たまには地球がチート臭くても良いのではないかと   作:ヤマトとトマトはなんか似てね?

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サブタイは、初代マクロスの戦闘シーンで同じみのあの曲から。
BGMにして読んでもらえると、雰囲気が出て嬉しいなーと。

ということで、今回は地球連邦サイドからの視点、それも機動兵器部隊からの物がメイン。
何気に初登場のキャラもw



第54話:”Dog Fighter !!”

 

 

「ひよっこ共! しっかりケツについて来いよっ!」

 

『はいっ! 先輩!』

 

『マックス、言われてるわよ?』

 

『君を心配してるんじゃないのかい? ミリア』

 

 2191年のその日、ロイ・フォッカー少佐率いる”第13可変戦闘機大隊”は、テレザート沖の宇宙を存分に駆けていた。

 先陣を切るロイ・フォッカーについで目立つのは、大隊長直轄小隊、パーソナルカラーとどくろのマークのペイントを許された、スーパーパックその他のフル装備状態の”VF-11B サンダーボルト・ブラスト”を操る、まだ若い「エースの卵」達だった。

 

 フォッカーの僚機を務めるのは、最近、ウサ耳な上官と良い雰囲気の、ようやく新人と呼ばれなくなったばかりの一条輝中尉。

 早瀬さんって茶色でピンと立ったウサ耳似合いそうだよね? 休日はバニースーツでサービスサービス♪ という凄まじい上げ膳据え膳の甘やかし攻勢。ちょっと前まで初心な少年だった輝は、見てらんないほどメロメロなご様子。

 アイドル? 避難船や移民船の中じゃあるまいし、出会い自体がありません。

 

 そして、飛行小隊、いや”スカル小隊”を組む残り2機編隊(ロッテ)は……

 

『マックス、勝負よ! どっちがより多く墜とすか!』

 

『望むところだ!』

 

 この戦場を体感型シューティングゲームの会場か、デートスポットと勘違いしてる疑惑がある二人。

 眼鏡型多目的デバイスが似合う青髪の男はマクシミリアン・ジーナス少尉、惑星カールチューンから上京し士官学校で驚くべきパイロット適性を花開かせた緑髪の少女はミリア・ファリーナ少尉。

 どっちも士官学校出たてのホヤホヤ、新人の慣熟にもってこいな重要拠点でありながら、辺境にあるためのんびりしてるはずのテレザート星系に着任したのが運の尽き……いや、この二人の場合は幸運の始まりか?

 何しろ武勲と勲章が、勝手に向こうから飛んでくるようなものだ。

 

 そう言い切れるほどの……勝るとも劣らない、パイロット史に名を残すだろうこと確実な、結婚どころか本格的に交際する前の天才二人だった。

 まっ、早い話が「お互い意識はしてるけど、まだまだライバルであることを楽しんでる時期」というところだろう・

 ご先祖が巨人族とされるカールチューン人は、獣人系の中でも特に闘争本能が強いとされる牝バのエクリプス人に並び称されるほどの闘争心を持つが、色恋沙汰には意外や意外、鈍感で奥ゆかしいとされている。

 高い戦闘力を持つという特性を持つ同じ性別の人類とはいえ、「闘争本能をそのまま恋愛感情に転換するホーシアン」とは、別の進化の道をたどった別の生き物だということがよくわかる。

 最も、ホーシアンの牝バが闘争本能豊かなのは、元々は「より良き伴侶を見つけるための生存競争の結果」という学説もあるので、先祖がプロトカルチャーに生み出された生体兵器とされるカールチューン人とは、根本的に違うのかもしれないが。

 柿崎? 知らない子ですね。

 

『先輩! 敵、迎撃機を上げてきたっ!』

 

「慌てるな! 高機動ミサイルとマイクロミサイルで邪魔なお客さんは軽くあしらえっ! 俺達の本命はそこじゃねえっ!!」

 

『了解! 敵機ロックオン!』

 

「遠慮はいらん! スカル・リーダーより大隊各機へ! 敵機(ボギー)共のお出迎えだ! ミサイル、ケチるなよ? 派手にぶちかませっ!!」

 

 VF-11Bに左右の主翼のポッドに合計8発搭載されている高機動中型対機動兵器用ミサイルは、ガミラスの艦上戦闘機”DWG109 デバッケ”が機内搭載する短射程ミサイルを、射程/速度/運動性/威力で凌駕する。簡単に言えば、アウトレンジでの撃墜が容易に可能なのだ。

 それは鹵獲機から得られたデータではっきりしている。

 

『残存敵機、ミサイルを発射!』

 

「慌てるなと言ってる! マイクロミサイルをオートモードにしときゃ、当たりそうになっても勝手に迎撃する!」

 

 そう、VF-11Bには固定装備としてミサイルは搭載されていないが、人型になれば脚部と背部に装着されるスーパーパックには、合計40発ものマイクロミサイルが装填されているのだ。

 

 反応弾は敵艦を撃つため、高機動ミサイルは敵機を撃つための言わば”鉾”としての装備だ。

 ではマイクロミサイルは?

