなくてはならない。非情な言い方だが、それが軍艦の宿命だ。
ナデシコは確かに地球連邦軍の象徴かもしれない(マクロス型は少しあり方の意味が違う)。だが、あれは数的にも性質的にも主力じゃないし、軍の健全性を保つためにも主力にしてはならない。
そういう思いがあったからこそ、軍はナデシコに随伴できる性能を持った、自分達が現時点で考えられる「普通の戦場で、普通に強い船」を建造し、量産したのだ。
重要なのは建造コストと運用コストで、建造コストはシンプルな装備にしたおかげでYユニットを含まないナデシコE型の1/3強程度、運用コストも同等とされたのだ。
そして、戦績から見ても、それは成功したといえるだろう。
「ガミラスキラー」の純粋なる戦闘特化型の船が出てくるまでの戦場にて、ガミラスに「見かけたら逃げろ」とまで言わせたのだから。
実際、開戦から主力とされた5年間での最大被害は中破であり、無数の戦場に姿を現しながら、ついに撃沈された姉妹はいなかったのだ。
ここで、少しアマリリスがらみのエピソードを開示したい。
最初はアマリリス型だけでなくナデシコも入ってしまうが、指向性重力波投射器……グラビティブラストの話だ。
ガミラスより「不可視で防御不能の重力砲撃」と恐れられ、地球軍艦の代名詞となったこの砲だが、実はこれ対艦兵器でもなんでもない。
本来の用途は、有人惑星に落下の危険性のある小惑星や大型デブリの”圧壊/破砕”用や通常空間ワープをする際に、進路上の障害物を除去するための装備なのだ。だから”重力波砲”ではなく”投射器”なのである。
だが、一番威力のある装備なのも事実であり、「未知の敵に試しに撃ってみたら、思いの外効き目があったので、兵器転用した」というのが真相のようである。
実は、地球がそう思いこんでいた背景には、防御装置であるディストーション・フィールドが先に開発され、後に実験で「ディストーション・フィールド装備した船には、グラビティブラストの効果は薄い」と判明したからだ。これが、地球連邦軍の常識だった。
アマリリス型のデザイン
実は、アマリリス型のデザインは後世につながっている。ちょっと思い出して欲しいのだが……艦首にコンパクトにまとめた大型連装固定砲を搭載するデザインは、どこかで覚えがないだろうか?
そう、後年に同じく地球連邦軍の主力艦の一角を占めた”ドレッドノート”型だ。
ドレッドノートは、鹵獲したセルグート級やガイデロール級を参考にしたという文献をよく見かけるが、確かに「純粋戦闘用大型艦」としては参考にした事に噓はないだろうが、実際に設計の根本にあったのは、無類の「安定した強さ」を誇ったアマリリス型ではないだろうか?
確かにアマリリス型はナデシコ型のようなヒロイック的な派手さはない。だが、いぶし銀の、あるいは玄人好みの「粘り強さ」を持った傑作艦であり、その資質はガトランティス相手に大立ち回りをやってのけたドレッドノート型にも無事に受け継がれたようだ。
***
実は戦闘艦ではないこの時代の地球艦?
重武装に見える地球艦ですが、本来は大規模破砕装置扱いのグラビティブラストを除くと、武装が占める容積や重量が艦の大きさに比べて小さいんですよねー。
グラビティブラストやエネルギー系防御システムを入れて、武装占有率がようやくガミラス艦とどっこいくらいだという。
なので、この時代は純粋戦闘艦というより、戦闘可能艦って設計思想なのです。