 宇宙空間でなら「吐息がかかるような」と表現されるような近距離で、接近した敵機を撃墜する役目もあるが、最も期待されているのは「対質量兵器・ミサイル」としての役割だ。この場合の質量兵器は、砲弾やミサイルなどの誘導弾を想定している。

 宇宙空間でチャフやフレアはどこまで効果的か疑問だし、そもそも敵対する存在のセンサーに通用するかも不明だ。

 ならばいっそ、「飛んでくる物体にミサイルを当てて、撃破もしくは軌道を逸らせてしまえ」という発想に行き着いた。

 

 なのでマイクロミサイルは、射程は短いが速度と運動性に長け、サイズの割には威力がある。

 加えて、I-IFS対応のVF-11Bは、搭載電子装備は見た目以上に優秀だ。

 自動迎撃能力から言うなら、現代のイージス艦すらも凌ぐ。マイクロミサイルと人型時は頭部になる旋回式レーザーCIWSを自動モードにしておけば、そうやすやすと敵のミサイルに直撃を食らうことはないだろう。

 更に接近して機銃を撃ち込もうにも、デバッケの機銃では、VF-11Bに致命傷を与えるのがひどく難しい。

 デバッケの固定装備は、オリジナル通り7.9㎜機関銃×4(機首)+13㎜機関砲×6(主翼)だが、母艦から離れディストーション・フィールドを展開できない今の状態でも、7.9ミリでは表面処理の分極メッキを多少剥ぐ程度、13㎜でもエネルギー転換装甲を貫くのは難しい。

 まさに、初代から陸戦でも使えるように作られたヴァルキリー相手では、「豆鉄砲」もいいところだった。

 

 そして、スーパーパックを装着したVF-11Bは「重い反応弾4発を主翼に吊り下げた状態」でも、いつまでも銃撃を受けるようなどん臭い戦闘機ではない。

 いや、むしろこの状態でも、「P-47NサンダーボルトとBf109Eを比べるような物」という性能差があった。

 

『こんのぉーーーっ!!』

 

 そこかしこでまさに「板野サーカス」ばりのミサイル乱射系高機動戦が展開されたが、その差はあまりに歴然。

 フォッカー率いる第13大隊だけでなく、第12大隊、第14大隊の機体不調で戻ったものを除く総勢100機以上が、被害らしい被害も出さないまま防空網を突破し、

 

「アタッーーークッ!!」

 

 一斉に反応弾が放たれたっ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

************************************

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「提督! ヴァルキリー隊が反応弾の集中攻撃により、敵陣形の穿孔に成功! 敵陣内部での戦果拡大段階に達しましたっ!!」

 

「うむ。重畳だな」

 

 そうナデシコE型の1隻”タチバナ”の提督席で満足げにうなずくのは、まだ髪の毛に黒さが残る時代の我らが提督、沖田十三中将だった。

 

 今回の戦い、テレザート本星と拠点の防備に残した100隻程度を除く、ほぼ現有戦力で全力となる総勢500隻での出撃となったが、敵の数はこちらの1.6倍の800隻にも達する。

 

 性能差を考慮するとしても、本来ならあまり相手にしたくない数だろうが……だが、沖田の瞳には消えることのない闘志が炎のように宿っていた。

 

「全艦に通達。砲撃を継続したまま陣形を半包囲に移行。悟られぬよう、徐々に包囲を狭めるように」

 

 

 彼は一体、どのような戦いをするのだろうか?

 そして、その時ガミラス艦隊とドメルの運命は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




さて、今回のオマケはこのエピソードの主役機です。



***



”VF-11B サンダーボルト・ブラスト”

デザイン:形、サイズ共にオリジナルのVF-11B準拠。

武装
・40mm5砲身液体装薬式サーマル・ガンポッド×1(プラズマ化燃焼薬室式。プラズマ化徹甲榴弾を使用)
・単装レーザーCIWS×1(バトロイド時は頭部)
・近接戦用指向性高周波微細振動リトラクタブル・バヨネット×1(ガンポッドに付属。基本バトロイド時のみ使用。エヴァのプログナイフみたいな物)

機関
・主機:第二世代熱核反応(インパルス)タービン×2
・副機:重力補助型熱核反応炉
・重力ビームレシーバー(母艦からの重力ビームを受け時機のエネルギーに変換)
・高機動スラスター多数

防御装備
多層蒸散剝離(ラミネート)耐ビームコーティング・シールド×1
・エネルギー転換装甲(エネルギー転換素材はフレームなどにも一部採用)
・分極メッキ機体表面処理
・ディストーション・フィールド(母艦からの重力ビーム受電時のみ)

その他の装備
・自衛用ジャミング電子作戦機材
・脱出装置兼用ユニット・コックピットブロックシステム
慣性中和・制御装置(イナーシャル・コントローラー)(慣性キャパシタと重力制御技術の応用)
・I-IFS対応操縦システム
・ファイター(戦闘機形態)/バトロイド(人型形態)/ガウォーク(鳥類形態)の三段階変形可能(ただし強攻モードはオミット)

外部装備
・スーパーパック(大気圏内外兼用装備)
背部ユニット:外装式インパルス・ドライブユニット(二基一対。12連装マイクロ・ミサイルランチャーを左右それぞれと推進剤を内臓。オリジナルより大型化。ファイター時は機体上面)
脚部ユニット:ターレット式高機動スラスター付プロペラントタンク(二基一対。左右それぞれ8連装マイクロミサイルランチャー内蔵)
・対艦熱核反応弾(最大4発を主翼下面に搭載。スーパーパックと併載可能)
・4連装高機動中型ミサイルポッド(左右主翼上面に1基ずつ搭載可能。スーパーパックと併載可能)
・推進剤ドロップタンク
・セミコンフォーマル式推進剤タンク

特殊機材
APS-11 フルアーマード・パック(ただし2191年には開発途中)

備考
 2191年当時の地球連邦の最新鋭可変戦闘機にして主力機。
 実はオリジナルよりかなり高性能で、わかりやすく言えば、「ガンダム種死のVPS装甲装備核動力MS以上の強度」、「原作YF-21以上のイメージコントロール操縦システムと慣性制御系」、「プラズマ化弾を発射できる大口径ガンポッド」、「重力ビームを受電できるならディストーション・フィールドを展開可能」、「スーパーパックは化学ロケットではなく、小型インパルス・ドライブ内蔵」等々。
 因みに2191年のドメル戦では、スーパーパック+上記のミサイルと推進剤ガン積みのフル装備で出陣w
 
 ただ、武装から見て分かるように実はまだ「敵の高機動小型兵器や逆に対艦戦に特化した機体」ではなく、「戦闘もこなせるデブリや小惑星の破片駆除機」という側面が色濃く残っている。
 実は特徴である分極メッキも「性質変化で敵の攻撃によるダメージを軽減させる」のではなく、「作業で飛んだ破片で機体が傷つかないようにする処理で、宇宙線にも劣化耐性が高い便利なツインメリット・コーティング的な物」というのが本来。
 
 操縦性は元が細かい作業やら何やらを想定されていたために、性能の割には素直で扱いやすいと評判だった。また、パイロットへの不可も小さく、万が一の時はコックピットブロックごと脱出装置になる安心設計も評判良かった。
 
 後のC型(サンダーボルト・コンバット)では、ペットネームの通りにより戦闘向きの強化型として登場するが、扱いやすいB型はその時代でも人気が高かったらしい。
 確かに後年に出てくる可変戦闘機に比べれば、特色は少なく地味で凡庸に見えるが、その性能はガミラスの同時代の機体に比べて圧倒しており、また多くのエースがVF-11B/Cで育ったことを忘れてはならない。
 単一シリーズで40000機以上生産されたのは伊達ではなく、「可変戦闘機のVF-1以来の礎」となった歴史的意義は大きい。
 
 また、その「扱いやすい高性能」が受けて、後年になるが競技機としても人気が高まったということも書いておくべきだろう。
 あるパイロットは語る。
 
 「確かに性能が良いのはVF-17さ。速いし強い。だが、乗ってて楽しいのは断然、VF-11だぜ! VF-11は動きがスムーズで滑らかなんだ。VF-17がガチガチに固めた鎧武者だとすりゃ、VF-11は武道家であり”ダンサー”。それぐらいの違いはあるぜ?」
 
 
 

小ネタw
作中の比喩に出てきたP-47Nは、”サンダーボルト”のペットネームつながりで、Bf109Eは”デバッケ”の元ネタから。
うん。挑んではいけない戦いだw




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